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September 07, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で、処方箋の備考欄に「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供する」が追加されます。従来の2択から3択へ。現行制度が使われてこなかった実態(受付0回41.7%/47.9%)を踏まえ、改定内容と、薬局に求められる翌営業日までの情報提供・手帳記載、医療機関・薬局それぞれの実務対応をスライドで解説します。
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【令和8年度診療報酬改定】残薬対策で処方箋様式を見直し|減らして調剤する指示が可能に
https://www.daitoku0110.news/p/zanyaku-prescription-form-revision
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
【令和8年度診療報酬改定】 処方箋様式の見直しと残薬対策 事前指示と事後報告が創る、新しい薬薬連携の形。
Executive Summary: 令和8年度改定の3つの要点 1. 課題 (Why) 現行制度の限界。疑義照会の手間がボトルネックとなり、残薬調整が機能不全に陥っている。 2. 解決策 (What) 「第3の選択肢」の誕生。処方箋への事前指示により、薬局判断での即時減量調剤が可能に。 3. 実務対応 (How) セット運用の義務化。「原則翌営業日までの事後報告」と「お薬手帳への記載」を新たなルーチンへ。
The Bottleneck: 使われない現行制度と「手間の壁」 使われていない実態 「疑義照会した上で調剤」月間受付0回 41.7% (令和3年度調査・薬局n=887 中央値はいずれも0回) 「情報提供」月間受付0回 47.9% (令和3年度調査・薬局n=887 中央値はいずれも0回) なぜ使われないのか? 残薬確認に時間がかかる 62.3% 患者が全ての薬剤を持参しない 53.3% (令和5年度調査・n=1,008) 残薬確認そのものの手間に加え、確認後の「疑義照会」が医療機関・薬局双方のタイムロスを生んでいる。
業務を分断する「疑義照会の壁(赤信号)」 患者が薬局に残薬を持参 -> 薬剤師が残薬を確認・調整案を検討 -> 疑義照会の壁(赤信号/タイムロス) -> 処方医の確認待ち(業務中断)/ 患者の待ち時間増加 現行の2つの選択肢(「疑義照会した上で調剤」「情報提供」)では、実質的に毎回個別の照会が必要となり、スムーズな減量調剤を阻害している。
The Anatomy: 処方箋様式のアップデート(改定内容①) 処方箋証明書 保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応 □ 保険医療機関へ疑義照会した上で調剤 □ 保険医療機関へ情報提供 ☑ 調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供する 「事前指示」のフリーパス 処方箋発行時にこのチェックがある場合、調剤時の個別照会(疑義照会)を待たずに、薬局が残薬に応じた数量調整を行える。 ※注:すべての処方箋が対象ではなく、医師が個別に判断して指示を行う。
新しいワークフロー:「事前指示」によるシームレスな減量調剤 処方箋の備考欄で「事前指示」を確認 -> 患者から残薬の状況と理由をヒアリング -> 即時減量調剤(疑義照会による待機時間ゼロ) -> 事後報告(次ステップへ繋ぐ) 個別の照会をスキップできるため、患者の待ち時間が減少し、医療機関の業務中断も防ぐことができる。
Comparison Matrix: 3つの選択肢の機能比較 事前照会の要否 | 薬局での待ち時間 | 医療機関の即時対応 | 事後タスク ① 疑義照会した上で調剤 | 必須 | 長い | 都度対応あり | なし ② 情報提供 | 不要 | 短い | 都度対応なし | 報告のみ(減量不可) ③ 減量した上で情報提供(新規) | 不要 | 短い | 都度対応なし | 翌営業日報告+手帳記載
The Rules: 減量調剤に求められる2つの「事後義務」(改定内容②) 医療機関への情報提供 ・期限: 原則「翌営業日」まで。 ・報告必須項目: - 残薬の状況 - 残薬発生の理由 - 実際に交付した数量 - 患者への説明内容 お薬手帳への記載 ・目的: 患者本人、他医療機関、他薬局への情報共有。 ・内容: 数量を減じて調剤した旨を明記。 この2つの義務が滞れば、事前指示の仕組みは成立しない。薬局の判断のみで完結させないための安全装置。
The Seamless Loop: 事前指示と事後報告が創る循環モデル 【起点】処方箋での「事前指示(減量+報告可)」 保険医療機関(診療録への反映 -> 次回処方への最適化) ヒアリング&減量調剤(手帳記載) 保険薬局 【事後】翌営業日までの「情報提供(残薬背景・実際の交付量)」 減量情報が次回の処方に反映されて初めて「残薬対策」は完結する。分断されていたプロセスが、事後報告を介して一つのループに繋がる。
Action Plan: 施行に向けたロードマップ Phase 1: システム更新 新様式対応のレセコン・電子カルテ改修。 Phase 2: ルール策定 対象患者の基準作り(機関)、ヒアリング標準化(薬局)。 Phase 3: オペレーション構築 事後報告フォーマットの作成、カルテ反映フローの確定。 Phase 4: 施行開始 スムーズな循環のスタート。
Task Matrix: 医療機関と薬局のTo-Doリスト 【保険医療機関】 ☑ 【システム】新しい処方箋様式(第3の選択肢)を出力できるようシステムを更新する。 ☑ 【基準設定】どの患者・どの薬剤に対して「事前指示」を出すか、院内基準を共有する。 ☑ 【フロー構築】薬局から届く「事後報告」を、誰が・どう診療録(カルテ)に反映するか決める。 【保険薬局】 ☑ 【手順化】備考欄の指示確認と、残薬状況・理由を聴取するヒアリング手順を標準化する。 ☑ 【様式作成】翌営業日までに医療機関へ漏れなく情報提供するための報告フォーマットを用意する。 ☑ 【ルーチン化】数量を減じた旨を「お薬手帳」へ記載する運用を日常業務に組み込む。
事前指示と事後報告をセットで運用し、シームレスな残薬対策を。 疑義照会の壁を越え、円滑な薬薬連携を実現するために。 施行までに院内・薬局内のルールとシステムを整え、新しい循環モデルの準備を進めましょう。 ※本資料は個別改定項目IV-4-1④「残薬対策の推進に向けた処方箋様式の見直し」に基づく解説です。最終的な運用ルールについては、今後厚生労働省より発出される正式な告示等をご確認ください。