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October 07, 26
スライド概要
令和8年5月13日の中医協総会(第650回)で示された、オマリズマブBS「CT」とゴリムマブBS「F」を在宅自己注射指導管理料の対象に追加する案を解説。審議の仕組み、先行品との同等性データ、季節性アレルギー性鼻炎の除外規定、実務の留意点をスライドで整理しました。
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在宅自己注射にバイオ後続品2剤の追加案|中医協第650回を解説
https://www.daitoku0110.news/p/home-self-injection-biosimilar-chuikyo
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
バイオ後続品2剤の在宅自己注射追加案 中医協第650回(令和8年5月13日)における審議内容と実務への影響 The Policy Dossier: Executive Briefing 令和8年5月13日
エグゼクティブ・サマリー:本改定案の3つの核心 審議の原則 先行品が対象でも自動追加は不可。中医協での品目ごとの個別審議が必須。 新規追加案の2剤 オマリズマブBS「CT」とゴリムマブBS「F」。共に先行品との同等性が認められ追加提案。 医療機関の実務 追加後も在宅自己注射指導管理料(C101)の4つの留意事項(医師要件、教育等)は既存ルールを適用。
バイオ後続品追加に向けた「3つの関門」 Start Point 先行品が対象のバイオ後続品 Gate 関門1 関連学会のガイドライン等で在宅自己注射の診療上の必要性が確認されていること Gate 関門2 維持期の投与間隔が概ね4週間以内であること Gate 関門3 学会から追加の要望書が提出されていること Outcome Box 最終ジャッジ 中医協での個別審議(先行品との比較・治験成績・市販後安全性) ※令和5年8月23日承認の運用基準に基づく。
新規追加案2剤のプロファイル比較 オマリズマブBS皮下注「CT」 先行品 ゾレア(平成21年承認/令和3年自己注射追加) BS承認時期 令和8年3月 製剤 75mg/150mg シリンジ・ペン(計4品目) 主要対象疾患 気管支喘息、特発性の慢性蕁麻疹 ゴリムマブBS皮下注50mgシリンジ「F」 先行品 シンポニー(平成23年承認/平成30年自己注射追加) BS承認時期 令和7年9月 製剤 50mg シリンジ(1品目) 主要対象疾患 関節リウマチ
[オマリズマブBS]効能効果と実務上の例外規定 適応疾患 先行品(ゾレア) オマリズマブBS 在宅自己注射の可否 難治の気管支喘息 〇 〇 適用 特発性の慢性蕁麻疹 〇 〇 適用 重症季節性アレルギー性鼻炎 〇 〇 ×(例外) 季節性アレルギー性鼻炎は対象外 厚生労働大臣が定める注射薬の告示により、オマリズマブ製剤は「季節性アレルギー性鼻炎の治療のために使用する場合を除く」と規定されているため。
[オマリズマブBS]臨床的同等性の証明 KPI ・対象:海外第III相試験(特発性の慢性蕁麻疹患者) ・評価指標:ISS7(7日間のかゆみの重症度スコア)のベースラインからの変化量(300mg投与・12週後) 同等性許容域(Equivalence Margin) -2.0 0 2.0 95%信頼区間が事前に規定した同等性許容域内に完全に収束
[オマリズマブBS]安全性プロファイルと市販後調査 BS治験の副作用発現率 継続投与群(24週)(17/203例) 8.4% 先行品からの切り替え群(12/96例) 12.5% 主な副作用は両群とも「注射部位反応(2.0% / 6.3%)」。 先行品(ゾレア)の市販後調査 特定使用成績調査:2.2%(非重篤な注射部位疼痛1例のみ) 特定使用成績調査I:10.2%(承認時の26.3%を下回る) 特定使用成績調査II(用法用量変更後):6.6%(変更前の8.1%を下回る) 添付文書の記載変更を要する新たな問題は未確認
[ゴリムマブBS]効能効果と適応症の差異 比較マトリックス 適応疾患 先行品(シンポニー) ゴリムマブBS 在宅自己注射の可否 関節リウマチ(既存治療で効果不十分) 〇 〇 適用 潰瘍性大腸炎 〇 ×(適応なし) 対象外 効能効果は関節リウマチのみ 先行品シンポニーがもつ「潰瘍性大腸炎」の適応は、ゴリムマブBS「F」には存在しないため、適応外処方に厳重な注意が必要。
[ゴリムマブBS]有効性の同等性検証 対象:国際共同第III相試験(中等度〜重度の関節リウマチ患者、MTX併用) 評価指標:DAS28-CRPのベースラインからの変化量(第16週) 同等性許容域(Equivalence Margin) -0.6 0 0.6 最小二乗平均値の差の95%信頼区間が許容域(-0.6〜0.6)内に合致
[ゴリムマブBS]安全性プロファイルと長期データ BS治験の副作用発現率 投与開始群(31/251例) 12.4% 切り替え群(16週以降)(12/112例) 10.7% 主な副作用:AST増加(2.0%)、ALT増加(1.6%) 主な副作用:AST増加(1.8%)、ALT増加(1.8%) 先行品(シンポニー)の市販後調査 ・使用成績調査:15.0%(承認時の77.3%を下回る) ・特定使用成績調査I(長期使用):31.9%(承認時の77.3%を下回る) ・特定使用成績調査II(悪性腫瘍・重篤な感染症、5年間):明らかな増加は認められず 長期投与における新たな安全性上の問題は認められず
[ゴリムマブBS]なぜ追加が急がれるのか?:学会要望と患者のペルソナ 通院の時間的制約(長期に及ぶ治療と両立の困難さ) 身体的負担(頻回の通院による疲労) 就労・就学世代の患者 経済的負担(通院コストと治療費) 日本アレルギー学会(R8.3.16 要望書提出) 日本小児アレルギー学会(R8.3.26 要望書提出) 日本リウマチ学会(R7.8.22 要望書提出) 長期治療を要する就労・就学世代のQOL向上と治療継続率の維持が最大の目的
実務への影響:指導管理を支える4つの基本要件 在宅自己注射指導管理料 C101 医師の要件 対象疾患の診療を日常的に行い、十分な経験を持つ医師が指導管理を行う。 導入前の教育 入院、または週2〜3回以上の外来・往診等により十分な教育期間を設ける。 連携体制 かかりつけ医と異なる医師が指導する場合、緊急時対応等で十分な連携を図る。 廃棄物処理 実施に伴う廃棄物の適切な処理方法を患者に指導する。 (保医発第0427002号、平成17年4月27日通知に準拠)
統合的視座:医療アクセスの進化と安全性の担保 QOLとアクセスの向上 就労・就学世代の負担軽減 バイオ後続品による経済性の向上 通院頻度の最適化 バイオ後続品の在宅自己注射への追加は単なる規制緩和ではない。エビデンスに基づく『同等性』と現場の『管理体制』を前提に、患者中心の医療インフラをアップデートする戦略的措置である。 厳格な品質と安全の担保 中医協による品目ごとの同等性審査 市販後調査によるモニタリング 医療機関の4つの指導管理要件
結論と今後のタイムライン 第650回中医協総会において、オマリズマブBS『CT』およびゴリムマブBS『F』は先行品との同等性が評価され、在宅自己注射対象への追加が妥当と判断されました。適応症の差異(例外規定)に留意しつつ、安全な導入の準備が求められます。 【完了】中医協での個別審議・追加案提示 【現在】パブリックコメント・関係各所調整 【今後のアクション】厚生労働省からの正式な告示・通知の発出(最終的な取扱いや適用時期の確定) ※本資料の内容は中医協での『案』に基づくものです。実務への適用にあたっては、必ず発出される最新の告示・通知をご確認ください。