Zスペシャル

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March 09, 24

スライド概要

Z社スペシャルワークセッション講義資料

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株式会社ブランドデザイン 代表取締役。食品会社、広告会社を経て、2003年に名古屋工業大学大学院 産業戦略工学専攻 准教授に着任。その後、名古屋工業大学 産学官金連携機構 特任教授、厚労省所管 職業能力開発総合大学校 教授を経て2019年6月より現職。デミング賞審査委員会委員、日本品質奨励賞審査委員、㈱安川電機 社外取締役、㈱ジェイテクト 社外取締役を務める。専門はブランドマネジメント、主戦場は「事業開発」。企業の事業価値創造プロジェクトや幹部人財育成など企業指導多数。主な著書として『日本品質管理学会選書9 ブランドマネジメント:究極的なありたい姿が組織能力を更に高める』(日本規格協会)、『理想追求型QCストーリー』(日科技連出版社)など。

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各ページのテキスト
1.

Zスペシャル 加藤雄一郎 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 1

2.

加藤 雄一郎 <学歴> 東京工業大学大学院 社会理工学研究科 価値システム専攻 博士課程修了. 博士(学術) <職歴> 1992 - 93 食品会社 食品工場 製造技術課 1995 - 03 広告会社 マーケティング局 2003 - 15 名古屋工業大学大学院 産業戦略工学専攻(MOT専攻) 准教授 2015 - 18 名古屋工業大学 産学官金連携機構 特任教授 2018 - 18 厚労省所管 職業能力開発総合大学校 能力開発院 教授 2020 - 23 株式会社安川電機 社外取締役 2018 株式会社ブランドデザイン 代表取締役 2019 名古屋工業大学 産学官金連携機構 プロジェクト教授 2022 株式会社ジェイテクト 社外取締役 デミング賞審査委員(2015~) 日本品質奨励賞審査委員 <企業からの委託実績> 2007 / 04 -2020 / 04 -2023 / 06 -2019 / 04 – 2023 / 03 2019 / 04 – 2021 / 03 2018 / 03 – 2019 / 03 2003 / 04 – 2018 / 03 2017 / 01 -- 2017 / 12 2015 / 04 – 2016 / 09 2011 / 08 -- 2013 / 10 2009 / 12 -- 2011 / 10 2009 / 08 – 2010 / 04 2009 / 04 – 2010 / 03 2008 / 07 -- 2009 / 06 2006 / 10 -- 2007 / 03 2005 / 10 -- 2007 / 03 2004 / 10 -- 2006 / 03 2003 / 08 -- 2005 / 03 建機メーカー BMプロジェクト アドバイザー 電子機器メーカー BMプロジェクト アドバイザー 自動車部品メーカー 顧客価値創造活動 アドバイザー 日本科学技術連盟 役員教育プログラム (エグゼクティブセミナー) 企画主任&講師 総合家電メーカー 事業部横断型事業構想プロジェクト アドバイザー 旅行会社 組織開発プロジェクト アドバイザー 広告会社 アクティベーションデザイン推進局 客員研究員 産業機器メーカー 事業価値創造プロジェクト アドバイザー 自動車部品メーカー 価値創造プロジェクト アドバイザー 電子機器メーカー BM(ブランドマネジメント)プロジェクト アドバイザー 自動車メーカー インターナル・ブランディング アドバイザー 自動車部品メーカー インターナル・ブランディング アドバイザー コンタクトレンズメーカー インターナル・ブランディング アドバイザー 化学メーカー 人財育成プログラム 「創塾」 塾長 食品メーカー ブランドコンセプト立案アドバイザー トイレタリ・メーカー 新任マネジャー研修講師、および調査手法開発アドバイザー 総合商社 新規プロジェクト担当顧問 中小企業庁 繊維産業再生プロジェクト ディレクター BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 2

3.

キーワードは BM活動 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 3

4.

BM活動とは 顧客にとって当社がなくてはならない度合いを高め パートナーとして選ばれ続ける存在となるための 組織横断的な知識創造の取組み 2007年開始。今年17年目。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 4

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BMに取組むことの意義 BMは短期間に売上・利益・シェアを上げる為の武器ではない ≪ブランドマネジメントが目指すこと≫ 1.顧客視点への意識改革 2.人材育成・組織能力の向上 コマツウェイにも ブランドマネジメント記載 ≪取組み上の重要ポイント≫ 1.徹底的な見える化 2.顧客目標の達成がコマツGr活動の基点 3.トップのリーダーシップと組織横断的な活動 4.総合力=経営資源の総合化 コマツビジネス持続的発展の為に、全世界のコマツオペレーション に導入し、徹底させて行く。10年20年かかっても絶対中止しない。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 5

6.

第1章 構想全体像 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 7

7.

構想全体像 外部 適応 事業ドメイン 価値定義 組織オペレーション 全体方針 <What> <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 当該事業は 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? 内部 適応 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 実現手段としての 商品群づくり 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 8

8.

1.何屋規定: 事業ドメインの価値定義 当事業は、顧客の何の実現にコミットするのか? 当事業は顧客の の実現にコミットすることによってなくてはならない存在になる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 9

9.

2.顧客進歩ストーリー 具体的に、顧客は何をできるようになれば喜ぶか? 顧客が目指すありたい姿 前頁の事業ドメイン価値定義の内容 みらいの <ホップ> まず こういうことができるようになり <ステップ> <ジャンプ> それができれば こういうことができるようになり 経験の蓄積によってついに こういうことができるようになる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 10

10.

3.マネタイズ・シナリオ 前記にコミットすることによって 当事業はどのように対価を獲得できるのか まず何を売って 極めつけに何を売るか 次に何を売って さらに何を売って BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 11

11.

4.求められる自社組織行動 具現化するために、みんなで何をできるようになる必要があるか? マネタイズシナリオの実現に向けて、できるようになるべきこと 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 12

12.

5.活動システムの全体像 一連の過程はどのような活動連鎖で表されるか? Do 5 Do 1 Do 3 Do 8 Do 12 Do 4 Do 10 Do 14 Do 12 Do 7 Do 5 Do 6 Do 9 Do 2 Do 4 Do 11 Do 13 Do 15 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 13

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6.部門間連携の見える化 (QA体系図) 各部門は、どのタイミングで、何をするのか? 各部門 業 務 品質保証体系図とは品質 保証のために、どの部門が、 どのような活動を、どのような 順序で担当して実施するの かが一目で分かる図のこと。 企業組織全体で「どのプロ セスで、どの部門が、どの活 動を、どんな目的で、どの規 定や標準類に従って」品質 保証活動が行われているの かが一目で分かる図。 「部門間連携の全体像を 見える化した図面」といえる。 品質保証体系図 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 14

14.

7.業務分掌: 各部門が担う業務の明確化 各部門は何を業務として担うのか? 部門1: ・・・・・・・・・・ 業務 業務内容 部門2: ・・・・・・・・・・ 1 業務 2 業務内容 部門3: ・・・・・・・・・・ 3 1 4 2 5 3 1 6 4 2 7 5 3 8 6 4 9 7 5 10 8 6 9 7 10 8 業務 9 10 業務内容 部門N: ・・・・・・・・・・ 業務 業務内容 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 15

15.

8.職務分掌: 従業員各人に求められる遂行レベル いま各人は何をやれているか? 今後、何をやれるようになるべきか? 業務1: ・・・・・・・・・・ 業務内容: 業務2: ・・・・・・・・・・ 上手な人 作業標準 業務内容: 下手な人 工数: 工数: 工数: 人工 人工 上手な人 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 組織全体として 工数: 人工 目指す標準レベル をここに概説 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 人工 作業標準 業務内容: 下手な業務遂行 工数: 人工 の下手さ加減を ここに概説 上手な人 組織全体として 工数: 人工 目指す標準レベル をここに概説 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 業務3: ・・・・・・・・・・ 下手な人 工数: 人工 作業標準 下手な業務遂行 工数: 人工 の下手さ加減を ここに概説 組織全体として 目指す標準レベル をここに概説 下手な人 工数: 人工 下手な業務遂行 の下手さ加減を ここに概説 業務N: ・・・・・・・・・・ 業務内容: 上手な人 作業標準 下手な人 工数:0.5人工 工数:0.9人工 工数:1.2人工 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 組織全体として 目指す標準レベ ルをここに概説 下手な業務遂行 の下手さ加減を ここに概説 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 16

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ポイントは「8の字」を描くこと 事業構想の全体像 外部 適応 事業ドメイン価値定義 組織オペレーション 全体方針 <What> <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 当該事業は 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? 内部 適応 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 実現手段としての 商品群づくり 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 17

17.

BM活動の継続が育てる人財 鍵をもとに組織オペレーション全体の『仕組み』を構築できる人財 事業の持続的競争優位の鍵を探し当てることができる人財 前後工程を考慮した業務の繋がりを構築できる人財 担当業務をより良いものに改善できる人財 担当業務を確実に遂行できる人財 育つ人財の最高峰は・・・ Nagoya Institute of Technology, BRAND DESIGN 18

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第2章 事業創造人財 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 19

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「担当者」 と 「経営者」 <担当者> <経営者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 vs 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 20

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経産省提言 事業創造人財育成の必要性 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 21

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いま企業が育てるべき人財 <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 vs 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 事業の持続的競争優位の確立を担う 「事業創造人財」を育成することの重要性 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 22

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人財育成の現状 いまの人財育成は、専門的な知識やスキルなど 担当者レベルの遂行能力向上に注力しがち 事業開発や事業化の能力が身についていない人たちが 担当業務に優れているという理由だけで上位職者になるから 「技術に優れ、事業で負ける」という事象が起こる 商品の高度化に対応すべく 組織は高い専門性をもって細分化された。 組織の分業化が加速した結果、 いまの事業が今後どうなっていくか しかし今後は、 それを判断をできるのは 事象を鳥瞰的に捉え、 一部のマネジメントに限られている。 戦略・ビジネスモデルを立案・実行できる人を 特に若手従業員のレベルでは 育成していく必要がある。 事業全体を俯瞰しにくくなっている。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand

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多くの企業が直面する人財育成策の課題 スーパー業務担当者 スキル <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 業務遂行の更なる知識・スキルの注入は 「スーパー業務担当者」を量産するだけという指摘がある BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 24

24.

事業創造者を育成するポイントは何か <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 事業創造者へと進化させるポイントは何か BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 25

25.

事業創造者を育成するポイントは何か <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 事業創造者へと進化させるポイントは何か BM活動 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 26

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第3章 新たな全員参加型経営 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 27

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企業経営を支える様々な取組み 企業が取組むべきことは コスト削減や新商品開発、ビジネスモデル革新など多岐にわたる。 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 足腰を鍛えるインフラ整備 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく取組み 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための取組み 活動に継続性をもたせるための運営 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 28

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経営ツールとしてのTQM 企業が取組むべきことは コスト削減や新商品開発、ビジネスモデル革新など多岐にわたる。 TQM 品質/質を中核に 「①顧客及び社会のニーズを満たす製品・サービスの提供」と 「②働く人々の満足を通した組織の長期的な成功」を目的とし TQM プロセス・システムの維持向上・改善・革新を 全部門・全階層の参加で 経営環境の変化に適した効果的・効率的な組織運営を実現する方法 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 29

29.

TQMが擁する各種手法 企業が取組むべきことは コスト削減や新商品開発、ビジネスモデル革新など多岐にわたる。 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 足腰を鍛えるインフラ整備 方針管理 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 課題達成型QCストーリー 問題解決型QCストーリー 活動に継続性をもたせるための運営 「QCサークル活動」及び「QC大会」 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 30

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しかし・・・ BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 31

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企業が直面する実態 売上・利益・市場シェアなど、欲しい数値結果だけを示し、戦略を伴わない全社方針 • • • • • 売上、利益、市場シェア、生産性など結果指標に重点を置かれている 数字だけを重視した目標設定となっている。しかも、それが評価に直結している 「売上等」の結果目標となりがち。その背景となる戦略や施策が浸透していない 業績目標、注力セグメントを中心に方針が構成されている 数値目標を上位から下位へ配分するだけの方針展開 総花的で何が重要かわからない全社方針(とりまとめただけ・前年踏襲・いきなり機能別管理) • • • • 各部門の目標と重点活動を取りまとめて並べただけの積み上げ型の全社経営方針 上位方針は、前年度の達成水準をすこし高めただけの踏襲に留まっている 「現状起点」で「現状の延長」の「業績目標、領域拡大目標」 最上位方針がすでに機能別管理になってしまっており、事業がこの先どこへ向かおうとしている のかわからない 戦略不在が招く、部門間の不整合と組織的なコミュニケーション不足 • 上位方針が実現される為の部署間でのヨコの調整が十分図られていないケースが散見。そ の問題の背景は、各部署のマネージメントの視点が自部署の守備範囲に偏っていること。 • 自部署に有利な解釈をしてしまいます。横断的組織に目標を持たせ、横の繋がりで達成する 動きをとれる場を作る必要がある。 • 改善活動、QCサークルなど小集団活動、自工程完結は事業全体からみた狭い範囲の内 部適応策になり、部分最適化の追求に留まるリスクがある。 32 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand

32.

着目すべき決定的箇所 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 方針管理 足腰を鍛えるインフラ整備 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 課題達成型QCストーリー 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 問題解決型QCストーリー 活動に継続性をもたせるための推進形態 QC大会 「QCサークル活動」および「QC大会」 現行のTQMは、組織改善を施す「場」が存在する一方で 組織発展を施す「場」は十分か? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 33

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コマツが創設した新たな場 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 方針管理 足腰を鍛えるインフラ整備 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 課題達成型QCストーリー 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 問題解決型QCストーリー BM大会 活動に継続性をもたせるための推進形態 QC大会 「QCサークル活動」および「QC大会」 QC大会と双璧を成す 新たな「場」としてBM大会が創設された BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 34

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BM大会の位置づけ 【組織を発展させるための取組み】 BM大会 【組織を改善させるための取組み】 各部門および従業員各人の 知を活かした 事業構想参画 重点志向に基づく戦略実現 方針管理 足腰を鍛えるインフラ整備 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 課題達成型QCストーリー 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 問題解決型QCストーリー 活動に継続性をもたせるための推進形態が QC大会 「QCサークル活動」および「QC大会」 しかも、その場は方針決定後の場ではない すべての部門および従業員各人の『知』を活かした 「経営者のサポート」として位置付けられる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 35

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2017年度グローバルBM大会における 大橋社長の講評 BM活動とは BM活動は 明日の地平を切り拓く取組み BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 36

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VUCA時代をいかに生きるか Volatility Complexity (変動性・不安定さ) (複雑性) VUCA Uncertainty Ambiguity (不確実性・不確定さ) (曖昧性・不明確さ) BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 37

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BM活動そしてBM大会創設の意味合い 従業員一人ひとりの知を 事業の発展に活かす新たな全員参加型経営 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 38

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一人ひとりの知見を活かす • 保有する技術の活かし方、説得力のあるマネタイズ・シナリオを我々 が作り、上層部に提案していきたい。 • お客さと接している我々こそが、自分たちの経験を元に事業の今後組 を提案していく必要がある。 • 熱い思いをもっていらっしゃる方々はたくさんいるので、商売にする ということをみんなで考えていかないといけない。 • 個人的には会社の方向性に疑問を感じていた部分が、今回の参加でよ り見えるようになりました。この取組みをきっかけとして会社全体へ 波及していかないとこの会社の未来は本当にまずい方向へ進んでいる と思っています。 • 凄い面々との出会いも財産になりました。自分がやっていること、自 分たち(開発・設計)だけでなく、せっかく同じ会社にいる人材、 シーズを有効に活かしていかないともったいない、自分の考えていた ことは間違っていないという勇気を持てました。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 39

39.

私が一番大切にしている参加者の声 大きなビジョンを持つこと。それに向かって努力する姿勢が 個人を成長させる、組織を成長させる、周囲を成長させる。 その姿は「泥臭い、こっ恥ずかしい」のではなく 「美しい」はずだという希望が持てた。 ブランドを語るときの言葉の一語一語を 大切にしなければならないという意識が生まれた BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 40

40.

BM活動とは 事業が生きる道を 自らの意思 自らの意思で描く取組み “make our own will” BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 41

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第4章 新たな価値創造観の登場 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 42

42.

中核は「顧客Do」と「自社Do」 事業構想の全体像 外部 適応 事業ドメイン 価値定義 組織オペレーション 全体方針 <What> <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 当該事業は 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 顧客Do 実現手段としての 商品群づくり 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? 自社Do 内部 適応 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 43

43.

「顧客Do」 と 「自社Do」 【顧客Do】 【自社Do】 これから先、顧客は何をできる ようになれば嬉しいか? 左記をサポートすべく 我々は何をすべきか 1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 8 9 9 10 10 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 44

44.

考え続けるべきこと 中長期的見地に立ち 1.顧客は何をしたいか? 2.我々は何をすべきか? 2タイプの“Do”を考え続ける BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 45

45.

なぜ、Doなのか? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 46

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【1】 サービス・ドミナント・ロジック マーケティング界のガレリオ・ガリレイの登場 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 47

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サービス・ドミナント・ロジック 価値の所在 G-Dロジック S-Dロジック (グッズ・ドミナント・ロジック) (サービス・ドミナント・ロジック) 価値は、 工場出荷時点で「モノ」に備わっている 価値は、 顧客がモノを使いこなすことによって生まれる モノは、価値を実現するための道具。 よって、〔モノの提供 = 道具の提供〕 「価値提供」 という言い回し の是非 モノは、価値を具備している。 よって、〔モノの提供 = 価値の提供〕 価値について企業ができることは 「提供」ではなく、「提案」に留まる。 企業が「道具」を提供。 顧客は道具に自らの「知識・スキル」を適用。 「道具の提供」と「知識・スキルの適用」によって 価値は共創される。 生まれる価値 商品を箱から出して、スイッチを入れれば の種別と度合い 誰でも同じ価値を享受できる モノを使いこなす顧客の知識・スキルによって 生み出される価値は異なる。 今日のマーケティングパラダイムにおいて ハード・ソフトは価値を実現するための道具にすぎない。 価値は、顧客が道具を使いこなすことによって生まれる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 48

48.

【2】 デザイン思考 デザインすべきは何か? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 49

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私たちがデザインすべきは 名詞ではなく、動詞なのだ。 「電話」というモノをデザインするのではなく、 「電話をかける」という行為をデザインするのだ by IDEO BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 50

50.

<最も重要な着眼点> 「動詞」で考える BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 51

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名詞ではなく、動詞で考える モノそれ自体をデザインするのではなく 行動をデザインする それも一つの行動ではなく、 一連の行動に着目し、行動の連続をデザインする = スクリプト これがカスタマ・エクスペリエンスのデザイン カスタマの経験をもとにデザインすることで 市場に受け入れられる商品をつくることが容易になる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 52

52.

【3】 Doニーズ 顧客ニーズ三層構造のなかで SDロジックに基づき特に着目すべき最重要層 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 53

53.

顧客ニーズの構造 Beニーズ どうなりたいのか? 目的 Doニーズ 何をしたいのか? 道具を用いて、何をしたいのか? 手段 Haveニーズ 目的 手段 どんな道具が欲しいのか? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 54

54.

事例1 Beニーズ 忙しいけど どうなりたいのか? 美しくあり続けたい 目的 Doニーズ 毎日、手間をかけることなく 何をしたいのか? 時間をうまく使って美容ケアしたい 手段 Haveニーズ 目的 手段 寝ている間に どんな道具が欲しいのか? 本人が知らぬ間に肌を潤す道具が欲しい BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 55

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事例2 目的 Beニーズ 若手や女性が活き活きと働いている 安全でスマートで未来感のある土木施工 どうなりたいのか? を行う会社になりたい Doニーズ 工事前の地形から完成形までの間 機労材を完全コントロールしながら 何をしたいのか? 安全かつ正確に土を移したい 手段 目的 手段 Haveニーズ 日々の出来形、出来高、コストを 自動的に分かりやすく、リアルタイムに把握できる どんな道具が欲しいのか? システムが欲しい BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 56

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顧客ニーズの構造 目的 Beニーズ どうなりたいのか? 目的 手段 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 Haveニーズ どんな道具が欲しいのか? 最も普遍的なニーズであり、B2Cでは別名「人生ニーズ」と呼ばれ る。「こう在りたい」、「こうなりたい」など、“Be”あるいは “Become”を用いた表現になることからBeニーズと呼ばれる。 どうなりたいのか? 上記Beニーズを満たすために「何をしたいか」、「何をできるよう になりたいか」といった行為ニーズが後続する。「自身の人生ニー ズの実現に向けて、製品あるいはサービスを通じて、何をすること ができるようになりたいか」という問いの答えに相当する。 何をしたいのか? Doニーズを満たすための具体的な「手段」を求めるニーズ。「上記 Doニーズを実現するために、具体的にどのような道具が欲しい か」という問いの答えに相当する。 どんな道具が欲しいのか? ニーズの深層には、普遍的な「基本(be)ニーズ」があり、それを満たすために「行為ニーズ(do)」が手段 として発生する。さらに、Doニーズを満たすための手段として、「実現手段が欲しい」というHaveニーズ が発生する。このように、顧客が製品・サービスを受容する背後には、Beニーズ→Doニーズ→Have ニーズという複数のニーズが、“目的-手段”の関係で階層的に繋がっている。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 57

57.

まとめ キーワード1: サービス・ドミナント・ロジック SDロジックにおいて「価値提供」という表現は誤り。 企業が提供できるのは「価値実現手段」としての製品・サービス。 手段としての製品・サービスを使いこなして、価値は共創される。 キーワード2: デザイン思考 名詞ではなく、動詞で考える。 モノそれ自体をデザインするのではなく、行動をデザインする。さらには 一つの行動ではなく、一連の行動に着目し、行動の連続をデザインする。 キーワード3: Doニーズ 「何をすることができるようになれば喜ぶか?」という発想。 最も重要な視点は、顧客による新たな行動を編み出すこと。 「顧客は何をどうすることができるようになれば喜ぶか?」と徹底的に考える。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 58

58.

今日的な顧客価値創造の着眼点 経験価値 目的 Beニーズ どうなりたいのか? 顧客経験 経験デザイン デザイン思考 手段 目的 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 「顧客は何をすることができるようになれば喜ぶか?」 という視点からの顧客価値創造 Haveニーズ どんな道具が欲しいのか? <最新の顧客価値創造の着眼点> 「顧客ができるようになること」を新たに創り出すこと 「新たなDoニーズ」を創り出すこと BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 59

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我々が開発すべきは何か 【開発すべき中心的対象】 「製品開発」から 製品を介した 「行動開発」へ 顧客の BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 60

60.

「顧客Do」 と 「自社Do」 【顧客Do】 【自社Do】 これから先、顧客は何をできる ようになれば嬉しいか? 左記をサポートすべく 我々は何をすべきか 1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 8 9 9 10 10 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 61

61.

考え続けるべきこと 中長期的見地に立ち 1.顧客は何をしたいか? 2.我々は何をすべきか? 2タイプの“Do”を考え続ける BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 62