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December 13, 25
スライド概要
OSC 2025 Hiroshima 発表資料
Geolonia / OSGeo.JP / Japan Unix Society / OpenStreetMap Foundation Japan
Ubuntu Studio 25.10 で 始める動画編集とか Taro Matsuzawa (@smellman) Open Source Conference 2025 Hiroshima 2025/12/13
自己紹介 ● GIS エンジニア ( 地理エンジニア ) ● 一般社団法人 OSGeo.JP 理事 ● 一般社団法人 OpenStreetMap Foundation Japan 理事 ● 日本 UNIX ユーザ会副会長 ● UNOpenGIS/7 Lead ● Breakcore クラスタ
代表作 ● https://smellman.github.io/osm-sound-demo/ – 役に立たない謎のサイト
今日のお題 ● Ubuntu Studio 25.10 の紹介 ● インストール済みのアプリケーションの紹介 ● ffmpeg によるノイズ除去の例の紹介 ● Kdenlive による動画編集作業の紹介 ● その他
Ubuntu Studio 25.10 の紹介
Ubuntu Studio 25.10 の紹介 (1) ● Ubuntu Studio は Ubuntu Flavor の一つ – Ubuntu Flavor とは Ubuntu Linux から派生したディストリビュー ションを差します ● Kubuntu, Lubuntu, Edubuntu など ● https://ubuntu.com/desktop/flavors
Ubuntu Studio 25.10 の紹介 (2) ● ● Ubuntu Studio はマルチメディアに特化したディストリビュー ション 元々はマルチメディアに最適なカーネルを搭載していた – ● Real-Time Kernel 現在は Real-Time Kernel 自体が Linux カーネル自体にマージ されているため、他の Ubuntu と同様のカーネルを使っている – linux-image-generic
Ubuntu Studio 25.10 の紹介 (3) ● ● ● Ubuntu Studio の特色はインストールされるソフトウェアの豊 富さにある 動画編集、画像編集、オーディオ処理 ( 音声編集、音楽作成 ツール ) など Ubuntu Studio 25.10 では KDE Plasma 6.4 を採用 – 直感的に扱いやすいディストリビューションになっている – アップデートも Discover から行なうのがメイン (snap)
Ubuntu Studio 25.10 の紹介 (4) ● 音声周りが PipeWire がメインに – PulseAudio からの移行 – 音声の同期などが改善 ● 対応していないアプリもまだあるので注意、 その場合は JACK などを使う
インストール済みアプリケーションの紹介 一部デモをしながら
アプリケーションの例 (1) ● Kdenlive – 動画編集 ● Blender – 3D 動画作成 ● FreeShow – プレゼンテーション作成ツール ● GNU Image Manipulation Program (GIMP) – 画像編集 ● Inkscape – ベクタ画像編集
アプリケーションの例 (2) ● Audacity – 音声編集 ● Ardour - DAW ● Patchance – JACK / ALSA MIDI 用パッチ GUI ● Mixxx - DJ アプリケーション ● GenKick - Kick 音作成ツール
音声向けだけでかなりの数がある
その他アプリケーション ● Firefox, Thunderbird ● LibreOffice - Office アプリ ● Steam - Game ● Elisa - 音楽プレイヤー ● VLC – 動画プレイヤー ● Kate – Text Editor
コマンドラインツール ● ffmpeg - 動画編集コマンド ● ImageMagick – 画像編集コマンド ● NeoVim / Vim – Text Editor
ffmpeg によるノイズ除去の例の紹介
そもそも何故ノイズ除去をするのか ● 先日行なわれた FOSS4G 2025 Japan の配信をしていたが、音声の 取りまわしに失敗してしまい、YouTube にかなりノイズが乗ったも のが配信されてしまった部屋があった – セッションごとの動画を切り出して再掲載するまえにノイズを除去した ● – 動画の切り出し自体は Kdenlive を利用 音量も小さかったりしたので定量化なども必要だった ● 配信する前にノイズが乗らないようにしていたら不要な作業
ffmpeg とは ● 動画や音声をプロセッシングするコマンドラインツール ● 豊富なフォーマットに対応 ● 動画の音声のみを編集するなど使いこなすと超強力 – ● GUI が無くても動かせるのでサーバサイドなどで動かすことも可能 多くのアプリケーションがバックエンドとして採用している
ffmpeg で音声処理の流れ ● ffmepg では豊富な音声フィルタが用意されている – volume - 音量を調整 – loudnorm – 音量の正規化 – afftdn – FFT によるノイズ除去 – arnndn - model を利用したノイズ除去
基本的な使い方 ● ffmpeg コマンドを利用するには以下のように打つ ffmpeg -i <input file> -af <audio filter> -c:v copy -c:a aac -b:a 192k <output file> ● -c:v copy は video は単純にコピーするという意味 ● -c:a aac -b:a 192k で音声は AAC/192k に設定するという意味
実際のノイズ除去の例 $ git clone https://github.com/GregorR/rnnoise-models.git $ ffmpeg -i room_b.mp4 -af "aformat=sample_fmts=s16:channel_layouts=mono,aresample=480 00,arnndn=m=rnnoise-models/somnolent-hogwash-2018-09-01/ sh.rnnn, loudnorm=I=-18:TP=-1.5:LRA=11, afftdn=nf=-25" -c:v copy -c:a aac -b:a 192k room_b_clean-2.mp4
解説 ● ● git clone で arnndn で利用する model をダウンロード arnndn=m=rnnoise-models/somnolent-hogwash-2018-09-01/ sh.rnnn でノイズ除去に利用する model を指定する ● loudnorm=I=-18:TP=-1.5:LRA=11 で音声を定量化 ● afftdn=nf=-25 で FFT ノイズ除去
フィルタの順番 ● 先程の例では arnndn → loudnorm → afftdn という順番に フィルタがかかっている – 順番を間違えると変になる ● – loudnorm を先にするとノイズごと定量化される afftdn を最後にかけているのは定量化されたものにまだノイズが乗って いたため、追加でノイズ除去をしている
model の選び方 ● https://github.com/GregorR/rnnoise-models では複数の model が提供されている – model ごとにどのようなシチュエーションが適しているかの情 報が README に書いてある
FFT フィルタだけではダメなのか? ● 結論として、上手くいかなかった – ● ノイズがかなり酷かったので先程の順番でフィルタをかける必要があった ノイズが酷くなければ FFT フィルタだけでもいける – つまり ffmpeg だけで完結する
ffmpeg で他にも出きること ● 動画編集 ( 切り出し ) なども可能 – フレーム単位 (fps) で指定が必要なケースがあるのでそういうのは GUI でやった方が良いと思う ● アニメーション GIF に変換とか ● 音声のみ他のソースを使うとか – つまりBGMの入れかえ
Kdenlive による動画編集
Kdenlive ● KDE で利用できる動画編集ソフト ● レイアウトは Adobe の某ソフトに似ている ● 簡単な動画編集なら簡単にこなせる ● 以下はデモをしながら紹介します
まとめ ● Ubuntu Studio にはマルチメディア系のアプリが豊富に揃っている ● PipeWire/JACK など音楽関係も必要なものが始めから揃っている ● とりあえず Linux 始めたい人には結構面白いディストリビューショ ンではないかと思う
おまけ ● 個人的に Renoise というシェアウェアを押している – Linux/macOS/Windows 対応の DAW – Tracker という種類のアプリ ● 音楽は上から下に流れる – ● ビートマニア世代にはぴったり というわけでデモします