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September 02, 25
スライド概要
AIT天城でのスキルアップセミナー登壇資料です。
AITスキルアップセミナー AIのトレンド・AIエージェント 2025年8月27日
会社概要 & 自己紹介 社名 事業内容 株式会社AIT(エーアイティ) - IBM製品を中心にHW・SWの販売 1991年 戦略的合弁会社として設立 125名 従業員数 125名 日本IBM 売上高 161億円(2024年度3月期) 名前 防村 略歴 ~2022年 : 食品メーカー 営業 2023年~ : 株式会社AIT アナリティクス&サービス営業部 1991年 設立 SRA - インフラ構築や技術支援等のサービス - トータルソリューション 「AI365」詳しくは 信太郎(ヨケムラ コチラ! シンタロウ) COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 2
AIトレンドのイメージ… こんな人が多いのでは…? というか私がこんな感じ ・一応ChatGPTは使ってるけど、他のは触ったことが無い。 ・ClaudeCodeとか聞いたことはあるけど… ・というかスピードが速すぎてついていけない ・AIエージェントが今の流行?らしいけど具体的はわからない AIのトレンドをこの時間で全て紹介するのは難しい… なのでこの時間では話題を以下2点に絞ってトレンドのキャッチアップをしたいと思います ①AIアシスタント → AIエージェント の大枠の変化の流れを追う ②実際のユースケースを通して、具体的に どのような製品があるのかを簡単に確認 COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 3
01 AIアシスタント→AIエージェント 大枠の変化の流れを追う COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 4
まずは大枠の変化の流れから! ■AIをアシスタントとして使う時代 ■AIが独立したエージェントとして働く時代 ・人間が入力情報を選び、AIの出力を読み解いて、 実際の処理は主に人間が実行 ・人間の指示や質問に答える「受け身型」 ・目標を与えれば、情報の収集から、実際の処理までAIが実行 ・人間が与えた目標に対し自ら計画・判断・行動する「能動型」 具体例 ※後のページで紹介 具体例:Siri、Alexa 参考:https://www.ibm.com/jp-ja/think/topics/ai-agents-vs-ai-assistants ・意思決定 や 処理の主体 が 人間 Large Language Model(LLM) とは? AI(LLM) にシフトしてきている ・エージェント化により、AIがより複雑なタスクもこなせるように… ・複数のAIエージェントが連携する枠組みにより、高度化している 大規模言語モデルとも。テキストで学習 された、文章生成ができるAIの事。 翻訳、要約などの用途で 活用されています。 COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 5
LLMやAIエージェントって、各々「どの部分」の話なの? ■学習フローを見てLLMの範囲を確認 LLMの学習およびカスタマイズ手法の全体像 大規模言語モデル LLM 1.事前学習(Pre-training) 文法他・基礎知識など覚えさせる、基盤作りの段階 2.ファインチューニング(Fine-tuning) 性能向上や特定ドメイン・タスクへの適応を行う 3.アライメント(RLHFなど) モデルの出力を人間により沿ったものに調整する 参考:https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/llm_contents_2024/ AIエージェント実装で 頑張るのはここら辺の話 ■AIエージェントの取り扱い範囲は… 上記のLLMを中心とした、「全体的な仕組み」となる がLLM自体に手を加えるのはコストがかかりすぎる… https://dalab.jp/archives/journal /llm-finetuning-part1/ そのため実装時の主な関心ごとは、外部ツールやRAG などで、LLMの回答の質を以下に上げるか、自動でこなす タスクを増やすか等「LLM以外の部分」に集中する 焦点はLLMへの入力をどうするか、出力をどう使うか 使うLLMの性能によってできる事が変わる。 ContextWindow(LLMが一度に扱える入力量)や ベンチマーク結果等、LLM自体の性能が把握しておこう! COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 6
AIエージェントって、具体的に何? ■広い意味でのAIエージェントとは… AIエージェント 大規模言語モデルによって自律的にタスクを実行できるプログラム 右図の様にLLMやツールを含めた全体のシステムを指す場合が多い 最近では「Agentic AI」等の言葉と混同されるパターンもあり ます。進化の過程で言葉の意味が細分化されいっており、 人によってその意味や粒度は違うので注意しましょう! 参考:https://arxiv.org/abs/2505.10468 計画を 立てたり… LLM レスポンス RAG 位置情報 参考: https://speakerdeck.com/shunk031/large-language-model-agent-a-survey-on- …etc methodology-applications-and-challenges 主に右図のように3段階のサイクルを通じて回答の精度・信頼性 を上げていくアプローチを採用している 推論から 反省したり… ユーザー ツール Web検索 ■やっている事を分解すると… ユーザー 入力 AIエージェント においてLLMが やっている ことを分解 してみると… Planning Reflection 目標に基づき 計画をたてる 実行結果から 学習・反省 人間からの入力(目標)を受け取った後、右の図のように一回の入力、 出力で終わるのではなく、入出力を連鎖させることで、精度を上げよう という事をしている Reasoning 参考:https://www.ibm.com/jp-ja/think/topics/ai-agents ツールを使用 して推論 COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 7
流れの変化が起きている理由 ■技術的・直接要因(LLM自体の技術的進化) ・LLM自体の性能が向上し、情報さえ与えれば複雑なタスクもこなせるようになった ※LLM性能評価について ・コンテキストウィンドウ(LLMが一度に扱える入力量)の拡大により、大量の情報を一気に処理可能に ・テキストの他、画像・音声・動画などマルチモーダル入力に対応し、異なる形式の情報を統合して処理可能に ■技術を支える仕組みや環境(LLMを支えるエコシステムの整備) ・ツール呼び出し(FunctionCalling)や、構造化出力(StructuredOutputs)等、 APIの仕組みが整ってきた ・LangChain/LangGraphなど登場で、各社のLLMや外部ツールを統合が容易に。エージェント設計しやすくなった ・RAGで社内情報を参照したり、入力の工夫でドメインに特化した情報を扱いやすくなった。 ・MCP(LLMとツールのやり取りを標準化)や、ACP( AIエージェント同士のやり取りを標準化)等の プロトコル他、規格が整備されてきた。 ■今の社会の空気(利用の広がりと社会的ムード) ・さまざまな業界で利用者が増え、AI活用の現場で得られた改善知見が蓄積 担当しているお客様のAI活用事 情は一通り調べておこう! ・このような環境の変化により、生成AI活用の流れが本格化 ・「AIを本気で業務に使うならAIエージェント!」という社会的な空気が高まっている COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 8
02 実際のユースケース 具体的な製品 について COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 9
ユースケース① 業務支援 ■概要 ・日常的に発生する定型作業や複雑な手続きを自動化し、担当者の負担を軽減 ・付加価値の高い業務に集中できる環境を実現します ・人事、営業、調達、など幅広い領域で、業務効率化や生産性向上につながる ・企業でも活用が進んでいるのはこのあたり(右写真) 職掌に応じて、AIに課すロールを設定して特化型AIを作り上げている。 ■具体的な製品 ・IBM watsonx Orchestrate https://www.ibm.com/jp-ja/products/watsonx-orchestrate 楽天様での活用例 In RakutenAIOptimism ・Dify(オープンソース) https://dify.ai/jp 参考:https://speakerdeck.com/oracle4engineer/oci-x-dify COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 10
ユースケース② コード開発支援 ■概要 ・AIがリアルタイムでコード提案、補完、テスト生成、リファクタリング、ドキュメント作成などをサポート ・開発者は反復的・単純なタスクから解放され、設計や創造性に集中できるようになる ・自然言語プロンプトを通じて、設計→コード→テスト→説明まで高度に支援するワークフローの構築が可能 ■具体的な製品 ・CloudeCode(Anthropic) https://docs.anthropic.com/ja/docs/claude-code/overview ・IBM watsonx Code Assistant https://www.ibm.com/jpja/products/watsonx-code-assistant ・Cline系(オープンソース) https://github.com/cline/cline →派生:RooCode https://roocode.com/ 参考:https://speakerdeck.com/minorun365/yasasiiclaude-coderu-men ・GeminiCLI(Google:オープンソース) https://github.com/google-gemini/gemini-cli ・Corsor(Anysphere) https://docs.cursor.com/ja/welcome COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 11
ユースケース③ 市場調査・レポート作成 ■概要 ・調査の計画をたてtodoを作成 → Web検索で情報収集 → 内容をレポートでまとめる を全自動で行う ・営業職やコンサルが行う調査や資料作成のたたき台作成ができ、提案書作成業務の大幅短縮が見込める ・HTML形式やパワポ形式で出力も可能 ■具体的な製品 ・Manus https://manus.im/ja ・GenSpark https://www.genspark.ai/ Manusでwatsonxの調査依頼を出すと ブラウザを自動操作して調べ… IBM製品でもWeb検索API「Tavily」や スライド作成ツール「Slidev」を使えば実施可能 スライドでまとめてくれたり… HTMLでまとめて くれたり… COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 12
ユースケース④ データ分析 ■概要 ・AIがデータから得た示唆を、レポートやダッシュボードの形で即座に出力でき、意思決定のスピードを加速 ・AIでの扱いが難しかったテーブルデータを、メタデータを付けることで、自然言語で取り扱う ・非エンジニアでもAIに手伝ってもらうことで分析やグラフを自分で作成が可能。分析の敷居が下がる! ■具体的な製品(BIツール) ・IBM watsonx BI https://www.ibm.com/jp-ja/products/watsonx-bi データに自動で“意味のラベル”を 付け、後で探し&使いやすくする 無料トライアルは から! https://cloud.ibm.com/catalog/services/watsonx-bi メトリクス(指標)を自動or手動で作成 指標に対し、グラフも自動or手動で作成 AIとチャットしながらグラフ のダッシュボードを作る! COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 13
共通点は?注意点は? ■共通点 Webに情報源が 転がっている 情報源が テキスト化可能 入力・出力が一貫して 文字情報に起こせるタスク において真価を発揮する! コードで 表現できる ■注意点 下図の参照元:https://github.com/humanlayer/12-factoragents/blob/main/content/factor-03-own-your-context-window.md ・Context Engineeringを意識しよう ※参考: https://arxiv.org/abs/2507.13334 AIエージェントはステップが進めば、都度の状況は更新されていくため如何に 現在の状況を「文脈」として的確に正しく残せるかが肝に。この様な文脈の設計手法 は「Context Engineering」と呼ばれ、大規模開発にAIを使う時は特に重要な概念になる。 ・自分の、あるいはお客様の業務のどの部分に使えるものかを見極めよう AIは確率的に間違える。正解がわかる分野で使うことで検証をしよう ・使われているモデル(LLM)の性能を把握しておこう 複数LLMの選択肢があるとき、どれが最適か当たりが付けやすい 例えばIBM Granite 3.3 Instruct 8Bだと… ●基本情報:公式、HuggingFace ●ベンチマーク:ここが見やすい COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 14
03 今後に向けてやった方が良いこと & まとめ COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 15
流行に取り残されないためにやっておいた方が良いこと ■どんなプロダクトがあるのか、最新の情報をキャッチ&自分でも動かしてみる ・お客さんと会話で出てきたとき「なにそれ?」ってならないために ・基本的に公式発表他、一次情報が〇。使用感とかはX、reddit、Discord等も… ・無料トライアルなどを自分なりに触ってみて、「これは~に使えそうだ」という 手触り感を確かめ、今のAIプロダクトの完成度を雰囲気で感じておこう ■余裕があればプロダクトに使われている背景技術も… ・論文などの技術的な背景や情報はarxiv、実装例などはGitHubが〇 ・AIにいれれば要約したものを日本語で読める 気になるリポジトリのURLを変えてみよう! ・arxivはalphaxiv 、GitHubはdeepwikiやGitDiagram 等 https://github.com~ https://gitdiagram.co~ 生成AIを活用した、支援ツールも多い ■学んだらアウトプットとして発信をしよう ・キャッチアップした情報を自分なりにQiitaやZennで発信しよう 自分の理解になるし、学びログをAIに食わせるのも〇 発表資料はSpeaker Deckやドクセルで一般公開するのが〇 ・IBMCampion活動をして発信を評価に変えよう 会社内だけでなく一般社会での評価につながる 2024年には開発の林さんが受賞! 防村もやってます!いいねしてね! ・Qiita https://qiita.com/YokeSin ・conpass https://connpass.com/user/yoke0201s in/presentation/ COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 16
まとめ ・AIの使い方が「アシスタントとして使う」 時代に移ってるよ 「エージェントとして任せる」 ・色んなユースケースでAIエージェントが利用され、様々な製品が出てるよ 個人的なおすすめ watsonx Orchestrate ・変化の激しい分野なので、情報収集&自分で触ってみる&発信を心がけよう 最後に…入出力には特に気をつけよう ・機密性の高い情報等リスクは常に考えて使おう、また、 出力をお客様にそのまま出すとかは絶対にやめよう ご清聴ありがとう ございました ・AIが責任を取ることは絶対にない COPYRIGHT ©ADVANCED INTEGRATION TECHNOLOGY, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 17