ChatGPT時代のビジネスモデル

1.8K Views

January 15, 24

スライド概要

昨年末、ニューヨークタイムズはOpenAIとMicrosoftを、著作権侵害の疑いで提訴した。ChatGPTの事前トレーニング用データにニューヨークタイムズのニュースコンテンツ(数百万本)が無断使用されたとの訴え。被害額は数千億円に上ると言う。いよいよ「生成AIと著作権」を巡る複雑な争いが開始された。このような訴えが起こるのも生成AIが従来のビジネス環境を抜本的に変革すると、皆が考えているからだろう。そんなことから、まだまだ様子がよく分からない状況ではあるが、「ChatGPT時代のビジネスモデル」論をまとめてみた。

profile-image

定年まで35年間あるIT企業に勤めていました。その後、大学教員を5年。定年になって、非常勤講師を少々と、ある標準化機関の顧問。そこも定年になって数年前にB-frontier研究所を立ち上げました。この名前で、IT関係の英語論文(経営学的視点のもの)をダウンロードし、その紹介と自分で考えた内容を取り交ぜて情報公開しています。幾つかの学会で学会発表なども。昔、ITバブル崩壊の直前、ダイヤモンド社からIT革命本「デジタル融合市場」を出版したこともあります。こんな経験が今に続く情報発信の原点です。

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

ChatGPT時代のビジネスモデル - イノベーションダイナミックスとコラボレーションの役割 - B-frontier 研究所 高橋 浩

2.

自己紹介 - B-frontier研究所代表 高橋浩 • 略歴: • 元富士通 • 元宮城大学教授 • 元北陸先端科学技術大学院大学 非常勤講師 • 資格:博士(学術)(経営工学) • 趣味/関心: • 温泉巡り • 英語論文の翻訳 • それらに考察を加えて情報公開 • 主旨:“ビジネス(B)の未開拓地を研究する” 著書: 「デジタル融合市場」 ダイヤモンド社(2000),等 • SNS: hiroshi.takahashi.9693(facebook) @httakaha(Twitter)

3.

目的 • 私達はAIの夜明けを目の当たりにしている。 • 登場しようとしている世界はデータに起因し、従来の ビジネス慣行を完全に変革する可能性を秘めている。 • ChatGPTはその申し子として登場し、類似製品も含め て、新たな世界の担い手の役割を果たそうとしている。 • ポイントは、顧客の好みに基づいたカスタマイズや個 別体験が大幅に拡充される世界である。 • このような世界はどのような仕組みで機能しているの かの理解は重要と考えられる。 • そこで、この点の検討を本稿の目的とする。 3

4.

目次 第1節: 1. ビジネスモデル革新の観点から見た生 成AI 1.はじめに、 2.背景と基礎、3.アプリケーション 第2節: 2. イノベーションダイナミズムとコラボ レーション 1.イノベーション、2.事例、3.組織変革 第3節: 3. ビジネスモデル革新のこれから 1.管理、 2.ビジネスモデル、3.おわりに 4

5.

第1節 ビジネスモデル革新の観点から見た生成AI 1. はじめに ChatGPTはビジネスを変革する! • 企業はChatGPTをフルに活用することで次のような効果 が期待できる。 ✓顧客の行動や好みに対する理解を向上させられる。 ✓顧客との会話やデータの分析で顧客の傾向を特定できる。 ✓顧客データの処理効率と処理速度を向上させられる。 ✓マーケティングキャンペーンのより正確なターゲティングと パーソナライズが可能になる。 ✓パーソナライズされた製品推奨情報の提供で顧客に対する付加 価値を向上させられる。 ✓顧客向けの意思決定の費用対効果を向上させられる。 5

6.

2. 背景と基礎 このような期待が持たれるChatGPTとは? • ChatGPT: ◆テキスト作成、言語理解、対話型プログラムなど幅広いア プリケーションで、自然言語を理解し回答できる堅牢な自 然言語処理モデル • ChatGPT登場までの歴史: ◆自然言語処理モデルの制限に対処するため登場したトラン スフォーマー・アーキテクチャの基盤上に構築 ◆ChatGPTまでの一連のGPTシリーズはフレーム、段落、完 全な論文などで一貫性があり、人間のように自然言語テキ ストを作成するために開発 ◆パラメター数を増やすことで、GPT-1⇒GPT-2⇒GPT3⇒(GPT-3.5(初期版ChatGPT))⇒GPT-4(ChatGPT)に進化 6

7.

GPTシリーズの歴史 • GPT-1: • 初期トレーニングの後に、言語翻訳、感情分析、テキスト 分類などに向けて最適化された • 控え目なパラメータ数にも関わらず、言語理解を深めるた めに、膨大な量のデータによる事前トレーニングが有効で あることを証明した。 • GPT-2: • 初期トレーニングの後に、テキスト分類、感情分析、質問 応答などの改良に注力された。 • より長く、よりまとまったテキストを生成し、コンテキス ト全体に渡ってより汎用性の高いテキストを生成すること が可能なことを証明した。 7

8.

GPTシリーズの歴史(続) • GPT-3: • マルチタスク学習、少数ショット学習などの先端機能が実 装され、最小限のトレーニングデータで新しいジョブを習 得できることを証明した。 • GPT-4: • テキスト、画像などマルチモーダルなデータを取込んだ包 括的で多次元の自然言語システムとなった。 • さまざまな専門的および学術的基準で人間レベルのパ フォーマンスを示していると評価されるようになった。 • 次頁以降にChatGPTのアーキテクチャとChatGPTに 到るまでの歴史を示す。 8

9.

ChatGPTのアーキテクチャ ・クライアントが質問すると「自然言語解釈」で目的を推定し「自然言語生成」で応答を提供する。 ・その間、適当なデータをナレッジベースから取得する。 ・応答履歴は保存され、その後のやり取りはクライアントに合わせて(報酬ポリシーで)対応する。 クライアント インターフェース 質問(自然言語) クライアントの質問を理 解する(自然言語解釈) 応答 強化学習 (報酬 ポリシー) アクション フィードバック 回答を準備する (自然言語生成) 9

10.

ChatGPT登場までの歴史 優れている 生成 AI モデルの進歩と洗練化 GPT4以来登場した類似モデル DALL-E2: 2022にDALL-E の上位版発表 Meta ImageBind multisensory AIモデル, May 2023 Google Project Magi, May 2023 Google Bard, March 2023 Meta LLaMa, February 2023 約 100 兆個?のパラメータ (噂) があり、より事実 に近く、ChatGPT よりも長いテキスト出力を生成 し、画像からも情報を抽出する。 DALL-E: 2021にGPT-3を使用して自 然言語記述からデジタル画像を生成 人間フィードバックによる強化学習技術を使用して、コンテ キストと会話の特徴に適合した賢明で有用なテキストを生成 1,750 億個のパラメータがあり、人間のようにテキスト生成、質問への回 答、コード作成を行うが、文章が正しく文脈に適合していない場合もある。 GPT1 で使用されたデータの 10 倍以上のデータに基づい てトレーニングされた 15 億個パラメータのシステム Common Crawl、数十億語の単語を含む Web ページ、さまざまな ジャンルの 11,000 冊を超える書籍コレクションである書籍コーパス でトレーニングされた 1 億 1,700 万個パラメータのシステム 2017 年に Google がTransformer Architectureを発表 劣っている 10

11.

ChatGPTの機能 • ChatGPTの注目すべき機能を以下に示す。 ☆認知的理解:会話のコンテキストを把握できる。 ☆言語の生成:論理的で適切で文法誤りのない文章を生成できる。 ☆柔軟性:さまざまな目的に合わせて微調整できる。 ☆複数言語対応:言語上の柔軟性があり複数言語に対応できる。 ☆成長能力:処理リソース、所要時間の両方でスケーラブルで 拡張能力がある。 ☆少数トレーニング:少数あるいはゼロショットで迅速に学習 でき、従来遭遇しなかったタスクに対応できる。  これらに基づくChatGPTの主な役割/機能を次頁に示す。 11

12.

ChatGPT の主な役割/機能一覧 役割/機能 説明 1 幅広い関心を集める • ChatGPT は幅広い関心を集められる。 • エッセイ、記事、翻訳資料など、ほぼあらゆるものについての提案を作成できる。 • 高度な自然言語処理機能を使用して、人々の AI との関わり方を変革できる。 • 膨大な量のデータでトレーニングされており、さまざまなテーマを正確に理解し、人間のような応答を生成できる。 • 質問に答えたり、日常業務を支援したり、人間の生産性と創造性を劇的に向上させられる。 2 さまざまな言語入力 ができる • ChatGPT の言語入力を利用してシンプルで理解が容易な回答を得ることができる。 • 重要な情報を簡潔に把握することが容易になる。 • 包括的なデータセットでトレーニングすることでChatGPT は人が書いたものと同等のテキストを生成できる。 3 最新の情報をピック アップできる • 新しい情報を迅速に取得して再トレーニングなしで新しい主題やタスクを処理できる。 • 拡張性が高いので、大規模なアプリケーションにも向く。 • 入力に応じて生成できるため、言語翻訳、テキスト要約、質問応答などに最適である。 • 顧客ケアや支援アプリなど会話型 AI システムにも使用できる。 • 特定の職業を誰もが利用しやすくするための「アシスタント」の役目も果たせる。 4 学習と改善ができる • ChatGPTはユーザーとの対話から知識を得る。 • 人間との対話に反応し徐々に正確になる可能性がある。 • その適応性によりさまざまなユースケースをサポートできる。 5 さまざまな作業に役 立つ • 高齢者や障害のある人の生活の質の向上など、さまざまな用途に使用できる。 • 広範囲の合図に反応できる。 6 問い合わせへ対応で きる • ChatGPT活用ツールを自社プロセスに統合することで、顧客からの頻繁な問い合わせに迅速に対応できる。 • 特定ユーザーからの問い合わせに回答することで、消費者の問題点を迅速に理解し対処できる。 • 以前のやり取りを思い出すことで、イノベーションを促進し、有益なパーソナライズができる。 • ユーザーが公開するテキストや写真を検査することでスパムや不適切な情報を排除できる。 7 ビジネスアプリケー ションを利用できる • マーケティング担当者はターゲットユーザーと関わり、マーケティング目標を達成し易くなる。 • 機密のビジネス情報や個人情報を適切に保管し、注意を払うことが不可欠になる。 • 政策立案者は、AI システムに関するリスクが、潜在的に高いリスクを伴う可能性があることを認識する必要がある。 12

13.

ChatGPT の主な役割/機能一覧(続) 役割/ 機能 説明 8 デジタルマーケティ ングの担当者に役立 つ • キャンペーンを強化してターゲット消費者と関わり易くなり有益である。 • 各種形式のコンテンツ素材作成に役立ち、主題やキーワードに基づいて、見出し、冒頭、段落等を提案できる。 • 大量のデータを分析することで、特定の消費者グループに共通する特性、習慣、好みを抽出できる。 9 概念を翻訳できる • 概念を英語からプログラミング言語に翻訳し、人間のプログラマーの言語に欠陥がないか検証できる。 • 会話システム、言語要約と翻訳など、自然言語処理に関連するさまざまなアクティビティを実行できる。 10 解釈可能性を向上さ せられる • 多くのユーザーが情報提供すると、フィードバックによる強化学習でチャットボットの解釈スキルを向上させられる。 • ChatGPT の応答品質が時間とともに向上し、ユーザーの要求にさらに効果的に対応できる。 • 膨大な顧客フィードバック、ソーシャル メディア投稿を調査することで消費者の見方や行動のパターンを特定できる。 11 本物の会話ができる • ChatGPT は本物の会話のように見え、応答は非常に人間的である。 • 間違いを犯した場合には謝罪することもできる。 • ChatGPT は、以前のやり取りをすべて記憶していて、それを元に会話できる。 12 ダイナミックで興味 深い方法を提供でき る • 作文課題を各生徒の要件や興味に合わせてより適切にカスタマイズできる。 • AI 対応のエッセイ作成ツールは、学生に執筆プロセスを指示することもできる。 • 生徒の興味や能力レベルに合わせてカスタマイズされた作文課題も生成できる。 13 教育に活用できる • チャットボットのスキルが進歩し、磨かれると、学生が外の世界とつながる方法を変えることができる。 • 講師が科目の基本だけを教え、生徒に質問しながら混乱を解消するような学習方法を提供できる。 14 より強力なライティ ング能力を提供でき る • 評価と採点に役立ち、間違いの修正からより重要な文章能力の開発にも移行できる。 • 徹底的なフィードバックを提供することで、文章を書く才能をさらに伸ばすことができる。 • AI を使用して実用的なテキストを生成し作業を容易化することで担当者の効率を向上させられる。 15 新しいものを生み出 せる • 生成 AI システムは、事前の知識に基づいて新しいものを作成するように作られている。 • ChatGPT は、顧客レビューを評価し、ブランド、製品、またはサービスの一般的な感情を判断するために使用でき、 市場調査と市場との関係構築に重要な洞察を提供できる。 16 幅広いトピックをカ バーできる • ChatGPT は、さまざまな散文や詩のスタイルでさまざまなトピックについて書くことができる。 • テキスト予測を使用して応答を生成することができる。 13

14.

3. アプリケーション ChatGPTを活用したアプリケーションの展望 • 上述のような特徴から、例えば、ビジネス分野向けでは次のよ うな活用が想定される。 ✓会計書類や市場評価文書で繰り返し使用できる要約文の自動作成を行 う。 ✓新製品開発や広告戦略を導くため、消費者からの評価・コメントの感 情分析を行う。 ✓顧客のリスク履歴に応じて個別化された製品やサービスの自動推薦を 行う。 ✓事業計画、広告資料など各種文書作成の支援や効率的作成を行う。 ✓その他膨大な事例が想定される。 • これらの状況を勘案し、新たなビジネスモデル構築に向けたポ イントを次節以降で検討する。 14

15.

第2節イノベーションダイナミズムとコラボレーション 1. イノベーション ビジネスモデルの構築に向けて • 次の2つの検討要因がある。 ◆AI使用イノベーションではデータが中心的役割を果たし 外部とのコラボレーションが重要性を増す。 ✓但し、データセキュリティやプライバシーが新たなリスクをも たらし、 ✓顧客や競合他社とのデータ共有もかなりのリスクを伴う。 ◆組織にAIを導入すると従業員は従来と異なる能力が必要 になり、組織の権力構造に見直し圧力がかかる。 ✓発生する課題に対処するため、組織変革に繋がることが多い。 • この2つの要因を以下で分析する。 15

16.

AIによるイノベーションダイナミックス • AI使用は新しい「定型化された事実」を必要とし、前提を 変更した再設計が求められる。 • プロセスの自動化、データ主導の意思決定、従業員と顧客の管理 など、イノベーションプロセスに影響を与える。 • 機会の特定、アイデアの選択、コンセプトのテスト、市場投入な ど、サブプロセスへも影響する。 • AIはイノベーションプロセスを強化するツールという位置 づけだけでなく、コラボレーションの媒体になる。 • プロバイダーとアダプターはより緊密に連携する必要があ り、AI を組織に実装するにはアルゴリズムに入力できる充 分な量のデータが必要になる。 • 組織はモデルに特定のデータを供給し、推論段階でモデルを微調 整する必要がある。 • この状況は、テクノロジー提供企業側だけでなく、AI テク ノロジー導入企業側でも発生する。 16

17.

データ価値とコラボレーション • データと AI は相補的資産であり、AI がイノベーションプロセス の成果物の場合、データは補完財となる。 • データをプロセスに取込むと、偏見、倫理、データの経済的価値、デー タ共有などで新たな課題や懸念が生じる。 • データ共有に関しても協力する当事者間で異なる目的や伝統を持ってい る場合がある。 • 他方、実行可能なビジネスモデルを成立させるには協力して十分 な量と質のデータを利用可能にできるかどうかが使命を制する。 • 協力者は自分に欠けている補完的資産へのアクセスに動機付けられるこ とが多い。 • 価値はパートナーが保有する専門知識に関わるデータであることが多い。 • 高品質のデータを大量に使用することで得られる利点や領域固有 のアルゴリズムをトレーニングするためにコラボレーションに取 り組む例が多い(ある研究の結果)。 • 実践を通じて学習し規模を拡大する傾向が強いので、ますます適 正な組織変革がポイントになる。 17

18.

AIと組織変革 • AI など新しいテクノロジーが採用されると社内外の組織の ルーチンや構成に課題が生じる。 • AI 使用には組織全体がイノベーションプロセスに関与する必要が あり、 • AI 使用による影響は、AI を直接使用している人々や部門に限定さ れない(ある研究の結果)。 • 変化はすぐには現れず、AI 使用が組織に統合され、補完的 イノベーションが導入されるにつれて明らかになる。 • 新しいタスク・ポートフォリオが進化するにつれて、新し い分業が明らかになり、新しい調整タスクが出現する。 • 企業は、増加した情報を最大限に活用できるように、意思決定権 をより委ねられる分散化した組織に移行することが多い。 • 変革の水準は極めて高度なので、しばしば組織変革に取り 組む経営陣の意欲が AI 導入の成功の鍵となる。 18

19.

2. 事例 各種のコラボレーションを成功に導く構成 • 先述の2つの要因の実態をより具体的に検討する。 • それぞれの課題が大きいため、まず、新ビジネスモデル 構築の入口となる「データを中心としたコラボレーショ ン」により重点を置いて3つの事例を紹介する。 • 事例: ◆製造業 ◆金融業 ◆小売業 19

20.

事例1:製造業 • ChatGPT等は製造プロセスのさまざまな側面に革命を起こ し始めている。 • これら技術のスムーズな導入と最適化を確実にするには、 各チームの協力的取組みが極めて重要な役割を果たす。 • ChatGPT等を製造業システムに統合するには技術的複雑さと運用 要件の両方に対する深い理解が必要になる。 • チーム全体としての重要な責務はAI統合によって大幅な改 善が叶えられる領域を特定することである。 • このための初期評価とその後の継続的フォローには各専門 分野の関係者間の微妙な意見調整が必要になる。 • チーム全体としてデータセキュリティ上の懸念、倫理的影響、既 存労働力の動態への影響も見極める必要がある。 • パートナー一覧とその役割を次頁次々頁に示す。 20

21.

ChatGPT等の生成AI実装におけるチームの役割と責任 役割 責任 専門知識 1 プロジェクトマネージャー 導入プロセス全体を監督し、目標を設定し、 チームの取り組みを調整する。 プロジェクト管理、リーダーシップ、コミュニケー ション、AI 技術の理解 2 AIエンジニア AI システムを開発および保守し、スムーズな動 作を確保し、技術的な課題に対処する。 AI 開発、プログラミング スキル、機械学習、自然言語 処理、ソフトウェア エンジニアリング 3 データサイエンティスト AI をトレーニングするためのデータを収集、 分析し、パターンを特定して、アルゴリズムを 最適化する。 データ分析、統計、データマイニング、機械学習、プ ログラミングの専門知識 ドメインエキスパート AI モデルを効果的にトレーニングし、製造プロ セスでの精度を確保するための業界固有の知識 を提供する。 製造プロセス、業界固有の規制、標準に対する深い理 解、データ注釈の専門知識 5 UX/UIデザイナー AI システムと製造担当者間のシームレスな対話 ユーザー エクスペリエンス設計、ユーザー インター のためのユーザーインターフェイスを設計する。 フェイス 設計、および人間とコンピューターの相互作 用の原則に関する知識 6 ITサポートスペシャリスト AI システムと既存の IT インフラストラクチャ のスムーズな統合を確保し、必要に応じて技術 サポートを提供する。 7 法務・コンプライアンス責 任者 AI の実装が法的規制と業界標準に準拠している 法的専門知識、データプライバシー規制の理解、AI 倫 ことを確認し、潜在的な倫理的懸念に対処する。 理の知識 8 トレーニングおよび開発ス ペシャリスト AI システムの効果的な使用方法について従業員 をトレーニングし、スキル開発の継続的なサ ポートを提供する。 トレーニングの専門知識、コミュニケーションスキル、 成人の学習原則に関する知識 9 品質保証アナリスト AI システムのパフォーマンスを監視し、潜在的 なエラーやバイアスを特定し、生成された情報 の正確性と信頼性を確保する。 品質保証スキル、細部への注意力、AI の検証と検証プ ロセスの理解 4 IT インフラストラクチャ管理、トラブルシューティン グ スキル、ネットワーク アーキテクチャの知識 21

22.

ChatGPT 等の生成AIを製造業に実装するチームの構成 品質保証 アナリス ト トレーニン グ開発スペ シャリスト プロジェク トマネー ジャー 製造業への AIエンジ ニア データサイ エンティス ト ChatGPTの 導入 法務・コン プライアン ス責任者 ドメイン エキス パート ITサポート スペシャリ スト UX/UIデ ザイナー 22

23.

事例2:金融業 • ChatGPT等の金融分野への統合は急速なデジタル変革と効 率的で独創的なソリューションへの需要の高まりによって ますます不可欠になっている。 • これらの技術の導入は自動化、精度、顧客体験の向上など 数多くの利点をもたらすが、コンプライアンス、セキュリ ティ、倫理基準の課題などもクローズアップさせる。 • このような課題に対応するチームはAI開発、財務、法務、 コンプライアンス、倫理など、さまざまな専門家で構成さ れる取組みを通じて複雑な問題を乗り越える必要がある。 • パートナー一覧とその役割を次頁次々頁に示す。 23

24.

ChatGPT等の生成AI実装におけるチームの役割と責任 役割 責任 専門知識 AIエンジニア、データサイエンティスト、およ びAIシステム開発を率いるマネジャーで構成さ れシステム開発の責任を負う。 金融固有のデータに基づくトレーニング、複雑な金融 用語など専門用語、規制ガイドラインそ理解しシステ ム開発に活用する専門知識 AI開発チームにドメイン固有の知識を提供しAI モデルの効果的トレーニング等を支援する。 銀行業務、投資、保険に渡る金融情報などの知識。 ChatGPTの適切な使用例を特定するための顧客サポー ト、リスク評価、不正行為検出などの専門知識 1 AI開発チーム 2 金融の専門家 3 法務・コンプライアンス専 門家 AIの実装が金融セクターを管理する法的枠組み、 データプライバシー法、金融規制、消費者保護政策な 規制ガイドラインに確実に準拠するように支援 どに関する専門知識 する。 4 倫理委員会 金融分野へのAI導入による倫理的影響を精査す る責任を果たす。倫理学者、哲学者、業界専門 家などで構成される。 5 サイバーセキュリティ専門 家 AIインフラストラクチャーの脆弱性評価を実施 潜在的なサイバー脅威、データ侵害、悪意のある攻撃 し、堅牢なセキュリティプロトコールを制定し からAIシステムを保護するための専門知識 機密の財務データを不正アクセスから保護する。 金融サービスにおけるAI使用から生じる潜在的偏見、 差別、予期せぬ結果を評価できる知識 ChatGPTと金融業界のユーザー間の全体的な対 話の仕組みを作成するのに貢献する。 AIシステムがパーソナライズされ、関連性があり、理 解し易い財務上の洞察をユーザーに提供するための専 門知識 6 UXデザイナー 7 変更管理スペシャリスト 金融業界内でAI主導のプロセスへの移行を促進 させる役目を担う。組織の変化を管理し、従業 員の懸念に対処して適応性を育む役割も担う。 コミュニケーションとトレーニングについての専門知識。関係者 にAI導入を教育する能力、など 規制当局/業界代表者 チームへの参加により規制遵守の積極化や金融 機関にAI戦略進化のための規制の調整を実施す る役目を担う。 知識の共有、政策実施などで金融分野でのAI導入のた めの標準確立などに関わる知識 8 24

25.

ChatGPT 等の生成AIを金融業に実装するチームの構成 AI開発 チーム 金融の 専門家 業界代表者 規制当局 金融業への 法務・コン プライアン ス専門家 ChatGPTの 導入 倫理 委員会 UXデザイ ナー サイバーセ キュリティ 専門家 25

26.

事例3:小売業 • ChatGPT等の実装は業界のさまざまな側面を変革する注目すべ きイノベーションとして浮上している。 • これらは顧客エンゲージメントに革命をもたらし、業務の合理 化、ビジネスの効率化を強化する。 • ChatGPT等は顧客サービス、データ分析、行動心理学を含む多 様なスキル活用でカスタマイズされた効率的対話を提供できる。 • 顧客とのやり取りを継続的に分析することで顧客満足度を測定 しサービスを強化させられる。 • また、感性的知性と共感の要素を会話に組込むことでつながり と信頼性を育むこともできる。 • 結果、小売部門におけるコラボレーションはサービス品質を高 め、顧客満足度の向上をもたらし、最終的には顧客ロイヤル ティと長期的ブランド支持を育むことができる。 • パートナー一覧とその役割を次頁次々頁に示す。 26

27.

ChatGPT等の生成AI実装におけるチームの役割と責任 役割 責任 専門知識 1 プロジェクトマネー ジャー - プロジェクトの目的と目標を定義する - チームの活動とリソースを調整する - プロジェクトのタイムラインを管理する - プロジェクト管理 - リーダーシップ - コミュニケーションとコラボレーションのスキル 2 AI リサーチ/サイエンティ スト - 自然言語処理アルゴリズムを開発し強化する - 小売業向けの AI 生成機能を向上させる - ディープラーニング、自然言語処理 (NLP) - 高度な数学とアルゴリズム 3 ソフトウェアエンジニア - AI アルゴリズムを小売アプリケーションに実装する - AI コンポーネントとシームレスに統合し機能を確保する - プログラミング言語 (Python、Java など) - ソフトウェア開発 - アルゴリズムの実装 4 データサイエンティスト - AI トレーニング用に大規模な小売データセットを分析し 前処理する - アルゴリズム最適化しパフォーマンス精度を向上させる - データの分析と操作 - 機械学習手法 - データの前処理とクリーニングのスキル 5 UX/UIデザイナー - AI 主導の小売プラットフォーム向けに直感的でユーザー フレンドリーなインターフェイスを設計する - ユーザーエクスペリエンスのテストを実施する - ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン - ユーザーインターフェイス (UI) デザイン - プロトタイピングとユーザビリティテスト 6 倫理コンサルタント - 小売業における AI テクノロジーの倫理的影響を評価する - 倫理的な AI の使用、公平性、透明性を確保する - 倫理的推論 - AI倫理ガイドラインの理解 - 小売業における AI に関連する法律および規制の知識 - Technical - 顧客サービスのスキル - AIシステムに関する技術知識 - 問題解決能力 7 顧客サポート専門家 - 小売業における AI を活用したサービスに関する顧客から の問い合わせに対応する - 技術サポートし問題解決を提供する 8 サイバーセキュリティ専 門家 - AI アプリケーションのデータ保護のためのサイバーセ キュリティ対策を実装する - サイバー脅威や侵害から守る - サイバーセキュリティプロトコル - 暗号化方式 - ネットワークセキュリティの専門知識 9 セールス&マーケティン グ専門家 - 小売業における AI 製品のマーケティング戦略を開発する - AI のメリットを潜在的なクライアントやパートナーに伝 える - マーケティングおよび販売スキル - 市場調査スキル - 効果的なコミュニケーションと交渉のスキル 27

28.

ChatGPT 等の生成AIを製造業に実装するチームの構成 セールス &マーケ ティング 専門家 サイバーセ キュリティ 専門家 プロジェク トマネー ジャー AI リサー チ/サイ エンティ スト 小売業への ソフトウェ アエンジニ ア ChatGPTの 導入 顧客サポー ト専門家 データサ イエン ティスト 倫理コンサ ルタント UX/UIデ ザイナー 28

29.

3. 組織変革 1. 2. 3. 4. 5. 6. 組織変革の概観 事例分析から次のようにまとめられる。 ビジネスモデル成立に必要な充分な量と質のデータ収集が コラボレーションの大きな動機となる。 多様な顧客ニーズに動的に対応しようとすれば、データ収 集と分析に対処するコラボレーションはより複雑になる。 (事例でも示したように)AI導入においてコラボレーション を構成するメンバーは多い。 データは顧客のサービス利用によって生成されていくので、 システムは実践を通じて順次規模を拡大し学習して行く。 組織も徐々に変化する構造に如何に対処するかが問われる。 多様な課題が存在することから、責任分担と対象課題の集 中対応のため組織変革は分業に移行することが多い。 29

30.

イノベーションダイナミズムとコラボレーション(中間まとめ) • AIは潜在的に汎用技術なので、前述の方向性は(事例で取り 上げた)全業界を越えて同等である可能性が高い。即ち、 オープン化して多様なコラボレーションを実現する 一方、データ起因の多様なリスクを回避し評価手法 や柔軟な対応を容易化するため分散化へ • このような構造の中から複雑性を緩和するため重複プロセ スを出来るだけ切り出して自動化する方向が目指される。 • そして、システム規模の拡大、データ収集規模の拡大、自 動化範囲の拡大によって、AI技術がイノベーションに与える 影響はダイナミックに変化してゆく。 • この変化から新たな価値創造と価値獲得の目標/方向が明ら かになり出すと新たなビジネスモデルが展望される。 30

31.

第3節ビジネスモデル革新のこれから 1. 管理 生成AI活用ビジネス環境の管理 • AI技術は本質的に変革的性質を持っておりビジネスプロ セスに浸透して大きな変化をもたらす。 • AI技術の進化とデジタル化の一層の推進により、データ が起爆剤となってさまざまな経営課題に対処するデータ 駆動型ソリューションベースの価値創造や機会創出の世 界が出現する。 • 結果、効率化、自動化に加えて、顧客に提供する現在価 値を根本的に再考する必要性に迫られる。 • これにはイノベーションを通じた価値創造、新たな組織 課題解決のための変更管理、それ等を成功裏に遂行する ためのリーダーシップの3つが同時に求められる。 31

32.

AI起因の組織変革に必要な能力 概略、AIベース組織変革には次のような能力が求められる。 1. AI技術の知識と理解:トップ経営層自らAIの可能性と 限界について正しく認識 2. AIの考え方の理解:データに基づく洞察を探求する姿 勢と熱意 3. AIによるリーダーシップ能力:トップ経営者自らAIエ バンジョリスト的に行動 4. AIの抽象度をナビゲートする能力:将来に焦点を当て てAIの本質とビジネスモデルイノベーションの可能性 を把握 5. AIに基づく意思決定を実行する能力:従来より迅速で 根拠のある決定を、元のデータの信頼も踏まえて実行 32

33.

AIを活用したビジネスモデル革新の方向性 概略、次のような方向性が考えられる。 1. 持続可能なAIの方向性の定義:組織内で効果的に適用されるような定 義 2. AIによる野心の取組み:多様な利益相反を超克する強い意志 3. リソースとAI知識へのアクセスの許可:適切な所有権の譲渡と責任 の付与 4. AI対応ソリューション実装のための組織の準備:既存の不適切な 階層や構造を持つ組織から独立した組織運営の実施 5. 実験の自由と余地の提供:機敏なアプローチと避けられない失敗の許容 6. AIのケースの評価と優先順位付け:一層の顧客ニーズ中心の方向性 7. 透明性と信頼性の高いコミュニケーションの確立:破壊的変化に 適する組織変革を適切な透明性を持って調整/伝達 8. AIの文化と変更管理のかじ取り:AIに親和する文化を醸成する環境の育成 33

34.

2. ビジネスモデル 生成AIが生み出す新たな環境 • 生成AI技術の急速な進歩は、人間のスキル要件も変更し人間 の役割がコンテンツ作成から生成されたコンテンツの評価や 編集に移る。 • 生成AIはコンテンツ作成コスト削減などで新たな収益モデル を生み出しコスト構造を変革する能力がある。 • 結果、生成AI技術の進化が続く中、企業は新たな環境に適応 するため、既存システムに生成AIを統合することで新たな成 長機会を継続的に探索できるかに将来を託す必要がある。 • 即ち、生成AI台頭はパラダイムシフトであり、知識へのアク セスとコンテンツ作成が民主化されたことを意味する。 • このような変化に対応するビジネスモデル再構築が求められ る。 34

35.

生成AIが与える多様な影響 • 前述の環境変化による影響を次の3つの軸で分類して示す。 【イノベーション活動への影響 】 ✓イノベーションのイニシエーター:生成AI は、専門知識、 技術、リソースへの平等のアクセスを提供することで、 あらゆる地域、社会的背景のイノベーターに平等な競争 の機会を提供する。 ✓イノベーションの程度:生成AIは事実の知識と創造的思 考の組み合わせによって、迅速で新しい提案イノベー ションと価値獲得イノベーションを高く提供できる。 ✓イノベーションのタイミング:生成AI は、すぐに達成で きるイノベーションが優先され、既存の製品やサービス の拡張を通じてほとんどのビジネスに影響を与える。 35

36.

生成AIが与える多様な影響(続) 【仕事環境への影響】 • イノベーションの影響:生成AI はホワイトカラーの仕事に 最も大きな影響を及ぼし、彼らの職務全体の置換、再形成、 あるいはレベルアップが行われる。 • イノベーションのためのスキルセット:生成AI は、多くの 職務が創造から編集に変わるに連れて、コンテンツを生成す るために必要なスキル セットを再定義する必要がある。こ れは人間による増幅であり、完全な代替ではない。 【情報インフラへの影響】 • 消費するかカスタマイズするか:生成AIが企業のデータイン フラストラクチャにどのように導入されるか?あるいは統合 されるか?は企業の取組み姿勢による。 36

37.

業界の事例1:金融サービス(投資管理) 【生成AIの機能をフル活用してビジネスモデルを抜本的に変革】 • 高度なアルゴリズムを採用し膨大な金融データを処理するこ とで、生成AI はパターンを特定し、市場動向を予測し、投 資の見通しを明らかにする。 • 最終的には投資戦略が強化され、収益が最適化され、デュー デリジェンス(適正な評価手続き)が自動化され、ポートフォ リオのパフォーマンスが向上する。 • 更に、不正行為の検出や、資産管理における個別の財務アド バイスなどの顧客対応タスクにも役立つ。 • 事例: • GPTQuant:投資戦略を開発および評価するための会話型AIチャッ トボット • Finchat、など 37

38.

業界の事例2:ヘルスケアサービス 【複雑なコラボレーションを活用した具体的サービスが登場】 • AI技術と機器は、医療従事者の仕事を拡大し、チャットボッ ト活用などでより多くの患者を治療できる。 • チャットボットは、仮想セラピストとして機能し、患者を事 前診断またはスクリーニングしたり、24 時間年中無休のサ ポートを提供したりできる。 • このようなサービス提供にはAI 開発者、医療提供者、サー ドパーティの技術企業などの新しいパートナーシップが必要 になる。 • 事例: • AI メンタルヘルス療法のハードウェアとしては各種ウェアラブル 装置が登場し、着々と具体的サービスが開始されている。 38

39.

3. おわりに 既存の産業構造は破壊される • 創造性、批判的思考、個人的/感情的やり取りがあまり必 要とされない業界(職業)は、生成AI に大きな影響を受け るか、置き換えられる可能性がある。 • 生成 AI はコンテンツをパーソナライズし、人間のような 会話サービスを実行する。 • この延長でインテリジェントなアシスタントとしても機 能するので、新たなビジネスモデル登場が可能になる。 • 各業界は、生成AI を活用して進化して行くビジネス環境 に適応するため、従業員を再訓練し、競争上の優位性を 築く方法を慎重に、且つ早急に検討する必要がある。 39

40.

主な技術的課題 • • • • • 但し、次のような課題は依然として存在している。 幻覚:架空の情報または事実上の誤りが埋め込まれた情報を提 供する可能性がある。 トレーニングデータの品質:品質を保証するための十分なト レーニング データを取得することが困難か、または不可能な 場合がある。 説明可能性:生成 AIが作成したコンテンツを理解するのが難 しく、間違いを発見するのも難しい場合がある。結果、ユー ザーは生成 AI を信頼できなくなるか信頼が低くなるリスクが ある。 信憑性:コンテンツの操作によって信憑性に疑いが生じる場合 がある。 生成AIリテラシー:AIが生成するコンテンツの品質を向上させ るため、プロンプトエンジニアリングなどデジタルリテラシー の習得が重要な要素となり、良い成果を得るためには各種プロ ンプトによる総当たりトライアルなどの技術も必要になる。 40

41.

生成AI収益化に向けた動き • 従来の検索モデルでは消費者が投入する検索キーワードに連 動して広告を収益化のコアにすることができた。 • しかし、生成AIでは広告モデルは追求されておらず、 ChatGPT PLUSによる課金モデルが知られている。 • そして、ChatGPT PLUSへの勧誘を拡大させるため、GPTs、 GPT Storeなどの新機軸が矢継ぎ早に発表されている。 • 一方、米ニューヨークタイムズはChatGPTが事前トレーニン グに使用した多数のニュースコンテンツは不正使用であると 訴訟を起こした。 • 現状は、これらの趨勢の結果を判断するには時期尚早である。 • しかし、ビジネス環境は急速に変化しているので、定性的議 論ではあっても検討を開始するのは有益である。 41

42.

まとめ • 既にOpenAI社からGPT-4に次ぐGPT-4.5が発表?されており、 競合他社も活動を本格化させているので、生成AI関連技術は 今後もますます進化してゆく。 • OpenAI、Microsoftはじめ、生成AI提供ベンダーのビジネス モデルは急速に整備されつつある。 • しかし、生成AI由来のビジネスは各業界、各機関や消費者が 保有する(あるいは主導する)データにまつわる側面がコア であることから、利用形態、ビジネス形態などの本格的定着 は今後のことであると考えられる。 • このような中で、大きくは人間対AIの関係(“人間中心の利用 形態の追求”、など)の確立、および各社、各機関の新たな展 開は将にこれからが正念場である。 • 従来とは異なる変化のスピード、企業組織を含めた変革の幅 の広さから、早期の準備が重要と考えられる。 42

43.

文献