2026 外国人児童・生徒への教育 第10回 学校全体アプローチ:学校全体で価値をつくりなおす方法と視点

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June 18, 26

スライド概要

広島大学 教育学部 初等教育学プログラム選択科目「外国人児童・生徒への教育」の授業スライドです

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ことばや文化の多様な背景をもつ学び手(例:外国につながる子どもなど)を手がかりに、教育学の基本問題である「教育の目的」「カリキュラム」「評価」を捉え直しています。近年は「何ができるようになったか」を到達的に示すことが求められがちですが、その中で学びが「標準への適応」や「不足の補い」として語られやすくなる点にも目を向け、人格の形成や関係、場への参加といった教育の価値を、カリキュラムと評価の視点で考え直します。

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各ページのテキスト
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 ユニット1 ユニット2 ユニット3 多数者の教育学から 多様性の教育学へ 外国人児童生徒もいる学校・教室の場で子どもたちを育てる方法 多言語・多文化の教育課題 を分析する ①日本語教育 アプローチ 概要 受入方 社会と 日本語 教科と 日本語 誰 法 歴史 指導 ②バイリンガル ア プローチ 初期指 言語構 バイリ ンガル 導 造 ③学校全 ④学校外 体アプロ 連携アプ ーチ ローチ 複数言 学校づ 語指導 くり 分析1 15 分析2 分析3 まとめ 学外連 学校事 学校事 少数散 レポー 携 例分析 例分析 在地域 ト

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この絵が意味することと、その課題は? 外国につながる子どもと学校に置き換えると 「箱」「柵」「野球」はそれぞれ何だろう?

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視点 ⓐ日本語アプローチ Ⓒ学校全体アプローチ 視覚化・操作化・体験化・文脈化・やさしい日 本語を用いながら日本語の力を伸ばしていく 行事,特別活動,学校システムの中に 組み込む,子どもを活躍の場をつくり 学校全体の多様性を認め力を作る ねがい 学校の カリキュラム 目的・目標 ⓑ多言語・多文化アプローチ 複数の言語を積極的に使う経験をすることで 認知を伸ばしていく, 複数の言葉と文化に根ざしたアイデンティティ を大切にする すがた 目的・目標 に対して どうなったか ⓓ学校外連携アプローチ 外部のNPOやボランティアと提携し 学校だけではなしえない 共生の力を地域全体で育んでいく

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広島県A小学校の取り組みから考える

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広島県A小学校の取り組みから考える この10年ほどの間に、次第に落ち着いてきた。と言われる。 途中から入ってきた子ども。 日本語はある程度は話せる子どもなんだけど,隣の女の子が通訳したり話しかけたり していた。 ある時男の子が「おまえ日本語でしゃべれや。中国語を喋るなや」と言った。以前だ ったら,周りはシンとなって,言われた子は悲しいばかりで,しょっぱなからやられ てしまうという構図があった。一応謝るけれど,心からの会話ではない。 ただ今回は別の日本の女の子が「言ってあげんさんなや,わからんのじゃけしょうが ないじゃん。教えてあげとったんじゃけ」と言って守った子がいた。男の子はタジタ ジになってもうものも言わなかった。客観的に見て正しいことをそういう風にフォロ ーできる子どもが増えてくるようになった。 この学校の近くには、県で一番の進学校のA高校がある。 この高校には、外国から来た子どもたちはまず進むことはできない高 嶺の花の学校だったんです。 ただ、ここ数年、この基町高校に、中国から来た子どもが入学するよ うになってきたんです。これはこれまでにない大きな変化です。

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なぜ、A小学校は「変わった」のか? そこに「共生」を生み出すヒントはあるのか? Teamsの中の4つのエピソードを、グループの中で手分け して読んでください。 エピソード① 校内放送 エピソード② 卒業式 エピソード③ 教務主任 エピソード④ 龍踊り これら4つのエピソードに共通する 「分断された世界に変革を起こす学校の仕掛け」 を見つけ出しましょう

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エピソード① 校内放送 可視化 マイノリティの子どもの「日本語」が公的な放送で、可視化される 価値の共有 校内放送を通して、「頑張っている姿」が全体に共有される 価値の承認 外国につながる子どもたちの「声」が全体で認められる空気が生まれる エンパワメント マイノリティの子どもたちの自信につながる 「普通」の変化 上手でも下手でも「日本語」はいい。それが「当たり前」

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エピソード③ 教務主任 可視化 「教務主任兼日本語教室主任」の存在によって、日本語学級の毎日 の活動が学級担任に見えるようになる。 価値の共有 日本語教室の子どもたちの学び、日本語教室の先生たちの取 り組みが共有される 価値の承認 日本語教室は日本語での宿題やテストを補う場ではない。 日本語そのものや教科とつながる日本語の学びの場として重要だ という理解が得られる エンパワメント 日本語学級の先生たちの活動が承認され、日本語学級を 下請けではない学びを生み出せるようになる。 「普通」の変化 この学校で「日本語学級」は学校の中心的役割の1つ 欠かせない1つだという認識が「当たり前」になる

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「可視化」が人をつなぐ装置となる 可視化 地域外 地域 学校 価値の共有 日本語教室 学級 価値の承認 「可視化」はつながりを生む。 エンパワメント 価値は共有され、マイノリティが承認されていく 「普通」の変化 承認はやがて「普通」のあり方を変える 参考文献 南浦涼介,石井英真,三代純平,中川祐治(2021)「実践の可視化と価値の物語化から見る『評価』概念の問い直し─ 日本語教育実践における共同体構築にもとづいて」『教育方法学研究』第46巻, pp.85-95.

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ⓐ日本語アプローチ Ⓒ学校全体アプローチ 視覚化・操作化・体験化・文脈化・やさしい日 本語を用いながら日本語の力を伸ばしていく 行事,特別活動,学校システムの中に 組み込む,子どもを活躍の場をつくり 学校全体の多様性を認め力を作る ねがい 学校の カリキュラム 目的・目標 ⓑ多言語・多文化アプローチ 複数の言語を積極的に使う経験をすることで 認知を伸ばしていく, 複数の言葉と文化に根ざしたアイデンティティ を大切にする すがた 目的・目標 に対して どうなったか ⓓ学校外連携アプローチ 外部のNPOやボランティアと提携し 学校だけではなしえない 共生の力を地域全体で育んでいく

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「共生」に向かっていくための「平等・公正」とは? 社会正義の視点とその意味 例 A 再分配する 「箱」をどう配るか?=EQUITY(公正) 日本語指導、通訳、 マイノリティに足りていない資源・機会を届 教材、進路情報 ける B 承認する 「背が低い=足りない」と見ない マイノリティが持つ本来の価値を認める C 「普通」を 決める側に入 る 誰が「何の試合をどう見るか」を決めるのか 行事、授業、校内 「この場の普通」を決める側にその子も入る ルール、学校文化を 変える 母語、名前、文化、 経験、声を学校で大 切にする ←この絵の “EQUITY” は、主に「再分配」を表している。 しかし、学校全体アプローチで大事なのは、箱を配るだけではない。 外国につながる子どもの言語・文化・経験・声を「承認」し、 学校の「普通」そのものを変えていくことである。 参考文献 フレイザー, N. 2013『正義の秤〈スケール〉─グローバル化する世 界で政治空間を再想像すること』法政大学出版局)