体験型エンターテインメントの現在と未来2026

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February 18, 26

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IGDA日本新年会2026で公開したスライドです

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1.

体験型エンターテインメントの 現在と未来2026 2026/01/11 IGDA日本 体験型エンタメ専門部会メンバー (田中、池田、石川) SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

2.

はじめに 2 名称「SIG-体験型エンタメ」に • SIG(専門部会)の名称が SIG-体験型エンターテインメント ↓ SIG-体験型エンタメ になりました!(今までが長すぎたw) • 今回のスライド担当 – 田中(脱出/謎解きゲーム) – 池田(マーダーミステリー、XR、宿泊/ツアー型、その他) – 石川(全体構成、ARG、イマーシブシアター、モキュメンタリー、体験型展示 会、教育/プロモ体験型) SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

3.

体験型エンターテインメントとは? 3 日常空間や現実メディアを使った 双方向なエンターテインメント 【イメージしている主領域および関係領域】 謎解き/ARG(代替現実ゲーム)/xRコンテンツ/マーダーミステリー/ イマーシブシアター/体験型ミステリー/LARP/体験型要素の強いアナ ログゲーム・TRPG/体験型アトラクション/体験型展示会/体験型ミュ ージアム/体験型プロモーション etc. SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

4.

脱出/謎解きゲーム 2025振り返り 4 • 休日ハック社による本社フェス、SCRAPによる「ナゾトキマーケッ ト」など、法人主導での様々な団体が集うフェスイベントが活発化 • 謎解き系チケットサービス「ESCAPE.id」が登場し登録者11万人を 突破。顧客から見て大手以外のイベントも把握できるようになり団 体間を超えた新たな需要が発生 • 持ち帰り系の商品が増加したことで、書籍流通などを中心に店舗に 特設コーナーを作る動きが見られるように。 • 「弥生」など、中国からの輸入コンテンツが注目を浴びる。イノベ ーターたちの間では海外脱出ゲームツアーなども定期的に行われる ように。 SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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5 脱出/謎解きゲーム 売上規模(2025年版) • • 関連各社の売上高を合算したものであり、そ のコンテンツが提供されることに連動した経 済波及効果(主催者売上高・チケット手数料 ・参加に伴う交通費/食費等)は5〜10倍 程度と類推 2024が急速に伸びているように見えるが、 2023まで拾えてなかった各社を細かく積み上 げた加算分があるためで純粋比較できない点 を注意 日本の謎解き売上規模 ¥120.0 ¥101.5 ¥100.0 売上(億円) 2025年の市場規模(関連各社売上) は類推101.5億円。業界として初めて 100億円を突破。新規参入による新た なデータの積み上げや各種取材による 露出などが増え、業界の拡大が実際に データとして把握できるようになりつ つある ¥90.0 ¥80.0 ¥60.0 ¥60.0 ¥50.0 ¥45.0 ¥35.0 ¥40.0 ¥50.0 ¥45.0 ¥40.0 ¥20.0 ¥20.0 ¥0.0 ¥60.0 ¥0.5 ¥0.7 ¥1.0 ¥3.0 ¥10.0 ¥6.0 年 SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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6 脱出/謎解きゲーム 2026展望 • フェスの活発化やESCAPE.idなどの登場に伴い、比較的濃淡があっ た団体同士の交流が加速 • これまでどちらかといえば脱出パズルゲーム要素の強かった「謎解 き」という単語の意味が拡張傾向 • 海外の謎解きコンテンツの輸入、もしくは日本のコンテンツの輸出 に対しての動き。 • 個人クリエイターや副業作家などへの依存が強いため、業界規模 の拡大に伴い取適法等の法令遵守体制の整備が必要に SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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7 ARG(日常浸食ゲーム) • 第四境界が日本のARGを牽引する状況は引き続き – マネタイズを強く意識しながら市場を拡大 – TV局との協業や写真集など新しい展開も • インディARGの躍進による選択肢の増加 – 謎解きやマダミスが拡大した状況に近い – ただし、まだ第四境界フォロワーが多い状況 • 一般メディアの露出 – TVや雑誌などで取り上げられる状況が増えてきている →認知拡大と制作者の増加という好循環に入ってきている。今後第四 境界以外がビジネスとして拡大できるかが鍵 SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

8.

8 マーダーミステリー • 2024年に比べ、新規店舗/既存店舗の他店舗展開は増加(主に関東 • ストプレ、多人数マダミスなどの派生ジャンルの拡大 →オンライン・オフライン公演型共に堅調に市場は増加 • 表現の場・ファンイベントの拡張としてのマダミス舞台 • 中国作品の増加 – 中国企業との業務提携などによる作品の輸出入が今後活発に。 • 宿泊型やツアー型の自治体・企業と連携したロケーションベースエ ンタメのコンテンツ化 →ビジネスモデル、ターゲティングの拡張による市場拡大へ SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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9 XR系(VR/AR/MRなど) • 【VR】大きく2つの方向性に分かれる – フリーローム型VR(商業施設の空きスペースとの親和性は高い) – 映画館×VR180(高品質立体視映像でのライブ鑑賞として定着) →親和性の高いコンテンツ・ターゲットの発掘、収益構造の改善など課題解決への道筋が • 【AR】体験装置の一つとして定着化 – スマホAR(8thWall(Niantic)のサービス終了による停滞。周遊型謎解きの一部機能としては定着化) – 音声AR(笑える事故物件/笑えない事故物件、Who_Is_Pokopea_?展、「猫町」など) →リアルな視覚的演出・構造の補完としての音声ARのニーズの高まり • 【その他XR技術】 – 透過ディスプレイ・LEDによるイマーシブ表現 →演出表現として一般化 SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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10 イマーシブシアター • イマーシブフォート東京の2月閉園発表 – テーマパーク方向からのアプローチの失敗 • イマーシブシアターを知らなかった層への新たなアプローチも – 周遊型、2.5次元など • 従来団体は安定的に活動しつつ、新規団体も増加 • イマーシブシアター要素を取り入れたコンテンツの増加 →大々的な展開ではなく、団体とアプローチの増加によって地道に認 知が広がる可能性 SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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11 モキュメンタリー メディアを跨いだ展開が更に拡大 • TVドラマ『イシナガキクエを探しています』の書籍化 • 書籍『近畿地方のある場所について』の映画化 • ドラマ「TXQ FICTION」シリーズの定番化 – 『魔法少女山田』、『UFO山』 • 展示会『恐怖心展』と連動するドラマ『魔法少女山田』 →切り口の多様化と考察要素の拡大。ただし、シンプルに番組のみの 勝負でなくなっている複雑さがどこまで受け入れられるか SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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12 体験型展示会 • 2024年に続き、拡大基調 – 『恐怖心展』は動員13万人を達成 – 数が増えすぎており、単なる考察型、体験型だけでは差別化しにくい状況も • よりディープなものの登場 – 思考実験展(参加者の選択を体験の中心に) – あの職員室(展示会形式ではなく職員室をリアルに再現し考察) →供給過多になりつつある現場の中で展示会としての楽しさと、体験 や考察とのバランスが求められる SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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13 教育/プロモ体験型 • 2024年に続き活発に – NETFLIX「“暗”闇バイト募集中」、サントリー「グラスとコトバ」 etc. • 国家/企業プローションの集大成ともいえる大阪万博でも体験型コ ンテンツ多数 • エルメス『エルメスの馬さがし』に見る「目新しさよりも丁寧さ」 – 派手な要素がなくても体験設計が優れていれば充分楽しい →よりリーチしやすい形態として引き続き増えていくと思われる SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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14 宿泊/ツアー型 • 山梨県丹波山村「狼ノ村」(周遊型&宿泊型マダミス/イマーシブラボ) • 京都府「終末の歩き方」(周遊型デスゲーム/ウズプロダクション) • 福井県熊川宿「道饗に轟く」(周遊型リアルクトゥルフ/ウズプロダクション) • 日本橋兜町「旅先で出会った人ツアー」(イマーシブツアー/架空レーベル) • 広島県竹原市「バイ・タケハラ~幽能探偵事件簿~」 →マダミス・謎解きに限定せず、各地の地域資源を活用する装置とし て自治体と連携し再演も含む継続的な取り組みとして一定以上の評価 • 「泊まれる演劇」「マニアなツアー」など専門としたブランドも定着 – 高価格帯イベントにも関わらず体験価値が一般にも浸透 →LBE(Location Base Entertainment)のニーズの高まり SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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その他 15 ショップ型 • 未体験ショッピング「esc」(TOKIQIL x PARCO GAMES) →「店舗での買い物体験」自体を謎解きに拡張 インタラクティブムービー • ヒプノシスマイク -Division Rap Battle→観客の投票で映画内のすべてのバトルの勝敗が分岐。全48ルート • 月ノ美兎「アルクマルチバース」 →ミュージックビデオ内の選択肢により楽曲自体が変わっていく ゲーム型ミュージックビデオ 日常的な行動やメディアを体験型コンテンツへ拡張、話題化だけでなく リピート需要や「非傍観型トキ消費*」などのマーケティング観点でも 注目される分野へ *ニッセイ基礎研究所 廣瀬涼氏が定義する新しい消費行動の潮流 SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)

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SIG-体験型エンタメとしては 16 • リアルイベントの定期的な開催 • 支援メンバーの拡張による運営の安定化 • 「体験型エンタメ情報局」note記事の充実 • リアルセッションの検討 などを検討中です。 2026年も引き続きよろしくお願いします SIG-体験型エンタメ(SIG-immersive)