Apache Kafkaによるログ転送とパフォーマンスチューニング - Bonfire Backend #2 -

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December 04, 18

スライド概要

Bonfire Backend #2 ( https://yj-meetup.connpass.com/event/107235/ ) での発表資料です。

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2023年10月からSpeaker Deckに移行しました。最新情報はこちらをご覧ください。 https://speakerdeck.com/lycorptech_jp

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Apache Kafkaによるログ転送と パフォーマンスチューニング 2018年12月4日 ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部デリバリー部パイプライン Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 橘 拓馬

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自己紹介 橘 拓馬 2018年度新卒 • 8月からパイプラインチームに 配属され、Apache Kafkaを扱い始める IoT周りが好き Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 2

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目次 1. はじめに 2. What is Kafka 3. パフォーマンス改善の実例 4. まとめ Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 3

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はじめに ヤフーは多種多様なサービスを抱え、 多数のユーザ様に利用していただいている デイリーユニークブラウザ数(FY17) 運営サービス数 100超 9053万ブラウザ 平均 アプリ合算デイリーアクティブユーザ数(FY17) 平均 4249万人 より良いサービスを提供するために、 各サービスから生み出される大量のデータを横断的に活用 Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. ※各種指標はhttps://about.yahoo.co.jp/ir/jp/archives/data/より引用 4

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はじめに ヤフーは多種多様なサービスを抱え、 例:複数のサービスからユーザのWeb行動ログを収集、 多数のユーザ様に利用していただいている 最もユーザが興味の持ちそうな関連コンテンツをレコメンド デイリーユニークブラウザ数(FY17) あなたへの サービスA オススメ 平均 ブラウザ 運営サービス数 サービスB 100超 サービスC 9053万 アプリ合算デイリーアクティブユーザ数(FY17) … 行動を分析 平均 4249万人 より良いサービスを提供するために、 各サービスから生み出される大量のデータを横断的に活用 Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. ※各種指標はhttps://about.yahoo.co.jp/ir/jp/archives/data/より引用 5

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大量のデータ活用の課題 誰もが横断的に活用するためには、各サービス/サーバに 保存されている大量のログデータを 1つの分析基盤に集約するのが効率的… データをサーバから 取得するだけで超大変… 大量のサーバとデータたち Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 6

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大量のデータ活用の課題 各サーバに散らばっているデータを連携したり、 分析基盤に転送するためにメッセージングシステムが必要 サーバ間の データ転送を担う 大量のサーバとデータたち Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. メッセージングシステム 分析基盤 7

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大量のデータ活用の課題 パイプラインチームでは、Apache Kafkaを メッセージングシステムとして採用 大量のサーバとデータたち Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. Apache Kafka 分析基盤 8

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予備知識 pub/sub型メッセージングシステム 複数の送信者が送信したデータを中継者(Broker)が 全て受け取り、データを利用したい複数の受信者が中継者から 購読することで多対多のメッセージングを実現するシステム Publisher Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. Broker Subscriber 9

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予備知識 pub/sub型メッセージングシステム Brokerという中継者を置くことでスケールアウトに伴う煩雑さを 撤廃、複数のサーバ間でデータを簡単に利活用できるように 利用したい項目のデータのみ 購読(Subscribe) 最終的な受け手を気にすることなく 送信(Publish) Publisher Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. Broker Subscriber 10

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What is Kafka① : LinkedInで開発された pub/sub型分散メッセージングシステム 最終的な受け手を気にすることなく 送信(Produce) →受信者の増減による設定変更は無 Producer Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. Apache Kafka (Broker Cluster) 利用したい項目のデータのみ 購読(Consume) →利用データの変更は項目の設定のみ Consumer 11

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What is Kafka② Kafkaの特徴 • Brokerは複数のサーバを使用して分散システムとして稼働させることが可能 • メッセージの処理単位を複数に分割できる仕組みを持つため Consumer側のアプリケーションも分散処理が可能 • 可用性・スケールアウト性を確保 • メッセージを自分のDiskへ書き込みつつ 他サーバへもレプリケーションすることで、データの永続性を担保 • 何らかの理由でConsumerの処理が一時停止してもリトライが可能 • Apache Foundationが提供するデータ分析エンジンとの親和性が高い • Apache Hadoop, Apache Spark, Apache Storm, Apache Flink etc... Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 12

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Kafkaとパフォーマンス 分散メッセージングシステムは パフォーマンスに影響を与える要素が非常に広範囲 →思ったような性能が出ない場合、確認箇所が多い • アーキテクチャそのもの • OS(特にI/O周り) • Kafka実装 • ネットワーク • 各種設定 • ハードウェア (Producer-Broker-Consumerの繋ぎ方が悪い?) (コードのどこかの処理が重い?) (要件と相性の悪い設定が記述されている?) • JVM (JVMに負荷がかかる設定になっている?) Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. (ファイルシステムが悪い?) (帯域が足りない?遅延が多い?) (性能不足?) 実際に社内で遭遇した事例を 紹介します 13

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「一部だけ」リクエストを 捌ききれない Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

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発生状況 一部のKafka Broker Clusterだけ Request Handler がリクエストを捌ききれない Producer / Consumerからの リクエストを基に実際にFile Systemに 読み書きするスレッド (スレッドのアイドル率が低い) R/W Produce Request Consume Request Request Handler Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. Kafka Broker File System (一部省略) 15

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発生状況 一部のKafka Broker Clusterだけ Request Handler がリクエストを捌ききれない (スレッドのアイドル率が低い) 多くのクラスタでのアイドル率は90%以上 アイドル率30%を割るクラスタが発生 R/W Produce Request Consume Request Request Handler Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. Kafka Broker File System (一部省略) 16

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原因調査 各種設定の調査 負荷の高いクラスタと低いクラスタの設定の違いを確認 • Kafka Broker • OS • JVM • ネットワーク →パフォーマンスに影響する設定の違いはない Brokerの動作ログを確認した結果、以下の動作の違いを発見 1回のリクエストで 12メッセージ受信 1回のリクエストで 1メッセージ受信 通常のクラスタ 問題のクラスタ リクエスト1回で受け取るメッセージの個数が違う Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 17

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Kafkaのバッチングについて Kafkaには1回の送信に複数のメッセージをまとめて送信する バッチング機能がある → 指定メッセージ数貯まるまで or 一定時間経過まで メッセージを溜め込む バッチングの大きさ(BatchSize)を大きく →処理効率高、遅延は増大 今回はKafka ProducerのBatchSize設定も全て一緒 Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 18

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Kafkaのバッチングについて Kafkaには1回の送信に複数のメッセージをまとめて送信する バッチング機能がある → 指定メッセージ数貯まるまで or 一定時間経過まで メッセージを溜め込む 時間内にメッセージが殆ど溜まっていない!!! バッチングの大きさ(BatchSize)を大きく →処理効率高、遅延は増大 今回はKafka ProducerのBatchSize設定も全て一緒 Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 19

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答えはProducerに 1台あたりの秒間メッセージ数が少ないのにも関わらずPartition数が多い 並列処理するための単位 Producerはラウンドロビンで全ての Partitionにメッセージを振り分け Partitioner Message … … Message Request Handlerが 高負荷に 指定時間内に Batch Producer (複数台) Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 溜まるBatchSizeが1 Broker 20

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パラメータ調整/構成変更で対処? Producerの数を減らせば良い? • ビジネス要件で不可能 • • サービスのサーバ群が高可用性とパフォーマンスの両立を求めており、 Producerの台数が非常に多い。 1台あたりの流量は少なく、台数が多い構成を変更できない Partitionを減らせばいい? • Kafkaの機能制約 • Partitionを減らす操作はKafkaでは簡単にできない タイムアウトを長くすればいい? • ビジネス要件で不可能 • 遅延が長くなり、転送のリアルタイム性が犠牲になる Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 21

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送信先partitionを固定 (keyed message) ProducerごとにKeyを設定 秒間メッセージ数が少ないのに多くのPartitionに分散していることが問題 同一のProducerから送信するメッセージは全て同じPartitionに振り分けられるように メッセージにKeyを付与できる Partitioner 同じKeyを持つデータは 全て同じPartitionに振り分けられる … … Keyed Message Keyed Message Batch Producer Broker 一定時間内に溜まるBatchSizeを大きくできる! → 無事解決 Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 22

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まとめ 分散メッセージングシステムは パフォーマンスに影響する要素が多く、 原因特定や切り分けの難易度が高い • 動作ログと設定を眺めながら、 「この設定でこんな動きになるっけ?」 という違和感を嗅ぎ分けることが解決への近道 • メッセージの流量や性質に起因するパフォーマンス低下も 存在するため、日頃から設定や構成だけではなく 「どのようにデータを流しているか」も確認しておくことも重要 Copyright (C) 2018 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 23