ドレミハンドル操舵角に応じた音提示手法の複数種のカーブを用いた検証

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November 08, 22

スライド概要

自動車の初心者ドライバにとって,カーブ走行は操舵の量やタイミングが感覚的で習得が容易ではない.我々は今まで,操舵角に応じた音を鳴らすことで運転を支援する手法ドレミハンドルを提案してきた.しかし,ドレミハンドルと通常のハンドルとで修正舵回数に有意差はなく,実験デザインに問題があったことが示唆された.そこで本稿では実験デザインを改め,複数カーブを対象に比較実験を行った.ここで予備実験の結果,事前にカーブの種類を明示する必要があるとわかったため,システムの改良を行った.また改良システムを用いた実験の結果,通常ハンドルに比べドレミハンドルの修正舵が有意に減り,ドレミハンドルが運転を支援する可能性が示唆された.

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

ドレミハンドル 操舵⾓に応じた⾳提⽰⼿法の 複数種のカーブを⽤いた検証 明治⼤学4年 松⽥さゆり 中川由貴 船﨑友稀奈 渡邉健⽃ ⼤⽯琉翔 中村聡史 ⼩松孝徳 (明治⼤学) ⿃居武史 澄川瑠⼀ ⾼尾英⾏ (株式会社SUBARU) 1

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背景 カーブ⾛⾏は難しい 400 350 334 300 250 200 199 179 213 150 運転が苦⼿な⼈はハンドル操作が 苦⼿と感じている 100 ハンドル操作が特に重要な 50 0 ハンドル ブレーキ アクセル その他 カーブは難しい 運転の苦⼿な項⽬アンケート Yahoo!クラウドソーシング 運転免許を保有する男⼥ 2000 ⼈対象 2

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ハンドル操作を怠ると... 💢 不安定な⾛⾏や事故のもと ハンドルを回すタイミング, 量が視覚と腕の感覚頼り 経験が必要 3

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⽬的 運転初⼼者がカーブ⾛⾏の際に できるだけ安定した操舵を習得 4

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聴覚からの⽀援 • 運転中、報酬⾳が鳴る聴覚刺激により、 ⾞両⾏動を安定化[澄川ら 2021] • メロディーロードの設置によって、 平均速度を遅くさせた[芳野ら 2008] • 視覚を主に使⽤するタスクにおいて、 聴覚掲⽰によって認知的負荷を軽減[岩⽥ら 2009] 5

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ドレミハンドルの提案(HCI195) ドレ ミ ファ ソ ラ シ ド ハンドル⾓度に応じた⾳階の ドレミ⾳が鳴る ハンドル⾓度を 感覚的に伝えられる 6

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ドレミハンドル使⽤映像 7

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不得意な⼈の⾛⾏ 8

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これまでに⾏ってきた実験(HCI195) 同じカーブを繰り返し⾛⾏し,ドレミハンドルの使⽤有無で⽐較 →有意差が認められなかった 原因: ①単調で飽きが⽣じやすい実験設計 ②運転の実⼒を調査するのに不適 松⽥さゆり, 中川由貴, 船﨑友稀奈, 細⾕美⽉, 松⼭直⼈, 中村聡史, ⼩松孝徳, ⿃居武史, 澄川瑠⼀, ⾼尾英⾏. ドレミハンドル: 操舵⾓に応じた⾳提⽰による運転⽀援システムの提案. 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタ ラクション(HCI) 2021, Vol.2021-HCI-195, No.16, pp.1-8 9

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今回の実験 複数種のカーブを⽤意 実験をベース・練習・テストのフェーズに分ける 10

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仮説 複数種のカーブを⾛⾏する際にドレミハンドルを使⽤した場合, 使⽤してない場合よりも修正舵が減少する ハンドル操作の評価指標:修正舵 ハンドルの切り⾜し戻しにより, ハンドル操作を微調整すること 11

12.

予備実験 3種類のカーブ半径,左右合わせて6種類のコースを⽤意 ランダムに⾛⾏ 12

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予備実験 3種類のカーブ半径,左右合わせて6種類のコースを⽤意 ランダムに⾛⾏ →ドレミハンドルの使⽤有無で修正舵に差はなかった 原因: ⾛⾏前に、どの種類のカーブを⾛⾏するかわからない 適切な⾳階の⽬安を⾒つけても活かせなかった 13

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ドライビングシミュレータの改善 カーブ形状の事前提⽰ 14

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実験 急なカーブがあるコース 4種類のカーブ 緩いカーブがあるコース 15

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⾛⾏動画(緩いカーブ) 16

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⾛⾏動画(急カーブ) 17

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実験設計 練習前の実⼒調べ カーブ練習 成⻑の計測 慣れ ベース 練習 テスト 4本 8本 20本 8本 • ドレミハンドル群は練習,テスト⾛⾏でドレミハンドル使⽤ • 両群ともに,実験前に修正舵に注意してほしいことを伝えた 18

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結果 修正舵 ベースを1としたときの テストでの修正舵回数 修正舵が有意に減少した (p<.05) 19

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結果 修正舵(カーブごと) 特に緩い左カーブの修正舵が有意に減少した(p<.01) 20

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結果 ハンドル平均⾓速度 ハンドル⾓速度:単位秒あたりのハンドル操作量 値が⼩さい⽅が,ハンドル操作が緩やか ハンドル⾓速度が減少する傾向 カーブから直線に戻るタイミングの ハンドル操作が緩やかに 21

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結果 主観評価 特に緩いカーブにおいて 有意に曲がりやすいと感じた (p<.01) 22

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考察 修正舵が有意に減少した • ドレミ⾳が鳴ることで,修正舵を認識しやすい • カーブ形状を事前に提⽰することで, この種類のカーブはこの⾳まで回す⽬安を把握しやすい • 緩いカーブはドレミ⾳の変化を捉えやすく,効果的 23

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考察 ハンドル平均⾓速度が減少した ドレミ⾳を聞くことで, ⾳のリズムを意識してハンドルを戻そうとした 24

25.

課題 急なカーブでは⾳の変化が速く,⾳を捉えにくい →カーブの曲がり⽅に合わせた適切な⾳階幅に 25

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まとめ ⽬的:カーブ⾛⾏における安定した操舵の習得 ⼿法:ドレミハンドル 実験:複数種のカーブ・フェーズに分け 結果:修正舵が有意に減少 課題:カーブの曲がり⽅に合わせた適切な⾳階幅 26