PP-Undo: 筆圧の制御により付与されたストロークの 確信度に基づくUndo/Redo手法の提案

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January 16, 23

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

PP-Undo 筆圧の制御により付与されたストロークの 確信度に基づくUndo/Redo手法の提案 明治大学4年 関口祐豊 植木里帆 中村聡史 1

2.

はじめに Q 数学のノートなどにおいて綺麗に ノート作りをしようと思ったことはありませんか? 2

3.

はじめに このように,下書きやメモのような 重要度や確信度の低い箇所をまとめて 消せたらいいのになぁ… 3

4.

はじめに これを解決するような筆圧を軸としたUndo(PP-Undo)を提案 4

5.

背景 2017年 文部科学省の調査 [2018年] 373,475台 5倍以上 2014年 72,678台 タブレット端末の整備台数 文部科学省:学校における教育の情報化の実態等に関する調査. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400306&tstat=000001045486, (参照 2023-1-16). 5

6.

背景 スタイラスペンを用いた情報端末への手書きに着目 情報端末への手書きメモ 6

7.

デジタル手書きの特徴 絵の下書きなどではレイヤーを用いることがある ・レイヤーに分けることで一括削除が楽 ・ノートをとる際のレイヤーの切り替えは手間である 7

8.

Undo/Redo Undo…直前に行った操作を,元の状態に戻す Redo…Undoした操作を,Undo前の状態に戻す 8

9.

Undo/Redoの問題点 従来のUndoでは… 操作の順序に沿ってしかUndoすることができない ctrl + z ctrl + z ctrl + z 9

10.

Undo/Redoの問題点 自信のある部分や重要な部分以外を消したいとき… 順番通りに書いたわけではないためUndo/Redoでは難しい 10

11.

筆圧 タブレットとスタイラスペンを用いた手書きの中でも… 筆圧はユーザが明示的に変化させやすい筆記情報である [東ら 2014] 東孝文, 金井秀明. 切り絵の裁断スキルの向上を目的とするなぞり描き練習システムによる筆圧制御の効果. 情報処理学会 論文誌, 2018, vol. 59, no. 11, p. 1978-1985. 11

12.

提案手法 筆圧の強弱をUndo/Redoの軸として導入 従来のUndoでは困難だった 時系列順ではないものに対してUndoを行う 12

13.

PP-Undo 具体的には… 確信度や重要度の大小に応じて 筆圧をコントロールして記述することで 筆圧の弱いストロークから削除を行うUndo機能 13

14.

目的 PP-Undoがユーザの操作に どのような影響,利点,欠点を及ぼすか 14

15.

システム画面 PP-Undoの実際の画面で説明します 15

16.

実験 PP-Undo と 従来Undo の比較 提案手法の機能を有したノート 右側の提案手法の画面が無いノートで比較 提案手法の利用により,ユーザの手書き入力が どのように変化するのか調査 16

17.

実験概要 実験では2種類のタスクを用意 基礎計算タスク ナンバーリンクタスク 17

18.

実験概要 実験参加者 男性12名・女性8名の計20名 提案手法群10名・従来手法群10名 制限時間 使用端末 1タスク10分 Wacom MobileStudio Pro 13 18 株式会社Wacom, https://www.wacom.com/ja-jp/products/wacom-mobilestudio-pro, (参照2022-12-19)

19.

実験概要 本番試行 練習試行 基礎計算 ナンバーリンク 基礎計算 ナンバーリンク 練習1問 練習1問 4問 3問 練習試行,本番試行ともに始めるタスクの順番はランダム 19

20.

実験結果 全てのストローク量とタスク終了時のストローク量の分布 ストローク数(本) ストローク量の違いや削除されたストローク量の違いを調べるため 提案手法群 従来手法群 20

21.

実験結果 ストローク数(本) 全てのストローク量とタスク終了時のストローク量の分布 それぞれ 左側が書いた全てのストローク量 右側が終了時のストローク量 全て 終了時 提案手法群 全て 終了時 従来手法群 21

22.

実験結果 ストローク数(本) 全てのストローク量とタスク終了時のストローク量の分布 提案手法の方がタスク中に 多くのストロークを削除 全て 終了時 提案手法群 全て 終了時 従来手法群 22

23.

実験結果 ストローク数(本) 全てのストローク量とタスク終了時のストローク量の分布 PP-Undoによってタスク終了時は 提案手法の方がタスク中に 従来とは大きく異なるストローク量 多くのストロークを削除 提案手法群 従来手法群 23

24.

実験結果 提案手法群と従来手法群の筆圧値の標準偏差 ・提案手法群 ・従来手法群 0.139 0.068 提案手法群は筆圧のばらつきが大きい 24

25.

実験結果 提案手法群と従来手法群の筆圧値の標準偏差 ・提案手法群 ・従来手法群 PP-Undoを使用するために 0.139 筆圧を制御している 0.068 提案手法群は筆圧のばらつきが大きい 25

26.

実験結果 ストローク数(本) 提案手法:全てのストローク量とタスク終了時のストローク量 実際に提案手法の方で 多くのストロークを削除 筆圧 26

27.

実験結果 ストローク数(本) 提案手法:全てのストローク量とタスク終了時のストローク量 PP-UndoでUndoの順序を変化させる ことで 実際に提案手法の方で 筆圧の弱いストロークが削除されてる 多くのストロークを削除 筆圧 27

28.

実験結果 提案手法群 従来手法群 提案手法群と従来手法群で分布が大きく異なる 従来手法群と似た分布のユーザも存在 28

29.

実験結果 実際の使用例 29

30.

実験結果 途中式をPP-Undoで 削除していた ・狭いスペースでの計算だった ・ログで筆算は見直し可能 30

31.

実験結果 ・普通のUndoでは難しい ・消しゴムより早く ・ログで自信のある場所 に戻る操作も多かった 31

32.

実験結果 実験後アンケート 高評価 低評価 Undoの使用感 Redoの使用感 筆圧の可視化 ノートの綺麗さ 筆圧を制御すること 32

33.

実験結果 実験後アンケート 高評価 Undoの使用感 Redoの使用感 ノートの綺麗さ 筆圧の可視化 筆圧をコントロールすることに不快感を抱く ユーザがいることが明らかになった 低評価 筆圧を制御すること 33

34.

考察 提案手法の方が筆圧が広く分布している 確信度や重要度に応じて筆圧の強弱を意図的に変更 提案手法の方が最終的なストローク量が減少する 筆圧を制御しPP-Undoを用いることができていた 34

35.

考察 筆圧を制御することに対して不快感を覚えているユーザが存在 PP-Undoの使用感に慣れる必要がある可能性 35

36.

追加実験 PP-Undoの使用に慣れる必要がある可能性 5日間使用してもらう追加実験を行った 36

37.

追加実験概要 実験参加者 男性1名・女性1名の計2名 両者ともにPP-Undoを使用してもらった 実験概要 キャラクタの模写を 1日2回 5日間行ってもらった 37

38.

追加実験結果 筆圧の分布など前の実験で調査した項目において 10回の模写タスクの間に大きな違いは見られなかった 1回のPP-Undoで削除したストローク割合は増加した 38

39.

追加実験結果 PP-Undoの使用例 模写における下書きや迷い線を弱い筆圧で筆記 その後,PP-Undoによって削除をする 39

40.

追加実験考察 1度に削除するストローク割合の増加 提案手法に慣れたことで効率的にUndoする方法を 理解したためだと考えられる 40

41.

今後の展望 ノートを取ったり,問題を回答したりする状況では PP-Undoがより効果的に働く可能性がある 今後は日常的にノートを取る場合や試験に回答する場面で検証 筆圧の強弱によるストロークの濃淡の必要性を 明らかにしている [小林ら 2022] 筆圧の強弱に応じて濃淡や太さを変更することを検討 ⼩林沙利, 植⽊⾥帆, 関⼝祐豊, 中村聡史, 掛晃幸, ⽯丸築. デジタルペンの筆圧による濃淡表現の有無が正答率に及ぼす影響. HCGシンポジウム, 2022. 41

42.

まとめ 背景 従来のUndoでは逐次的に戻ることしかできない 目的 PP-Undoがユーザの操作にどのような影響を及ぼすか調査 実験 PP-Undoと従来Undoの比較 & 5日間の利用実験 結果 筆圧分布やストローク分布,最終的なストローク量が変化 42