人材と情報の流通経路の充実度と技術技能の学習を促す環境の充実度が相互に与える影響について

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June 22, 23

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2023/06/22(木) 開催のサイボウズ社内イベント「PX 決起集会」で発表した資料

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各ページのテキスト
1.

⼈材と情報の流通経路の充実度と 技術技能の学習を促す環境の充実度が 相互に与える影響について サイボウズ株式会社 開発本部 People Experience チーム ⻄原 翔太(@tomio2480) [PX 決起集会] 6/22(⽊)

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(前提)PX チームについての理解レベル ▌⻄原の PX チームについての理解については,ゴールを考える会 #6 を 終えてのスライドにまとめているとおりです.その後ほぼ変化ありません. ▌❄⻄原発覚中【個⼈スペース】❄-People Experience チームやりとり (社内環境にあるのでサイボウズの⼈は声かけてくれたら教えます)

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話題 ▌1. サイボウズをはじめとする業界内企業の課題 ▌2. ⻄原の考える構想と活動の階層構造と実践の紹介 ▌3. 専⾨的に取り組むにあたり必要な知⾒と環境 ▌4. 社内の動きとして⾃分に⾜りないと感じている要素 ▌5. チームメンバーが活⽤可能と思われる⻄原の知⾒と実践

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1. サイボウズをはじめとする業界内企業の課題 ▌エンジニアになろうとする⼈の⽣産基盤を⽀える負荷の偏り ▌エンジニアを⽬指す⼈になるにあたり必要なことがどこで提供されるか ▌エンジニアリングの細分化をどれだけ伝えられているのか ▌学校や本⼈に任せっきりでエンジニアを刈り取るだけの⽴場でいいのか

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1.1. エンジニアになろうとする⼈の⽣産基盤を⽀える負荷の偏り ▌独学,学校,国プロ,⺠間企業の育成プロジェクト…… n 教育,育成を⾏う機関やプロジェクトの数はそう多くない n ⾯倒を⾒られる⼈数は限られ,その⼈数を増やすと質も落ちやすい ▌独学を⽀える好奇⼼と向上⼼,環境を充実させられないか︖ n 好奇⼼や向上⼼を刺激するコンテンツと環境の充実が重要 → ⾃⾛する⼩さな集団のたくさんある環境が独学を⽀える基盤になる

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1.2. エンジニアを⽬指す⼈になるにあたり必要なことがどこで提供されるか ▌学校,国プロ,⺠間企業の育成プロジェクトは当然コンテンツも多い n 公開コンテンツも増えてきているのでそこで賄えたりもする n ⼀⽅で,独⾃性が⾼いなど,実業務とは違う部分も多い ▌独学勢は何をもとに勉強するのか n 書籍,論⽂,Webコンテンツなど,⾃ら⾒つけるしかない → 公開コンテンツに溢れていても出会えるかどうかはかなり運

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1.3. エンジニアリングの細分化をどれだけ伝えられているのか ▌プログラミングで⾔えば,⽂法だけで終わってしまう学校も結構ある n 設計や運⽤まで⼿が回らない,時間が⾜りないところは多い ▌ハッカソンイベントでは運⽤まで体験しないで終わる者も多い n そもそも動かないけどこういうこと,と発表で乗り切ってしまう例も ▌同じ中⾝でも会社ごと,事業ごとに呼び名が異なることもある → 中の⼈同⼠ですら認識の合わない可能性があるものは難しすぎる

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1.4. 学校や本⼈に任せっきりでエンジニアを刈り取るだけの⽴場でいいのか ▌そもそも独学で学べることすら難しいのに,企業理解までさせられる n 働きたいならそれくらいしろということもできる n が,他業界と戦うことを忘れてはいけない n 丁寧で誠実な情報提供を⾏う業界に恩と安⼼を感じる者も多い ▌本⼈含め誰かが成⻑や環境の負担をしてくれてエンジニアが存在する → それなりの規模の会社が育成を意識しないと⼩さな会社も共倒れ

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1. サイボウズをはじめとする業界内企業の課題 – まとめ ▌⾃⾛する⼩さな集団のたくさんある環境が独学を⽀える基盤になる ▌公開コンテンツに溢れていても出会えるかどうかはかなり運 ▌中の⼈同⼠ですら認識の合わない可能性があるものは難しすぎる ▌それなりの規模の会社が育成を意識しないと⼩さな会社も共倒れ 参考資料 1.1. : ITコミュニティと情報発信に共通する成⻑と貢献の要素(2023年版) | ドクセル https://www.docswell.com/s/tomio2480/KP9MPX-cybozu-it-community-2023 参考資料 1.2. :課外活動と地⽅ITコミュニティをつなげることの効果 | ドクセル https://www.docswell.com/s/tomio2480/Z388X2-sakuracybozu20201103

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2. ⻄原の考える構想と活動の階層構造と実践の紹介 ▌基本構想 ▌基本計画 ▌実施計画 ▌個別計画,企画 – ここはスライドでは割愛 (社内環境に完全版があるのでサイボウズの⼈は声かけてくれたら教え ます)

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2.1. 基本構想 ▌地⽅⾃治体の計画を借りてきた形で階層構造を設計 ▌情報系ものづくりに関する学びの効果を最⼤化する環境構築の促進 【main:Develop, sub:Attract】 - コモンズアプローチ n エンジニアやデザイナーなど,情報系ものづくりをする⼈が増えていく基 盤の整備を⼟台としながら, n その基点や経路にサイボウズの⼈を載せたり(Develop, Attract), n コンテンツで貢献(Develop, Attract)していく活動

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2.2. 基本計画 2 つの⼤きな柱と,これらを拡充,利⽤する 2 本の柱で構成 ▌⼈と⼈の結びつきから創出される学び最⼤化 - コミュニティアプローチ ▌⼈と情報の結びつきから創出される学び最⼤化 - コンテンツアプローチ ▌活動の質を向上させるための学習,調査,分析,研究,開発活動 - 各アプローチを補助する活動 ▌サイボウズの⼈たちがこの恩恵を受けられるようにする活動 - 各アプロー チをサイボウズに還元する活動

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2.2.1. 基本計画 main 1 ▌⼈と⼈の結びつきから創出される学び最⼤化 - コミュニティアプローチ n 勉強会やカンファレンスの活性化と関係構築(運営) n 勉強会やカンファレンスの活性化と関係構築(外部発表) n 勉強会やカンファレンスの活性化と関係構築(ブース展⽰) n 勉強会やカンファレンスの活性化と関係構築(会場提供) n 勉強会やカンファレンスの活性化と関係構築(参加) n 知り合った⼈たちとの関係性維持

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2.2.2. 基本計画 main 2 ▌⼈と情報の結びつきから創出される学び最⼤化 - コンテンツアプローチ n コミュニティ運営の思いを伝える - 流氷交差点 n 技術系の学習をしたい⼈に情報を届ける n スライドをよくする会 n 学びの形を模索する

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2.2.3. 基本計画 sub 1 ▌活動の質を向上させるための学習,調査,分析,研究,開発活動 - 各アプローチを補助する活動 n 知識,技能向上 n 他社等の事例調査,分析 n イベント参加や分析がしやすくなるツールの開発

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2.2.3. 基本計画 sub 2 ▌サイボウズの⼈たちがこの恩恵を受けられるようにする活動 - 各アプロー チをサイボウズに還元する活動 n 外に向けた活動促進 n サイボウズ内での学習の充実

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2. ⻄原の考える構想と活動の階層構造と実践の紹介 – まとめ ▌学びの環境をたくさん整えていくことが⼤前提 ▌その環境やコンテンツを活⽤できるようサイボウズの⼈に働きかける ▌社内にいる⼊社前からの知り合いも,ほぼ全員サイボウズの⼈じゃな かったことから,いつ何が起こるかわからないので投資は絶やさないのがい いと思っている

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3. 専⾨的に取り組むにあたり必要な知⾒と環境 ▌⼈と情報と場のそれぞれの関係について ▌実際⽇本で起きていることを⾜で知る ▌さまざまなことを試す場としてのわかっている⼈同⼠コミュニティ ▌技術広報,DevRelと何が違うと主張しているか

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3.1. ⼈と情報と場のそれぞれの関係について ▌⼈ – ⼈ : コミュニケーション ▌⼈ – 情報 : コンテンツ ▌⼈ – 場 : コミュニティ ▌情報 – 場 : コモンズ → それぞれの関係から学習効果の最⼤化をねらうために,それぞれに詳し い必要がある

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3.2. 実際⽇本で起きていることを⾜で知る(1) ▌⼤きなカンファレンス ▌情報摂取を希望する者が多い IT 勉強会 n 都会,オンラインに多い ▌交流や情報交換を希望する者が多い IT コミュニティ n 地⽅,クローズドコミュニティに多い → ユーザーコミュニティ/OSS ,Online/Offline,都会/地⽅, ビジネス/趣味,それぞれの特徴を掴むために広範に渡って⾒ていく

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3.2. 実際⽇本で起きていることを⾜で知る(2) 地⽅IT勉強会 Advent Calendar 2019 – Adventar https://adventar.org/calendars/4605 → 50 記事近くの地⽅の IT 勉強会の実情が集まった ⽀えあう技術者育成活動とインターネット : 技術者育成活動の観点から | ドクセル https://www.docswell.com/s/tomio2480/538812-isocjp2019 → インターネットが届いていない地域での情報技術教育について 地⽅ITコミュニティとの関わりに何を求めていたのか | ドクセル https://www.docswell.com/s/tomio2480/Z8GG7X-ldd20seccommunity

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3.3. さまざまなことを試す場としてのわかっている⼈同⼠コミュニティ ▌参加だけでも,運営だけでも,展⽰だけでもいけない n 同じようなコミュニティに⻑く関わることで様々な実験を⾏う n 同じ会社の⼈同⼠ばかりいるところと,そうでないところでだいぶ違う n ⼿を動かすという観点で考えると⾃分でコミュニティを持つのが速い ▌アンテナ張りがちな⼈に協⼒してもらって得た知⾒は各地へのお⼟産 n ⾃社,他社,⾃地域,他地域それぞれに使ってもらってよい → 特許だったり社外秘だったりに直結しない公開的な価値の創造

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3.4. 技術広報,DevRelと何が違うと主張しているか(1) ▌技術広報 メルペイが実践する『技術広報』とは︖『採⽤広報』との違いは何か |HR NOTE https://hrnote.jp/contents/saiyo-merpay-210915/ > 採⽤広報の主⽬的は、候補者からの応募を促すこと。⼀⽅、技術広報の主⽬的は、⾃社のエンジニア組織や業界の発展 を促すこと。ちなみにメルペイの「技術広報」は、技術広報をメインにしつつ採⽤広報を担うこともあります。 ANDPADの技術広報戦略とその作り⽅を紹介します︕ - ANDPAD Tech Blog https://tech.andpad.co.jp/entry/2022/12/14/100000 86. 技術広報 w/ hsbt | fukabori.fm https://fukabori.fm/episode/86

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3.4. 技術広報,DevRelと何が違うと主張しているか(2) ▌DevRel DevRel エンジニアフレンドリーになるための3C 電⼦書籍(職業「⼾倉彩」 中津川 篤司 ⼩島 英揮 ⼤内 孝⼦)|翔泳 社の本 https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798164472 > DevRel(Developer Relations︓開発者向け共創マーケティング)とは、「⾃社製品・サービスと、外部開発者・ユー ザーとのつながりを作り上げる活動」です。 カスタマーサクセスにおけるDevRelについて考えてみる|職業「⼾倉彩」@⼥性を理由に、ITエンジニアを諦めない⼈⽣🥑 https://note.com/ayatokura/n/n2c322fd14d4c DevRel/Japan 2023 - 1つの事業部だけで⾏う DevRel とは - Speaker Deck https://speakerdeck.com/hcrane/japan-2023-1tunoshi-ye-bu-dakedexing-u-devrel-toha?slide=20 >ラクマから技術者向けに提供できる⾃社製品 (ex API, SDK) はない

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3.4. 技術広報,DevRelと何が違うと主張しているか(3) ▌技術広報でも DevRel でもないと主張するのは何故か n 成⻑基盤を整えることが軸であり,広報やユーザー獲得は無関係 n 副次的にそういった効果を得られる可能性は⼗分にある n しかも表⾯的に取り扱うものはほとんど同じ n カンファレンススポンサー,コミュニティ,イベント,SNS など…… ▌ここがまぜこぜになっていると,周りの期待と⾃分が思う成果がズレる → 成⻑基盤を整えることで業界全体のレベルを⾼める基盤の整備が柱

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3. 専⾨的に取り組むにあたり必要な知⾒と環境 ▌コミュニティ,コモンズ,コミュニケーション,コンテンツ ▌サンプルを選抜していては状況を知ることができない ▌コミュニティを運営したりコンテンツを作ったりして⼿を動かして鍛える ▌技術広報,DevRelでない主張の軸は社外含めた成⻑基盤の整備

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4. 社内の動きとして⾃分に⾜りないと感じている要素 ▌エンジニアやデザイナーが学習したい内容についての社内需要調査 ▌成⻑に責任を持つマネージャークラスの苦労の収集 ▌⾃分の知⾒やつながりをサイボウズ勢に使ってもらう努⼒

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4.1. エンジニアやデザイナーが学習したい内容についての社内需要調査 ▌何の知識を獲得したいのか,どこの会社やプロダクトを知りたいか n ⾃社に⽣かせるものに限らず,知的好奇⼼を刺激する分野も含め n 開発⼯数やプライベートのイベント調査時間短縮をはかる n より⼿を動かす時間を確保してほしいという思い ▌実際,⻄原の持つつながりでは満⾜できない可能性があるので,開拓 ⽅⾯の参考として獲得したい思いもある. → たくさんある成⻑に必要なショートカットを模索していく中のひとつ

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4.2. 成⻑に責任を持つマネージャークラスの苦労の収集 ▌開発の知識とは別の能⼒が期待されるマネージャーの苦労も軽減したい n 特に成⻑に関しては⼿取り⾜取りやるわけにも⾏かないのでは n 外部コミュニティやコンテンツとの接続で独学⽀援も含めないと⼤変 ▌各個⼈がこれらの情報を知って,勝⼿に勉強するのも歓迎される → よりよい情報の流通する経路に⾝を置く助けをいかにやれるか コネクト⽀援チームの活動をインフラに例えた話を聞いたら、とてもしっくり来たという話|Yasuharu Sakai https://note.com/sakay_y/n/nd45b81847e2c?magazine_key=mc0c086e78c4f

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4.3.⾃分の知⾒やつながりをサイボウズ勢に使ってもらう努⼒ ▌コミュニティ,コモンズ,コミュニケーション,コンテンツ周りを勉強中 n 背伸びして論⽂とかも読みつつ,⾃分のコミュニティで実践中でもある n 研修資料を練るなどの⾔語化を進めて,⾮同期に活⽤してもらえる ようにしないといけない n 他社の研修で⾃分の資料が使われているという報告がポツポツ届いているので サイボウズより先に,⾃分の知⾒を⾃分以外が使っている会社があるっぽい → 使えるかどうかはともかく,使ってもらえる努⼒は必要という認識

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4. 社内の動きとして⾃分に⾜りないと感じている要素 – まとめ ▌たくさんある成⻑に必要なショートカットを模索していく中のひとつ ▌よりよい情報の流通する経路に⾝を置く助けをいかにやれるか ▌使えるかどうかはともかく,使ってもらえる努⼒は必要という認識

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5. チームメンバーが活⽤可能と思われる⻄原の知⾒と実践 ▌学級経営をベースとした学びの場に関する話は結構できるはず ▌コミュニティ運営も 10 年超えました ▌地⽅を⾏脚して状況を⾒てくるのもだいぶやっています ▌学⽣の進路⾯談,保護者からの相談に乗っています ▌技術/⼯業科の指導相談に乗っています ▌あとはうるさい個⼈スペースをご覧ください……

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5. チームメンバーが活⽤可能と思われる⻄原の知⾒と実践 ▌学級経営をベースとした学びの場に関する話は結構できるはず ▌コミュニティ運営も 10 年超えました ▌地⽅を⾏脚して状況を⾒てくるのもだいぶやっています ▌学⽣の進路⾯談,保護者からの相談に乗っています ▌技術/⼯業科の指導相談に乗っています ▌あとはうるさい個⼈スペースをご覧ください…… サイボウズ People Experience が⽇本のエンジニアの湧き出る地域を作る 未来を信じてやっていきます