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September 12, 26
スライド概要
修士学生の発表@日本デジタルゲーム学会夏季研究大会2026
タイトルは・・・修論に向けた野望ということで。
内容としては、SteamのMAU推移のタイプ分けとレビュー分析を掛け合わせて分析したものです。
オンラインゲームの運営論に 関する研究 坂野 聡洋 小山 友介 芝浦工業大学 芝浦工業大学 [email protected] [email protected]
目次 ① 研究背景 ② 先行研究・参考文献 ③ 研究目的 ④ 調査方法 ⑤ 調査結果 ⑥ 考察 ⑦ 結論・今後の展望
1. 研究背景 開発コストの高騰 ・AAAタイトルでは40億円以上の開発費 ・300人以上の開発体制 運営期間の⾧期化 ・コンシューマータイトルTop100中 9割以上がDLCあり ・2024年にサービス終了した166 タイトルの平均サービス期間3.7年 ・ヒットタイトルは10年以上の運営が 一般化 東洋経済ONLINE (2024) CESA(2026) 10年以上の運営が続いたオンラインゲーム
2. 先行研究・参考図書(1) 山本晶・李文颖(2022) MMORPGプレイヤーの継続利用意向への影響要因 ・対象:MMOプレイヤー ・時間変化によるゲーム性(新規性)とコミュニティ性の影響度合いの変化を検証 ・得られた結果 ・時間変化によって新規性の影響度合いが低下 ・時間変化によってコミュニティ性の影響度合いが増加
2. 先行研究・参考図書(2) 松原健二(2007) 産業として見たオンラインゲームの現状と展望 ・ゲームの種別、市場、ビジネスモデル、運営形態を整理 ・それぞれのサービスの特徴と将来の展望をまとめたもの ・将来に向けたオンラインゲームの課題を提示 ・必要なデバイスおよびサービスのインフレーション ・Botやチートのような不正プレイ、アクセスの対応 ・RMTへの対応 ・開発における人材育成ノウハウの欠如
2. 先行研究・参考図書(3) Victoria Tran(2025) Mastering Community Management ・オンラインゲームのコミュニティ戦略についてまとめた本 ・マーケティング視点だけでなく オンラインゲームならではの運営戦略にフォーカス ・ローンチやコミュニティの反応に対する動き方 ・コミュニティの温度感の制御 本研究では量的なデータを解釈する上での材料として活用
3. 研究目的 ゲーム運営における成功パターンの要因分析と一般化 研究目的達成のため、本研究では以下の一般論を検証 一般論①:オンラインゲーム運営の成功にはコミュニティマネジメントが有効 一般論②:カジュアルプレイヤーをコアプレイヤーに転じさせることが成功の鍵 一般論検証のため、本研究では以下の仮説を設定 仮説①:アクティブユーザー数が最大の時はポジティブな反応が中心 仮説②:アクティブユーザー数が上昇トレンドになる際は「奥深さ」に関する 話題が中心
4. 調査方法 調査方法 ・⾧期運営タイトルと⾧期運営を行なったもののサービス終了したタイトル について、月間アクティブユーザー数平均(MAU)を収集 ・MAU推移からパターンを抽出 ・各年のレビュー分析からMAU推移の背後にあるコミュニティの反応を調査 調査対象 ・Steam上にて4年以上のサービスを継続している現行20タイトル ・Steam上にて4年以上のサービスを継続し、サービス終了した10タイトル
4. 調査方法 使用タイトル一覧(現行タイトル) 調査対象について ・Steam上のゲームに絞った理由 ・PCゲームのプラットフォームで最大 ・月間アクティブユーザー数を調べられる ・年齢帯がある程度一定(20~30代が70%) ・APIからレビュー分析が可能 共起ネットワーク分析について ・Steam公式APIからSteam reviewを収集 (最大取得件数10000件) ・年ごとに分析 ・言語はGoogle colab上のdeep-translatorにて 日本語に翻訳 ・煩雑化を防ぐため上位40ペアに制限 使用タイトル一覧(サービス終了タイトル)
5. 調査結果 MAU推移の概形を5つに区分 ・右肩上がり型 ・ノコギリ型 右肩上がり型 ノコギリ型 ・スパイク型 ・ピーク型 ・マイペース型 スパイク型 ピーク型 サービス終了タイトルはピーク型 マイペース型 サービス終了タイトル
5. 調査結果 右肩上がり型について ・ローンチから数年が経過しても MAUが落ちず、増加か高水準でキープ ・外部の競技シーンが活発という特徴 ・CS2について ・初めはリージョンごとの喧嘩が目立つが、 ピーク時にはそれが消えている ・先行研究・参考図書(3)で語られた 「コミュニティの健全性がブランド価値を高める」 という内容と合致 『CS2』2015年 『CS2』2023年 『Dota2』2016年 『Dota2』2020年 ・Dota2について ・CS2と同じく初期は暴言が目立つが、 安定期では消えている ・初心者の多さを表面化させるコミュニティ性が MAU維持に好影響を与えている可能性
5. 調査結果 ノコギリ型について ・細かいスパンでMAUが急増し、また低下 ・数ヶ月毎にシーズン更新や大型アップデートを 更新している特徴 ・Apex Legendsについて ・2023年はネガティブなレビューが単体で目立つ ・2024年はネガティブなレビューに 「対策」「調整」といった文言が繋がっている ・MAU推移をベースとしたパッチ展開で解決が 後手に回った可能性 『Apex』2023年 『Apex』2024年 『R6S』2022年 『R6S』2024年 ・ Rainbow six siegeについて ・両年ともにポジティブな反応が目立つ ・2024年は「運営」「いい」といった繋がり ・2023,2024年はリワークの年
5. 調査結果 スパイク型について ・普段のMAUは低く安定しているが大型DLCや 大型イベントのタイミングで大きな山を形成 ・シナリオや大型DLCの販売など特に大きな 追加コンテンツの存在が特徴 ・ Final Fantasy XIVについて ・2018年は「戦闘」や「MMORPG」といった ゲームシステムに対する言及が中心 ・2021年は「ストーリー」に対する言及が中心 ・ストーリーの面白さがロイヤリティに繋がったと 考察 ・大型DLCの展開によってプレイヤーが復帰する タイミングを構築できたと推測 『FF XIV』2018年 『FF XIV』2021年
5. 調査結果 ピーク型について ・一時的に爆発的なMAUを記録するものの そこから低く安定 ・新規性の高いゲームが多い特徴 ・タイトル全体の特徴について ・全てにおいてゲームシステムに対する言及が中心 ・先行研究(1)の主張をMMORPG以外でも適応可能 ・PUBGは競技性の話題が中心 ヒット後に人が離れない理由と考察 『PUBG』2021年 『NARAKA』2024年 ・サービス終了タイトルとの差別化は競技性 (Battleborn, Super MNC, Dirty Bomb, Evolve Stage2 ) MOBA+FPS(TPS) ヒーローシューター 非対称マルチ 『ELDEN RING』2024年
5. 調査結果 マイペース型について ・不定期なタイミングでMAUが跳ね上がる グループ ・MAUが上がるタイミングにセールや 外部コミュニティの影響が強く現れる特徴 ・タイトル毎の特徴について ・Civ6では最大時にネガティブなレビューが見られる 特徴 →Modコミュニティの活性化 『Civ6』2024年 ・RUST(2021)では「初心者狩り」を思わせる文言 ・RUST(2023)では「初心者」「多い」という繋がり 『RUST』2021年 『RUST』2023年
6. 考察 5つの概形からの共通点 →MAU推移には初心者の流入量が強く関係している MAU低下時にも初心者という文言が頻出 (R6S2022, Dota22020) MAUが上がる直前には 「初心者」という文言が頻出 (R6S2022,2024, Apex2024, RUST2023) MAU低下時に 「コアプレイヤーが定住している」 わけではない 低下する直前には「初心者」 という文言がない (Apex2023, Dota22016) MAUは横ばいになっていても流動的にプレイヤーが入れ替わっている MAU向上には「カジュアル層の参入ハードル」が強く関係している
7. 結論・今後の展望 結論 仮説①:アクティブユーザー数が最大の時はポジティブな反応が中心 仮説②:アクティブユーザー数が上昇トレンドになる際は「奥深さ」に関する話題が中心 仮説① →Apex(2023), Rust(2023)から否定。不満の頂点になる場合もある 仮説② →R6S, PUBGでは見られるものの、特定タイミングではない。 →考察から「コアプレイヤーが定住している」という構図ではない可能性 今後の展望 ・オンラインゲームの離脱要因に対する調査 ・参入ハードル解消の具体化、参入要因と復帰要因に関する追加調査
予備スライド (サ終タイトルの終了要因) Dirty Bomb ←コミュニティの反応に依存した バランス調整によるバランス崩壊→ リワーク前から特定キャラが 壊れていたという主張→ Steam コミュニティ バランスに対する苦言→ Redditの投稿 競技性を損なうバランス感覚に対する苦言が中心
予備スライド (サ終タイトルの終了要因) Battle Born プレイヤー不足による競技性の低下 ↓ Redditの投稿 ↑ 同時期発売のOWとの比較→ プレイヤー流出 Redditの投稿 プレイヤー不足による競技性維持の困難
予備スライド (サ終タイトルの終了要因) Evolve Stage2 対戦ゲームながら有料コンテンツが 多いことへの不満(Pay to Win) → バランス調整への不満→ ←F2P移行でもMAU低下止まらず (平均400人) Automaton 有料コンテンツの制御、バランス調整の難しさから 競技性維持の困難