マイクロタスク埋め込み型音楽ゲームの提案

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July 17, 19

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マイクロタスク埋め込み型音楽ゲームの提案

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

マイクロタスク埋め込み型 音楽ゲームの提案 三輪 聡哉†1 中村 聡史†1†2 †1明治大学総合数理学部 †2JST CREST

2.

◼ 背景 コンピュータ 人 得意 大規模処理・計算 曖昧さの補完 不得意 曖昧さの補完 大規模処理・計算 コンピュータでは回答が困難 人であれば回答が容易 ➡ヒューマンコンピュテーションで解決 2

3.

◼ 背景 認識技術向上のためのデータセット構築 写真に映っている動物は 犬であるか?そうでないか? 人による誤り修正 “理由” と書いてあるか?(OCR) 3

4.

◼ 背景 オノマトペベクトル生成のためのデータセット構築 オノマトペの印象は?[2] 平均文字が美しいことを明らかにするための主観評価 手書き文字の中でどれが美しいか?[1] [1] 渡辺, 中村: オノマトペロリ:味覚や食感を表すオノマトペによる料理レシピのランキング, 人工知能学会論文誌 (2015). [2] 中村, 鈴木, 小松: 平均文字は美しい, EC2014 (2014). 4

5.

◼ 背景 動物写真の例:1000枚 × 10種類の動物 = 10000通り OCRの例:文庫本一冊で10万字 オノマトペの例:252 × 15 = 3780通り(一人当たり) 文字画像の例:46文字 × 11∁2 = 2530通り 5

6.

◼ 関連研究 reCAPTCHA : CAPTCHAを画像上のテキストの認識に活用 一日約一億語、年間250万冊の本がデジタル化 [3] [3]:reCAPTCHA(https://www.google.com/recaptcha/intro/index.html) 6

7.

◼ 関連研究 Crowd4U : 膨大なデータをマイクロタスクに分割 • • ダウンロードの際に表示 床にマイクロタスクを提示 ➢ 料理のレシピ検索を便利にする ➢ 災害の状況把握 7

8.

◼ 現状 • マイクロタスクを行う機会が十分でない • マイクロタスクを行うことは楽しくない ◼ 動機 • マイクロタスクを行う機会を増やしたい • 遊ぶことでマイクロボランティアに貢献 8

9.

◼ 本研究の目的 ◼ アプローチ 音楽ゲームの中にマイクロタスクを埋め込む手法を実現 ➡多くの人をマイクロボランティアに巻き込む 音楽ゲーム:タイミングよくボタン操作 9

10.

◼ 音楽ゲーム ノート • ボタンとタイミングを示すマーク • 上から下に移動 • ボタン操作でポイントを増やす 選択ノート この画像は犬ですか? ノート ○ × 選択ノート • マイクロタスクの選択肢 • マイクロタスクの可視性と回答時間を考慮 ➡タスクに回答したくなるのでは X ターゲット X X X X X 10

11.

プロトタイプシステムの実装 1. 音楽ゲームプロトタイプシステム 2. 音楽ゲームコンテンツ生成システム 11

12.

◼ マイクロタスク埋め込み型音楽ゲーム • 左右二つずつ通常ノートを配置 • 中央二つ選択ノートを配置 • キーボードのS, D, K, Lで通常ノートを操作 • キーボードのF, Jで選択ノートを操作 12

13.

◼ マイクロタスク埋め込み型音楽ゲーム キーボードでL を押す • 結果はPerfect, Excellent, Good, Bad, Missの五段階 • Perfect, Excellentが続いたらコンボが成立 ➡ コンボを続けるために選択ノートを押す 13

14.

◼ 音楽ゲームコンテンツ生成システム • ノートのタイミングと割り当てるボタン情報 14

15.

◼ 評価実験(投稿後に改めて実施) 明らかにしたい事 • どの程度マイクロタスクに回答できるか • どの程度マイクロタスクを埋め込むと邪魔になるか、 回答が難しくなるか 対象:20~21歳の学生11人 データセット:生成システムで作成した60曲 15

16.

◼ 評価実験 主観評価マイクロタスク 客観評価マイクロタスク 1個/分 5個/分 10個/分 16

17.

◼ 実験手順 ① 研究の概要説明 ② 通常の音楽ゲームをプレイ ③ 6パターンの実験とマイクロタスクの説明 ④ 実験の順番決定 ⑤ 実験実施 ⑥ アンケートの実施 ×6パターン 17

18.

◼ アンケート Q1 この音楽ゲームは楽しかったか? 5. そう思う Q2 音楽ゲームに集中してプレイできたか? 4. ややそう思う Q3 音楽ゲームは難しかったか? 3. どちらとも思わない Q4 マイクロタスクの問題を理解できたか? 2. あまり思わない Q5 自分にとって正しいものを回答したか? 1. 思わない Q6 プレイ中マイクロタスクは邪魔だったか? Q7 どれくらいのタスクに答えることが出来たか?(0~100%) 18

19.

◼ 実験結果 Q3 音楽ゲームは難しかったか? 主観・客観評価共に難易度は高くない 押したタイミングの結果 100% 90% 80% アンケート結果平均(Q3) 2 70% 60% 難しい 50% 1 40% 30% 0 20% -1 10% 簡単 -2 主観評価 1/分 0% 客観評価 5/分 10/分 実験1 Perfect 実験2 実験3 Excellent 実験4 実験5 実験6 Good Bad Miss 19

20.

◼ 実験結果 Q6 プレイ中マイクロタスクは邪魔だったか? アンケート結果平均(Q6) 2 主観評価 • タスクが多くなるにつれて邪魔 1 になる 0 客観評価 • タスクが少ない方が邪魔になる -1 -2 主観評価 1個/分 客観評価 5個/分 10個/分 全体 • それほど邪魔にならない 20

21.

◼ 実験結果 Q5 自分にとって正しいものを回答したか? Q7 どれくらいのタスクに答えられたか?, アンケート結果平均(Q5) 2 実際の正答率 主観・客観評価 • タスクが増えるにつれてミス 1 したと感じている 0 Q7 -2 5/分 1/分 -1 主観評価 1/分 客観評価 5/分 正答率 10/分 98 96 92 100 97 95 10/分 21

22.

◼ 考察 • タスクの量が増えても音楽ゲームの難易度はそれほど高 くなっていない • 音楽ゲームを邪魔することなくマイクロタスクの回答を 集めることは可能(➡長期的な実験) 5/分 1/分 Q7 正答率 Perfect, Excellent比率 10/分 98 96 92 100 97 95 93 94 96 22

23.

◼ 考察 • マイクロタスクの単位時間当たりの量が多いほど正答率 が下がる • 「タスクが多い方が面白かった」という意見 • タスクの種類による違いがはっきり出ていない ➢ 矢印がどこを指しているか ➢ どの料理が美味しそうか 23

24.

◼ 応用 音楽理解技術で解析するSongle[4]の利用 「一曲が長すぎる」「同じ曲は飽きる」という意見 • 理解によって曲のサビのみ • 理解による自動生成 [4]:Songle(http://songle.jp/) 24

25.

◼ まとめ • 音楽ゲーム中にマイクロタスクを埋め込む手法を提案、 システムの実装を行った • 評価実験で音楽ゲームを邪魔することなくマイクロタス クの回答を集めることが出来た ◼ 今後の課題 • マイクロタスクの種類を増やす、難易度を上げる • スマートフォンに対応 25