生成AI時代でも必要なIT技術とは

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July 19, 25

スライド概要

2025年7月19日「生成AIすごいけど、全部任せて大丈夫?」の講演資料です。

https://glnagano.connpass.com/event/357353/

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技術ライター/プログラマ。 デバッグ音頭を作ったひと。 M5Stack、TWELITE、AWSの本などを書いています。

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各ページのテキスト
1.

生成AI時代でも 必要な IT技術とは 大澤文孝 1

2.

Who Am I? 大澤文孝 技術ライター/システムエンジニア/プログラマ/インフラエンジニア。 著書は100冊以上。 2

3.

主な著書

4.

主な活動 • 国交省の3D地図「PLATEAU」のチュートリアルを担当 • SchooやSEカレッジでの講師 • 同人活動(モウフカブール) – 技術書典や技書博 – 次回の技書博は10月26日 埼玉の大宮ソニックシティ (現在、サークル募集中) – OSCへの参加(このあいだOSC北海道に行ってきました)

5.

小笠原種高の本

6.

生成AIの参考書籍 エンジニアのためのChatGPT活用入門 インプレス エンジニアがChatGPTを活用するためのヒントを集めた 本。 ChatGPT 3.5の時代の本なので内容は古いが、生成AI、 どう使えばよいかという指針は、あまり変わらないかも。

7.

聞くのではなくやらせる 本書の執筆を終えたとき、ChatGPTを活用できるかどうかは、正直、使い方であると 感じました。 実は当初、これほどChatGPTが使いものになるとは思っていませんでした。 その理由は、2つあります。ひとつは、リリース当初のChatGPTは、いまほど賢くなか ったこと。もうひとつは、僕の聞き方が悪かったことです。 僕は、ChatGPTに「こういうときにはどうすればいい?」「〇〇はどういう意味?」と質問 ばかりしていました。その回答は間違っていたり、的外れなものが多かったりしたので、これ では使えないなと判断したのです。 しかし本書のように、「〇〇を作ってほしい」のように指示を出すように変えたら、どうで しょう。奇外と正確なコードが出てくるではありませんか! そう、ChatGPTは「聞くもの」ではなく、「やらせるもの」なのです。それに気づいたとき、 多くの活用のアイデアが浮かび、その日から「使えるChatGPT」となりました。

8.

聞くのではなくやらせる • 生成AIにはハルシネーションの問題がある – 妄想で答える可能性がある – 結果が正しいかどうかの保証がない – 信用してはならない • やらせて、その結果を確認する – 自分が出力を分かっていることをやらせる

9.

教えてもらうのはもってのほか • やらせて、その結果を確認する – 自分が出力を分かっていることをやらせる • 教えてもらうときは「情報源」を吐かせる – 自分で目視確認

10.

生成AIの2つの用途

11.

「作る生成AI」と「使う生成AI」 • 作る生成AI – エンドユーザー向けの生成AIアプリを作る。 – チャットボット、RAGを使ったFAQ回答など – コンテンツの要約、お問い合わせ返信案生成などの補佐 • 使う生成AI – コードを作らせる – IaCのテンプレートなどを作らせる – 設計や仕様書などのドキュメントを作らせる – テストの自動化、テストデータの生成 などなど

12.

生成AI時代に何が求められるのか • コードの作成は生成AIに任せられる? • 僕らは、何をしなければならず、何をしなくて済むよう になるのか • 僕らエンジニアは生成AI時代に必要なのか?

13.

量とスピードでは勝てない 我々の負けを認めよう

14.

数百行のコードが1分足らずでできる • 熟練したプログラマでも追いつかない

15.

デモ • Grok (grok.com) にゲームを作らせる • 「Webで動くテトリスのゲームを作って」

16.

生成AIなしの開発はありえない • 生成AIを使わないと、スピードで他社に負ける • 生成AIを使ってスピード感を出すこと必須 ⇒生成AIの適切な使い方を知らなければ話にならない

17.

面倒なプログラム生成に使う • やりたいことが明確だけれど、自分で書くのが面倒な泥 臭い作業 – 生成AIを使えば、頭を使わなくていい • テキスト、HTML、XMLのパース処理とか – PLATEAUの3D地図のXMLをパースして、必要な建物だけを 抜き出すとか…… ⇒愚直にやらなければならないプログラミングほど効果がある

18.

生成AI時代の 人間の役割

19.

システム開発の工程 • 要件定義 • 設計 • 開発(実装) • テスト 人間の関わる範囲が大きい 人間の関わる範囲が小さい 前段(要件定義と設計)が、決まれば、何をすべき かは、決まるので自動化できる

20.

我々人間がしなければならないこと • 要件定義 • 設計 • 開発(実装) • テスト 人間の関わる範囲が大きい 人間の関わる範囲が小さい 前段(要件定義と設計)が、決まれば、何をすべき かは、決まるので自動化できる

21.

要件定義力・設計力を身につける 「どのように」ではなく「何をしたいか」

22.

技術の本質 • エンジニアがこの先生きのこるためのカン ファレンス – 「知識」と「知恵」を区別して時流を乗り切る ~50年経っても現役でいられるために~ • 書籍「すべてのITエンジニアのための「一 生モノの学び方」」

23.

要件定義・設計が苦手な人 • 何をしたいのか、何をすればゴールなのかが明確になっ ていない ⇒ITシステムの本質を知らない!?

24.

データに着目する • ITシステムは、データを加 工しているものに過ぎない • 要件定義や設計は、物事を データでどのように表現し て、それをどう加工するかを 決める(意味付けすること)

25.

入力、加工、出力 • プログラミングは手段 • 生成AI時代は、「こ ういう入力を、こうい う出力にするプログラ ムを作って」と言えば 作れる(③を生成AI に任せられる)

26.

データモデリングをどう習得するか • 業務データを適切なオブジェクトやテーブルとして表現 するには? • ⇒他のシステムを真似る – 顧客情報、商品情報など、扱うもののデータ構造は、先人た ちによって決められていることが多い

27.

業務フローの制御などは? • コンピュータサイエンスの基礎 – フラグを使って状態を保持する – 基本情報処理などで学べ! • 典型的な古典的アルゴリズムをおろそかにしない • 最初は「真似」でも、どこかできちんと少しずつ基礎力 を付けよう

28.

応用だけを追いかけるのはつらい • 業務を手っ取り早く楽に片付けるには「応用(上澄 み)」を、わかったふりして使うのが手早い – 特定のフレームワークのやり方を習得してすぐに実践で使う – どんどん新しいものが出てきて辛い

29.

差分だけで吸収できるようにする • 応用は基礎の上に成 り立つ • 基礎を知れば、その 差分で応用もわかる • 応用の下にある基礎 技術まで視野を広げ ておくと、この先、 楽になる

30.

生成AIへの命令の方法 正しく作らせるために

31.

我々人間がしなければならないこと • 要件定義 • 設計 • 開発(実装) • テスト 人間の関わる範囲が大きい 人間の関わる範囲が小さい 前段(要件定義と設計)が、決まれば、何をすべき かは、決まるので自動化できる

32.

自動でコードを作らせる • Cloude Code/Gemini CLI – 特定のディレクトリ内に「やらせたいこと」の指示書を作っ て、勝手に作らせる – かなりパワフル! うまく動かないときに、ライブラリのほうを変更しようとす るほど力業という意味でパワフル(笑)

33.

明確なゴールを決めること • 曖昧な指示だと成功率が低い – 何度もうまくいくまで繰り返し指示するので効率が悪い(手 離れが悪い) • その通りに実行すると完成する指示書を与える – 自分で書く or 指示書も生成AIに作らせる – Amazonの「Kiro」で変わりそう

34.

生成AIではテストが重要視される • コードの大半を生成AIで書かせる – 人間が確認できないほどの分量になる ⇒人間が確認するのではなくテストを通ればOKとする テストによってゴールが明確になるので、生成AIのコード生成 は再試行によって確実性が高まるので、益々、自動・自律した コード生成が進む

35.

アーキテクチャを知り正しく導くこと • テストだけ通るが碌でもないコードが登場する – ライブラリを強引に書き換えたコード – 強引に辻褄だけ合わせてるコード • 生成AIを正しく導く指示をする 自分で作れるけど、面倒だから作らない

36.

誘導気味だと良き結果を引き出せる • 一発目では概要(汎用的、毒にも薬にもならない)しか 出てこない • 「これってこういうふうにできるよね?」(専門用語含 む。「それってPandasだと簡単にできるよね」) • 詳細な回答をし始める – おまえは知らないわけではなかったのか!

37.

まとめ

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生成AI時代を見据えた技術の習得 • 開発・テストの工程は生成AIになる • テスト重視の時代が来る • 要件定義力・設計力を磨く – 入出力データに着目していくこと – データ制御のため、古典的なアルゴリズムを知っておくと有利 なこと • 「自分でできるけど面倒だからやらない」というマインド

39.

ご静聴ありがとうございました Follow me @sour23 モウフカブール https://mofukabur.com/