カウントダウン提示によるタスクへの再集中手法の検討

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March 16, 21

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HCI192にて発表したスライドになります

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Nakamura Laboratory (Meiji University)

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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1.

カウントダウン提示による タスクへの再集中手法の検討 第192回HCI研究会 2021/03/16 明治大学 先端数理科学研究科 南里 英幸 中村 聡史

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背景 私たちは日常生活を送る中で多種多様なタスクをこなしている タスクを消化していくうえで、集中力を維持することは重要 1

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背景 しかし、集中を維持することは難しい →集中力の維持の限界は40分[Watanabe 2017]という調査結果もある 特に、データ入力や仕分けなどの単調作業の集中の維持が難しい ことは想像に難くない 2

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背景:集中を維持するための方法 • ポモドーロテクニック • →1つのタスクに対して「25分集中、5分休憩」のサイクルを行う • ことで、生産性や効率性の向上 • 作業用BGM • →専用の動画が用意されるなど需要が高い 3

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背景:集中を維持するための方法 • ポモドーロテクニック • →1つのタスクに対して「25分集中、5分休憩」のサイクルを行う • ことで、生産性や効率性の向上 • →誰もが実践的に使用するのは難しい • 作業用BGM • →専用の動画が用意されるなど需要が高い • →逆効果という実験結果、有用性は微妙と言える 4

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背景:集中を維持するための方法 • ポモドーロテクニック • →1つのタスクに対して「25分集中、5分休憩」のサイクルを行う • ことで、生産性や効率性の向上 • →誰もが実践的に使用するのは難しい 明確な手法が確立していない • 作業用BGM • →専用の動画が用意されるなど需要が高い • →逆効果という実験結果、有用性は微妙と言える 5

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背景:目標勾配効果 …ゴールに近づいていることを実感すると頑張ろうとする効果 慈善キャンペーンが目標に近づくにつれて,人々がよりそのキャンペーンに 積極的に参加する可能性が高くなる [Cynthiaら 2013] タスク中に残り時間を提示することで疲労感が軽減する[水野 2012] 6

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背景:目標勾配効果 …ゴールに近づいていることを実感すると頑張ろうとする効果 慈善キャンペーンが目標に近づくにつれて,人々がよりそのキャンペーンに 積極的に参加する可能性が高くなる [Cynthiaら 2013] タスク中に残り時間を提示することで疲労感が軽減する[水野 2012] タスク中に残り時間などを提示する →タスクを継続的に行いやすくなるのでは? 7

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提案手法 タスク中に集中が欠如したタイミングでカウントダウンを提示する ことによって、タスクへの再集中を促す 8

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研究目的 カウントダウンを提示することによって、 再集中を促すことができるのかを実験より検討する • 研究目的の検証のために実験で使用するタスクの設計 • 実験を行い手法の検討する 9

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タスク設計 計算タスクや間違え探しタスク[高橋 2018]、記憶タスク[伊藤 2019] ジグソーパズルやタイピングゲーム[山浦 2019] ©Flat Cat Games 10

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タスク設計 計算タスクや間違え探しタスク[高橋 2018]、記憶タスク[伊藤 2019] →能力差があるため不適切 ジグソーパズルやタイピングゲーム[山浦 2019] →得手不得手があり、ある程度集中できるものなため不適切 ©Flat Cat Games 11

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タスク設計 採点タスクを採用 →ある程度長期的に実施するもので、単調ではあるが正解と見比べる ことで誰でも実施できるものであり、終わりが見えず退屈なもの 12

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タスク設計 採点部分 正解部分 13

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タスク設計 6 手書き文字画像 データセット(mnist)を 白く反転したものを使用 フォントを使用 採点部分 正解部分 14

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デモ 15

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デモ 16

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実験:実験概要 タスク中にカウントダウンを提示することによって、 再集中を促せることを検証、その有用性を検討することを目的とする 大学生12名を対象に調査 採点タスクで3つの手法を用いて実験を行った 17

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実験:実験概要 使用する3つの手法 ① 途中提示手法(提案手法):特定のタイミングからカウントダウンを提示 ② 常時提示手法:タスク中に常時カウントダウンを提示する ③ 非提示手法:タスク中にカウントダウンの提示をしない 実験開始 ① 実験終了 カウントダウン非提示 カウントダウン提示 ② ③ 18

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実験:実験設定 1回のタスク5分 カウントダウンの提示はタスク終了30秒前 各手法を1回ずつを1セットとして、合計3セット実施 試行1回ごとにアンケートに回答してもらった カウントダウン(CD)区間 非カウントダウン(CD)区間 4:30 0:00 ① カウントダウン非提示 5:00 カウントダウン提示 ② ③ 19

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実験結果 タスク全体と手法ごとのタスクの正答率、所要時間平均を 非CD区間とCD区間それぞれを表したもの →手法間での差は見られなかった 正答率 1 所要時間平均 1000 0.8 800 0.6 600 0.4 400 0.2 200 0 0 実験全体 途中提示手法 非CD区間 常時提示手法 CD区間 非提示手法 実験全体 途中提示手法 非CD区間 常時提示手法 CD区間 非提示手法 21

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実験結果 アンケートで得られた主観集中度・主観疲労度のセットごとの変化 →タスク中にカウントダウンが提示されている途中提示手法と 常時提示手法が3セット目で改善されている様子が観察された 22

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実験結果 手法ごとの所要時間平均の変化を表したグラフ →セットが進むにつれて、時間短縮されている様子が観察された 途中提示手法で、2セット目から3セット目が特に短縮された 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 1セット目 途中提示手法 2セット目 非提示手法 3セット目 常時提示手法 23

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考察 今回の実験では、CD区間で途中提示手法が最も効果的であると考えて いたが、想定と異なる結果となり、手法間で差はなかった 25

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考察 今回の実験では、CD区間で途中提示手法が最も効果的であると考えて いたが、想定と異なる結果となり、手法間で差はなかった →実験全体における全実験協力者の用紙1枚(40問)の平均処理時間が 42.4秒であり、提示されるカウントダウンが30秒であったことが 原因として考えられる 26

26.

考察 今回の実験では、CD区間で途中提示手法が最も効果的であると考えて いたが、想定と異なる結果となり、手法間で差はなかった →実験全体における全実験協力者の用紙1枚(40問)の平均処理時間が 42.4秒であり、提示されるカウントダウンが30秒であったことが 原因として考えられる →カウントダウンが提示されたタイミングで、今処理している用紙に おける採点状況によって行動変化してしまったための可能性 27

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考察 カウントダウンが提示されたタイミングで、今処理している用紙に おける採点状況によって行動変化してしまったための可能性 →自由記述のアンケートで 「ギリギリだと気づいたら、採点のスピードを上げた」 「急いでもこのページ終わらないから焦らずに採点した」 といった意見も得られており、実験協力者の採点状況に応じて行動が 変化したと言える。 28

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考察 カウントダウンが提示されたタイミングで、今処理している用紙に おける採点状況によって行動変化してしまったための可能性 完了 未完了 用紙残り26問 用紙残り39問 29

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考察 カウントダウンが提示されたタイミングで、今処理している用紙に おける採点状況によって行動変化してしまったための可能性 間に合いそうだから頑張る! 用紙残り26問 用紙残り39問 30

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考察 カウントダウンが提示されたタイミングで、今処理している用紙に おける採点状況によって行動変化してしまったための可能性 間に合いそうだから頑張る! 用紙残り26問 間に合わなそうだから諦める 用紙残り39問 31

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考察 実 際 に 30 秒 間 で 達 成 し た タ ス ク 数 Y タスクすべての設問当たりの平均タスク数 残り30秒時のその用紙の残りタスク数X(0≤X≤40) 32

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考察 実 際 に 30 秒 間 で 達 成 し た タ ス ク 数 Y タスクすべての設問当たりの平均所要時間 残り26問なので X=26である 残り30秒時のその用紙の残りタスク数X(0≤X≤40) 33

33.

考察 34

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考察 カウントダウン関係なくタスクを 行った可能性 ブースト効果がうかがえ、間に 合わせようとしている可能性 直線に近いほど、カウントダウン に合わせてタスクを行った可能性 平均より低いほど、タスクを 諦めた可能性 35

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考察 36

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考察 37

37.

考察 全体的に、タスクの終盤にかけても集中できて いることがわかる一方で、3つの試行に関しては、 タイミング的にもう間に合わないと感じたため、 他と比べてタスクのこなせた量が落ちた 38

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考察 全体的に、タスクの終盤にかけても集中できて いることがわかる一方で、3つの試行に関しては、 タイミング的にもう間に合わないと感じたため、 他と比べてタスクのこなせた量が落ちた 平均に近い場合、他と比べて、 実施量が増えていることもわかる 39

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考察 40

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考察 常時提示手法の分布が比較的右側に寄っている人が見られた →キリ良くタスクを終わらせるために30秒より前から調整を 行っていた可能性が考えられる 41

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考察 42

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考察 X=Yである直線に近いものがいくつか見られた →カウントダウンに合わせてキリ良く終わろうとし、 結果的に、平均よりも低くなっている 43

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考察 44

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考察 残り30秒時のその用紙のタスク数がその人の平均より 高いものに対して実際のタスクの実施数がその人の 平均より高くなった →カウントダウンが表示されていることに対して、 それに間に合わせようとタスク速度を高くした 45

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考察まとめ 残り30秒時のその用紙の残りタスク数と実際に実施したタスク数の関係 • その用紙の残りタスク数が残り時間に対して間に合わないと感じた • →その用紙を完了させることをあきらめ、タスク速度が低下、実施量が減少 • その用紙の残りタスク数が残り時間に対して間に合いそうと感じた • →その用紙を完了させようと、タスク速度が上昇、実施量が上昇 • カウントダウンの提示によって、平均と比べタスク速度が低下 • →カウントダウンが終わるタイミングでキリ良く終わろうとし、速度を調整した • 可能性 46

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考察まとめ 残り30秒時のその用紙の残りタスク数と実際に実施したタスク数の関係 • その用紙の残りタスク数が残り時間に対して間に合わないと感じた • →その用紙を完了させることをあきらめ、タスク速度が低下、実施量が減少 • その用紙の残りタスク数が残り時間に対して間に合いそうと感じた • →その用紙を完了させようと、タスク速度が上昇、実施量が上昇 • カウントダウンの提示によって、平均と比べタスク速度が低下 タスク状況にあった適切量、適切なタイミングでの • →カウントダウンが終わるタイミングでキリ良く終わろうとし、速度を調整した カウントダウンの提示が必要である • 可能性 47

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今後の展望 実験結果から、カウントダウン提示する際に、 適切なタイミング、提示量があることが明らかになった →今後は提示の方法に関する実験を行い、提案手法の有用性の再度の 検証を行っていきたい また、集中度計測端末から集中度を取得し、そのデータやタスク状況に 合わせた、検証を行っていきたい 48

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まとめ 目的 カウントダウンを提示することによって、再集中を促すことが できるのかの検証を行った 実験 採点タスクを題材として、実験を行った 結果 手法間であまり差はなく、想定とは異なる結果になった 今後 カウントダウンの提示方法には、工夫が必要であると明らかに なったため、その適切な提示方法を検討し、再実験を実施したい 49