「Helix Core」導入事例紹介 『小~中規模事例 "Unreal Engine 4 × Helix Core ヒストリア運用レギュレーション紹介"』

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November 16, 19

スライド概要

2019年11月6日に行われた「Perforce on Tour 2019 TOKYO」にて発表させていただいたHelix Core(Perforce)の事例講演です。
ヒストリア内のHelix Coreの使い方、および社内レギュレーションを元にした運用事例のご紹介です。

社内運用ドキュメントのDLはこちら。
http://historia.co.jp/distribution/docs/historia_Perforce_Regulation.zip

イベント詳細
https://www.toyo.co.jp/ss/seminar/detail/p4ontour2019

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株式会社ヒストリアは、Unreal Engine専門のソフトウェア開発会社です。ゲーム事業とエンタープライズ事業、2 つの軸でソフトウェアの企画、開発を行っています。また、Unreal Engine の学習を目的とした作品制作コンテスト『UE5ぷちコン』や、『出張ヒストリア! ゲーム開発勉強会』を主催、技術ブログを毎週更新など、Unreal Engine コミュニティを盛り上げる活動も行っております。

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各ページのテキスト
1.

小~中規模事例 Unreal Engine 4 × Helix Core ヒストリア運用レギュレーション紹介 2019/11/06 historia Inc.

2.

Helix Core 導入事例 • Unreal Engine 4 環境の紹介と Unreal Engine 4 環境ならではの悩みどころ • Helix Core 自体の設定ではなく、 プロジェクトでの運用に焦点を当てた講演 historia Inc.

3.

おしながき ヒストリアの開発体制 UE4 と Helix Core ヒストリア運用レギュレーション historia Inc.

4.

略称 • Unreal Engine 4 → UE4 • Helix Core → HC historia Inc.

5.

ヒストリアの開発体制 historia Inc.

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開発体制 • 社内スタッフ 45人(外部常駐スタッフ含む) • グラフィックは外部企業との協業が多い • インフラエンジニアは専任では置いていない historia Inc.

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案件特性 • 案件はすべて Unreal Engine を使用 • プロジェクト数が多い(現在も10ライン以上) • 小規模:1人~ / 数週間~ • 中規模:~40人(外部含む) / ~2年 historia Inc.

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インフラ環境 Partner Win10 Project Team Backup Access Project Team Server Room Win10 Win10 Linux Project A Project B : Project G Project H : Project X Project Y : Access Win10 Win10 Project Team Access 社内 historia Inc. Win10 Auto Build Win10 NAS

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Helix Core サーバー環境 • サーバーは3つ運用 • プロジェクトごとにサーバーは立てない – 小規模プロジェクトのスピード感に対応 – 個別に立てたらバックアップ環境の設定が大変 – 各プロジェクトのエンジニアがDepotの直下にプロジェクト名 でディレクトリを作成 – ディスクがいっぱいになりそうになったら次のサーバーを立て るという雑な運用 historia Inc.

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管理者環境 • 専任が居ないので極力コストを低く運用 • 基本はP4Adminを使用 – たまにしか触らないので、使い慣れたWindowsのGUIがいい – P4Adminで出来ないことは、コマンドラインで対応 • アカウントの発行とHDD容量チェックが主な仕事 historia Inc.

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外部からのアクセス • 社内メンバーのリモートワークはVPN • 外部協力会社は P4Admin でIP制限 – アカウントライセンスは貸出 historia Inc.

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UE4 と HELIX CORE historia Inc.

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UE4 と Helix Core • 開発元の Epic Games が Helix Core を採用している • UE4 Editor に公式プラグインが標準で付いている • 最初の環境セットアップは公式ドキュメントに従えばOK historia Inc.

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historia Inc.

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historia Inc.

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historia Inc.

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UE4 Editor historia Inc.

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UE4 Editor – コンテントブラウザ historia Inc.

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公式プラグイン • 変更しようとしたアセットをチェックアウト • エディター上からサブミット • ファイル履歴が見られる • Blueprint(以下、BP)の差分閲覧とマージが可能 historia Inc.

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BPとは? historia Inc.

21.

BPのDiff historia Inc.

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C++とBPの使い分け C++ 割合 Blueprint 小規模 大規模 プロジェクトの性質により例外は多いが、大まかにはこのような認識 historia Inc.

23.

Point プログラマーがC++(Text)とBP(Binary)を同時に扱う historia Inc.

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UE4のゲーム開発で扱うデータの種類 外部ツールで 扱うデータ C++ ini BP Photo shop Illustra tor Texture UMG Maya Sub stance Static Mesh Skeletal Mesh Motion Seque ncer Movie Wave Movie Audio Data Level Data Data Table historia Inc. Excel

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バイナリデータだらけ! historia Inc.

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UE4 × Helix Core の難しさ • プログラマーがバイナリでも機能を実装する • UE4で実装するもののほとんどがバイナリデータ • 巨大サイズの中間データ historia Inc.

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ヒストリアの運用方針 historia Inc.

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運用方針のレギュレーション • プロジェクト数が多いため、統一方針を決めた – メンバーのPJスイッチコストを下げる – どのファイルを HC で管理するべきか決める • 以下の3篇に分かれる – P4V / UE4Perforceプラグイン の運用 – HC のディレクトリ構造 – ネットワークドライブ(NAS)のディレクトリ構造 historia Inc.

29.

↓こちらから社内レギュレーションのドキュメントがDLできます。 http://historia.co.jp/distribution/docs/historia_Perforce_Regulation.zip historia Inc.

30.

ブランチ・Streamの方針 • ほとんどのデータがマージ不可 • Streamは使用していない • ブランチは”体験版”などのときのみ – 極力ブランチを切るタイミングは遅らせる – 本流へのインテグレーションは基本的に想定しない – 同じバグを直すときはそれぞれに実装する historia Inc.

31.

UE4公式プラグインの方針 • プラグインを使用している – チェックアウトにはプラグインを使用 – ファイル追加 – BPの差分を見る • プラグインを使用していない – BPのマージ – サブミットはP4Vを使用 – RevertはP4Vを使用 historia Inc.

32.

ロックの方針 • チェックアウトしてもロックはかけない • 複数人のチェックアウトは許可 • 誰がチェックアウトしているかわかるので、声を掛け合 い対処 – Perforceプラグインを使用すると、コンテントブラウザからマ ウスオーバーで誰がチェックアウトしているかわかる – ロックせずにこれが分かる点がHCを導入している理由の一つ historia Inc.

33.

サブミットコメント • コメントの先頭に以下のタグを付ける タグ 内容 ADD 新規ファイルの追加 UPDATE 機能実装・機能修正 DELETE ファイルの削除 BUGFIX バグ修正 REFACTORING リファクタリング そのサブミットが複数にまたがるときは、一番主となるものを記入 historia Inc.

34.

Shelveの推奨 • リポジトリにアップせずに 他人にファイルを渡す機能 Server リポジトリ • Changelistごとに渡せる 一時 ファイル • 機能とアセットをセットの実装や デバッグ機能の受け渡しに便利 • 個人的には、ファイルの バックアップに使うことも historia Inc. Aさん Bさん

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HC ディレクトリレギュレーション historia Inc.

36.

HC ディレクトリレギュレーション depot └─<ProjectCode> ├─Docs ←ドキュメント類 │ ├─Management ←マネージメント関連。進捗管理のリスト系などもこの場所に置く。 │ ├─Schedule ←スケジュール関連 │ └─Tech ←クラス図などテクニカルなドキュメント ├─Resources ←インポート元のアセットデータや、グラフィックの元データ。容量が大きい場合はNASを使用する。 │ ├─DataTables ←Excel等のパラメータ系の元データ置場。 │ ├─Characters │ ├─Effects │ ├─Environments │ ├─Sound │ └─UI ├─Tools ←ツール類。ミドルウェアのプロジェクトや、自作ツール。 │ └─Wwise ←Wwise導入時のみ。Wwiseプロジェクトなどを置く場合は、このディレクトリ。 ├─UE4 ←実行環境のルートフォルダ。このディレクトリ以下のみ取得すれば、ビルドが動作するようにする。 │ ├─GenerateProjectFiles.bat │ ├─<ProjectCode> │ │ ├─Binaries │ │ ├─Config │ │ ├─Content │ │ │ └─<ProjectCode> ←このディレクトリ以下はプロジェクトごとのレギュレーションに従う。 │ │ │ ├─Maps │ │ │ ├─Movies ←パッケージに含むムービー。uassetではないが、パッケージ時に必要なのでここに入れる。 │ │ │ ├─XXXX │ │ │ : │ │ │ └─XXXX │ │ ├─Plugins │ │ ├─ThirdParty │ │ └─Source │ │ └─<ProjectCode> │ │ ├─XXXX │ │ : │ │ └─XXXX │ ├─BatchFiles ←特殊なパラメーターでUE4.exeを起動するなどのバッチファイル。コンバートバッチファイルはここには置かない。 │ └─Engine │ ├─XXXX │ : │ └─XXXX └─UE4_XXX ←バージョン違いやブランチなどはこのように追加する。 ├─XXXX : └─XXXX historia Inc.

37.

HC ディレクトリレギュレーション depot └─<ProjectCode> ├─Docs ←ドキュメント類 ├─Resources ←インポート元のアセットや、グラフィックの元データ。容量が大きい場合はNASを使用する。 ├─Tools ←ツール類。ミドルウェアのプロジェクトや、自作ツール。 ├─UE4 ←実行環境のルートフォルダ。このディレクトリ以下のみ取得すれば、ビルドが動作するようにする。 │ ├─GenerateProjectFiles.bat │ ├─<ProjectCode> │ │ ├─Binaries │ │ ├─Config │ │ ├─Content │ │ ├─Plugins │ │ ├─ThirdParty │ │ └─Source │ │ └─<ProjectCode> │ ├─BatchFiles ←特殊なパラメーターでUE4.exeを起動するなどのバッチファイル。 │ └─Engine └─UE4_XXX ←バージョン違いやブランチなどはこのように追加する。 historia Inc.

38.

HC ディレクトリレギュレーション • UE4以下のみ取得すれば最新のエディター環境が手に入 り、パッケージも行えるようにする。 • 以下のものはHCには置かずに、NASに置く – 容量が膨大なもの • 動画の元素材、Substance Painterのファイルなど – パッケージデータ – PJメンバー同士の個人的な受け渡しファイル historia Inc.

39.

NAS ディレクトリレギュレーション historia Inc.

40.

NAS ディレクトリレギュレーション Projects └─<ProjectCode> ├─Build │ ├─Milestone │ └─Daily ├─Docs ←ドキュメント類。NASは履歴が残らない&バックアップが脆弱なため、基本的にConfluence/P4を使用。 ├─From │ └─From_XXXX ←外部から受け取ったものを日付を付けてフォルダー分けし、入れる。 │ └─<8桁の日付>_<受け取った内容> ←例「20190101_SDKドキュメント」 ├─To │ └─To_XXXX ←外部へ送ったものを日付を付けフォルダー分けし、入れる。 │ └─<8桁の日付>_<送った内容> ├─Records ←講演用や記録用に、過去の動画やスクリーンショットを残しておく場所。 │ └─<8桁の日付>_<記録の内容> ←例「20190101_プロト版動画」「20190215_初出用スクリーンショット」 ├─References ←参考資料の置場。実データとして使うものは、ここではなくResourcesに置く。 ├─Resources ←インポート元のアセットやグラフィックの元データ。基本はP4を使用するが、容量が大きい場合はここ。 │ ├─Characters │ ├─Environments │ ├─Movies │ ├─ ・・・ │ ├─ ・・・ │ └─ ・・・ ├─Tools └─QA historia Inc.

41.

ご清聴ありがとうございました! historia Inc.