西洋美術史ゼミ第二回:原始美術と古代オリエント美術

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March 25, 22

スライド概要

隔週程度で行っている、世界史と西洋美術史の勉強会のスライドです。私は理系の学生なので厳密な考証は行っていませんが、可能な限り正確に書くことを心掛けたつもりです。今回は原始美術とメソポタミア、エジプトの美術について扱っています。以下のURLからスライドと補足資料をダウンロードできます。
https://github.com/amazuun/Art_of_Europe

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理系の大学生です。近代以降の美術史や思想史、現代美術について興味があります。厳密な考証は行っていませんが、可能な限り正確に書くことを心掛けています。後の物の方が出来が良いので、最新のものを最初に読むことをお勧めします。githubからはスライドと補足資料をダウンロードできます。参考文献は補足資料に記載しています。

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各ページのテキスト
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西洋美術史ゼミ 第二回 原始美術と古代オリエント美術 発表者 あまずん

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発表者について あまずん Twitter : @quii_w (メイン) @amazuunsc(サブ) 理系の大学生(数学専攻)をやっています。 近代以降の美術史や思想史、現代美術について 興味があります。

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前回の内容 ⚫イントロダクション • 講義についての説明 • 美術とは?

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本日の内容 • 原始美術 • 古代メソポタミア美術 • エジプト美術 以上の事柄について、時代背景→美術の順番で説明を行います。

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全体についての概略 • 美術の主な潮流はヨーロッパを中心に展開していきますが、今 回はその前段階として、儀式・呪術的な意味合いの強い、素朴 な人間の営みの産物としての芸術作品について説明していきま す。 • アカデミズムとは離れた文脈にあるため、宗教との結びつきが 強いのが特徴です。そのため、美術として語られるというより も、文化史の一部として扱われるものが多いです。博物館に行 く時の楽しみを増やせれば、と思います。

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当時の情勢について:先史 年代 時代 概要 700万年前 人類の誕生 アフリカで誕生。猿人、原人、旧人、新人が登場し、新 人は現生人類に属する。二足歩行し、言語、火を使い始 め、道具を製作しだした。 3万年前 旧石器時代 洞穴に住み、いくつかの家族が集まった群れ(ホルド) を作っていた。 1万年前 中石器時代 氷河期の終了、温暖化。小動物が多くなり、弓矢が普及 した。 8000年前~ 新石器時代 狩猟・採集から農耕・牧畜へ。灌漑農業の開始により都 市国家が成立し、四大文明が形成された。今回扱うのは そのうちメソポタミア文明とエジプト文明。青銅器、文 字、階級が生まれた。

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原始美術(1) • 旧・中石器時代の美術品は以下のようなものがある。 1. 洞窟絵画 2. 岩陰彫刻(岩の壁面に作られた絵画や彫刻) 3. 丸彫彫刻(仏像のように周囲がすべて彫られた彫刻) 4. 刻線画(岩や壁面に意匠、文字が刻まれた彫刻。) • 現実のものを造形的に再現するものであり、呪術的な要素が強 い。連続的な継承と蓄積を重ねるものではなかった。

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原始美術(2) 洞窟絵画の例 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA のラ イセンスを許諾されています 岩陰彫刻の例 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA のライセンスを許諾されています

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原始美術(3) 丸彫彫刻の例 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA の ライセンスを許諾されています 刻線画の例 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA のライセンスを許諾されてい ます

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原始美術(4) ⚫新石器時代に農耕・牧畜が始 まり、新しい文化が現れた。 • 石斧、石臼などの磨製石器が 製作された。 • 穀物の貯蔵に土器が作られ、 彩色された彩文土器が作られ た。 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BYNC-ND のライセンスを許諾されています

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当時の情勢について:オリエント ⚫オリエントとは? • 「太陽の昇るところ」を意味するラテン語が由来。 • 今日「中東」と呼ばれるところを指す。 • 雨が少なく高温で、オアシス農業が営まれた。 • 王が神or神の代理者として統治する 神権政治が行われた。 • 実用的な文化が発達したが、合理的・ 学問的な文化は生まれなかった。 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA のライセンスを許諾 されています

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当時の情勢について:メソポタミア • BC3000頃、シュメール人がメソポタミアに都市国家を作った。 • 灌漑農業が行われており、楔形文字が使われた。「ギルガメ シュ叙事詩」が作られたのはこの頃。 • BC2000頃、アムル人はメソポタミアに侵入し、バビロン第一 王朝(古バビロニア王国)を樹立。ハンムラビ王が支配。 • BC1700頃にヒッタイト人がバビロン第一王朝を滅ぼす。 • 馬、戦車、鉄製武器を使用した。 • BC1000頃、「海の民」(混成移民集団)によりヒッタイト滅 亡。

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当時の情勢について:オリエント統一 • 前7世紀前半にアッシリアが最初にオリエントを統一。 • アッシリアが滅んだあと、4つの国が分立。 • 4つの国とはメディア、新バビロニア、エジプト、リディアで ある。 • メディアの支配下にあったペルシア(イラン)人がメディアを 滅ぼし自立。その後他の国を征服し全オリエントを統一。これ をペルシア王国アケメネス朝という。 • ペルシア語、アラム語を公用語とし、楔形文字を表音化したペ ルシア文字を使用。また、ゾロアスター教(拝火教)を奨励。

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メソポタミア美術(1) ⚫シュメール美術 • 聖職者を中心とする支配者階級の美術である。 • 前述した彩色土器や頭部像、神殿、礼拝者像などが作られた。 卓抜な構成力と精巧な技術が認められる。 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BYSA のライセンスを許諾されています この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA のライセンスを許諾されています

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メソポタミア美術(2) ⚫アッシリア美術 • 浮彫が特徴的で、叙述性と形象表現に優 れる。 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY のライセンスを許諾されてい ます ⚫アカイメネス朝ペルシア美術 • オリエント各地の美術を統合した総合的 美術様式を確立した。支配階級の趣味に 合致した世俗的なものであった。

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当時の情勢について:エジプト(1) • ナイル川周辺でエジプト文明が発展。 • 王はファラオとよばれ、神として人々を支配した。 • 死後の世界を信じ、ミイラや「死者の書」を作った。 • ヒエログリフを使い、それを簡略化した文字も生まれた。 • ナイル川の定期的な氾濫のために、太陽暦、測地術が発展した。

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当時の情勢について:エジプト(2) • 古王国時代(前27~22世紀):ピラミッドの建設。 • 中王国時代(前21~18世紀):混乱からエジプト再統一。 • 新王国時代(前16~11世紀):エジプト美術の最盛期。 一神教を強制する宗教改革が行 わ われた。

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エジプト美術(1) ⚫古王国時代(BC2686~BC2181) • ファラオの神権的権力が確立し、中央集権 が進んだ。 • 建築においてはピラミッドが建立され、葬 祭殿を始めとする宗教建築も発展した。 • 幅広い表現力を有し、緻密な写実と理想化 を追求した。 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY のライ センスを許諾されています

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エジプト美術(2) ⚫中王国時代(BC2050~BC1786) • 巨大ピラミッドは建設されなくなった が、独創的な葬祭殿や神殿が造営され、 オシリス柱やハトホル柱などの意匠も 出現。 • 写実的な新様式が生まれ、古王国時代 以来の理想主義と二大潮流を形成する。 • 大型の石像彫刻はなくなり、木製の小 像が増える。 この写真 の作成者 不明な作成者 は CC BY-SA のライセンスを許諾さ れています

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エジプト美術(3) ⚫新王国時代(BC1786~BC1567) • エジプト美術の最盛期。 • 都のテーベを中心に大造営事業が推進 された。 • オベリスクと王像もかつてない大きさ を誇る。 • 中王国時代の二潮流に加え、優美な装 飾性と豪華な色彩主義が加えられた。 • 浮彫と絵画では理想化が進む。

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エジプト美術(4) ⚫アマルナ美術(BC1417~1362) • アメンホテプ4世が宗教改革を行い、唯 一神アテンへの信仰が行われた。 • これに伴い、写実主義・自然主義的傾 向が顕著となった。 • アメンホテプ4世の死とともに終結する が、後の時代に影響を及ぼし、「ツタ ンカーメンの黄金のマスク」などに名 残が見られる。 • これ以降は大きな展開はなかった。

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次回の内容 • ギリシア美術とローマ美術 西洋美術の原点である、紀元前 のギリシア美術とローマ美術に ついて見ていきます。 • 関連するワード: 1. アルカイックスマイル 2. ミロのヴィーナス Livioandronico2013 - 投稿者自身によ る作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org /w/index.php?curid=54858474による