[公開用]Stripeで「前払い×クレカ」と「後払い×銀行振込」を混在させる話

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November 11, 24

スライド概要

2024/11/11 JP_Stripe 東京で発表した内容です

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

Stripeで 「前払い×クレカ」 と 「後払い×銀行振込」 を混在させる話 株式会社アプルーシッド 川畑 雄補

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今日おはなしすること Stripeにおけるサブスク管理について P.05 突如襲い掛かる月末締め翌月末払い P.08 よくあるワークアラウンド P.11 サブスク管理と人間の請求書を分ける P.17 Google Apps Scriptによる自動化 P.21

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自己紹介 株式会社アプルーシッドは、スライド共有サービス「ドクセル」の運営および エンタープライズ向けの新規事業支援を行っています サービス運営 スライド共有サービス「ドクセル」の運営 新規事業支援 PoCアプリ開発、社内規定整備、情シス支援

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Stripeにおけるサブスク管理

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Stripeにおけるサブスクリプション管理 Stripe Billingを使うことで、顧客・支払い手段・課金サイクルを 登録するだけで自動的に継続課金をおこなってくれます 継続課金の簡単管理 Billingで顧客情報と課金サイクルを登録するだけ 1 Stripe で、毎月自動的に課金が行われます。 柔軟な料金設定 2 定額課金や従量課金、クーポンや無料トライアルなど、多 様な料金体系に対応しています。 売上最大化と解約防止 https://stripe.com/jp/billing Retriesと回収ワークフローの自動化で、意図しない 3 Smart 解約を減らし、売上回収をサポートします。

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Stripeによるサブスク管理 API方式、リンク生成方式など自由にサブスクを作成することができ、 Webhookなどでアプリケーションと連動させる運用をおこなう そうやって、平和にサブスク事業を平和にスタートさせるのであった・・ 顧客 カード情報入力 請求書確認 銀行振込もOK! アプリケーション 顧客管理+支払い手段管理 収納・決済代行+サブスク管理 StripeにAPI連携 Webhookによる通知

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そこに・・・ 突如襲い掛かる 最もフィジカルで最もプリミティ(略) な支払い手段 月末締め翌月末払い

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突如襲い掛かる「月末締め翌月末払い」 一般的にStripeのサブスクリプションはグローバルな慣習に従い 前払いしかできないが、法人から請求書払い(後払い)を要望される 01 02 03 一般的なサブスク実装の始まり あるサービスは月額3,000円をクレジットカードで前払いする標準的な方法を採用しています。こ の方式では利用開始日に決済が行われます。 法人から請求書払いはできますか?と聞かれる 事業の拡大により法人からの契約が増加し、法人顧客は請求書での後払いを求める傾向がありま す。数件の間は手作業で管理することにしました 請求書払いの件数が増え、管理が破綻し始める 数件だからと応急対応をしていた場合は、件数が10件20件と増えるにつれ、サブスク管理状態と の乖離や入金漏れを見逃すなどの問題が噴出します

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結局のところ何が問題か Stripe Billingにおいて、「顧客管理」や「銀行振込」が問題ではなく、 サブスク管理に「月末締めの後払い」設定がない事と「請求書」だけが問題 顧客管理・決済手段 サブスク管理 請求書 問題なし。Stripeはバー チャル口座を使った銀行 振込に対応し、請求先メ ールアドレスも自由に設 定可能 翌月末払いという概念に 対応していないため、銀 行振込を選択したとして も「前払いだが入金期限 のあいだ猶予がある」と いうステータスになる 社印を押すなど細かいカ スタマイズは難しい。ま た、前述の通り前払い前 提なので、入金の猶予だ け翌月末にしても請求明 細がずれる ※従量制課金には後払いの概念があるが月額基本料にはない

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よくあるワークアラウンド

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よくあるワークアラウンド 数件であれば、よくあるワークアラウンドで対応することもできます いわゆる0円サブスクを設定し、自社の銀行に振込を依頼します サブスク管理 請求書 入金管理・消込 アプリケーションの改修 をさけるため、Stripeで のサブスク状態の管理は 継続したい、そのため 「0円のサブスク商品」 を購読させる Stripeではなく自社の請 求書を手動で発行し、お 客様に毎月送付します。 振込先を自社の銀行に設 定することで、入金管理 や消込も手動対応となり ます。

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さらに増え続けると運用が破綻する 顧客ごとに割引を管理したり、年払いや半年払いの顧客があらわれると ワークフローは一気に複雑に。入金消込も漏れが発生しがち どのプランでどれ くらい割引してい るかなど、0円な のでわからない、 MRRの管理もでき ない 年払いや半年払い のお客様に請求書 を出し忘れしやす い。プランの記入 も煩雑 入金消込がおいつ かずに回収漏れに 気づくのが遅れる

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なんらか決済システムを入れ替えるべきか? いわゆる「サブスク管理」システムを導入したり、別の収納代行に乗り換える ことも検討しました。しかし月額固定費などコストや工数の面で断念。 有名なサブスク管理システ ムはかなり高額で、数十件 の銀行振込を管理するため だけに使うのは現実的では ない サブスク管理のある収納代 行システムを検討したが、 実装工数がかなり高く、 かつ併用するのも難しい あと一歩がんばったらStripeで何とかなるのでは???

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Stripeでなんとかする 「月末締め翌月末払い」の 対処方法

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おさらい 年払いや半年払い のお客様に請求書 を出し忘れしやす い。プランの記入 も煩雑 入金消込がおいつ かずに回収漏れに 気づくのが遅れる 0円ではなく実際の課金額 確認くらいはしてもいい をちゃんとサブスク設定 けど、自動で請求書を作 を行う方向でいけないか れないか Stripeの銀行振り込み機 能を使うことはできない か どのプランでどれ くらい割引してい るかなど、0円な のでわからない、 MRRの管理もでき ない

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結論:Invoiceと人間用請求書を分ける お客様が目にする「請求書」さえ何とかなれば、 あとは内部システムの話なのでどうにかできる。はず。

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結論:Invoiceと人間用請求書を分ける Stripeや内部処理では「前払いで65日間の支払い猶予があるInvoice」を作成 お客様には月末締め翌月末払いの請求書を作って送付すればいい

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Invoiceと人間用請求書を分ける それでは実践しましょう。前処理として、請求メールを送らない設定にしま す。顧客の連絡先を編集し、自社Slackやら専用のMLにメールを流します ここでメールを 飛ばさないように

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サブスクリプションを開始します 毎月1日の午前9時以降(UTC 0時以降)に、月末締め翌月末払いにしたい サブスクを開始します。入金期限を65日間にします。 画面から作成するときは 午前9時(UTC 0時)以降に サブスクを作成する 銀行振込のみで、65日後に 入金期限を設定する

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Google Apps Scriptによる 自動化

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Google Apps Scriptで請求書を生成する 10/1(=当月)に発行されたInvoiceのうち「有効な決済手段が銀行振込」の ものを取得、Invoice情報から請求書に必要な情報をぬきだす ※もちろん移行期などはmetadataにフラグを立ててもOK 顧客名・顧客メールアドレス・総額・消費税 明細:[商品名・数量・金額] ※明細は名称が含まれないので別途取得が必要

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バーチャル口座取得はわかりずらい 銀行口座だからと言ってbankを使ってAPIを探すと見つからない。正解は funding_instructionsだがcustomerの下にある。Issuingの下と混同しない ※生成AIに聞いても唯一ただしく教えてくれなかったところ

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抜き出した情報から人間用PDFを錬成する 抜き出した情報をつかって人間用のPDFを錬成します。MFやfreeeなどの システムを使ってもいいですし、今回はGASだけで生成 生成手順 Invoice APIで必要な情報を取得 Google 神スプシのテンプレと合成 PDFとして書き出し リンクをSlackに送信して営業確認

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結論:Invoiceと人間用請求書を分ける これにより、アプリから見たサブスク管理を維持しつつ、お客様には あたかも月末締め翌月末払いができているかのような運用が可能に ここでメールを 飛ばさないように アプリからはクレ カと同じ継続管理 APIで人間用 請求書を錬成 入金されると 整合性が取れる

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移行期のための便利機能も開発 生成AIにきいたらだいたいのコードは書いてくれるので、 便利機能をガシガシ生成していく 基礎的なコードをまず 用意していく Customer、Invoice、Subscriptionあたりを出力 するコード 一度生成した後、フィルタ機能も作らせると便利 (サブスクが有効かどうかなど) それらからシート間参照で人間用 チェックシート作成 結局このお客さんっていまどうなってるんだっ け? 0円サブスク、Stripe銀行振込、年払いなどを明 らかにしていく これだけやればStripeで「月末締め翌月末払い」を攻略!! ドクセルにも11月に実装・既存契約を順次切り替え予定