「安心・簡単・納得」を実現する バンダイナムコスタジオの GitHub & GitHub Copilot 導入推進

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November 27, 25

スライド概要

2025/11/26(水) GitHub Universe Recap Tokyo 2025
https://github.registration.goldcast.io/events/881d0dd3-da25-4d1b-9a73-7b533dcd9aa4

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1.

GitHub Universe Recap Tokyo 2025 「安心・簡単・納得」を実現する バンダイナムコスタジオの GitHub & GitHub Copilot 導入推進 株式会社バンダイナムコスタジオ 八重樫 剛史 Takeshi Yaegashi 2025/11/26

2.

自己紹介 • 名前: 八重樫 剛史 Takeshi Yaegashi • 組織: 株式会社バンダイナムコスタジオ (BNS) • 部署: テックスタジオ 第1グループ 制作4部 インフラテック課 • 肩書: テクニカルディレクター • 社内開発者向けのクラウドサービス導入推進 プラットフォームエンジニアリングのプロジェクトに従事 • Microsoft MVP for Microsoft Azure (2023-2025) https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/5005134 2

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本日のお話 • バンダイナムコグループにおける GitHub Enterprise・GitHub Copilot の導入推進事例 • 「安心・簡単・納得」のサービスを実現するために利用した機能と構築したシステム • バンダイナムコスタジオにおける Git・GitHub・GitHub Copilot の活用と展望 • ゲーム開発に特有の事情と対応および GitHub に対する期待 [1] https://www.finops.org/framework/phases/ 3

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バンダイナムコグループ・株式会社バンダイナムコスタジオの紹介 • バンダイナムコグループ[1] • トイホビー、ゲーム、映像音楽、アミューズメント施設などを 展開する総合エンターテインメント企業グループ • 連結従業員数 11,603 (2025年9月) • 株式会社バンダイナムコスタジオ (BNS)[2] • バンダイナムコグループのデジタルユニット [3]の一員としてPC やコンソール向けのゲームソフト開発を行う事業会社 • 従業員数 1,057 (2025年4月) • BNS の GitHub Enterpise • バンダイナムコグループの Microsoft 365 および Visual Studio の サブスクリプションの EA 契約に基づく • 事業会社全体で単一の GitHub Enterprise アカウントを共同管理 事業会社 [1] https://www.bandainamco.co.jp/group/ [2] https://www.bandainamcostudios.com/company/overview [3] https://www.bandainamcoent.co.jp/corporate/group/ 株式会社 バンダイナムコ スタジオ (BNS) 4

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バンダイナムコグループにおける GitHub Enterprise・GitHub Copilot 利用実績の推移 • GitHub Enterprise 利用者数: 600 名程度 (Visual Studio Professional with GitHub Enterprise に基づく) • GitHub Copiilot 利用者数: 2025年度で 50名 → 250名程度に急増 5

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バンダイナムコグループにおける GitHub Enterprise・GitHub Copilot の組織的な導入 • 「安心・簡単・納得」なサービスを導入推進を実現するためのしくみ • 立ち上げ → Visual Studio Professional with GitHub Enterprise によるライセンスの調達 • 安心 → GitHub Enterprise Managed Users の導入によるセキュリティ強化 • 簡単 → ユーザー・グループのプロビジョニングとシングルサインオンによる登録手続きの簡略化 • 納得 → GitHub Billing API の活用で受益者負担の明朗会計を実現するクラウドサービスビリングシステムの構築 6

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社内セミナー・ハンズオンイベントの開催 • 2025/06/27(金) 「BNS GitHub Copilot セミナー・ハンズオン」を開催 • GitHub・Microsoft に多大なご協力をいただき、対面・オンラインあわせて150名程度が参加 • ハンズオンでは Windows WPF のタイマーアプリを Visual Studio 2022 の GitHub Copilot Agent でコーディング 7

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Visual Studio Professional with GitHub Enterprise とは? • Visual Studio サブスクリプション • Microsoft Visual Studio などの開発ツールや Windows OS が開発・テストの用途で使い放題になるライセンス • バンダイナムコスタジオのようなゲーム開発企業では多数のエンジニアが利用している • GitHub Enterprise バンドル版 Visual Studioサブスクリプション (EA契約向け) • バンドル価格は GitHub Enterprise の通常料金 ($21/月) と比べて非常に安価に設定されている • バンダイナムコグループにおける導入経緯 • 2021 年、社内で多数の Visual Studio Professional with GitHub Enteprise ライセンスが使われていることが判明 → せっかくの GitHub Enterprise 利用権が使われておらずもったいない!効果的に組織に導入・活用する方法は? 8

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GitHub Enterprise Managed Users (GitHub EMU) とは? • GitHub Enterprise Cloud の特殊な動作モードのひとつ [1] • Microsoft Entra ID などの IdP と連携する → IdP ユーザーのシングルサインオン → IdP ユーザー・グループからGitHub のユーザー・チームを同期 (SCIM プロビジョニング) • 外部の世界と隔離された GitHub Enteprise が作られる → 高いセキュリティを実現 • 一般の GitHub Enterprise Cloud にはない制限がある • 外部のユーザー・リポジトリとコラボレーションできない、Gist が使えない、etc. • 高いセキュリティと利便性のトレードオフ • 選択のガイドライン → Choosing an enterprise type for GitHub Enterprise Cloud [2] • バンダイナムコグループの状況 • 2022 年の GitHub Enteprise 導入時から GitHub EMU を採用 [1] https://docs.github.com/en/enterprise-cloud@latest/admin/managing-iam/understanding-iam-for-enterprises/about-enterprise-managed-users [2] https://docs.github.com/en/enterprise-cloud@latest/admin/managing-iam/understanding-iam-for-enterprises/choosing-an-enterprise-type-for-github9 enterprise-cloud

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GitHub Enterprise Cloud 管理・運営の課題 • 面倒な管理作業 → 利用率低迷の懸念 • User, Organization, Team は従業員各自が自分で登録・作成する必要がある • User を従業員が登録・作成するまで Organization や Team に追加できない • User の個人設定の統一が難しい • User 名 → 「yaegashi」「bns-yaegashi」「yaegashiBNS」 • 表示名 → 「八重樫 剛史」「八重樫 剛史」「八重樫剛史」「Takeshi Yaegashi」「YAEGASHI Takeshi」 • セキュリティ侵害や設定・操作ミス → 情報漏洩の懸念 • User のパスワード管理は従業員個人に委ねられる • User は従業員が異動・退職しても Organization や Team から自動的に削除されない • User, Organization, Team の管理・設定ミス • 複数の Organization に所属する User の操作ミス • GitHub EMU の活用により、上記の懸念が解消できる 10

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バンダイナムコグループにおける GitHub EMU • バンダイナムコグループの GitHub ユーザーは IdP アカウント (Microsoft 365 アカウント) から 自動的に作られる • ユーザーネーム: "{社内ADユーザー名}_876" • メールアドレス: IdP アカウントと同じ (UPN) • 表示名: IdP アカウントと同じ • Shortcode: "876" • EMU で使われる 3〜8 文字の Enterprise ごとの固有コード • GitHub.com のユーザーネームに名前空間を追加する • Shortcode は容易に推測可能・変更不可能なので秘匿する ことはセキュリティ的にあまり意味がない ただし個人・組織の特定につながる情報なので取り扱い には注意 • Data Residency (ghe.com) ではランダム文字列になる 11

12.

GitHub EMU で実現するシングルサインオン・利便性の向上 • GitHub.com のサインインでユーザー名に "_{shortcode}" だけ入力 (パスワード不要) → IdP にリダイレクト → IdP で普段使うユーザー名でサインイン → 完了! • ユーザーは自分の GitHub.com ユーザー名すら知る必要がなく、オンボーディングが非常に簡単になる 12

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GitHub EMU のセキュリティと IdP グループ・ユーザーの同期 • "幽霊" のようなユーザーと組織 • Enterprise 外部 → 内部: なにも見えない、存在しない (404) • Enterprise 内部 → 外部: Public な組織・リポジトリは見えるが、 コメント・リアクション・メンションなどは一切できない • 高いセキュリティ・漏洩対策 ("事故" "やらかし"が減る) • オープンソース・コラボレーション開発の用途には向かない • IdP のグループと GitHub チームの同期 • GitHub Enterprise 組織のチームと IdP グループの同期ができる • IdP グループを使ってGitHub Enterprise・GitHub Copilot のラ イセンスやメンバー管理が可能 • GitHub Enterprise の管理自動化を使い慣れた IdP の API (Microsoft Graph など) で実装できる • IdP グループのメンバー管理権限の移譲もできる 13

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参考: GitHub Enterprise Server (GHES) と GitHub Enterprise Managed Users の比較 • GHES は自社インフラやプライベートクラウドなどでセルフホストする GitHub Enterprise • 非常に強固なセキュリティが必要な案件では今でも有用だが、 GitHub Enterprise Cloud の様々な機能 (Copilot, Codespaces, GH-hosted Actions) が使えないのは大きなデメリット • かつて GHES しか選択肢がなかった時代は多くの利用事例を見かけたが、今は GitHub EMU でもよいのでは? 項目 GitHub Enterprise Server GitHub Enterprise Managed Users インフラ 自社でインフラのセットアップ・メンテ ナンス・アップデートが必要 GitHubが全インフラを提供・管理 ユーザー管理 会社のIdPからSCIMプロビジョニング 社内ディレクトリLDAP 会社のIdPからSCIMプロビジョニング セキュリティ 全データを自社インフラ内に保持 リポジトリとユーザーを隔離 スケーラビリティ・可用性 自社インフラに依存 利用可能な GitHub の機能 多くの機能が利用不可能または制限あり Copilot: ローカルコード生成のみ Codespaces: 利用不可能 Actions: セルフホストランナーが必要 [1] https://docs.github.com/ja/[email protected]/admin/overview/about-github-enterprise-server 大規模組織・負荷にも自動対応 ほぼ全ての最新機能がGitHub.comの インフラで即時利用可能 14

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BNS クラウドサービスビリング (2025年度開始) • サービスの利用者である会社・部署・プロジェクトを「ビリングアカウント」として登録し、 一括で請求される料金請求を配賦可能にする集計・レポートのシステムを2025年度より運用中 15

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BNS クラウドサービスビリング アーキテクチャ Git リポジトリの活用(次ページ) 16

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Git リポジトリの活用: 組織・ユーザー・ライセンス更新履歴保存と月次集計ブランチ • GitHub Actions の Cron でユーザーの登録情報・ラ イセンス情報の更新を毎日取得・コミット • ユーザー・組織・ライセンス・費用計上先など、ビリング 集計に必要な情報すべてを YAML テキストに変換して Git リポジトリに格納 → 特定時点の組織・ユーザー・ライセンスの情報を、いつ でも、年度が変わっても安定して取得できる → 各サービスへの過剰な API 発行を避けられる • 月次・年次の集計ではブランチを作ることで、データのと りこぼしやユーザーからの個別の修正要望に対応する • GitHub のリポジトリに情報を集約することで将来的な Copilot Coding Agent の導入も容易になる 月次集計ブランチ (close-YYYYMM) 17

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社内標準の IDaaS・PaaS・SaaS を活用したシステム構築と「納得」のサービス実現 • 全従業員が利用可能な既存のサービスを活用し、独自開発を避けることで、開発工数と運用コストを削減 • Microsoft 365 (SharePoint Online) 上で各ビリングアカウント・経理部門向けのレポートの Excel ファイルを毎日更新 • 使い慣れた SaaS およびフォーマットで、会社・部署・ユーザーごとの詳細な利用明細を提供することで、 高額な有償サービスであっても納得感をもって利用してもらえる 18

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「安心・簡単・納得」なサービスのまとめ • GitHub EMU の導入でセキュリティを強化しつつ、高い開発者体験 (DevEx) を実現 • 安心 → 隔離された Enterprise により情報漏洩やアクセス侵害のセキュリティの懸念の多くが解決 • 簡単 → ライセンスを取得したユーザーはすぐに GitHub にプロビジョニングされサービスが使える • クラウドサービスビリングシステムの整備による GitHub 有料サービスの利用促進 • 簡単 → 利用料金の決済・請求処理の自動化、面倒な手続きが不要で利用開始できる • 納得 → GitHub 組織・ライセンス情報の更新履歴を Git リポジトリに蓄積し、利用明細を M365 サービス経由で届ける • ボトムアップ・草の根の GitHub Enteprise・GitHub Copilot 活用推進であるが、 適切な機能の選択と地道な改善により実現した「安心・簡単・納得」サービスが 利用者の増加につながった 19

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バンダイナムコスタジオのゲーム開発とコーディング支援 AI • ゲーム開発の様々な用途でコーディング支援 AI は活用されている • ゲームサーバー開発、ゲームエンジン開発、社内ナレッジ管理、チャットボットエージェント、etc. • ただし社内の AI 委員会・AI ツール活用ガイドラインの統制により、許可されたツールのみが利用可能 • 2025年時点のバンダイナムコスタジオにおけるコーディング支援 AI の主力は GitHub Copilot • 「安心・簡単・納得」な利用環境を整備した結果 GitHub Copilot の利用件数が急増している • Visual Studio 2022 と C++ および C# での利用が多い 20

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バンダイナムコスタジオのゲーム開発における Git・GitHub・GitHub Copilot の真実 ① • 実は、バンダイナムコスタジオのゲーム開発に Git はあまり向いていない • 大規模なため、コードだけでなく数 TB のアセットが管理できるリポジトリが必要であり、Git では対応できない • エンジニアではない人々 (アーティストやプランナー) にとって Git や Git LFS が難しすぎる • 代替として Perforce や Subversion のようなツールが使われている • 実は、GitHub Copilot を使うために Git を使う必要はない • "GitHub" という名前の先入観にとらわれ、この事実を見逃している人が多い • Visual Studio などの IDE で開くことができる任意のプロジェクトで GitHub Copilot は普通に使える • 最近では GitHub Copilot CLI も利用可能 • GitHub のアカウントは必要 21

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バンダイナムコスタジオのゲーム開発における Git・GitHub・GitHub Copilot の真実 ② • GitHub Copilot に限らず、生成 AI の利用が難しいプロジェクトが多い • AI によるライセンス違反の懸念: GPL ソースコードの製品混入など • AI による情報漏えいの懸念: コンソールデバイス SDK や NDA で保護されるソフトウェア、 「版権もの」アセットなど • 多数のステークホルダーとの調整が必要であり、伝統的なゲーム会社が AI 活用に慎重な 理由のひとつになっている • GitHub Copilot 「コンテンツ除外」機能[1] • バンダイナムコスタジオでは特定フォルダ内ファイルを Copilot にアクセスさせないた めに活用されている • 非 Git リポジトリに対しては Org レベルで設定が可能で、 対象リポジトリの指定にワイルドカード "*" を使用する必要がある [2] → Org のユーザーが Visual Studio などの IDE で開くすべてのプロジェクトに影響する → 設定反映確認が難しく IDE が挙動不審なところもあり正直いって使い勝手は良くない → このコンテンツ除外設定をするためだけに存在する Org がある [1] https://docs.github.com/ja/enterprise-cloud@latest/copilot/concepts/context/content-exclusion [2] https://docs.github.com/ja/enterprise-cloud@latest/copilot/how-tos/configure-content-exclusion/exclude-content-from-copilot 22

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2025/06/27(水)「BNS GitHub Copilot セミナー・ハンズオン」質疑応答より抜粋 GitHub Copilot による情報流出の可能性や対策について、社員の関心が高いことがわかる 23

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ゲーム会社として GitHub に期待すること[0] • Git 自体の機能強化 • Git をより強く、より使いやすく、大規模なゲーム開発でも使えるようにしてほしい • Git LFS はバイナリ差分に対応しておらず、高頻度に部分更新されるアセットファイル向けではない • VFS for Git[1]、Scaler[2] などの Microsoft による Git の拡張は大量のソースコード主体のリポジトリ向け • もしくは、非 Git リポジトリのサポート • GitHub.com で Perforce や Subversion などのゲーム開発に適したリポジトリがホストできて、 Pull Requests、GitHub Actions、Codespaces といった機能も Git と同様に使えるととても嬉しい • かつて GitHub.com は SVN プロトコルに対応していたがこれも 2024 年に終了[3] • GitHub Copilot も、非 Git リポジトリの対応を強化 • ローカル環境対象機能なら非 Git リポジトリのプロジェクトでも GitHub Copilot は使える • 「コンテンツ除外」機能のカスタマイズの強化を希望 現状の UI/UX は多くの改善の余地がある • GitHub Copilot のコストに関しては、 2025年9月に大きなニュースがあった [0] 本スライドの半分はジョークです。GitHub に対する本気の要望ではありません。 [1] https://github.com/microsoft/VFSForGit [2] https://github.com/microsoft/scalar [3] https://github.blog/news-insights/product-news/sunsetting-subversion-support/ 24

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GitHub Copilot の非 Git リポジトリにおけるユースケースの強化・拡大 • 2025年9月 GitHub Enterprise に新機能追加のアナウンス[1] • 非所属ユーザー (Unaffiliated Users) → Enterpriseに属するが、どの Org にも属さないユーザー • Enterpriseチーム → Org をまたいでユーザーを管理できる Enterprise レベルのチーム • 非所属ユーザーの特徴と制約 • GitHub Enterprise 利用料金 ($21/月) が不要 • GitHub.com ホストのOrg・リポジトリが利用不可: これを前提とする機能は使えない (Copilot Coding Agent など) • 非所属ユーザーの GitHub Copilot Business 対応 • Enterpriseチームを通じて Enterprise レベルで GitHub Copilot Business シートが割り当て可能 • つまり GitHub Enteprise 料金 ($21/月) が不要で、GitHub Copilot Business 料金 ($19/月) だけで利用できるようになる GitHub Enterprise ユーザーの種類 Org・リポジトリ アクセス GitHub Enterprise ($21/月) Org所属 ◯ ◯ Org非所属 ✕ ✕ GitHub Copilot Business ($19/月) GitHub Copilot Enterprise ($39/月) $40 or $60 どちらかを選択 ◯ [1] https://github.blog/changelog/2025-09-04-manage-copilot-and-users-via-enterprise-teams-in-public-preview/ GitHub Copilot 利用月額料金 ✕ $19 25

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Visual Studio・GitHub Enterprise・GitHub Copilot 各ライセンスと料金の解説 26

27.

非所属ユーザー向け GitHub Copilot の注意点 (2025年11月時点) • GitHub Copilot Business プランのみ使える • GitHub Copilot Enterprise プランについてはそれを有効にした Org からシートを割り当てる必要がある • 単一のポリシー設定のみ使える • 非所属ユーザーには Enterprise レベルの単一のポリシー設定のみが有効 • プロジェクトごとにコンテンツ除外設定を切り替えるといったことはできない • IDE 拡張機能のアカウント管理に注意 • 例えば Visual Studio Code の Codespaces と Copilot Chat で別々の GitHub アカウントを使うことは可能 • 正しく設定しないと GitHub のリソースにアクセスできず、場合によってはセキュリティの問題となる 27

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バンダイナムコグループにおける非所属ユーザー向け GitHub Copilot の対応 • 2025年11月より非所属ユーザー登録と GitHub Copilot Business 利用対応を開始 • GitHub EMU の管理基盤により、非所属ユーザー・Enterpriseチームともに IdP ユーザー・グループと連携が可能 • 課金もこれまで同様に Azure サブスクリプションに計上され、各部署費用として請求される • バンダイナムコスタジオにもたらす効果とねらい • GitHub Copilot の支援があればコーディングができる、すべての職種の開発者が潜在的な利用者となる • これまでは Visual Studio Professional with GitHub Enterprise ライセンスが与えられない職種であった プランナーやテクニカルアーティストなど、非エンジニアの開発者の利用拡大が見込まれる • ポリシーに関する課題・制約の認識 • 非所属ユーザーには Enterprise レベルのポリシーしか効かず、これを設定するとユーザー全員に影響する • コンテンツ除外設定が必要な用途には事実上使えない 28

29.

バンダイナムコスタジオとして GitHub Copilot に期待すること[0] • Agent HQ のビジョンへの期待 • GitHub.com が築いてきた伝統的な Git リポジトリのホスティング基盤の上で、 これから起きる AI コーディングエージェントの正統進化とイノベーションに大いに期待しています • 特に、単一の GitHub Copilot サブスクリプション向けに様々な会社のモデルが提供されることを楽しみにしています • 非所属ユーザー・非 Git リポジトリの対応強化 • 非所属ユーザーへの GitHub Copilot の提供は AI 支援コーディングの裾野を広げる英断として歓迎しています • 非Gitリポジトリ (≒ 非所属ユーザー) 向けの対応も相応に強化されることを望みます • たとえば、ゲーム会社に必要な「コンテンツ除外設定」などを Org レベルだけでなく Enterprise チーム単位でも設定可能になるのが望ましい [0] 本スライドにジョークは含まれていません。 29

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まとめ • バンダイナムコグループ・株式会社バンダイナムコスタジオにおける GitHub Enterprise・GitHub Copilot の活用状況と、利用者を伸ばした背景についてお話しました • 「安心・簡単・納得」の GitHub Enterprise・GitHub Copilot 利用促進 • GitHub Enteprise Managed Users 導入によるセキュリティ(安心)と利便性(簡単)のバランス • クラウドビリングシステムの構築による明朗会計 (納得) サービスの実現 • Git・GitHub・GitHub Copilot の利用の促進と今後の展望 • 実は Git・GitHub があまり使われていないバンダイナムコスタジオのゲーム開発環境 • AI 支援コーディングの利用に関するゲーム業界特有の事情とその対応 • 2025年9月の新機能: 非所属ユーザーの GitHub Copilot Business とバンダイナムコグループにおける展開 30

31.

Thank You!! 31