【中医協第653回】2026年9月収載 新機能医療機器4製品の価格と算定要件

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October 22, 26

スライド概要

2026年7月22日の中医協総会で示された、9月1日収載予定の医療機器4製品(サピエン3 Ultra RESILIA、Cobalt MRI ICD/CRT-D、オスピカ TMA、デュアルビュー)を解説します。償還価格、有用性加算、新しい機能区分、費用対効果評価、算定要件をスライドで整理しました。

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中医協総会第653回|9月収載の新機能医療機器4製品をやさしく解説
https://www.daitoku0110.news/p/chuikyo-653-medical-device-coverage

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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1.

病院経営陣 医事課・レセプト担当 循環器内科・心臓血管外科 2026年9月収載 新機能 (C1) 医療機器 実装ブループリント 中医協総会第653回 (令和8年7月22日) 承認4製品の価格構造と算定要件 Key Takeaway: 新たに保険適用される4製品 (SAPIEN 3, Cobalt, OSPICA TMA, DualView) の評価メカニズムと、現場におけるシステム実装の要点を俯瞰する。

2.

9月1日収載 4製品の全体像 (マスター・ダイアグノスティック・テーブル) エドワーズ サピエン3 Ultra RESILIA 価格 4,730,000円 (注:28年5月まで4,940,000円) 計算方式 類似機能区分 加算 有用性加算5% 外国価格比率 0.90 HTAステータス H1対象 Cobalt MRI ICD/CRT-D シリーズ 価格 2,720,000円〜4,960,000円 計算方式 類似機能区分 加算 有用性加算5% 外国価格比率 0.46〜0.74 HTAステータス H2対象(2品目) オスピカ TMA 価格 79,600円 計算方式 原価計算方式 加算 なし 外国価格比率 0.96 HTAステータス 対象外 デュアルビュー 価格 132,000円 計算方式 類似機能区分(細分化) 加算 なし 外国価格比率 - HTAステータス 対象外

3.

価格決定のメカニズム:2つの算定方式と「チャレンジ申請」 類似機能区分比較方式 (3/4製品に適用) 既存区分の価格 + 補正加算 チャレンジ申請による「有用性加算5%」 収載後に収集した臨床データに基づき企業が再評価を要求。SAPIEN 3とCobaltは2026年6月の専門組織で認められ、5%の価格引き上げを獲得 (Cobaltは10%希望に対し5%決定)。 既存の機能区分を基準とし、有用性を上乗せ評価。 原価計算方式 (OSPICA TMAに適用) 利益 その他経費 販売費 製造原価 比較対象がない場合、コストを積み上げて算出。

4.

エドワーズ サピエン3 Ultra RESILIA : 期限付き2段階価格のタイムライン 4,940,000円 4,730,000円 期限付改良加算込み 加算終了 2026年9月1日 2028年5月31日 2028年6月1日 「特殊型」区分の要件 キャッピング処理 グリセリン処理 医事課アクション:2028年6月1日の院内マスタ切り替えが必須。 関連技術料: K555-2 経カテーテル弁置換術 (経心尖: 61,530点 / 経皮的: 39,060点)

5.

有用性加算の根拠: TVT-Registryが示す圧倒的な安全性 退院時の平均圧較差 (mmHg) 12.1 (前世代) → 9.3 (本製品) 術後1年 全死亡率 (%) 9.6% (前世代) → 7.6% (本製品) 術後8年 重度の構造的弁劣化 (%) 9.5% (外科的生体弁) → 0.7% (RESILIA弁) 各群4,598例の後ろ向き比較において、臨床上重要な安全性指標で類似材料を明確に上回る安全性を証明。

6.

Cobalt MRI シリーズ: 新区分を創出した「iATP機能」の自己学習サイクル 心室頻拍の発生・治療失敗 iATPによる直前の治療結果の分析とパラメータ自動調整 最適化された次期ペーシングの実行 成功率の向上・ショック回避 SPARKレジストリ試験等による有効性の証明 86.2% 植込み後1年間の頻拍停止成功率 1.87 従来比の停止成功率: オッズ比 0.43 頻脈促進(ショック伴う)の低下: 調整オッズ比 価格: 2,720,000円〜4,960,000円(全4品目) | K599 (31,510点) / K599-3 (35,200点) | 新区分「内因性抗頻拍ペーシング機能付き」新設。

7.

OSPICA TMA: ペーシングと「除細動」を両立する新区分ワイヤー OSPICA TMA ワイヤー 両心房 術後心房細動の電気的除細動 除細動機能付き体外式ペースメーカ 術後心房細動の持続時間を60.9時間(従来)から12.4時間(本製品旧モデル)へ大幅短縮。 価格: 79,600円。企業希望の類似機能比較(83,400円)は通らず、原価計算方式で決定。新区分「249 除細動機能付き体外式ペースメーカ用心臓植込ワイヤー」

8.

OSPICA TMA: レセプト担当者向け算定要件「4つのゲートキーパー」 18歳以上の患者であるか? 開胸を伴う心臓手術、または胸部大動脈手術であるか? 術後心房細動の発症リスクが高いと推定されるか? 関連学会の定める指針に従っているか? 【個数制限】 算定は1回の手術につき「2個」が上限。レセプト入力時の過剰算定エラーに注意。

9.

デュアルビュー: 「1+1=1」の融合がもたらす新しい細分化区分 [OCT (光干渉層法): プラーク表面観察] [IVUS (血管内超音波): 血管深部観察] [DualView カテーテル] 1本のカテーテルで同時に同一位置から取得。 Category Logic 既存区分「149 血管内光断層撮影用カテーテル」を細分化し、『血管内超音波プローバー体型』を新設。価格は既存区分と同額の132,000円 (補正加算なし)。 関連技術料: D206 心臓カテーテル法 (右心3,600点 / 左心4,000点) + 血管内光断層撮影等の加算 (400点)。留意事項の変更なし。

10.

統合的視点: 価格決定に見る「行政の意図」とHTAの網 Price Gap from Request (企業希望価格からの乖離率) Peak Expected Sales (予測販売金額) 50億円 H2 費用対効果評価対象 100億円 H1 費用対効果評価対象 OSPICA 希望83.4k → 決定79.6k (原価計算) DualView 希望価格通り Cobalt 10%希望に対し5%決定 806億円 加算5%取得 (10%ならず) Synthesis Insight 売上予測が50億円を超えるイノベーションには、厳格な費用対効果評価 (HTA) と加算率の抑制が機能している。サピエン3とCobaltの一部は、今後のHTA結果次第でさらなる価格調整のリスクを孕む。

11.

実装へのアクション: 9月1日に向けた「3つの最終確認」 1 期限付き価格のスケジュール管理 (SAPIEN 3) サピエン3 Ultra RESILIAの「4,940,000円」は2028年5月31日まで。6月1日以降の「4,730,000円」へのマスタ自動更新フローを今すぐシステムに予約設定する。 2 算定条件・上限のアラート設定 (OSPICA TMA) OSPICA TMAの「1手術につき2個まで」および「18歳以上・開胸手術限定」の条件を医事会計システム・ワーニング (警告) 条件として実装する。 3 新機能区分へのマスタ移行 (全製品) 見直された既存区分 (182・117・144・149) および新設区分 (249) のコードをレセプトマスタに正確にマッピングし、算定漏れを防止する。 出典: 中医協 総会(第653回) 資料「総-1 医療機器の保険適用について」(令和8年