【学会発表スライド】タデアイにおけるインジカンの役割について

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December 21, 22

スライド概要

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幼い頃から生き物が好きで大学で生物を専攻。『研究』と出会う。子どもたちにもっと早くから研究に触れ、研究する力と根拠に基づく行動力、実行力を身につけてほしい。 【塾講師・中高理科教諭歴10年、理科教育推進認定教員、小中高生研究アドバイザー、探究学習プランナー】

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

https://www.komon-ya.net/works/20200122/

2.

研究背景

3.

研究背景① ~タデアイについて~ ・タデ科イヌタデ属に属している。 ・インジカンを多く含有している。 酵素・酸化 インジカン 藍染め

4.

研究背景② ~インジゴ合成の反応経路~ グルコース 酸化 酵素 インジカン インドキシル インジゴ

5.

研究背景③ ~インジカンを含有する植物~ 南2001 佐々木2015 牛田2016 インジカン リュウキュウアイ(キツネノマゴ科) アイカズラ(ガガイモ科) タデアイ(タデ科) ハマタイセイ(アブラナ科)

6.

研究目的 酵素・酸化 インジカン インジゴ

7.

研究目的 酵素・酸化 生物行動学的実験 インジカン インジゴ タデアイにおけるインジカンの役割について検討

8.

実験材料および方法

9.

実験材料および方法① ~和紙の成形、染色、風乾~ 藍の生葉30g 一辺3cm 3分間浸す

10.

実験材料および方法② ~マダラシミの行動観察~ × 30匹 × それぞれ 8枚ずつ 30cm モザイク状に並べて設置

11.

実験材料および方法② ~マダラシミの行動観察~ × 30匹 × それぞれ 8枚ずつ 5~7日間 約30℃ 30cm

12.

結果

13.

結果① ~捕食行動実験前の和紙~ 藍染めを施さなかった和紙 藍染めを施した和紙

14.

結果① ~捕食行動実験前の和紙~ 藍染めを施さなかった和紙 藍染めを施した和紙

15.

結果② ~捕食行動実験後の和紙〜 藍染めを施さなかった和紙 藍染めを施した和紙

16.

結果② ~捕食行動実験後の和紙〜 藍染めを施さなかった和紙 藍染めを施した和紙

17.

結果③ 〜減少面積の解析〜 2種類の和紙で傾向が異なる ➔ 画像解析ソフトImageJを用 いて減少面積を算出した

18.

考察

19.

考察① 〜マダラシミが捕食した和紙について〜 捕食 捕食

20.

考察① 〜マダラシミが捕食した和紙について〜 捕食 インジゴは マダラシミの捕食を忌避させる効果 があると考えられた。 捕食

21.

考察② 〜外敵の捕食とインジカンとの関係〜 インジカン 植物体の細胞破壊 空気への露出 インジゴ

22.

考察② 〜外敵の捕食とインジカンとの関係〜 インジカン 植物体の細胞破壊 インジゴ 「昆虫類の咀嚼により、 インジカンはインジゴへと変換される可能性がある」 空気への露出

23.

考察② 〜マダラシミの系統的との関係〜 マダラシミが含まれる無翅亜綱 → 系統的に見ると原始的な昆虫グループ(渡辺 2020を改変)

24.

総括

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総括 ・マダラシミは藍染め加工を行っていない和紙を多く捕食した ➔ インジゴはマダラシミに対し捕食を忌避させる効果があると考えられる ・植物体の細胞の破壊と空気への露出により、インジカンはインジゴへと変換する ➔ 昆虫類の咀嚼により、植物体内のインジカンはインジゴに変換される可能性 ・マダラシミは系統的に見ると原始的な昆虫の一種である。 ➔ 昆虫類全体と同じ特徴を持っていると推測 ・インジカンは系統を超え、複数の植物種において生合成が可能である ➔ 系統が異なる種においてもよく似た性質をもつ収斂進化の例であると推測

26.

今後の展望

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今後の展望 ストレス応答の比較実験や遺伝子実験 タデアイにおけるインジカンの役割