新たな空中写真表現TREACOM

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November 22, 22

スライド概要

ドローン等で取得した点群を利用した解析図とオルソ画像の合成図によって、現在主流である現況平面図に変わる表現を実現する為開発した図法のプレゼン資料。

オルソ画像の弱点を克服することと、トレースによってこれまでの平面図法に巻き戻すことなく不動産の所有者等、エンドユーザーにとって分かりやすく客観性に於いても信頼出来る平面表現を目指しています。

従来、航空測量会社を中心に開発された「地図」レベルの縮尺を前提とした微地形表現図よりも、かなり大縮尺(1/500~1/100程度)向きの手法として考えられています。

(日本国特許、米国特許取得済)

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土地家屋調査士 Land and House Investigator( Licensed Cadastral Surveyor of Japan)

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各ページのテキスト
1.

新たな空中写真表現 TREACOM (terrain relief emphasized and color muted) 「平面図」に代わる直感的で美しい大縮尺地形表現と 新たな地図表現の可能性を目指して 日本国特許 第6700519号 U.S. Patent No. 11,049,316

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自己紹介 ○土地家屋調査士をやっています。(司法書士・行政書士と合同事務所) • 日本土地家屋調査士会連合会 研究所 研究員(2014年度~) • 広島県土地家屋調査士会 IT委員会 委員 • 広島県土地家屋調査士会 広島支部 支部長(2021年度~) 【趣味】ギター・ピアノ、写真(愛機はSigma SD1) 【家族】妻(司法書士)、子供3人(双子の息子と娘) ○最近のドローン関係事業(仕事柄殆どがDID地区) ・某大学敷地 75000㎡ ・法務局地図作成 52000㎡ (公益社団法人広島県公共嘱託登記土地家 屋調査士協会) ・広島旧陸軍被服支廠 三次元化(広島県土地家屋調査士会) ・被災地の復興事業等 色々 2

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空中写真(オルソ画像) 上空から連続撮影した写真を合成することに よってどこからみても「上から」となるよう に歪みを補正したもの。GoogleMapや GoogleEarth、YahooMapで「航空写真」、 「写真」などとして表示されるものはこれ。 UAVとSfM/MVSソフ トの進化・発展 従来、衛星写真や航空写真でされていたがUAV=ド ローンの急速な普及発展と画像からのSfM/MVSと 呼ばれる3次元復元技術を用いたソフトウェアの普 及で地上解像度が高く、高精度高精細なオルソ画像 作成が可能になった 3

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UAV利用による、この オルソ画像作成なのですが・・・ 現場をこなしてゆくうちに意外 (でもない?)な「敵と弱点」に 気付かされることとなります。 GoogleEarth等を利用される方も 時折これにストレスを感じることが あるのではないでしょうか?

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空中写真撮影の隠れた「敵」それは・・・ ・季節(特に冬場) ・天候(特に晴天) ・時間(特に夕刻) によって現れる・・・ そう! 影!

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こういう影(所謂、写真の黒潰れ)です ※ちなみに影側に露出を合わせると今度は日当が“白飛び”します。

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そこで考えました。 (写真の基本なのですが)ある程度の“黒潰れ”は修正可能だけれど “白飛び”は修正出来ない。 画像はJpeg(編集・修正に限界がある)だけではなくRAWでも撮影しておき、より幅広 い明るさの幅が表現できるHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)画像を作成すれば、黒 潰れの修正を美しく行い、さも「影がない」かのような画像が作成されるのでは? 影を修正し視認性が向上した画像からならば、Metashapeが認識出来るタイポイントも 増え、さらに綺麗なモデル、オルソ画像が出来るのでは? 7

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そこで頑張って1枚1枚、HDR画像処理をしたところ・・・ 取り敢えず見えるようにはなりました。

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「影がない」 とまでは行かずとも 「影部分も見える」 ものは出来ました! (黄色線はTS実測) しかし、HDR処理(フリーウェアの LuminanceHDRを使用)をすべての画 像に施すのは非常に手間と時間が。 →この現場のみでギブアップ し・か・も

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黒潰れしているように見える画像で解析しても、点群と3Dモデ ル自体は割とHDRと同様綺麗に出来ている。(左、HDR処理アリ、 左HDR処理ナシ、正直テクスチャ消すと違い分からない・・・) ソフトウェア側では人間の肉眼には「黒」として区別の付かない 階調間の違いも判別して解析できてるんじゃ?

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影部分も点群やモデルがきちんと作成されているならば・・・ より手間の掛からない方法として三次元モデルを基に、 航空レーザー測量成果などに利用されている「立体図法」で 影に隠れた地物を見せる、という方法を思い立ちました。

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標高(※厳密には表層)、傾斜、曲率等を解析した立体図法による表現の模索 しかし、意外と「ええもん思いついた!」と思 ったものも、既に特許取得されているものが多 いことを思い知りました。 例:ここの模索例の中にも実はあるのです が・・・傾斜量図で輪郭を、+段彩図で高さを 表現したら良いかも!? →ELSAMAP:国際航業(株)特許特許4771459 など 「良いものが出来たら特許取っておいたほうが 良いのかなぁ・・・」とも考えはじめます。

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様々な試行錯誤の末、 一つの形に辿り着きました。 1. グレースケールでの輪郭と立体感の強調表現を所謂 「結線」に替わる平面表現とする 2. 様々な線、文字、絵を重ねたときにオルソ画像よりも 視認性を高くする 3. オルソ画像を透過させて1.の起伏には現れないテク スチャーも活かして見えるようにする(この点は他の 図法が切り捨ている部分) 4. 逆に他の図法で表現されている高低差の可視化につい ては切り捨てる(境界や文字、他の図面など、重ねて ゆきたい他の絵や情報に使いたい色と干渉する可能性 が出てくるので) 5. 既存の平面図の表現を排除せず、(法面記号による高 低の表現など特に)2次元、平面表現としての情報を 補充させても不自然とならない(4.の弱点を多少なり 補完) 13

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従来の現況平面図 ・黒またはグレーでの地形・地物表現 ・境界線を赤で描画 ・その他の色で資料をレイヤすることも (※官民境界確定図についてはこのあたり厳密な製図要件があることも あるので致し方ないこともあります) 問題点:空中写真測量を行った現場では、折 角の高精度・高精細オルソ画像をトレースに 使っただけで表示させないこととなり、活か せない。また、折角オルソ画像としてキレイ な絵があるのにトレースにかける時間・労力 そのものが無駄では? 14

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こういった影の部分は地物が見えない 折角の空中写真なので そのまま使った場合・・・ ◯利点:美しい空中写真による背景が見える ✕問題点:朱線や黒の文字が(特に最終的なに 紙に印刷した場合)見えにくい。また影にな っている部分が部分は写真のままでは見ない、 または見えにくい。 15

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このへんも絵柄があるのに 黄色で紙に印刷するとほぼ見えない 影部分も黄色線で見えるようになる そこで空中写真に 現況平面図を重ねる 利点:TSで実測していれば影の線が見えるようになる。 問題点:写真上の平面図は「黒」ではなく「黄色」でない と見えにくい。しかし写真外でTS実測していた部分の図 柄は白が背景だと黄色が見えにくい。そしてTSは実測し ていなかったら影の黒い部分はどうする?? っていうかそもそもTSで実測したくないからドローンなんですが・・・ 16

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そこでTREACOM ・美しい空中写真を活かし ・紙に印刷しても線や文字が見えやすい ・黄色等の線より自然に影の部分も浮かび上がり ・立体感と輪郭を強調 17

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ちなみに従来型の 現況平面図を重ねても 意外なほど自然さは損なわれませんので 法面記号などの高低表現や、クライアント が欲しい情報を適宜書き加えることも可能 です。 18

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表現技法としての 改良を目指して Treacom自体に感じている課題に 取り組み続けさらなるアップデートを 19

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図法の応用として ・地上Lidar ・ドローン空中写真 による測量による点 群を合成し・・・ DEMをDSMではなくDTMで作成する為に フィルタリングします。 20

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オルソ画像のみでは見えな い植生下の構造物を可視化 植生下の構造物についても測量の時間・労力を 大幅に省力化した上で二次元的・紙ベースでの 図化・可視化も省力化してゆけないだろうか? 21

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こうした表現をブラッシュアップしてVer.2を考案中 2021年9月21日 植木の下のブロック塀や石積、屋根の下の壁などを Treacomの自然で美しい可視化表現のままで組み込 むことに成功しました。 Treacom本来のDSMを用いた起伏表現と、DTMを含 む、適宜フィルタリングし、オーバーハングを取り 除き直上から植生下の地物を可視化できるデータを 独自の技法で組み合わせることによってTreacomの 新しいヴァージョンとしてさらなる進化を実現する 為、試行錯誤を続けてきましたが 22

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余談の可視化例 オルソ画像:過去 曲率図:現在 で重ねて現在と過去の地形、 地物の比較を行ったもの 土地家屋調査士以外にはあまり ニーズはないかも・・・? 23

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ありがとうございます 山中 匠 takumi@o-yamanaka.com www.o-yamanaka.com