人とデジタルプラットフォームとの新たな共創

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August 10, 16

スライド概要

AirbnbやUberなどのシェアリングエコノミーは新たなITの進化というだけでなく、リアルな人間同士がピアツーピアで地理的制約を越えて直接相互作用することで、従来にはない新たなサービス・プラットフォーム事業を軌道に乗せている。そして、これは働き手にも新たな働き方の選択肢を提示している面がある。そこで、これは“人とITとの新たな共創”を示唆するので、このような共創が成立しうる条件を探索してみた。

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定年まで35年間あるIT企業に勤めていました。その後、大学教員を5年。定年になって、非常勤講師を少々と、ある標準化機関の顧問。そこも定年になって数年前にB-frontier研究所を立ち上げました。この名前で、IT関係の英語論文(経営学的視点のもの)をダウンロードし、その紹介と自分で考えた内容を取り交ぜて情報公開しています。幾つかの学会で学会発表なども。昔、ITバブル崩壊の直前、ダイヤモンド社からIT革命本「デジタル融合市場」を出版したこともあります。こんな経験が今に続く情報発信の原点です。

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各ページのテキスト
1.

人とデジタルプラットフォームとの 新たな共創 B-frontier研究所 高橋 浩

2.

• ITの進歩は速く著しい。 • 人間は“機械との競争”にどのように対応 していくのだろう? – エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー「機械との競 争」他 • AIの進歩、シンギュラリティ登場の予想な ども、この疑問を現実のものにしている。 2

3.

• ITが進歩しても、“人とITとの新たな共 創”が期待できるなら、新たな可能性も展 望できるかもしれない。 • 最近シェアリングエコノミーが急激に台頭 している。 • そこで、この分野で、“人とITとの共創”が 成立しうる条件を探索してみる。 3

4.

目次 1. 背景と問題意識 2. 新たな可能性の探索 取引コスト理論からの示唆 MSPモデルからの示唆 3. 人とプラットフォームとの新た な共創の可能性 4

5.

1. 背景と問題意識 シェアリングエコノミーが台頭している 5

6.

光 多彩な分野で新たな取組みが華々しい 「シェアリングエコノミー:産業全体の進化と発展軌道の深層探索」より 6 PiperJaffray, 2015. Sharing Economy: An In-depth Look at its Evolution and Trajectory across Industries <http://collaborativeeconomy.com/wp/wpcontent/uploads/2015/04/SharingEconomy-An-In-Depth-Look-At-Its-Evolution-and-Trajectory-Across-Industries-.pdf>.

7.

影 〝人とITとの共創″の面から しかし、シェアリングエコノミーに疑問の声も多い 2015年05月25日 http://markethack.net/archives/51967130.html • シェアリングエコノミーは余剰労働力のマッ チングで「ショバ代」を徴収するモデル • 余剰労働力の市場である限り、労働の対価 は最もコストが安い方へ収斂するのが自然 ではないか 非正規雇用の蔓延を加速する正規雇 用破壊兵器になる懸念があるとの指 摘! 7

8.

そこで、まず、シェアリングエコノミー の根本的枠組みを考えてみる。 専門サービス提供者と利用者間のP to P型直接相互作用を可能にする新たな プラットフォーム ・・と考えることができるのではな いか。 8

9.

この条件に該当する新旧の事例を 取り挙げ比較してみる。 古典的事例 最近の事例 eBay • モノ(中古品)の売買 • お金のやり取り • 信頼性:モノの受け 取りによって確認で きる。 Airbnb,Uber • サービスの提供/授受 • お金のやり取り • 信頼性:現場でのサー ビス享受を事前に判断 しなければならない。 両者の直接相互作用レベルは格段に相違し、最近 事例では急激に上昇していると言えるのではないか 9

10.

これは新たな可能性を予想させる。 • リアルな人間同士が地理的制約を超えて直接 相互作用できることが切り拓く新領域の可能性 は極めて大きいのでは・・ そこから そこから • 企業境界の見直しが発生するのでは・・ • 新たな働き方が可能になるのでは・・ • 新たな企業形態が可能になるのでは・・ • 新たな働き方を選択できるのでは・・ “人とITとの新たな共創”の成立条件を考える 10

11.

繰返しになるが、着眼点は下記 • シェアリングエコノミーで登場しているPtoP型 シェアリングを可能にするプラットフォーム・サー ビス業でのサービス提供者に着目する。 • 彼等はリアルな人間同士が地理的制約を超え て直接相互作用できる機能を活用して、従来 は存在しなかった働き方に挑戦できる。 • これが“人とITとの新たな共創”にどのような 展望を与えるかに焦点をあてる。 11

12.

2. 新たな可能性の探索 何故今シェアリングエコノミーが活性化してい るのだろうか(想定される3ステップ図式) 1 3 2 デジタルプラッ トフォーム構築 が容易化 プラットフォー ム提供機能 がシフト プラットフォーマー と専門サービス提 供者が分離し多 様化 プラットフォーム所有者 クラウド (AWS) マッチング 相互作用 資産小でスピーディー な取組み 専門サービス提供者 資産or労働提供と サービスレベル高度化

13.

2 プラットフォームの機能と型は変化している プラットフォームの型 トランザクション型 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 機 能 マッチング 代 相互作用 エコシステム Uber,Airbnb など 表 的 インテグレーション型 相 Google, Appleなど 関 時 代 の 潮 流 性 イノベーション型 補完性 Microsoft, Intelなど Peter C. Evans, Annabelle Gawer,” The Rise of the Platform Enterprise A Global Survey” http://thecge.net/wpcontent/uploads/2016/01/PDF-WEB-Platform-Survey_01_12.pdf を参考にして作成 Peter Evans 13 Center for Global Enterprise 副社長

14.

3 企業タイプとプラットフォーム型の相関 も多様化している 企業構造 資産が大きい 企 業 タ イ プ 混在(中間) 資産が小さい 垂直統合(VI) +資産規模 プラットフォーム・ エコシステム 事例 企業名とプラットフォーム GE Daimler Predix Moovel Apple App store Amazon App store Google Map, Search Facebook SNS Google Google Play Uber Uber app Airbnb Airbnb app 時 代 の 潮 流

15.

シェアリングエコノミー向けプラット フォームは今後も増加が予想される • ステップ1:クラウドの登場はデジタルプラット フォーム構築を容易にした。 • ステップ2:プラットフォーム提供機能をキメの細 かい相互作用とマッチングに焦点を当てることが 可能になった。 • ステップ3:特定サービス・プラットフォーム事業 を企画するプラットフォーム構築者は自分では資 産を持たず、資産を持つサービス提供者と補完 することが可能になった。 15

16.

このような形態は「5」。プラットフォームは細分 化され役割が分散化していることが分かる。 分類 細分類 事例 1 プラットフォームのた めのプラットフォーム インフラ、ツールを提供 AWS 2 仕事仲介プラット フォーム グローバル入札 Upwork、Innocentives 時々の非公式ワーク Task Rabbit, Homejoy 3 ツールを作るプラット フォーム Github使用のオープンソースソフ Zenefits、Wonolo、 Job Rooster トウェアプログラムのリポジトリ 4 小売店やビジネス用 電子e-marketplace 物理的商品のための仮想市場 Etsy、eBay 小売プラットフォーム Amazon 他アプリ拡散プラットフォーム Apple,Androidの "店舗” 仮想委託プラットフォーム YouTube、Amazon selfpb 5 サービス産業を変革 するプラットフォーム 消費財を投資財へ変換するプ ラットフォーム Airbnb、Uber 6 ファイナンス仲介 資金調達プラットフォーム Kickstarter、Indiegogo 金融機関置換プラットフォーム AngelsList、Zopa M. Kenney, J. Zysman,” Choosing a Future in the Platform Economy:The Implications and Consequences of Digital Platforms”, Kauffman Foundation16New Entrepreneurial Growth Conference, Discussion Paper, Amelia Island Florida – June 18/19, 2015

17.

Airbnb,Uberを取り挙げてみよう Airbnb Uber 企業情報 190ヶ国以上で登録200万件。創 業者3人の内2名は米国最高の 美大とされるロードアイランド・ス クール・オブ・デザイン校出身 者:企業価値~240億ドル 顧客と車をつなぐプラットフォーム を開発しITで都市交通のあり方を 変える技術企業。交通ブランド、 物流ブランドで様々なオプション 提供:企業価値~410億ドル サービスの概要 &特徴 単に短期的宿&朝食提供だけ でなく他に類をみないビジネス ネットワーキングの機会を提供 タクシーの配車(呼び出し)から料 金の支払いまで、全てスマホアプ リ上で完結 担い手 宿泊提供者(ホスト) 独立運転手 収益 主な収益は予約の手数料(予約 料金の6%〜12%)ほか 料金の20~30%をサービス料とし て取得 顧客との直接相 互作用 宿泊提供者(ホスト)と宿泊者 (ゲスト)の関係性の重視 ドライバーと乗客が双方を検索し、 取引コスト削減がコアの価値 広告 物件を広告するタイトルと写真に ドライバーのプロフィール、実績、 よる説明などが可能 今までの評価など 可変手数料許容 価格設定はユーザが決定。夜毎、 価格を設定(基本料金と時間、走 週毎、月毎、季節毎の変更も可 行距離によるが動的価格決定方 式も導入)。支払いはUberへ 17 能

18.

「5」“サービス産業を変革するプラットフォーム” を分解してみると・・ 消費財を投資財へ変換するプラットフォーム キャピタル・プラットフォーム 労働力プラットフォーム (資産を共有するプラットフォーム; 例:AirBnBなど) (労働力を共有するプラットフォーム; 例: Uber, TaskRabbitなど) 資産価値+おもてなし 労働品質~スキル 専門サービス提供者の例: ・宿泊サービス+おもてなし・・“SuperHost” ・駐車場 ・自宅+シェフ料理・・Eatwith 専門サービス提供者の例: ・弁護士(法律相談) ・会計士(会計相談) ・コンサルタント ・床屋 ・シェフ(素敵な料理とおもてなし) ・車+運転手 ・日常業務遂行レベル・・”SuperRabbit” 18

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ここで、“人”(専門サービス提供者) の新たな働く動機を探求してみる • デジタルプラットフォームの能力はレベルアッ プしており、・・ • サービス提供者とサービス利用者間はリアル 空間に近い一定の信頼醸成環境が整い出し ているので、・・ • 専門サービス提供者はこのような環境を活用 して新たなインセンティブで新たな働き方を追 求できることが予想される。 – 取引コスト理論の立場から ⇒探求(1) – MSPモデルの立場から ⇒探求(2) 19

20.

取引コスト理論からの示唆:探求(1) 取引コスト理論の立場から • デジタル・プラットフォームが取引コストを 減少させたから新たな経済が登場した。 Anders Henten Aalborg University (デンマーク)教授 • 取引コスト理論:「 もし市場に取引コストがな かったら産業構造は個人/小企業で構成される。 大企業は取引コストを最小化させる存在 として登場した」・・・ Coase, 1937 A. Henten, I. Windekilde, “Transaction costs and the sharing economy ”, 26th European Regional Conference of the International Telecommunications Society(ITS), Madrid, Spain, 24-27 June 2015 Ronald Coase 1991年ノーベル 経済学賞受賞 20

21.

取引コスト理論適用の問題点 問題点:確立された市場(例えば、ホテル事業 やタクシー事業)へのシェアリング・サービス 侵略(Airbnb,Uberなど)を説明できない。 推測:Coaseは企業管理コスト(内部取引コス ト)は認識していたが、・・ “外部取引コストの削減も企業設立の強力なメ カニズムになることを充分認識していなかったの ではないか?” 21

22.

取引コスト理論ベースの新たなアプローチ • 取引を内部化しなくても、“ユーザーが容易に サービス利用が可能になる手段”が登場すれ ば、取引コストは低減する。 • 既存の取引コスト理論に加えて、Coaseが捨 てた他説明フレームワークも新たな経済説明 に活用できる。 • 既存サービスと新サービスのトレードオフが論述 できれば既存市場への新サービス侵略やサービ ス置換も検討できる。 22

23.

新たに想定されるビジネス環境 既存大企業 小企業 大企業 取引コスト 理論 垂直統合企業 水平連携企業 高 市場的資源配分 システム 既存事業 者の適応 組織的資源配分 システム 新たな可 能性 取 引 コ ス ト 新規企業 サービス 提供者 低 取引 サービス 利用者 デジタル・プラットフォーム 低 高 資産特殊性 新規事業 者の勃興

24.

プラットフォーム構築者は自分では資産を持たず、 資産を持つサービス提供者と補完している。 “Airbnbサービス規約”から • Airbnbは資産の所有、 販売、再販、提出、賃 貸、再賃貸、提供、管 理、制御を行わない。 • 責任は、サイト、アプ リケーション、サービ スを機能させ、ホスト に代わってゲストから の代金回収サービス などに特化する。 “Uber規約と条件”から • Uberは独立3rd パーティー輸送プ ロバイダー/ロジス ティクス・プロバイ ダーと連携する。 • そして輸送および 物流サービスを提 供する技術プラット フォームに特化する。 24

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知らない者同士間の信頼性を向上させる 環境も整備されてきている Airbnbの例 Airbnbのアルゴリズムビッグデータモデル クレジットカード パスポート Facebook,LinkedIn 顔写真 過去のクチコミ情報 ゲスト、ホスト相互評価 ホストサービス評価 (”SuperHost”) 総合的背景チェック など 25

26.

取引コスト理論からの示唆:探求(1) 専門サービス提供者は・・ • 取引コスト理論では破棄された労働の分割、 専門化による効率効果を回復させられるかも しれない。 • 取引コスト低下が多種多様な事業基盤上に 多様な低コスト・サービス提供を切り拓くかも しれない。 • 構造的に過剰能力を持ち高取引コストと同居 している状況を改善させられるかもしれない。 • そして、取引コスト理論に含まれている限定 合理性、不確実性、日和見主義、資産特異 性などを見直す機会にできるかもしれない。 26

27.

MSPモデルからの示唆:探求(2) MSPモデルは下記視点から修正された。 (Multi Sided Platform) 1. プラットフォームの存在を既存組織(垂 直統合モデルなど)と比較検討できるよう にした。 2. 補完者(Aサイド)と消費者(Bサイド)の補 完性を両者間の直接相互作用の可否か ら検討できるようにした。 3. 補完者のイノベーションの動機を専門 サービス提供者(Aサイド)の側面から検 討できるようにした。 Andrei Hagiu ハーバード・ビジネ ススクール準教授 A. Hagiu, J. Wright, “Multi-sided platforms”, International Journal of Industrial Organization 43 (2015) 162–174 27

28.

改良MSPモデルの定義と 代替ビジネスモデルとの関係性 定義1:2つ以上の異なるサイド間の直接的相互作 用を可能にする。 定義2:各サイドはプラットフォームに加入(affiliate) する。 消費者 専門サービス提供者 改良MSP 加入 加入 代替ビジネスモデル 垂直統合 28

29.

MSPと垂直統合のトレードオフ例 運転手はタクシー会社の従業員になるかUberの独立運転手になるかを選択できる 従来(組織内の一員として) • 垂直統合モードは・・ – 個々の専門家の意思決定を超えた企業内 スピルオーバーの利点が大きい場合に有利 vs 新規(個人経営者~フリーランサーとして) • MSPモードは・・ – 専門家が消費者向けに観察不能な努力を 行う動機づけが有効で・・ – 専門家の個人情報を消費者への適応に活 用させる利点が大きい場合に有利 29

30.

専門サービス提供者のモード選択の心理 条件 従業員の努力を奨励 するため売上高に基 づいて垂直統合企業 がボーナスを支給 販売促進を誘導する ため売上高に基づい て専門サービス提供 者に可変手数料(≒ 価格決定権)を許容 個人経営者として 組織内の一員として MSP >垂直統合 MSP <垂直統合 ボーナス支給制 ボーナス支給 度が柔軟で無 制度が柔軟で い場合 シフトが顕著な 場合 選択 MSPによる料金 可変手数料制 可変制度の導 度が柔軟で無 入が顕著な場 い場合 合 選択 30

31.

改良MSPモデルからの示唆:探求(2) • 外部取引コスト低下による環境変化を専門 サービス提供者と消費者間の直接相互作用 でモデル化している。 • 代替ビジネスモデル(例:垂直統合モデル)と のトレードオフ検討ができる枠組みを提示し ている。 • 専門サービス提供者がいずれを選ぶかの変 数の例として個人情報、スピルオーバー、ボー ナス、価格決定権などを扱っている。 専門サービス提供者は・・ • 本質的動機に基づいて上記環境を踏まえた 新たな取組みに挑戦できるかもしれない。 31

32.

専門サービス提供者が挑戦しうる 新たな働き方(例) 項目 Airbnbでの例など 労働の分割、専門化による効率向上 ホスト固有の意思による選択 多様な低コスト・サービスの提供 ホスト固有の意思による提供 過剰な高取引コスト構造の改善 ホスト固有の意思による選択 限定合理性の視点の変更 顧客との直接相互作用による克服 不確実性の異なる視点での回避 顧客との直接相互作用による克服 日和見主義の異なる視点での克服 顧客との直接相互作用による克服 従来にはない資産特異性の実現 多種多様なホスト資産の活用 個別顧客向け個人情報の最大活用 ホスト固有の努力のフィードバック 個別顧客向け価格決定権で価値提供 ホスト固有の意思による選択 自分の本質的動機に基づいた労働 多種の裁量権活用による動機改善 32

33.

3. 人とプラットフォームとの新たな共創の可能性 垂直統合組織構成員としては避けられないモラ ルハザードを抑止できる効果が登場するのでは 1. 組織内メンバーのモラルハザードに対処でき るように各人のやる気引き出しを支援できる。 2. 知らない者同士間を繋ぐ新たな信頼感醸成の 延長で従来は存在しなかった多種多様な低コ スト・サービスが提供できる。 3. このような取組みを組織の一員としてでなく、 専門サービス提供者(独立経営者)の本質的 動機として推進できる。 33

34.

勿論、光と影の多様な側面は考慮要 明 • 専門サービス提供者 の本質的動機による 新サービスの提供 • 専門スキル保有者の 選択肢拡大 • 小資産/投資でプラッ トフォーム構築挑戦 可能 • 新サービスによる サービス生産性向上 暗 • プラットフォーム保有者 は少ない正社員と補充 可能労働者によるサー ビス提供が容易化 • フリーランサーがはび こる要因にも • 格差社会への進行が 加速する懸念 • 既存産業との確執が 訴訟社会へ加速の懸 念 34

35.

また、経済・ビジネス環境への影響も考慮要 現状・当面 今後・将来 期待でき る影響 新たなサービスの登 場 本質的労働発揮の 機会の増加 取引コスト削減によ るサービス生産性向 上 顧客へのメリット訴求と働く 者の動機付け促進の可能 性がある新サービス立上 げが重要 良い形で関連プロジェクト が立上がり問題がスムー ズに回避・解決されるよう な活動に注力が必要 課題とな る影響 既存・新規サービス 間のトラブル 格差拡大の懸念 AI対応準備前の早 期の社会変化 懸念を極力少なくするため の行政的/NPO的活動も 立ち上げが必要 両者の適当なバランスを変 化の中で絶えず気配りする 気の抜けない時代に 35

36.

人とデジタルプラットフォームとの新たな共創 の含意(まとめ) • 専門サービス提供者、利用者間のP to P型直 接相互作用を可能とするプラットフォームが 登場する。 • この環境では専門サービス提供者は自分の 本質的動機によってサービス提供に打ち込 める可能性がある。 • その結果、“人”の本質的動機とプラット フォーム・サービス業の新たな共創の可能性 がある。 36

37.

以上を図式化すれば 垂直統合 労働の分割、 専門化による 多様なサービ スの提供 専門サービ ス提供者の 本質的動機 の発露 専門サービス提供者 従来の垂直統 合の世界から 新世界に移行 することで・・ 専門サービス提供者、利用者間のP to P型直 接相互作用によるサービス提供と享受 ・多様・廉価な サービス享受 ・適切なニーズ のフィードバック 消費者 シェアリン グエコノ ミー世界 “人”の本質的 動機とプラット フォーム・サービ ス業の新たな 共創 Society 5.0との類似性 加入 加入 プラットフォーム提供者 直接相互作用のデータの分析とスピーディな フィードバックによって多様な新サービス創出 「必要なサービスを、必 要な人に、必要な時に、 必要なだけ提供し、社会 の様々なニーズにきめ 細かに対応でき、・・、活 き活きと快適に暮らすこ 37 とのできる社会」

38.

参考情報 38 「第5期科学技術基本計画(答申案)の概要」資料から

39.

しかし、実践には種々の課題が存在する • 各人が「大企業の傘下に入るのを良しとす る」メンタリティから脱却し・・ • 自分は何がしたいかの動機を自覚し・・ • 必要なスキルを獲得、またそれを磨き続ける 環境の育成と確保に努力するとしても・・ ・・・これらの取組みはしばしば社会的変革を 伴い様々の柵に衝突する。 • そこで、社会的変革を阻止しようとする既得 権や規制を打破する社会的インセンティブや 目標が必要になる。 ・・・具体例として、Uberの場合を探る。 39

40.

実はUberよりずっと前にUberは存在した。 ジットニー:1914年にL.P.ドレイパーが考案 1915年のジットニー利用者数は膨大 シアトル:5万人/日 ロサンゼルス:15万人/日 (因みに現在のロサンゼルスのUber利用者:15.7万人/日) トラビス・カラニック しかし、ジットニーは1919年までに規制強化で完全 に消滅した。 既得権者は市電組合。ジットニーの発展を遅らせる規制を設けさせた。 ジ ッ ト ニ ー 数 TED日本語 - トラビス・カラニック: 車利用を劇的に効率化するUberのプランより 40

41.

❝人とプラットフォームとの新たな共創❞実現には微妙 なバランス感覚が必要になる(ポイント例を以下に示す) 最適で柔軟な規制が成立するために規制機 関の意識改革やトータルビジョンが必要 適切なステップを踏み出せても、一部のプラット フォーマーに主要利得偏在が常態 これを乗り越えてサービス提供者とプラット フォーマー間に妥当な利得分配成立が可能な 分野を目指すべき それには、多様なスキル獲得の準備(ロング テール傾向)と、それ等を活用するビジネスモ デル構築に向けた訓練の場や意識改革が必要 41

42.

• 専門サービス提供者という新たな“人”を 通して、“人とデジタルプラットフォームとの 共創”の可能性を検討した。 • 垂直統合組織構成員から脱し、独立経 営者として、本質的動機で新たな挑戦が 可能な場面が登場していることを示した。 42

43.

• しかし、専門サービス提供者が、“ITとの 共創”を実現するためには、まだまだ種々 の障害が想定されることも示した。 • これらの課題の克服には、技術面以外の 要素が以前にも増して増加していることが 観察される。 • これらの多様な側面の検討は、別途、ま た他者に委ねられる。 43