スマートワールドのサービス特性

>100 Views

November 01, 16

スライド概要

今、Airbnb,Uberは旬の話題だが、これらはシェアリングエコノミーとして取り上げられることが多い。しかし、これらは同時にIoTの先進事例でもある。
そこで、IoT活用をもっと幅広い分野で新ビジネスモデル構築の手段として考える際の参考になるのではないかと思い、まとめてみた。
Airbnbは部屋、Uberは車というモノを(現状の技術水準で)立派に把握して、素晴らしいサービス提供のビジネスモデルに仕立てたIoT活用の優等事例と思うので。

profile-image

定年まで35年間あるIT企業に勤めていました。その後、大学教員を5年。定年になって、非常勤講師を少々と、ある標準化機関の顧問。そこも定年になって数年前にB-frontier研究所を立ち上げました。この名前で、IT関係の英語論文(経営学的視点のもの)をダウンロードし、その紹介と自分で考えた内容を取り交ぜて情報公開しています。幾つかの学会で学会発表なども。昔、ITバブル崩壊の直前、ダイヤモンド社からIT革命本「デジタル融合市場」を出版したこともあります。こんな経験が今に続く情報発信の原点です。

シェア

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

スマートワールドのサービス特性 -シェアリングエコノミー分析からの示唆 - B-frontier研究所 高橋 浩

2.

問題意識 • IoT活用が進み、スマートシティ、スマートファク トリー、スマートインフラ、スマートグリッドなど各 種スマートワールドが話題になってきた。 • しかし、個別スマートワールドは相違が大きく、 共通性について取り上げられることは少ない。 • その結果、・・ ① 全体として発生している変化の底流理解を制 約したり、 ② IoT活用の影響力を矮小化あるいは限定化す る危険性はないだろうか? 2

3.

• このような問題意識から、・・ • 最近話題のシェアリングエコノミー分析を通し て得られる新たな顧客サービスの側面か ら、・・ ① これから予想される変化の共通項探索を試 みる。 ② 具体例としてはスマートインフラを取り挙げ る。 3

4.

目次 1. これからのビジネス環境の特徴 2. シェアリングエコノミーからの示唆 3. デジタル化ステップアップで登場する 新サービス 4. IoT活用で構築されるスマートワール ドの特性:スマートインフラの例 5. 今後への示唆 4

5.

1. これからのビジネス環境の特徴 デジタル革命は進化している Hardware + Electronics 1995 これまでの 2000 デジタル革命 Windows95登場(本格的デジタル革命スタート) Hardware + Electronics + Software 2005 Software + Network + Service アップルが典型(iPod) グーグルが典型(G-Search) 評価尺度は“良い製品から良い体験へ” これからの デジタル革命 Hardware(モノ) + Electronics + Software + Network + Service IoT,CPS等を活用して、 「常にモノがネットワークにつ ながっている」世界での新たなビジネス環境への対応 企業と顧客が「時間」という軸でつながり続けるということ 5

6.

今後のデジタル化ステップアップの共通基盤がIoTな のは❝モノが常にネットワークにつながる世界❞を創出するから モノのIoT化: ①物理的要素:機械部品と電気部品 ②情報処理要素:センサー、マイクロプロセッサー、データ・スト レージ、制御装置、ソフトウェア、組み込みOS、ユーザー・ インターフェースなど ③接続機能:インターネット接続するためのポート、アンテナ、 プロトコルなど + クラウド ビッグデータ ネットワーク モノを・・ 監視、制御、最適化を結びつけて高レベルの自律化可能 自律化 監視データを製品の働きを制御する機能と組み合わせ最適化可能 最適化 製品機器やクラウド上の遠隔コマンド/アルゴリズムによって制御可能 制御 センサーと外部データを使って製品状態、稼働状況、外部環境を監視可能 監視 デジタル化とIoT化が共振 IoT化促進 共振化 デジタル化促進 システムの本質変化へ:モノ単体の変化から❝システムの変化❞へ マイケル E. ポーター、ジェームズ E. ヘプルマン、“IoT時代の競争戦略”、 April 2015 Diamond Harvard Business Reviewを参考に作成.

7.

IoTは「情報化社会」をステップアップさせる これまでの「情報化社会」 これからの「IoT社会」≈「超スマート社会」 全てデジタルデータ 大半はアナログデータ 全データが集中的に管理 データは散在 利用はローカルネットワー 利用が実世界の社会規模で 可能に ク内 デジタル⇔アナログ連係に 供給側ドリブンからユーザー 側ドリブンへ は物理的制約 IoTによる技術革新 物理要素:小型化・省電力化・低廉化 情報処理要素:クラウド大規模化/低廉化・分 散処理高度化・人工知能 接続機能:通信費用低廉化 7 これは企業と顧客がデータを媒介として「時間」という軸でつながり続けることを意味する

8.

顧客の成果ベースで収益を得る新たなタイ プのサービス業への転換が必要になる • 競争ルールはモノやサービスの機能的価値 の優劣の対決ではなく、顧客へ新しいサービ ス形態で提供する体験価値の優劣の対決 • このため従来の「持続的イノベーション」の積 み上げは通用しない。 • 企業はミクロ/マクロ環境分析によって多視 点から来るべき未来を洞察し、近未来の「あ りかた」を構想して、それに基づいた新サービ スを提供し続けなければならない。 8

9.

2. シェアリングエコノミーからの示唆 IoT基盤上のプラットフォームを プラットフォームエコシステム視点で考える 9

10.

プラットフォームの機能と型が変化 プラットフォームの型 トランザクション型 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 機 能 マッチング 代 相互作用 Uber,Airbnb など 表 的 インテグレーション型 相 エコシステム 関 性 Google, Appleなど 時 代 の 潮 流 イノベーション型 補完性 Microsoft, Intelなど Peter C. Evans, Annabelle Gawer,” The Rise of the Platform Enterprise A Global Survey” http://thecge.net/wpcontent/uploads/2016/01/PDF-WEB-Platform-Survey_01_12.pdf を参考にして作成 Peter Evans 10 Center for Global Enterprise 副社長

11.

企業タイプとプラットフォーム型の相関も多様化 資産小でも広域エコシステム構築が可能に! 企業構造 垂直統合(VI) +資産規模 プラットフォーム・ エコシステム GE Daimler 資産が大きい 企 業 タ イ プ 事例 企業名とプラットフォーム Predix Moovel 広域エコシステム 混在(中間) 資産が小さい Apple App store Amazon App store Google Map, Search Facebook SNS Google Google Play Uber Uber app Airbnb Airbnb app 広域エコシステム&トランザクション型 時 代 の 潮 流

12.

新環境適応のため プラットフォーム理論も修正された 直接相互作用効果 ネットワーク効果 専門サービ ス提供者 消費者 資産 資産 資産 一方を優遇が常態 (意図的非対称性) T. R. Eisenmann, G. Parker, M. V. Alstyne, ‟ Opening Platforms:How, When and Why?”,2008. 優遇/冷遇の関係性弱体化 (相互作用支援と 信頼性醸成強化にシフト) A. Hagiu, J. Wright, “Multi-sided platforms”, International Journal of Industrial Organization 43 ,2015.

13.

プラットフォーム理論へ直接相互作用を導入 定義1:2つ以上の異なるサイド間の直接的相 互作用を可能にする。 定義2:各サイドはプラットフォームに加入 (affiliate)する。 専門サービス提供者 Andrei Hagiu ハーバード・ビジネ ススクール準教授 消費者 直接的相互作用 改良MSP 加入 加入 代替ビジネスモデル 垂直統合 13

14.

働き方にも選択肢が登場(被雇用or独立経営者) 運転手はタクシー会社の従業員になるかUberの独立運転手になるかを選択できる 従来(組織内の一員として) • 垂直統合モードは・・ – 個々の専門家の意思決定を超えた企業内 スピルオーバーの利点が大きい場合に有利 vs 新規(個人経営者~フリーランサーとして) • MSPモードは・・ – 専門家が消費者向けに観察不能な努力を 行う動機づけが有効で・・ – 専門家の個人情報を消費者への適応に活 用させる利点が大きい場合に有利 14

15.

3. デジタル化ステップアップで登場する新サービス カテゴリー・プラットフォームと多数構成員から成るエコシステム登場の枠組み ネットワーク効果 専 門 サ ー ビ ス 提 供 層 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 層 専門サービス提供者 サービス利用者 直接相互作用効果 サービス仲介者 Foursquare OpenTable etc. サービス・レベルの多様化、高度化 信頼性醸成 APIサービス提供 カテゴリー化 カテゴリー・プラットフォーム 注:Foursquare:位置情報に基づき店やプレイスポットの検索サービス OpenTable:オンラインレストラン予約サービス

16.

多数プラットフォームのカテゴリー化の例 サービス層 機能分担 資産保有者 サービス カテゴリー化 A B ○ ○ C 専門サービ アフィリエイト/ ス提供層 代行 ○ API(サービス 返信) ○ ○ プラット フォーム層 注1 マッチング ○ ○ ○ 決済など金銭 関連 ○ ○ ○ 相互作用支援 ○ ○ 信頼性醸成 ○ ○ ○ ○ ○ Uber Fintech API支援 事例 Airbnb X X 注1:Foursquare:位置情報に基づき店やプレイスポットの検索サービス、OpenTable:オンラインレストラン予約サービス、など

17.

過去に多様な可能性が登場した時( e-business勃興時) のビジネスモデル・デザインの条件は4つであった (4) 新奇性(Novelty):取引主体との関 係性や構造に変革を起こす(「イノベー ティブなビジネスモデル・デザイン」) 。 (1)効率性 (Efficiency) :従来よりも取 引上のコストを 抑えられる。 C. Zott and R. Amit Insead (フランス) ペンシルベニア大 ワートンスクール (3)囲い込み (Lock-in): 顧客を同業競 合他社の製品・ サービスに流出 しにくくする。 (2)補完性(Complementarity): 複数の取引主体を結びつけることで、 単体では得られない効果を得る。 17 Amit, R., Zott, C., “Value creation in e-business”, Strategic Management Journal , Vol. 22, Issue 6-7, June 2001, pp.493-520.

18.

4ビジネスモデル・デザイン条件は 3組織形態と次のように対比できる デジタル化ステップ タイプ1クローズド垂直統合モデル タイプ2ルーズリー・カップルド・モデル タイプ3マルチサイデッド・プラットフォーム・モデル ビジネスモデル・デザイン (3)囲い込み(Lock-in):顧客を同業 競合他社の製品・サービスに流出しに くくする。 (2)補完性(Complementarity):複 数の取引主体を結びつけることで、単 体では得られない効果を得る。 (4) 新奇性(Novelty):取引主体との 関係性や構造に変革を起こす(「イノ ベーティブなビジネスモデル・デザイ ン」) 。 18

19.

過去のデジタル化ステップアップ要因であった デジタル放送では3タイプが表のように遷移した タイプ1 タイプ2 タイプ3 クローズド垂直統合 モデル ルーズリー・カップルド・ モデル マルチサイデッド・ プラットフォーム・モデル 価値を創造し獲得する巨 大で強力な連結コンポーネ ントを通じて価値を生成 異なるプレーヤー達は、 プールされた逐次的で相反 する主要活動の相互依存 性を通じて価値を生成 2つ以上のグループを結集し、 分配、取引、検索コストの削 減を通じて価値を生成 • • • • • TCIとマイクロソフトの提 【デジタル放送システム • 携 の登場】 ベルテルスマンとBスカ • 多数テレビチャンネル配 イBの提携 信と高精細(HDTV)形式、 BスカイBとBTの提携 EPG、VOD、インタラク ベル、NYNEX 、ビデオト ティブ広告 • ロンとマーキュリーの合 • 競合プラットフォームと 併 技術(衛星、ケーブル、 MicrosoftとNBCによる 地上波、IP)間でデジタ MSNBC設立 ルテレビ市場が複雑化 M.Pagani EMLyon ビジネススクール 准教授(フランス) コンテンツ制御、規制、消 費者とIP保護、消費者経 験、ソフトウェア配布、 ソーシャルネットワーキン グ、ストレージ、などで複 数の混乱と衝突が発生 新ビジネスモデル(Google TV, Brightcove, Hulu, Joost)、新双方向サービス、 伝統的視聴習慣の変化 が発生 タイプ3の例: Netflixなど M. Pagani, “DIGITAL BUSINESS STRATEGY AND VALUE CREATION: FRAMING THE DYNAMIC CYCLE OF CONTROL POINTS”, MIS Quarterly, Vol. 37 No. 2, pp. 617-632/June 2013.

20.

IoTは次のデジタル化要因であり、同様に下記ステップも想定されるが? デジタル化進展による変化の図式 タイプ1 タイプ2 タイプ3 クローズド 垂直統合 ルーズリー・ カップルド マルチサイデッド・ プラットフォーム 価値創 No.1 囲い込 No.1補完性 No.2 新奇性 造要因 み 担い手 アイディア No.1新奇性 No.2効率性 &効率性? 既存ビジネス の覇者 資金力 多くの企業のア 既存業界秩序 イディア を破壊の名分 連携を主導する 強力な企業家 コーディネータ 精神 「拡散」の過程 「縮小」の過程 断絶 新サー ビス インパクトが 最も大きい 但し、最初か ら考えること はできない 顧客が望ん でいる 新しいサービス 登場の形態

21.

変化の図式で示唆される重要な特徴がある • タイプ2、タイプ3間に断絶があり、この克服 過程が特に重要だが・・・ 1. インパクトが最も大きいタイプ3は、最初か ら考えることができない。タイプ2の混乱を つぶさに観察し、それを解決するところから登 場する。 2. タイプ3の覇者は多くの競争相手を蹴落と す必要があり、その際の名分は「顧客が望 んでいる」などと、それを押し通せる辣腕(強 力な企業家精神など)が求められる。 21

22.

IoT現況を3タイプにマップングしてみると・・ タイプ1 ? タイプ2 ? タイプ3 GEのジェットエンジン コマツの建機 GE:Predix(各社相当品) 日本のコンソーシアム IVI 新サービス登場の兆し クローズド垂直統合 モデル ルーズリー・カップルド・ モデル マルチサイデッド・ プラットフォーム・モデル 断トツのハード商品特性を IoTで本質転換させ、サー ビス水準を高度化する垂 直統合モデル洗練化で価値 生成 共通プラットフォーム上に各 種イノベーション/アプリケー ションを共存・連携させて、 これらを調整/統合して価値 生成 IoT能力を活用して機器販売 ビジネスを機器機能のサービ ス・ビジネスに転換することで 価値生成 • • 統合(メーカー)の管理 • 機能は複雑化するが、 価値創造と価値獲得を 容易化 既存ハードの高シェア • を基盤に一層の寡占化 目指す勢い プラットフォームをコアと • したコンソーシアム(IICな ど)を形成し、多様な取 り組みを開始 タイプ1型の成功モデル • を多様な分野でも成立 させるのはどのようにす べきか挑戦中の状態 • 従量課金型サービスビジネ スが登場(LEXMARK(プリン ター)、ケーザー・コンプ レッサーetc) 新規ではあるが、マルチ サイデッド・プラットフォム 型では無い この延長線上に新サービ スの可能性

23.

[課題設定]IoTでは必ずしも公式的3タイプ順次遷移が発生 せず、モノに依存して多様化・共存化が発生するかもしれない。 タイプ2 タイプ1 タイプ3 Caas (グーグル) 風車 predix Akippa Airbnb 建機 (コマツ) ジェットエンジン (GE) ロボット (ファナック) クローズド 垂直統合 ビジネスモデル・ デザイン Uber 自動運転 (車) ? No.1囲い込み No.2効率性 ルーズリー・ カップルド (空き駐車場) (空き家) (空き車と 運転手) ? No.1補完性 No.2新奇性or効率性? マルチサイデッド・ プラットフォーム No.1新奇性 23

24.

4. IoT活用で構築されるスマートワールドの特性:スマートインフラの例 Cambridge Centre for Smart Infrastructure and Construction スマートインフラと建設(右図) • • • • • • “Smart infrastructure” をG-searchで検索して 最も一致性が高かっ たコンテンツ スマートインフラと建設はデジタル技術と物理的インフラ資 産、建設プロセスを結合 その結果、スマートインフラは環境の変化にインテリジェ ントに対応することで、独自の配信、使用、保守、サポー トに影響を与え指示する能力を保有 この利点は、インフラが運用操作される方法におけるより 高い効率性、経済性、適応性、持続可能性だけでなく、改 善されたデザインと全寿命性能を包含 2017年、土木技術者協会は、新しいジャーナル、スマート インフラと建設を発刊 スマートインフラと建設は、インフラ資産の設計、建設、管 理に新興デジタル技術をグローバルに採用することによ る変更を文書化する学習フォーラムを提供 これらのラジカルな変更は、インフラが提供され運営され る方法の効率化、経済性、適応性、持続可能性に結合 24

25.

Smart Infrastructureとは? J.Gubbi, R. Buyya, S.Marusic,M. Palaniswamia, “Internet of Things (IoT): A Vision, Architectural Elements, and Future Directions”, 25 Journal Future Generation Computer Systems, Vol.29 Issue 7, Sep., 2013, pp.1645-1660.

26.

IoT2B領域には多様なスマートインフラ領域が存在する 26

27.

単純に3タイプ順次遷移が発生しそうにないと感じるので・・・・ IoT活用によるスマートインフラ構築のダイヤグラム(案) タイプ2 顧客の将来の新たなサービス体験 タイプ1 対象領域 ユースケースa タイプ3 ユースケースc ユースケースb ユースケース 設定の視 点が相違 シミュレーション、予測、アプリケーション構築の差別化技術 応用技術 BigData,AI,IoT,Robot、VR,ドローン、クラウド、・・ 共通技術 ③新たな挑戦企業 建機 石油精製プラントなどの保安 Predix/Lumada/Bluemix・・ クローズド 垂直統合 ? No.1囲い込み No.2効率性 ルーズリー・ カップルド ④新たなアイディア への挑戦 ②センス情報のセキュリティフレームワーク/国際標準 (コマツ) ビジネスモデル・ デザイン ①水、電気、ガスなど社会インフラ効率化 ? No.1補完性 No.2新奇性or効率性? Getable相当 (建設機械レンタル) マルチサイデッド・ プラットフォーム No.1新奇性 27

28.

IoT活用によるスマートインフラ構築のダイヤグラム(案)説明図 1. シーズ指向/ボトムアップの取組みと「顧客の 新サービス体験」間には大きなギャップが存在 する。 ・・・①政府支援の実証研究 2. データ形式やセキュリティ化の標準化活動は 基盤整備に不可欠な施策ではあるが、サービ ス価値創造によるマネタイズとの関係が不透 明である。・・・②標準化活動 3. 先進的取組みはB2B領域でも「顧客への新 サービス体験」を提供している。しかし、例外 的。 ・・・③コマツの事例 4. このような中ではステップ3(「新奇性」)の取組 みに挑戦することも重要と思われる。 ・・④「モビリティ未来創造のための」GM,Lyftの連携 は(別分野の例ではあるが)参考にすべき事例 28

29.

① 政府支援 29

30.

② 標準化 30

31.

③ コマツのスマートコンストラクション 先進事例 • 本サービス導入によって、コマツは・・ 「建設機器の製造販売業」から 「建設現場の自働化オペレーション業」へ – 熟練のオペレーターのかなりの部分をカバー – 建設機器の運用効率向上や工期短縮が可能に https://www.youtube.com/watch?v=hKIGKlmK Bag • B2Bでも顧客の体験を豊かに変える形での稼 ぐビジネスモデルへの進化がIoT時代の勝利の 方程式 注:コマツはCOMTRAXを2001年からスタートさせている。 31

32.

④ GM、Lyft社と「モビリティ未来の創造のために戦略的提携」を発表 ライバルのUberが世界各地 で規制当局やタクシー業界と ぶつかるのに対し、リフトは規 制当局や自動車産業と協調 路線を取っている。 米国のみでサービス展開。 200以上の都市で、月間 1000万回の乗車。登録ドラ イバーは31万5000人。 一緒に創業したジョン・ジマー CEOは、米コーネル大学ホテ ル経営コース出身でホスピタリ ティ重視。 運転手に尊厳を持って対応す ることを心がけており、運転手 には乗客とフレンドリーに接し てほしいとお願いしている。 Lyftの共同創業者兼CEO ローガン・グリーン 異業種提携 Lyftの共同創業者兼CEO ジョン・ジマー 中央:GMプレジデント ダン・アマン 32

33.

5. 今後への示唆 スマートワールド構築に共通と思われる特徴 • 「顧客の将来の新たなサービス体験」を提供 する価値創造に大胆にシフト • 適切なパートナーとの連携による価値共創 • 標準化(データ形式、セキュリティなど)や基 盤整備とマネタイズに繋がる差別化間の微 妙なバランス確保に注力 • 多くの場合ビジネスモデル先行で実施 – BigData, AI, IoT, Robot, VR, ドローン、クラウドな どのIT先進技術はあくまで上記方針実現の手段 33

34.

取組み姿勢 • ボトムアップよりはトップダウン的性格が濃厚 • 「顧客の将来の新たなサービス体験」の気づき の探索から出発 • 早期に自社得意分野に拘らないエコシステム構 築と柔軟でスピーディーなフィードバックサイクル 構築に注力 • 既存競合よりも新規参入や代替品の脅威により 注意深い目配りが必要 タイプ1,2,3の差は企業、領域に依存 IoT始めIT各種技術活用よりも「顧客へのサービ ス価値」実現に必要な差別化能力の方が優先 34

35.

スマートワールド構築に向けて 1. ユースケースの適切な設定 2. 適切な領域に向けたプラットフォームのカテ ゴリー化 3. 新たな顧客体験アピールの内容と方針の明 確化 4. 新サービス訴求と定着成功に腐心 5. 既存ビジネスモデル、自身の得意領域に捕 らわれない意思決定 6. 異業種参入やM&Aも適切に判断し実行 7. 競合他社の同様な取組みへ注意深い目配 り 35