【論文要約】キラキラネームは本当に増加しているのか?(荻原, 2022, 人間環境学研究)

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March 01, 23

スライド概要

以下の論文の要約です。

荻原祐二 (2022). キラキラネームは本当に増加しているのか?人間環境学研究, 20(2), 129-133. https://doi.org/10.4189/shes.20.129

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青山学院大学 教育人間科学部 心理学科 個人ウェブサイト:https://sites.google.com/site/yujiogiharaweb/home Google Scholar:https://scholar.google.co.jp/citations?user=QOX4MokAAAAJ&hl=ja&oi=ao

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各ページのテキスト
1.

1/8 【論文要約】 荻原祐二 (2022). キラキラネームは本当に増加して いるのか? 人間環境学研究 東京理科大学 荻原祐二

2.

概要 2/8 • キラキラネームの増加を前提として、その奇抜さや 是非について主張・議論されていることが多い – しかし、エビデンスは提供されておらず、キラキラネームが 本当に増加しているのかは明らかでない → キラキラネームが増加しているのかどうかについて検討 → 定義によって異なる • 広義:増加 – 「頻度が低い名前」 ← 個性的な名前が増加しているという一連の研究 • 狭義:増加しているとは言えない – 広義 + 「伝統から逸脱した名前」・「読むことが難しい名前」・「肯定的また は中立的な文脈で用いられる名前」 – どの構成要素においても、その要素を満たす名前の割合が増加している ことを示すエビデンスは存在せず、(少なくとも現時点では)その増減は不明 – 社会や文化、人間や言語を正確に理解し、適切な方向に 実践や応用を進めることに貢献

3.

問題 3/8 • キラキラネームが増加していることを前提とし て、その奇抜さや是非について、主張・議論 されていることが多い – しかし、キラキラネームの増加を示すエビデンス (科学的根拠)は提供されていない • キラキラネームが本当に増加しているのかは不明 → キラキラネームが増加しているかについて、 エビデンスを基に検討

4.

方法 4/8 • キラキラネームの定義を構成する要素ごとに、 その増減を検討 – キラキラネームの定義と、その構成要素を整理 した先行研究を踏まえる • 広義:「頻度が低い名前」 • 狭義:「頻度が低い名前」+「伝統から逸脱した名前」・ 「読むことが難しい名前」・「肯定的または中立的な 文脈で用いられる名前」 – 4つの構成要素それぞれの条件に合致する名前 が増加しているかどうか

5.

結果 5/8 • 定義によって異なる – 広義:増加 • 「頻度が低い名前」 ← 個性的な名前が増加しているという一連の研究 – 狭義:増加しているとは言えない • 「頻度が低い名前」+「伝統から逸脱した名前」・「読む ことが難しい名前」・「肯定的または中立的な文脈で 用いられる名前」 • どの構成要素においても、その要素を満たした名前の 割合が増加していることを示すエビデンスは存在せず → (少なくとも現時点では)その増減は不明

6.

考察 6/8 • キラキラネームが本当に増加しているかに ついて、エビデンスを基に検討 → 定義によって異なる結論 • 広義:増加 • 狭義:増加しているとは言えない → 定義を明確にして議論する必要性 → 社会や文化、人間や言語を正確に理解し、適切 な方向に実践や応用を進めることに貢献

7.

文献情報 7/8 • 荻原祐二 (2022). キラキラネームは本当に 増加しているのか?人間環境学研究, 20(2), 129-133. https://doi.org/10.4189/shes.20.129 – オープンアクセスですので、どなたでもお読み 頂けます。

8.

注意 8/8 • 出典(=論文)の情報を適切に明記して頂ければ、 こちらのファイルを授業等に利用可能です。 • こちらのファイルと論文の間に差異がある 場合は、論文の情報を優先してください。 • 最終更新:2023/3/1 – アップロード:2023/3/1