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May 27, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で新設される「遺伝性疾患療養指導管理料」を完全解説。検査前300点・検査後初回700点・2回目200点の3段階評価、遺伝カウンセリング加算の廃止、遠隔連携や施設基準まで実務に必要なポイントを図解で整理しました。
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「遺伝性疾患療養指導管理料」新設で変わる遺伝医療の評価【令和8年度診療報酬改定】
https://www.daitoku0110.news/p/genetic-disease-care-fee
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
令和8年度診療報酬改定がもたらす 遺伝医療評価のパラダイムシフト 遺伝性疾患療養指導管理料の創設と 実務への影響・算定要件の完全解説
質の高いゲノム医療の推進に向けた3つの重要変更点 政策目標 質の高いゲノム医療の推進。 検査前後を継続的な 遺伝情報の伝達と、患者や血 縁者を支える体制の構築。 評価の転換 従来の「加算(1回限り)」か ら「医学管理料(継続的)」 へ。検査時の単発評価を廃止 し、伴走型の評価体系へ抜本 的見直し。 構造の変化 旧加算(遺伝・遺伝性腫瘍 カウンセリング加算)の廃止 と、新設「遺伝性疾患療養指 導管理料」による3段階評価 (300点・700点・200点)の 導入。
「点」の評価に留まる現行の「加算」制度が抱える構造的課題 現行の評価 (検査時のみ) 検査前 ライフステージの変化 現行制度の仕組み 遺伝カウンセリング加算/遺伝性腫瘍カウ ンセリング加算。難病や遺伝性腫瘍の検査実施 時に、月1回1,000点を所定点数に加算。 制度の限界と課題 ・課題1:検査実施時という「1回のみ」の評価 に限定されている。 ・課題2:検査前の重要なプロセスである「意思 決定支援」が評価されない。 ・課題3:検査後、患者の「ライフステージの変 化」に応じた継続的な指導に対応できない。
遺伝医療の評価体系は「加算」から「医学管理料」へと再編される 比較項目 旧(現行制度) 新(令和8年度改定) 評価の枠組み 加算 (検体検査判断料等への上乗せ) 医学管理料 (独立した指導管理の評価) 対象となる点数 遺伝カウンセリング加算/ 遺伝性腫瘍カウンセリング加算 (※令和8年度で廃止) 遺伝性疾患療養指導管理料 (新設) 評価のタイミング 検査実施時の月1回のみ (1,000点) 検査前、結果判明時、 ライフステージ変化時の3段階 提供価値の焦点 検査の実施そのもの 検査前の意思決定支援から 生涯にわたる継続的サポート
検査前から検査後までをシームレスに評価する3段階の枠組み 新設される「遺伝性疾患療養指導管理料」は、患者の意思決定とライフステージに沿って 3区分で評価され、各区分は「患者1人につき1回に限り」算定可能です。 Node 1: 検査前の説明(300点) 検査実施前の意思決定支援 Node 2: 検査後の初回指導(700点) 結果に基づく初回の療養指導 Node 3: 検査後の2回目指導(200点) 過去の受検者への継続的・ライフス テージ適応指導
ステージ1: 検査前の意思決定を支える十分な文書説明(300点) 必ず「検査または病理診断を実施する前」に算定すること。 算定要件 「1医師が遺伝子検査の必要性等について 文書により説明を行った場合」 算定対象となる主な検査 ・遺伝学的検査(D006-4) ・角膜ジストロフィー遺伝子検査(D006-20) ・染色体構造変異解析(D006-26) ・遺伝性網膜ジストロフィー遺伝子検査(D006-30) ・遺伝性腫瘍に関する検査 など
ステージ2&3: 結果判明後の初回指導とライフステージに応じた継続支援 ステージ2: 初回 区分: 「2イ 初回」(700点) 算定条件: 検査または病理診断の結果 に基づき、療養上必要な指導を行った 場合。 位置づけ: 検査結果が判明した後の 「最初の指導」に対する手厚い評価。 ステージ3: 2回目 区分: 「2ロ 2回目」(200点) 算定条件: 過去に検査を実施した患者 に対し、改めて療養上必要な指導を行 った場合。 位置づけ: 就学、就労、結婚、出産など、 患者の「ライフステージの変化」に応 じた継続的なフォローアップの評価。
がんゲノムプロファイリング検査における 新体系の適用と併算定の制限 がんゲノムプロファイリング検査(D006-19)についても、 新管理料の中で整理され、同様の3段階(300点・700点・200 点)をそれぞれ患者1人につき1回算定可能。 併算定に関する重要事項 「がん患者指導管理料の二」を算定する場合、新管理料の「1」 (検査前の説明・300点)は併算定できません。重複した指導評価を 避けるための厳密な運用が求められます。
難病領域における情報通信機器を用いた 遠隔連携の解禁 「遠隔連携遺伝性疾患療養指導管理」として、情報通信機器(ICT)を用いて他の保険医療 機関と連携して行う療養指導が新たに算定対象となります。 地域の保険医療機関 専門医療機関 算定要件の制限 1. 対象疾患: 「難病に関する検査」に係るものに限定される。 2. 施設要件: 別途定める施設基準を満たす保険医療機関でのみ算定可能。
新管理料の算定に求められる人的配置と 体制整備の要件 新管理料および遠隔連携を算定するためには、以下の施設基準を満たす必要があります。 人的要件 遺伝性疾患の診療につき 十分な経験を有する 「常勤医師」の配置。 体制要件 ・療養指導を行うにつき 「十分な体制の整備」が なされていること。 ・(遠隔連携での算定を行う場合) 情報通信機器を用いた診療 体制の整備。
一過性の評価から生涯伴走型の医療へ: 遺伝医療の新たな標準 令和8年度診療報酬改定は、単なる算定ルールの変更で はありません。「点」であった検査時の加算を廃止し、 検査前の意思決定支援からライフステージに応じた継続 指導までを線で結ぶ「医学管理料」への転換です。 経済的インセンティブが遺伝カウンセリングの本来ある べき姿(生涯にわたる伴走型支援・血縁者を含めた包 括的ケア)と合致したことで、日本における質の高い ゲノム医療の推進が本格的に始動します。