【CTO Night&Day 2018】CTOとしてエンジニアに対して責任を持ち続けること

381 Views

April 03, 19

スライド概要

2018/12/18開催
「CTO Night&Day 2018」講演スライド
登壇者:株式会社LIFULL Chief Technology Officer 長沢 翼

profile-image

LIFULL HOME'Sを運営する株式会社LIFULLのアカウントです。 LIFULLが主催するエンジニア向けイベント「Ltech」等で公開されたスライド等をこちらで共有しております。

シェア

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

CTOとしてエンジニアに対して責任を持ち続けること 株式会社LIFULL CTO 長沢翼

2.

長沢翼 @nagasawatsubasa CTO LIFULL HOME’S事業本部技術開発部長 LIFULL技術開発本部 情報システム部長 LIFULL Tech Vietnam 委任代表者 略歴 • LIFULL HOME’S Webサイト開発 • iOSアプリ新規開発 • API基盤刷新 • AWSの導入 ~ オンプレサーバーのAWS移行 • 技術組織のマネジメント • 2017年4月より各 CxO を設け、CTOに

3.

1.会社について – 概要 2.会社について – エンジニア 目次 3.本題

4.

会社概要 会社名 (2018年3月末時点) 株式会社LIFULL(旧 株式会社ネクスト) 証券コード 2120(東証第一部) 代表者 代表取締役 井上 高志 沿革 連結従業員数 1997年3月 2006年10月 2010年3月 創業 東証マザーズ上場 東証一部上場 1,251名(内、臨時雇用者数220名、海外子会社125名) 4

7.

ビジョン・ガイドライン・人を大切にする会社 ガイドライン • ベストモチベーションカンパニーアワード 2017 年3月 1位 (283社中) • 真理を探究し続ける • 人事本部長が本を出版しています • 革進の核になる • 最速で価値を提供する • 高い目標を掲げる • 計画を立て完遂する • 一点の曇りもなく行動する • 真のチームワークを築く • すべてのステークホルダーを重んじる

8.

エンジニアついて 対象は本社

9.

エンジニアについて 人数:国内で約150名 企画 マーケター セキュリティ ML/AI QA/QC デザイナー エンジニア 営業 中 途 バックオ フィス 新 インフラ 卒 App Web

10.

組織 事業 ✕ 職種のマトリクス型組織 (事業 > 職種) 職種でやること • スキル育成支援 • エンジニアMGRが横串で 担当メンバーを持つ(10 名~15名程度) • スキルの目標設定、評価 サポート • 月1で育成に関する会議 賃貸 技術 制作 企画 流通 分譲 etc

11.

エンジニアのキャリア エンジニアはManagerかSpecialistのコースを選択 共通 Specialist Manager

12.

前提 ここまで

13.

エンジニアに対しての責任 事業・プロダク トの成長 エンジニアとし ての能力UP ≒価値向上

14.

エンジニアに対しての責任 事業を成長させビジョンの達成させること 考えながら、エンジニア個々人、組織も強 くしていくこと

15.

過去にLIFULLで起こったことと その時のバランス

16.

〜10年前くらい • アプリケーション はマーケットごと に分断 • それぞれ独自DB・ 独自ロジック • 技術者の交流は小 • オンプレ 賃貸 売買 分譲マンショ ン etc

17.

〜8年前くらい • 共通APIができる • 物件のやり取り、 横断検索、サイト の構築が簡単に 賃貸 売買 分譲マンショ ン API etc

18.

7〜6年前くらい • サイトを共通のFW、 言語(PHP) で再構築 • 部署異動での学習コ ストが減る • APIがあるから直接 DBは触らない 賃貸 売買 分譲マンショ ン API etc

19.

当時起こっていたこと(〜6年前) 完全分業 • アプリ – インフラ • API & DB オンプレミス • モノリシック • 強い制約(共通化) 短期的な効率

20.

このときの状態 • SQLが書かない人が増えていく(⇒段々と書けなく) • 言語スタックがPHP / JS で技術幅が段々と狭く • サービス志向が強く「技術は手段」が非常に強い ※「技術は手段」は勿論正しいが、その手段を磨かないのは求めるエンジニアと違う • このステージではそれも正解の1つではあったと思う 事業・プロダ クトの成長 エンジニアと しての能力UP ≒価値向上

21.

それから時が立つにつれて起こったこと 完全分業 • アプリ – インフラ • API & DB オンプレミス • モノリシック • 強い制約(共通化) 時が経つにつれ・・ • • • • エンジニアが持つ手段が少なくなる事による解決方法の固定化 増え続けるサービスに対してインフラ準備の遅れ 管理作業の一極集中によるスピード低下 大きくなりすぎるコードベース。調査・テストの工数増

22.

事業の方を強く向いていたことでのひずみ • 職種捉われずいろいろな事業貢献が出来る(良いこと) • その反面「職種の強みを活かした」や「その職種であることの意 義」といった、つまり「エンジニアがエンジニアとしてエンジニ アだからこそ出来る貢献の仕方」が意識されなくなる。 • 技術的な負債も貯まることで事業的にやりたいことがやりにくい (スピード感など含め) 事業・プロダ クトの成長 エンジニアと しての能力UP ≒価値向上

23.

見えてきた課題と対応 方向性 LIFULLのエンジニアとしてどうあるべきかの「芯」が不明 システム アプリもインフラもモノリシック、スピード低下 エンジニア(人) 事業>技術 になりすぎると技術力向上に目が向きにくくなる

24.

見えてきた課題と対応 方向性 LIFULLのエンジニアとしてどうあるべきかの「芯」が不明 ⇒ LIFULL エンジニア像の定義 システム アプリもインフラもモノリシック、スピード低下 ⇒ AWS移行 x マイクロサービス推進 エンジニア(人) 事業>技術 になりすぎると技術力向上に目が向きにくくなる ⇒ スキルマップ刷新 / キャリアベース1on1でフォロー

25.

方向性 – LIFULLエンジニア像の定義 エンジニアとして経営をリードする

26.

エンジニアとして経営をリードする

27.

浸透させていくために • 「エンジニアとして」=技術で勝負すること、を明 示する • 四半期に1度のエンジニア総会を実施している。そ こで、テーマに若手からベテランまで数人が話す • 2年間くらい続けて浸透されてきた

28.

AWS移行 x マイクロサービス推進 • 人は行為に対してFB(自他とも)を受けて成長していく、 自分で考えて実行する事が一番の学び ⇒ 技術選定をチームに任せる(責任も負う) 横断部門で共通部分・セフィティーネットとしてカバーを行う Service Service Service Service Service Service 事業部門 品質管理 横断部門 運用・監視 全体推進・サポート 28 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。

29.

スキルマップ刷新 • AWS移行・マイクロサービス推進の方針に合わせ、スキ ルマップも刷新 • エンジニアが幅広くスキルを得られるようになった • 社内短期留学も開始 • 双方のチームが同意すればいつでもどれだけでも他のチームに留学できる 29 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。

30.

キャリアベースの1on1 内発的同期で挑戦してもらうために • 根本はビジョンに共感しているので、技術を磨くことが如 何に意義があるかを伝える • メンバーの「動機の源」の把握 ⇒ その人の 意見 / 価値観 / 経験 / 感情 を探り、仕事の落とし方に活かす • キャリアビジョン 5年後/3年後の把握 ⇒ 差分が見えているのかいないのかを確認 • メンバーを褒める、他の人にも褒める ⇒良いメンバーが知られていないのは上司の責任 30 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。

31.

そのようなことをしていき 挑戦の回数が増える エンジニアのトラブルシューティングの幅が広がる トラフィックを多数受けられるようになる etc・・ 事業・プロダクト 事業・プロダ の成長 クトの成長 31 エンジニアと エンジニアと しての能力UP しての能力UP ≒価値向上 ≒価値向上 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。

32.

最後に • 全体として技術力の向上は実感がある • 技術、システムだけじゃないことたくさんやっている気が するけど、文化も一緒に作っていかないと持続可能にはな らない • 道半ばなので引き続きいろいろと手を打っている最中 • 普通のマネジメントは丁寧に行う 32 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。