夜活講座(20211208)配布資料用

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December 06, 21

スライド概要

12月8日(水)に開催される「夜活講座」のVIRTUAL SHIZUOKA説明資料です。

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静岡県の土木職員(VIRTUAL SHIZUOKA担当)&Code for Kakegawaメンバー

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

記憶の記録 点群データで地域の「記憶」を「記録」する 〜 VIRTUAL SHIZUOKA構想 〜

2.

静岡県交通基盤部 建設政策課 未来まちづくり室 イノベーション推進班⻑ 杉本 直也(NAOYA SUGIMOTO) <プロフィール> ・ 1971年静岡県藤枝市生まれ(実家は建設業) ・ 1994年に土木技師として静岡県入庁 ・ 静岡県GIS、ふじのくにオープンデータカタログ、Shizuoka PointCloudDBの構築 ・ 現在、i-Construction、自動運転、スマートシティ関連業務を担当 <その他所属> ・ Code for Kakegawa所属 ・ 静岡大学情報学部(土木情報学研究所)客員教授 <委員など> ・ 地域情報化アドバイザー(総務省:2021年〜) ・ 測量行政懇談会 基本政策部会(国土地理院:2020年〜) ・ 地盤情報活用検討会(国土交通省・総務省:2016〜2018年) ・ オープンデータ実務者会議 自治体普及作業部会(内閣官房:2015〜2017年) 1

3.

「放浪の画家」 「日本のゴッホ」 「点描画の天才」 山下 清 出典︓⼭下清「東海道五十三次」15番 富士(吉原) http://blog.mashiko-kankou.org/member/?p=1710 2

4.

VIRTUAL SHIZUOKA の点群データ 点群データ:レーザスキャナ等で計測したX,Y,Zの位置情報を持つ膨大な点の集まり 3

5.

点群データじゃなくても航空写真で良くない? 4

6.

航空写真では撮影できない地表面が取得できる 5

8.

これぐらいの隙間があればデータ取得できています 7

9.

浜松市にある「光明山遺跡」 写真提供:(株)フジヤマ 8

10.

浜松市にある「光明山遺跡」 オリジナルデータ 写真提供:(株)フジヤマ グラウンドデータ 9

11.

VIRTUAL SHIZUOKA 実現のため広範囲・高密度にデータ取得 航空レーザ計測 (LP) 航空レーザ測深 (ALB) 移動計測車両 (MMS) 地表面及び樹木・建物など 海岸及び水中部の地形 道路及び周辺部の地物 16点/m2以上 1点/m2以上 400点/m2以上 計測方法 計測内容 計測密度 10

12.

航空レーザ計測 (LP) LP+ALB LP+MMS + + 水面と水中地形データを統合 + 広域の地形データと道路の地形データを統合 航空レーザ測深 (ALB) + 移動計測車両 (MMS) 統合データ(LP+ALB+MMS) 画像提供:朝日航洋株式会社 11

13.

VIRTUAL SHIZUOKA のデータをオープンデータ(CC-BY)として公開 https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-2019-pointcloud 12

14.

VIRTUAL SHIZUOKA のデータをオープンデータ(CC-BY)として公開 LPデータ ダウンロードページ ALBデータ ダウンロードページ MMSデータ ダウンロードページ 「選択範囲の指定」をクリックして領域を 選択し、「ダウンロード」をクリックする とデータが取得できます https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-19-20-pointcloud 13 13

15.

ホームページで公開することと オープンデータは違います! 14

16.

オープンデータとは? 誰でも!自由に! 二次利用できる データのこと 15

17.

誰もが自由に使えるデータって意外と少ない 「無償」で使えることと「自由」に使えることは違います。 例えば、GoogleMapは無償で使えますが、自由に改変することはできません。 VIRTUAL SHIZUOKAのデータは、クリエイティブコモンズ(CC-BY4.0)の 元に自由にデータを利用でき、商用利用も可能なので研究開発だけでなく、 大人から子供、趣味や遊びまで誰もがあらゆる「コト」に安心して使えます。 16

18.

税金で作った行政データは 道路などと同じ社会資本! 17

19.

行政の持つ情報は以前から市⺠のもの・・・ オープンデータは別に新しいことではない! 18

20.

Licensed OPEN DATA 個人情報 機密情報 自由に使えるデータ (オープンデータ) 公開可能な情報 行 政 情 報 (情 報 資 産) 公開かつ自由に使えるデータを増やす! 出典「国際大学GLOCOM:智場#119特集号」 19

21.

静岡県の3次元点群データ取得計画 総面積:6,700km²(全域:7,777km²) 総事業費:1,728,847千円 (国費: 365,717千円) R3 950km² 320,000千円 (内閣府:50,000+県:270,000) R3 R1 砂防基礎調査 4,000km² 877,140千円 (国土交通省:265,717+県:611,423) 1050km² 306,713千円 (県:306,713) R2 700km² 224,994千円 (内閣府:50,000+県:174,994) 20

22.

なぜ、VIRTUAL SHIZUOKAを作りたいのか? 21

23.

明日起こるかもしれない災害に備えて 3次元点群データを蓄積しておく 22

24.

3次元点群データの蓄積による災害復旧の迅速化 土量計算 被災後の3次元点群データ 蓄積していた被災前の データと重ね合わせ 横断面図作成 23

25.

熱海市伊豆山土石流災害(2021年7月3日) 24

26.

2021/07/13 日本経済新聞(掲載許可済) 2021/07/30 朝日新聞(掲載許可済) © 2021 Symmetry Dimensions Inc. All rights reserved. Confidential. 25

27.

点群データの比較による地形差分抽出 (2009年国土交通省取得)1〜4点/m2 (2019年VIRTUAL SHIZUOKA)16点/m2 非オープンデータ オープンデータ (CC-BY4.0) 26

28.

差 分 解 析 図(静岡点群サポートチーム:鈴木 雄介氏) 27

29.

点群データの比較による地形差分抽出 (2019年VIRTUAL SHIZUOKA)16点/m2 オープンデータ (CC-BY4.0) (2021年被災後県取得)120点以上/m2 オープンデータ (CC-BYとODbLのデュアルライセンス) 28

30.

災害発生後のデータと被災前データの差分による地形変化の把握 約55,500㎥が崩壊 約7,500㎥を砂防ダムが捕捉 残りの大部分が下流へ 29

31.

崩壊箇所の地形差分 崩壊前と崩壊後の地形差分により、 崩壊土車両を約56,000 ㎥と算出 盛土の一部は残存 2009年より前の盛土も崩壊 30

32.

砂防えん堤付近の地形差分 2019年(崩壊前)と崩壊後の地形 差分により、えん堤に捕捉された土 砂量を約7,500 ㎥と見積もる。 計画された効果量(4200㎥)より も多くの土砂を捕捉。新幹線などの 重要施設を守ったかもしれない。 31

34.

複数時期のレーザー計測データによる地形変化の把握 2021年 UAVレーザー計測(10cm-DEM) 2009年 航空レーザー計測(50cm-DEM) 2019年 航空レーザー計測(1m-DEM) 静岡県 国土交通省沼津河川国道事務所 赤色立体地図 33

35.

B A 紫破線の範囲が盛土が残存していると推定される範囲。 A領域は現在変状の見られる範囲 B領域は現在は変状が見られない範囲 A 領域に含まれると推定される残存盛土体積 A+B領域に含まれると推定される残存盛土体積 約 9,400㎥ 約20,000㎥ 34

36.

伸縮計 崩れ残った盛土 A 不安定(と考えられる)残存盛土部には伸縮計が設置された。 →しきい値を超えるとエリアメールで警報が送られる仕組みが作られた。 35

37.

崩壊地の監視計画 36

38.

MMSデータ活用による橋梁緊急点検 被災前のMMSデータと被災後の現地計測データで変位をチェック 37

39.

難波副知事の記者会見コメント データを県庁に閉じずオープンにすることで、外の人がサポートしてくださる。 昔であれば権威ある先生を集めた委員会をこれから立ち上げるが、データをオー プンにしているので、すでにいろいろな方がどんどん解析してくださっている。 これが凄い参考になっている。 昔のような自前主義だと外注して解析する必要があるが、オープンデータにする ことで日本中、場合によっては世界中から解析して助けてくれる。 オープンイノベーションだと口では言っていたが、オープンデータがここまで力 を発揮するとは思っていなかった。 データをオープンにすることで、解析してくれる人同士が話合い、論争するので はなく、お互いに改善していく。本当に時代が変わったことを実感している。 38

40.

令和3年7月8日 令和3年7月8日 国土交通大臣 報道発表 現地視察 39

41.

VIRTUAL SHIZUOKAをデジタルツイン※の基盤に ※ 現実世界に実在しているものをデジタル空間に表現し、バーチャル世界を構築すること 3次元点群データで創るデジタルツイン 40

42.

3次元点群データを使うことで リアルな「疑似体験」ができ イ メ ー ジ が 共 有 で き る ! 合意形成や意思決定に有効では⁉ 41

44.

津波浸水シミュレーションへの活用(静岡県賀茂郡河津町) 出典:静岡県危機管理部 43

45.

景観シミュレーション(景観まちづくり課) 電柱・電線の移設、支障木の伐採による景観シミュレーションを実施 富士山眺望を阻害する電柱・電線の移設 海洋眺望を阻害する支障木の伐採 44

46.

まちの「記憶」も「記録」しています。 VIRTUAL SHIZUOKAのデータは、まちの「記憶」を3次元点群データにより 仮想空間に「記録」したものとも言えます。 VR(バーチャルリアリティー)等を使えば、過去の思い出の場所に戻ること ができる「デジタルアーカイブ」データでもあります。 45

47.

きっかけは、東日本大震災 46

48.

点群データによる震災遺構のデジタルアーカイブ 47

50.

ノートルダム大聖堂の点群データが取得されていた! 出典:建設ITブログ(2019/04/17) 49

51.

ノートルダム大聖堂の点群データが取得されていた! 出典:建設ITブログ(2019/04/17) 50

52.

地域の記録を点群で残す活動 51

54.

出典:https://www.our-shurijo.org/#what 53

55.

出典:建通新聞 (掲載許可済) 54

56.

清 水 忠 霊 塔 設計者は文化勲章を受章した建築家“吉田五十八”(1894〜1973) 氏で、全山丸ごと聖地とした スケールの大きさと、洗練された繊細なデザイン。 地上から見上げると正面に92段の階段がそそり立ち、一気に絞り込んだ階段の両ささら桁が 柱となり天空を指す。対称に丘の上から2本の柱がのび、4本の柱は交差しさらに尖塔を造る。 当時の市政だよりによれば“神社の千木を表現した”デザインと報じている。 55

57.

出典︓H20「地域文化財専門家」育成研修 文化財建造物 調査票より抜粋 56

58.

出典︓H20「地域文化財専門家」育成研修 文化財建造物 調査票より抜粋 57

60.

掛川城 大日本報徳社 韮山反射炉 動画提供: Symmetry Dimensions Inc. VRで点群データの中に入る 59

61.

韮山反射炉(伊豆の国市) 60

62.

ジオサイトのVR化(バーチャルツアー) 61

63.

ジオサイトのVR化(バーチャルツアー) 複数人の体験者とガイドが同一のVR空間に入り込み、 自由な視点でジオサイトを体感するツアーを実施(予定) VR空間 ・アフターコロナの訪問動機につなげる ・高齢者や障害者がアクセス困難な場所について紹介する ・新たなバリアフリー施策としてのサービス構築 ガイド 体験者 62

64.

社会課題の「解決」にも役立ちます VIRTUAL SHIZUOKAのデータは、災害復旧の迅速化や高齢化が進む建設業 の人手不足、自動運転用の地図データとしての活用が始まっています。 3次元点群データを活用することで、従来の測量作業と比較して、現地での 計測作業が大幅に減り、作業人員の削減効果だけでなく、安全性が向上する など、生産性の向上が図られています。 63

65.

日 時 令和2年7月17〜19日豪雨 場 所 ⻑田A地区 被災箇所 静岡県下田市⽩浜⻑田 原 法面崩落(崩壊幅 L=15m、崩壊高 H=18m) 因 保全対象 人家5⼾ 64

66.

データ取得後の被災時対応 LP(被災前) UAV計測(被災後) 堆積⼟量 45m3 崩壊⼟量 79m3 合成 崩壊箇所 崩壊箇所 堆積土砂 堆積土砂 65

67.

従来測量 3次元計測 従来測量 5日 0.5日 (+補測) 3次元測量活⽤ 0 計画 4割削減 5 計測 解析 図化 10 作業人工数(人) 15 20 66

68.

自動運転用の地図( ダイナミックマップ )に使える⁉ 出典︓http://www.zmp.co.jp/news/pressrelease_160805 67

69.

出典︓ダイナミックマップ 基盤株式会社 68

70.

しずおか自動運転 Show CASE プロジェクト オープンデータを活用 ダイナミックマップ作製 実証実験(自動走行の有用性・社会受容性確認) 69

71.

自動運転車を走らせたいわけではない 70

72.

Mobility as a Service 誰がこの領域を担うのか 熾烈な競争の真っ最中! 「道路」や「まちづくり」 の考え方が変わる! 交通 サービス ・MONET(TOYOTA+SB) ・Google ・Uber ・Apple ・Whim ・百度 .etc 交通システム 運営プラットフォーム 自動運転車・ ソフトウェア 提供者 一次 サプライヤー 移動革命から「まち」の 再デザインが始まる! 次世代 駆動装置 提供者 一次 サプライヤー 部品メーカー 部品メーカー 自動車産業の構造 出典:ADL「モビリティ進化論」を参考に作成 71

73.

出典︓https://www.bosch.co.jp/press/group-1807-02/ 72

74.

デジタルツインの実現・・・ VIRTUAL SHIZUOKA バーチャル世界でシミュレーションを行い、現実世界における将来の変化を予測する バーチャル世界 (仮想) 現実世界 (フィジカル) 蓄積 分析 3次元モデル シミュレーション 収集 活用 モニタリング フィードバック 73

75.

デジタル・ディスラプション あらゆる産業において、 新たなデジタル技術を活用して、 これまでにないビジネスモデルを展開する 新規参入者が登場しゲームチェンジが起きつつある 74

76.

iPhone12 Pro,ProMaxにLiDAR搭載 75

77.

建設業界がゲームエンジンを使う時代に!? 3D CAD 3次元設計の基本ツール VR・ゲームエンジン 3次元情報を可視化するためのツール 解析 3次元データの分析ツール 76

78.

Unity マインクラフト 韮山反射炉 Unreal Engine 初島 77

79.

3次元モデルによる河川計画(河川CIM) 出典:日本工営株式会社 佐藤氏(本人承諾済) 78

80.

VIRTUAL SHIZUOKA ??? VIRTUAL SINGAPORE のパクリ?? 出典︓Uses of Virtual Singapore(https://youtu.be/y8cXBSI6o44) 79

81.

電線や高圧線など上空の点群データも重要だと考えています ※ VIRTUAL SINGAPOREとの大きな違い(優位性) 80

82.

空の移動革命の実現に必要 出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html) 81

83.

VIRTUAL SHIZUOKAをきっかけとした新たな価値の創出 82

84.

VIRTUAL SHIZUOKAイメージ動画 静岡県 交通基盤部 政策管理局 建設政策課 未来まちづくり室 杉本 直也 / Naoya Sugimoto E-mail:naoya2_sugimoto@pref.shizuoka.lg.jp