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October 13, 26
スライド概要
研究力低下が言われていますが、行政は研究力をなかなか向上できません。なぜでしょうか?
一つの答えは「行政が現場の様子をわかっていないから」です(現場の教員がわかっているかと言えばそんなこともないのですが...)。なぜこんなにも、状況がわからず、解決策も出てこないのか。
そこには長年我々が使い続けているシステムの不具合が関係しています。我々は、上からの指示で、計画を立てます。上はそれを了承します。我々が計画を実行すると、上が報告書を求めます。このとき我々は、「ちゃんとやった」「ちゃんとできた」ことを上に報告します。
こんな報告をするのは、「ちゃんとやっている」ことが、引き続き上からお金をもらう上で重要だからでしょう。つまり、不都合を報告しないのは、このシステムの中で過ごす人にとっては最適解なのです。
このシステムは、財務省→文科省→大学→学部→研究室のような層状構造をしており、上は、下から報告を受けたら、さらにその上に報告する必要があります。このときやはり、不都合を報告したいとは思ってはおらず、そういう背景から上は下に不都合の報告を求めることはしません。
不都合を報告しないから、その不都合は把握されません。また、このシステムは現場のニーズを吸い上げるようには全くできていません。不都合もニーズも把握されないシステム。これが今、我々が使っているシステムです。
このシステムを変えていく必要があります。.... スライドは後編に続きます。
日本の研究力はV字回復が可能です。 そのためには、研究現場が現在どのようになってしまっているかを総合的、俯瞰的に明らかにし、行政によって適切な(場当たり的でない)政策課題設定がなされる必要があります。これには、研究力の向上阻害要因が発生するメカニズムの解明が必要です。 端的に言えば、大学の組織としての機能の減弱・喪失が大問題です。組織成員が協力しあって生産性を高め合う状態にはなく、連携を欠く、競合・競争する小型の研究室の集合体になってしまっています。 大学の問題は、財務省が指摘するような小さな問題ではなく、もっと総合的で複雑なものです。研究現場の問題が適切に認識されさえすれば、政策課題設定が適切になって研究力は急激に回復するはずです。 東北大学准教授
大学システムに革命を 本日はお集まりいただきありがとうございます。 某大学会議室 大学システムに革命を システムエンジニア 今日は、まず今の大学システムが抱えている問題点について説明します。 ヒラメ式 今の大学システムは『ヒラメ式』です
ヒラメ式 そうです。ヒラメ式です。 ヒラメ式?ははあ… ざっくり言って今のやり方は、上からの指示に従って、下が行動計画を立て、上がそれを了承する仕組みです。 上 指示 行動計画 了承 下 年限が終わったら、下から上に報告をあげることになります。 上 報告 下
報告書 みなさんも、経験があるでしょうが、報告書にはちゃんとやりました、ということを書くわけです。 あまり、不都合なことは書きたくない そりゃそうだな たとえば、研究費をもらったけれども学生が大学に来なくて、研究は進みませんでしたとは書きにくい
それに、報告書を受け取る側だって、さらにその上に報告書をあげる立場です。 つまり、上だって、ちゃんとやったという報告が欲しいのです だから、上も、あまり不都合を積極的に報告するように求めないのです そりゃそうだ
こんなシステムを続けていると、まずいことが起こります。 どうなると思います? 何が起きているか、わからなくなるんですよ 先ほど大学に来ない学生の例を挙げました そういう学生がどれくらいいるか、把握できていますか? 特に経済支援を受けている学生が、大学にほとんど来ていない事例がありますが、どれくらいありますか?
そんな学生はいないよ、ちゃんと報告書が来ていて鋭意取り組んでいると書かれている 誓約書だってとっているんだ まさにそれですよ 経済支援を受けた学生は、ちゃんとやりましたと書く。 でも実際はどうかはわからない
竹村さん。あなたは、本学の学生経済支援担当でしたね。 竹村 あなたの所掌ですよ。 経済支援を受けた学生が、実際はほとんど大学に来ていない、なんて状態だったら、あなた、困りますよね ちゃんとやっていることにあなたもしたいはずです かれらはちゃんとやっていると言っているんだ、信じるしかないだろう
ちゃんとやっている、を信じるシステムなわけですね それを信じるんだったら、実際どうなのか調べなくなる。 違いますか? つまりこのシステム、 上の立場 報告 下の立場 下は『ちゃんとやっている』と報告したがり、上も『ちゃんとやっていると報告されたい』 このシステムの問題点は…
端的に言えば、何が問題なのか、わからなくなることです。 このやり方では、学生が経済支援を受けながら研究に取り組んでいない事例は見えなくなります。 同時に、そう言った学生がなぜそのような状態なのか、なぜ意欲がないのか分析もなされなくなります。
上に報告書をあげることに気が回る一方で、下を見なくなる。 これがヒラメ方式の問題点です 全てちゃんとなされているようで、実はされていない。 そして、何がどうちゃんとなされていないのかわからない 現場がどうなっているのかわからないからどうすればいいのかわからない。 これが、日本が研究力低下を食い止めようとしてもできない理由です 問題の理解が恐ろしく浅い。
もう少し例を挙げましょうか? 科研費で購入した機器の有効活用状況。 共通機器の運用状況。 博士の学位の審査の状況 全部、ちゃんとしていることになっています でも全体としてはうまくいっていない 論文を書いていない教員がどれくらいいるか、把握していますか? なぜ書かないのか把握していますか? 議論すらしていない
闇なんですよ このやり方は、闇を生む。 確かにその通りかもしれない ヒラメ問題は、本学だけの問題ではなく、日本中の大学の問題です 闇を生むヒラメ方式→改良が必要 ヒラメ方式には改善が必要です。我々が現場を理解し、改善していくことができるようなやり方にね
なんでヒラメ方式って言うんですか? ヒラメは海底にいましてね。 両目が片側についていて、上ばかり見ている。 だからですよ つづく