スクラム導入支援やコーチ業の成果をメトリクスで確認しようとした話 #yj_agile

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December 18, 20

スライド概要

Yahoo! JAPAN Agile 2ndにて発表した「スクラムマスターをしながら、スクラム導入支援やコーチ業の成果をメトリクスで確認しようとした話」のスライド資料です。
https://yj-meetup.connpass.com/event/193952/

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2023年10月からSpeaker Deckに移行しました。最新情報はこちらをご覧ください。 https://speakerdeck.com/lycorptech_jp

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

情報区分 公開 スクラム導⼊⽀援やコーチ業の成果を メトリクスで確認しようとした話 ヤフー株式会社 ⾬⾕ 明⽇美、中村 貴光 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.

2.

情報区分 公開 ⾃⼰紹介 ⾬⾕ 明⽇美(あめたに あすみ) • Scrum Master/Agile Coach • 2017年〜 ヤフー⼊社・ITエンジニア • Scrum Masters Night!(運営) ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 2

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情報区分 公開 ⾃⼰紹介 中村 貴光(なかむら たかみつ) • Scrum Master/Agile Coach • 2004年〜 ヤフー⼊社・ITエンジニア • 2017年〜 アジャイル探求中 • スクラム実験室(運営) ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 3

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情報区分 公開 はじめに ・スクラムの導⼊⽀援やコーチ業の改善をしようとしている取り組みについてお話しします。 (※何かしらこういうことをすれば良いよ、 というプラクティスをお伝えする旨のセッションではありません︕) ・⽀援で成果を⾒える化したいと思っている⼈、スクラムを社内で展開していきたい⼈などの 参考になれば良いなと思っています。 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 4

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情報区分 公開 アジェンダ 1. 背景 2. メトリクス化するために考えたこと 3. 実際にやったこと 4. 結果 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 5

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情報区分 公開 背景 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 6

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情報区分 公開 背景 • 本部レベルでスクラムの⽀援/促進をしていくことになった • その⽀援/促進の成果って、どうやって測るの︖ってなる ⾏われている⽀援活動 相関関係が あるの︖ ないの︖ 改善したこと 改善が⾒られないこと ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 7

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情報区分 公開 そもそもなんでスクラムの⽀援・促進してるんだっけ︖ • スクラムはあくまでHow • アジリティを上げるために組織としてスクラムを選択している ⾏われている⽀援活動 アジリティが 上がっていることを 確認したいよね 改善したこと 改善が⾒られないこと ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 8

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情報区分 公開 アジリティが上がってることをどう確認できるか︖ • アジリティが上がっている状態を定義する • それを、定量で測れるようにしたい メトリクス化をしたい︕ ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 9

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情報区分 公開 メトリクス化するために考えたこと ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 10

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情報区分 公開 世の中にはどんなものがあるのか︖ Scrum.orgがEBM(Evidence-Based Management)というプラクティスを提供 https://www.scrum.org/resources/evidence-based-management ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 11

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情報区分 公開 現在の価値(CV: Current Value) • 現時点でプロダクトが提供している価値 • ここが⼤きければプロダクトは成功していると⾔える 従業員満⾜度 顧客満⾜度 使⽤指標 https://scrumorg-website-prod.s3.amazonaws.com/drupal/2020-10/EBM%20Guide%202020̲1.pdf ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 12

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情報区分 公開 プロダクトが提供している価値なら取れる︖(1) プロダクトの成果を計測するための指標 その⼿前で⽀援の成果を⾒るための指標 としては何を取れると良いだろう︖ ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 13

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情報区分 公開 市場に出すまでの時間(T2M: Time-to-Market) • プロダクトを迅速に提供する組織の能⼒ • これを最⼩化すれば価値を持続的に提供する能⼒が向上しているといえる リリースの頻度 サイクルタイム リードタイム https://scrumorg-website-prod.s3.amazonaws.com/drupal/2020-10/EBM%20Guide%202020_1.pdf ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 14

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情報区分 公開 市場に出すまでの時間なら取れる︖(2) チームの能⼒を計測するための指標 これも⽀援の成果を⾒るための指標 としては難しい ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 15

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情報区分 公開 困った ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 16

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情報区分 公開 実際にやったこと ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 17

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情報区分 公開 アジリティの向上を定義した ここの⾔語化 アジリティが 上がっていることを 確認したいよね 改善したこと 改善が⾒られないこと ステークホルダーのニーズをキャッチアップして正しく理解し、 本当に必要なものを提供するサイクルを素早く回し続けられている状態 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 18

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情報区分 公開 ⾏動を測ってみる︖ • アジリティ上げるんなら、上げるための⾏動ができていないとダメだよね • じゃあ、そのための⾏動ができているかを測ってみれば良いかも ここが出来てるか︖ 現状 アジリティ向上 につながる⾏動 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. アジリティ向上 19

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情報区分 公開 ロールごとの⾏動を考えてみる • PO PO、SM、Devで必要な⾏動を考えて、 チェックリストを作ってみる • POはこういう役割なので、 こういう項⽬ができていてほしい Dev ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. SM 20

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情報区分 公開 ロールごとの役割が果たせているかを確認 PO︓ チームにビジョンを 伝え優先順位を 明確化する役割 Dev︓ ⾃分たちで⾃分たち をマネジメントして 成果を出す役割 SM︓ チームが成果をあげる ためにスクラムの理解 促進/⽀援をする役割 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 21

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情報区分 公開 チェックリストを形作る まずは叩きを作って、1チームでお試し 項⽬の⾒直し、マネジメントのレビューでフィードバックをもらって修正 叩 き を 作 成 1 チ ( ム で お 試 し 項 ⽬ の ⾒ 直 し レ ビ 5 ( ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 完 成 22

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情報区分 公開 チェックリストの例 • PO ☑ プロダクトバックログを常に最新の状態に保っている ☑ チームのHow(作り⽅)に⼲渉していない • SM ☑ プロダクトバックログがPOの考えの下に優先順位付けされるように⽀援している ☑ チームがスプリントゴールを意識して改善を続けられるように⽀援している • Devチーム ☑ スプリントバックログにスプリントゴールを達成するために必要な作業が⾒える化されている ☑ スプリントのタスクは誰かにアサインされるのではなく、⾃らサインアップしている ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 23

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情報区分 公開 チェックリストの段階分け • 最低限のスクラムのルールに沿ってスクラムを使⽤している(やるべき) STEP1 → ⼀定のサイクル速度で優先順位をつけて機能をデリバリーできる • スクラムを有効に活⽤できるようにスクラムを使⽤している(やろうと思えばできる) STEP2 → 最低限の時間で最⼩の価値の機能を⼀定のサイクル速度でデリバリーできる • スクラムを有効に活⽤できている(難しいけど努⼒次第) STEP3 → ⼀定のサイクル速度で機能をデリバリーしながらユーザーのプロダクト価値を上げていける ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 24

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情報区分 公開 チェックリストのチェックの仕⽅ 各ロール+ステークホルダーがチェックをつける チェック段階 クリア項⽬基準 STEPクリア • ○=出来ている、△ =取り組んでいる、×=取り組んでいない • ×が1つもない かつ ○が2つ以上 • STEP内の全項⽬がクリア基準に達している ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 25

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情報区分 公開 実際にチェックリストを実施してみる 全チームにチェックしてもらった Aチーム Bチーム ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 26

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情報区分 公開 チェック結果を集計してフィードバック 全チームに集計結果をフィードバック このチームは今 こうなってそう。 Aチーム Bチーム こういう⾵に変え てみるといいかも ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 27

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情報区分 公開 結果 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 28

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情報区分 公開 今まで⾒えてなかったところが⾒えるようになった 組織ごとの 傾向 組織底上げ の仕組み チームごとの 強み・弱み チームごとの 成⻑プラン ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 29

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情報区分 公開 今まで⾒えてなかったところが⾒えるようになった 担当者のアサインを任せている NG OK チームの改善成⻑に協⼒している NG OK チームのHowに⼲渉していない NG OK • 上位チームの具体的な取り組みをヒアリングし、事例を紹介していく • NGのチームがOKのチームに取り組みをヒアリング・相談できる場を作る ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 30

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情報区分 公開 スクラムの側⾯と成果の側⾯でギャップを感じる 成果の側⾯ 進捗・品質の作り込みに課題︕ ギャップ ・スクラムを実施しているだけでは難しい ・テクニカルプラクティスの導⼊も必要 (XP、CI/CD、DevOpsなど) スクラムの側⾯ ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 31

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情報区分 公開 今後やっていくこと スクラムと成果の相関関係を今後探っていきたい 6 5 4 3 成果指標の 最適化は 随時⾏う 2 1 0 プロダクト1 プロダクト2 OK数 プロダクト3 障害数 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. プロダクト4 満⾜度 32

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情報区分 公開 おわりに ⼤事だよ ⾒える化すること でも難しい 写真:アフロ ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved. 33

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情報区分 公開 ©2020 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.