テロメライシンを医薬品の例で対応する案|中医協総会(令和8年6月24日)資料解説

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October 12, 26

スライド概要

令和8年6月24日の中医協総会で、食道癌に用いる再生医療等製品「テロメライシン注」を医薬品の例で対応する案が示されました。製品の特徴、有効性データ、判断の根拠となる平成26年ルール、薬価基準収載までの流れを解説します。

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テロメライシンを医薬品の例で対応する案|中医協が示した保険適用の考え方
https://www.daitoku0110.news/p/teromelysin-drug-price-handling

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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1.

THE REGULATORY BLUEPRINT FOR ONCOLYTIC VIRUS THERAPY テロメライシンの 保険適用戦略と中 医協の判断ロジック 再生医療等製品はいかにして 「医薬品」として位置づけられたか (令和8年6月24日 中医協総会資料より)

2.

Bottom Line 再生医療等製品「テロメライシン注」は、令和8年6月24日の中医協総会において、 その特性から「医薬品の例」として 薬価基準への収載を審議する方針が正式に 示された。 製品特性 食道癌を対象とした遺伝子組換 えウイルス製剤(オンコリス バイオファーマ)。放射線療法 と併用し、腫瘍内に直接投与。 判断根拠 「用量・間隔を定めた投与(使用 方法)」と「ウイルス増殖による 細胞溶解(薬理作用)」が、医薬 品と同等とみなされたため。 今後のプロセス 平成26年ルールに基づき、分類 類判断(第1段階)をクリア。 今後は薬価算定組織での価格検 討(第2段階)へ移行する。

3.

製品プロファイル:局所進行食道癌に対する新たなモダリティ 一般的名称 スラタデノツレブ 収載希望者 オンコリスバイオファーマ 株式会社 承認区分 新再生医療等製品 (希少疾病用再生医療等製品) 対象患者 根治切除および化学放射線 療法の適応とならない 食道癌患者 投与経路: 上部消化管内視鏡下による 腫瘍内直接投与 併用療法: 放射線療法 (初回投与3日後から 開始、約6週間) 基本投与量: 1回1mL(1×10¹²vp)を 約2週間間隔で計3回

4.

作用機序:hTERTプロモーターを利用した特異的増殖と細胞溶解 ヒトアデノウイルス5型の増殖遺伝子を改変したメカニズム Step 3: 細胞溶解 増殖したウイルスが腫瘍細胞を 直接破壊(溶解)し、強力な 抗腫瘍効果を発揮する。 Step 1: 感染 腫瘍内に直接投与されたウイル スが細胞に感染する。 Step 2: 特異的増殖 癌細胞で高発現するhTERTプロ モーターの制御下でのみ、ウイル スが爆発的に増殖する。 (※正常細胞では増殖しない)

5.

臨床的有効性:OBP101JP試験における長期的な局所制御 国内第II相、非盲検非対照試験。局所進行食道癌(病期II/III)患者を対象。(解析36例) 41.7% L-CR(局所完全奏効率): (15/36例) 50.0% L-CR(局所完全奏効率): (18/36例) [投与開始] 初回投与3日後より放射 線療法併用(約6週間) [マイルストーン1:24週まで] [マイルストーン2:18ヶ月まで] 長期間にわたる局所治療効果の持続性がデータとして確認された。

6.

承認に付与された3つの厳格な条件 柱1:全例調査の実施 一定数の症例データが集積 されるまで、全症例を対象 とした使用成績調査を確実 に実施すること。 柱2:施設・医師の限定 食道癌治療と上部消化管内 視鏡診療に十分な知識・経験 を持つ医師が、治療体制の 整った医療機関でのみ使用 すること。 柱3:カルタヘナ法の遵守 遺伝子組換え生物等の使用 規制に基づく「第一種使用 規程」を厳守し、適切な環境 下で使用すること。

7.

再生医療等製品が直面する「保険適用のジレンマ」 再生医療等製品には、現時点で独自の保険体系(価格算定ルール)が存在しない。 ルートA: 医薬品の例として対応する ルートB: 医療機器の例として対応する 新たなモダリティ: 再生医療等製品 そのため、平成26年(2014年)のルールに基づき、製品ごとに特性を評価し、 既存の「医薬品」または「医療機器」のいずれかの体系に当てはめて判断する必要がある。

8.

診断マトリクス:テロメライシンはなぜ「医薬品の例」となるのか? 医薬品の定義 医療機器の定義 テロメライシンの特性 評価軸1: 使用方法 用量・間隔を 定めて投与 物理的な留置・照 射・埋め込み 決められた用量を一定間 隔で腫瘍内に投与 評価軸2: 作用機序 薬理学的作用・体 内動態による効果 物理的・機械的な 構造による作用 腫瘍内でウイルスが増殖し、 細胞を溶解(薬理作用) 物理的な構造ではなく、「薬理的作用による治療効果」と 「反復投与という使用方法」が、医薬品の定義と完全に合致する。

9.

平成26年ルールに基づく保険適用へのロードマップ Step 3: 収載審議 算定組織の検討結果を踏まえ、中医協総会にて薬価 基準への収載を正式に審議する。 Step 2: 償還価格の検討 分類判定に基づき、薬価算定組織が具 体的な償還価格(保険価格)を検討・ 算定する。 Step 1: 分類の判断 薬事承認の結果を踏まえ、中 医協において「医薬品の例」 か「医療機器の例」かを 判断する。 現在地:テロメライシンは本段階で 「医薬品の例」と判定完了 ※独自の保険体系創設については、知見蓄積後に引き続き中医協で検討

10.

参考:令和8年1月追加ルールにおける「条件・期限付き承認」の扱い 追加ルールの要旨 条件及び期限付き承認を受けた再生医療等製品も、通常の 承認製品と同様のフローで分類判定および算定を実施する。 見直しの仕組み 症例集積等により状況に変化が生じた場合は、中医協へ報告 し、必要に応じて取扱いの見直しを審議可能。 【テロメライシンの位置づけ】 本品は「新再生医療等製品(希少疾病用)」として通常承認の枠組みにあり、この追加ルー ルの影響に関わらず、通常通りのステップで薬価基準収載へ進行する。

11.

Synthesis:科学的特性と制度的判断の統合 The Science(科学) 革新的なhTERT標的の腫 瘍溶解性ウイルスは、腫 瘍溶解性ウイルスは、18 ヶ月で50.0%という高い 局所完全奏効率(L-CR) を示し、長期的な局所制 御を実現した。 The Policy(制度) その「腫瘍内での増殖・ 溶解」という明確な薬理 作用と投与方法が評価さ れ、中医協において正式 医療において正式に「医 薬品の例」としての取り 扱いが決定した。 The Future(展望) 今後は薬価算定組織での 厳密な評価を経て、薬価 基準収載と進む。既存の 治療法が適応とならない 食道癌患者に対する「新 たな治療選択肢」の提供 が目前に迫っている。