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June 30, 26
スライド概要
ICT⾏動変容研究ユニット・オープン研究会 ICT⾏動変容 研究ユニットについて 荒川 豊 九州⼤学⼤学院システム情報科学研究院・教授
ICT技術の進展 2 センサとAIで⼈の⾏動を認識し、おもてなし l 家庭:⾒守り、家電連携で快適サービス l 学校:学習分析、ミーティング解析 ⾏動はほぼ 予測可能 l 病院:介護⽀援 l 企業:メンタルヘルス予測、労働状況計測 l 都市:観光動態分析 7:00 9:00 13:00 18:00 20:00 23:00
さて 3 ⼈と情報技術の関係は? l 情報技術に動かされている l 情報技術を使っている どっち?
実際問題、相当な場⾯で、ネットを調べて⾏動決定 “情報”に基づいて⾏動決定するのが当たり前に l 乗り換え l ⾃動運転 l AIセラピー(⼈⽣相談) l AI就職、AI⾯接 l AIマッチング(結婚) l AI医療診断 l 料理レシピ 4
ナッジ・⼼理的バイアスとは何か? 5 ⼈間は必ずしも、合理的な意思決定をできない l 意思決定の⼆重過程理論 l ⼈は、2つの思考モードを組み合わせて、意思決定をしている l システム1 l 直感的、瞬間的で速い、深く考えない 即決 熟慮 l 多くの⽣活はこれによって成り⽴っている l システム2 l 熟慮的で、論理的な、理性に基づいた判断 l 疲れると動作しにくい l 認知の歪み・認知バイアス l システム1の⽋陥:経験や先⼊観によって、都合よく解釈してしまう l 例:⼀般化(1つ良くないことがあると、いつもだと考える) l 限定合理性 l システム2の⽋陥:システム1のそれらしい仮説を信じる l 特に、過負荷だと予想外の注意を要することには気づかない
どこで使われている? 6 ⾏動経済学として世の中に広く普及 l ナッジ(Nudge) l 2017年ノーベル経済学賞受賞 l 肘打ち、という意味 l 認知バイアスを活⽤し、代替選択肢を⽰す l 意識させない世界 10000円 アンカリング 希少性バイアス バンドワゴン効果 15000円 10000円 先着限り・限定10⾜ 10万⾜達成! 10000円 10000円 狙いたい l 仕掛学(阪⼤・松村先⽣) l 意識させる世界 l つい、したいと思わせる 並べたい 投票したい
レストランやホテルの決定の例 7 ⾃分で意思決定したのか?推薦に誘導されたのか? バンドワゴン効果 同調バイアス 損失回避バイアス アンカリング 希少性バイアス アンカリング 過去履歴から、きっとこういうホテルを選びそうとまでわかってそう
⾃分で意思決定しているつもりでも 8 AIに絞り込まれた情報の中から選んでいるだけ? 俺は情強! 結構、線引きは難しい AI
ポジティブに捉えると 情報技術は、⾏動変容⽂脈で最強のツール l スマートフォンやスマートウォッチ l 常時持ち歩く l アプリで容易に配布 l 計測の観点 l ⾏動計測(⽇々の運動量や睡眠など)が容易 l 介⼊の観点 l メール、SNS等による告知が可能 l リマインダー送信(プッシュ通知)可能 l 追加情報へのリンクも可能 l ゲーム性も追加可能 プログラム医療機器(SaMD)も活況 9
Software as a Medical Device (SaMD) 10 プログラム医療機器 l 医療機器としての⽬的性を有しており,かつ,意図したとおりに 機能しない場合に患者(⼜は使⽤者)の⽣命及び健康に影響を与 えるおそれがあるプログラム 新医療機器 改良(臨床あり) 改良(臨床なし) 後発(基準なし) 50 40 30 20 10 ⾝につける薬 (電⼦機器・アプリ) 医療AI(プログラム) による診断 0 H27 H28 H29 「医療機器にかかるPMDAの取組」を元に作成 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/medical_equipment_healthcare/pdf/004_02_02.pdf H30 R1 R2 R3
治療を⾏うアプリ 11 DTx(デジタルセラピューティクス)も増加 禁煙 ⾼⾎圧 不眠症 l 海外の⽅が盛ん アプリ名 開発会社 対象疾病 BlueStar WellDoc (アメリカ) 2型糖尿病 EndeavorRx Moovcare Deprexis Akili Interactive Labs(アメリカ) SIVAN Innovation (イスラエル) GAIA AG (ドイツ) 備考 世界初のDTxアプリとして、2010年にFDA(アメリカ⾷品医薬品 局)から承認を受け、2013年から⼤⼿⺠間保険会社で保険適⽤。⽇本 でもアステラス製薬が2022年度中に臨床試験の計画中。 ADHD 2020年6⽉にFDAから承認。⽇本では塩野義製薬が臨床試験中。 肺がん フランス初の保険償還対象アプリ。肺がんの治療ではなく、再発と 合併症の早期発⾒が⽬的。 うつ病 2021年ドイツで保険償還適⽤のアプリと認定。
仕掛学的な観点で、情報がうまく⾏動を変えている例 12 位置ゲーム(ポケモン・ドラクエ・ピクミン) たまご= 仕掛学 l Fairness(公平性):特に不利益はない l Attractiveness(誘引性):ゲームはついしたくなる l Double of Purposes(⽬的の⼆重性):提供者と利⽤者の⽬的 が異なる訳では無いが、副次的な効果を⽣んでいる。 街興し ただ楽しい 健康に 医療費 削減 GPS 歩数計測 AR ゲーム 副次的な効果 知識増
九州⼤学・ICT⾏動変容研究ユニット 情報技術を活⽤した⾏動変容デザインに関する トランスディシプリナリー研究拠点 科学的根拠に基づく⾏動変容の実現と、⾏動変容によるウェルビーイングな世界を⽬指す 13
伊都キャンパス 14 実証実験キャンパス l 九州⼤学のポテンシャル l 学⽣数:18585⼈ l 学部⽣:11699⼈ l 留学⽣:2270⼈(91カ国) l 教員数:2110⼈ l キャンパス:272ha(⽇本最⼤) l これまでにも種々の社会実証 l ⾃動運転 l 電動キックバイク l AIバス(AIMO) ⽷島のポテンシャル • ⼈⼝:102,511⼈(令和3年) • 「世界で最も魅⼒的な⼩都市」世界3位 • 「全国戻りたい街ランキング」全国7位
ユニットのメンバー さまざまな分野の研究者が参画 l 情報系 l 荒川 豊 l 福嶋 政期 l 中村 優吾 l 峯 恒憲 l 島⽥ 敬⼠ ⾏動計測、ユニット⻑ ディスプレイ、情報提⽰、副ユニット⻑ ナッジ、アートと情報 情報推薦、ITS Learning Analytics、パターン認識 l その他 l ⾼取 千佳(芸⼯) 都市計画、ランドスケープ l ⽜尼 剛聡 (芸⼯) コンテンツ環境デザイン、ウェブ情報学 l 岸本 裕歩(基幹) ⾝体活動疫学、⾼齢期の健康づくり活動 l 池⽥ 浩 (⼈環) 社会⼼理学、産業・組織⼼理学、リーダーシップ l 藤井 秀道(経済) ⽇本経済論、環境経済学・経営論、産業エコロジー l 中島 直樹(医) 糖尿病、PHR、SaMD l ⽔⾕ 慎介(⻭) ⾼齢者⻭科学、予防⻭科学 l 錢 昆(Q-AOS ) ⼼理学(認知・実験・⽂化) l Kumar Bhatta (Q-AOS )観光学・農業経済 15
ICT⾏動変容研究ユニットで実現したいこと 情報技術を活⽤した⾏動変容⽀援を様々な分野へ 研究者同⼠のコラボ 社会とのコラボ l 医学や⼼理学、都市⼯学など さまざまな分野の研究者によ る学際的な研究 l 企業や⾃治体からのリアルな 課題への対応 l 社会での実証 研究基盤の構築 l 九⼤⽣モニタシステム l ガイドラインの策定 学際的な研究を推進 16
これまでの取り組み ⾊々な領域でコラボレーション、スタート l 情報 × 健康(岸本先⽣) l 健康診断予約率・受診率が低い理由の計測 l 健康診断受診率を改善するための⼼理的ナッジ l 情報 × 都市(⾼取先⽣、ISIT⾼野さん) l ⼈の回遊を⽣む都市デザイン(COI) l 交通弱者の⽀援(RISTEX採択) l 情報 × ⼼理(池⽥先⽣) l ミーティングにおける⼼理的安全性(三菱重⼯業) l サステイナブル⾏動の⽀援(NTTドコモ) l 向社会⾏動の促進(KDDI) 17
まとめ ICT⾏動変容研究ユニットをよろしくお願いします https://www.ict-bc.ait.kyushu-u.ac.jp/ 18