心的外傷後ストレス症[基本]トラウマとPTSDの基本20261013

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October 13, 26

スライド概要

心的外傷後ストレス障害(PTSD)とトラウマの基本知識、病態生理、対応法、治療法についての解説です。動画内では、生命の危機や性的暴力などの過酷な体験によって生じるトラウマの定義や、単回性トラウマと複雑性PTSDへ移行しやすい長期反復性トラウマの違いを説明します。PTSDの主要な症状である再体験(フラッシュバックや悪夢)、回避・麻痺、認知や感情の否定的な変化、過覚醒(苛々、不眠、驚愕反応など)について取り上げます。また、脳内の扁桃体の過剰反応、前頭前皮質の機能低下、海馬の機能不全や安全記憶の上書き障害といった病態生理の仕組みをわかりやすく解説します。当事者への対応支援として、応急手当となるサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)や、トラウマ・インフォームド・ケア(TIC)の考え方に基づく4つのR(Realize, Recognize, Respond, Resist Re-traumatization)および3つのつながり(体験・リマインダー・反応)について説明します。接し方の注意点として、「忘れること」や「気分転換」の押し付けを避け、価値判断や感情の否定をしないこと、事前説明と選択肢の提示によるコントロール感の尊重、ノーマライジング(正常化)の重要性を伝えます。さらに、評価尺度(IES-R、CAPS、PDI)や、心理療法である持続エクスポージャー療法(PE)、トラウマ焦点化認知行動療法(TF-CBT)、認知処理療法(CPT)、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)、そしてSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)を用いた薬物療法の役割まで幅広く網羅して解説しています。

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精神科医かつYouTuberです。資料は私自身が講義で使用しているものが多数あり。皆様が講義などで使用することはOKです。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

心的外傷後ストレス障害 PTSD

2.

トラウマ 危うく死にそうになったり 大けがを負いそうになったり 性暴力に遭ったり それらを直接目撃したり

3.

トラウマ 戦争 身体的暴力やその脅威(虐待も含む) 性的暴力やその脅威(虐待も含む) 誘拐 人質 捕虜 テロ 拷問 天災 人災 自動車事故

4.

トラウマ Slide 5 Slide 6

5.

単回性トラウマ 交通事故や地震など 単発の強い出来事

6.

長期反復性トラウマ 虐待やDVなど、逃げ場のない状況で 長期間繰り返される体験 PTSD症状に加え 自己否定感や 対人関係の困難を伴う 複雑性PTSD に発展しやすい

7.

トラ ウマ 急性 ストレス 障害 PTSD 1ヶ月

8.

心的外傷後ストレス障害 PTSD トラウマ体験をきっかけに 記憶の処理がうまくいかず 自分の意思とは関係なく記憶が蘇るなどして 日常生活に著しい支障をきたす障害 Slide 9 Slide 10 Slide 11 Slide 12

9.

再体験 フラッシュバック PTSDで生じる 反復的・侵襲的な想起 悪夢

10.

PTSD トラウマに関する 場所・人物・会話などの物事を 回避する あるいは 感情が 麻痺する

11.

PTSD 認知と感情が 否定的 になる 「自分が悪い」 「誰も信じられない」 といった否定的な 確信、罪悪感、悲観的思考

12.

PTSDで生じる 過覚醒 苛々や 易怒性 警戒心 自己破壊 驚愕反応 集中困難 不眠

13.

精神診療 プラチナ マニュアル

14.

PTSDの病態生理 Slide 15 Slide 16 Slide 17 Slide 18

15.

扁桃体の 過剰反応 強い恐怖応答や 過覚醒を 引き起こしつづける

16.

前頭前皮質の 機能低下 偏桃体の 過剰な興奮を 抑えられない

17.

海馬の機能不全 「今はもう安全な場所」という トラウマの状況と 安全な今の 区別がつかない

18.

安全という記憶の 上書きの障害 時間が経ち 安全な状況に身を置いて 「もう危険ではない」と 新しく学習し直す プロセスの障害

19.

精神診療 プラチナ マニュアル

20.

トラウマに遭った人に どう対応?

21.

サイコロジカル・ファーストエイド PFA 安全を確保し 初期の苦痛をやわらげて 必要な支援につなぐ 応急手当

22.

トラウマケアの3層構造 専門療法 トラウマ スペシフィック・ケア リスクのある患者への トラウマ・レスポンシブ・ケア 全患者を対象とする トラウマ・インフォームド・ケア

23.

トラウマケア 4つのR Slide 24 Slide 25 Slide 26 Slide 27

24.

Realize トラウマの影響を 理解する トラウマが個人の 心身や行動、人間関係、成長過程に どのような影響を与えるか理解する 「この人は何が問題なのか」ではなく 「この人に何が起きたのか」 という視点を持つ

25.

Recognize トラウマの サインに気づく 問題行動とされる 過敏さ、引きこもり、攻撃性なども 過去のトラウマに対する 「生き残り戦略」 である可能性を認識する

26.

Respond トラウマの存在に 適切に対応する 安全感の確保 選択肢の提示 信頼関係の構築 を実践する。

27.

Resist Re-traumatization 医療現場での 再トラウマ化を防ぐ 医療や支援の場で 抑圧的な対応や説明のない強制 不必要な身体拘束などで 対象者が過去のトラウマ体験を 再体験・追体験する事態 を避ける。

28.

過去の トラウマ体験 日常の 引き金 トラウマ 反応 3つのつながりから理解する

29.

精神診療 プラチナ マニュアル

30.

トラウマがある人に どう対応する? Slide 31 Slide 32 Slide 33 Slide 34 Slide 35 Slide 36 Slide 38 Slide 37

31.

「忘れましょう」を 押しつけない 苦しみをなかったことにしない。 トラウマケアのゴールは 「記憶の消去」ではなく 安全感と人生のコントロール感を 取り戻すこと

32.

安全・安心の保障 大きな声や 威圧的な態度的姿勢 を避ける 落ち着いたトーン で接する

33.

「そんな風に思ってはいけません」 「命が助かっただけでも 良かったじゃないですか」 など 価値判断、説得 感情の否定 避ける を

34.

支援を 押し付けない 押しつけは コントロール感の回復に 逆向し無力感を与えうる 一方的な支配関係は 過去の被害体験の リマインダーになりうる

35.

事前説明と 選択肢の提示 処置や検査の前に 「これから何をするか」を伝える 可能なら「どちらから始めますか?」など の選択肢を提供する トラウマで損なわれる コントロール感を取り戻す 手助けになる。

36.

強引な体験の 聴取を避ける 被害体験の詳細な聴取には 再トラウマ化のリスクがある 語らない権利や 本人のペース を尊重する

37.

ノーマライジング 正常化 「あなたが悪いのではない」 と伝えて 自責感を軽減 心身の不調や反応は 強いストレスの後に 「誰にでも生じうる自然な反応」 と伝えて 安心感を与える

38.

気分転換を 押しつけない 気分転換の押しつけは つらさの軽視 につながりうる 気分転換を選択肢に 挙げておくことはOK 本人が気分転換をしようと 思うのはもちろんOK

39.

精神診療 プラチナ マニュアル

40.

サイコロジカルファーストエイド

41.

PTSDの心理治療 持続エクスポージャー療法(PE) 安全な環境下で記憶や回避状況に少しずつ向き合う。 トラウマ焦点化認知行動療法(TF-CBT) 認知処理療法(CPT) トラウマに関する自責感や歪んだ信念を整理・修正する。 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR) の視覚刺激等を併用しながら記憶の再処理を行う。

42.

PTSDの薬物療法 選択的セロトニン再取込阻害薬 SSRI 扁桃体の過剰反応や過覚醒を抑える ストレスで萎縮した海馬の可塑性や機能を回復させる。 前頭前皮質や海馬を介した恐怖の消去学習が促進される。