UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ ユーザーファーストな開発を組織に浸透していくために、どのように UX成熟度モデルを活用しているか?

702 Views

October 04, 23

スライド概要

LIFULLで取り組んでいる「UX成熟度モデル」を活用した開発チームごとの成熟度の可視化やUX活動の浸透施策、社内で推進しているリサーチの活用について紹介します。
イベント記事:https://note.com/lifull_product/n/n5fff0c39ff83

profile-image

LIFULL HOME'Sを運営する株式会社LIFULLのアカウントです。 LIFULLが主催するエンジニア向けイベント「Ltech」等で公開されたスライド等をこちらで共有しております。

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

2023.06.15 uniiリサーチセミナー UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ ユーザーファーストな開発を組織に浸透していくために どのようにUX成熟度モデルを活用しているか? 株式会社LIFULL テクノロジー本部 ユーザーファースト推進ユニット 小川美樹子 1 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

2.

自己紹介 小川美樹子 株式会社LIFULL ユーザーファースト推進ユニット / UXリサーチャー HCD-Net認定 人間中心設計専門家 • 2008年にネクスト(現LIFULL)にWebデザイナー(コーダー)として入社、 サービス開発の部門で、物件検索サービス・物件登録サービスなどの開発を担当。 • HCD(人間中心デザイン)に興味を持ち、 東京都立産業技術大学院大学(AIIT)「人間中心デザイン」修了。 • HCD(人間中心デザイン)を業務で実践していくために ユーザビリティテスト・ユーザー調査などのUXリサーチを担当サービスの開発に取り入れる。 • 2017年、品質戦略部署に新設されたユーザーファースト推進グループに異動、立ち上げ。 2 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

3.

LIFULLについて 3 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

4.

LIFULLについて 4 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

5.

LIFULLについて 5 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

6.

所属チーム紹介 LIFULLへユーザーファーストな開発を推進 ユーザーファースト推進ユニットでは、LIFULLが提供しているサービスに対して 組織横断的に、ユーザーファーストな開発を推進。 取り組みのひとつとしてUXリサーチを実施している。 各サービスの 開発運用チーム チーム チーム ● チーム ユーザーファースト推進 ユニット ● ● ● ● サービスを開発運用するチームから依頼をうけUXリサーチ(+α)を実施 / サービスを開発運用するチームへUXリサーチの提案 ○ ユーザビリティ評価 ■ 改善提案、施策化サポート ○ 利用者の現状理解の調査+課題、ニーズの抽出 ■ 現状把握のサポート、UXデザインのサポート ○ 仮説検証、プロトタイピング PMと連携し開発プロセスへのUXリサーチ導入 各サービスのユーザビリティ指標の計測 UXリサーチをはじめとするHCD(人間中心デザイン)についての教育啓発 調査方法、分析方法の開拓 6 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

7.

今日お話しすること ユーザーファーストな開発を 組織に浸透していくために どのようにUX成熟度モデルを活用しているか? 7 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

8.

UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ 目次 1. 背景 2. UX成熟度モデルとは 3. LIFULLでのUX成熟度モデル活用 4. UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット 8 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

9.

UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ 目次 1. 背景 2. UX成熟度モデルとは 3. LIFULLでのUX成熟度モデル活用 4. UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット 9 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

10.

UX成熟度モデルを計測することになった背景 きっかけは、品質の可視化への取り組み 品質パートナーシッププログラムのひとつとして、各プロダクトのUXの良し悪しを可視化できないか? ● プロダクトの「持続可能性」や「長期的発展」のための品質ロードマップをたてることを目的とした活動 ● セキュリティ、運用監視体制、QAなど、各品質の可視化 ● UXを計測する方法で、標準的に確立されている手法がない ● 計測後、改善していこうと考えた時、プロダクトのUXが対象だとアプローチが間接的になる 紆余曲折 ○ 計測する私たちが開発をしているわけではないので、計測指標としては関与できない事象の影響が大きい サービスのUXを良くするためには、開発チームがUXに取り組むようになれば良いのでは? ● 開発チームのユーザーへの関心が高まり、ユーザーに向いた立案・仮説検証・効果検証をしていけば、サービスの UXも向上し ていくのではないか ● プロダクトを直接変えることはできないが、プロダクトを開発しているチームにアプローチすることはできる ● サービスのUXをよくするために、ユーザーファースト推進のチームが直接関与できる分野での見える化 UX成熟度の計測 ● 開発チームのUXに対する姿勢を見える化することに ● 2020年から取り組みはじめ、2022年から本格的に活用開始! 10 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

11.

UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ 1. 背景 2. UX成熟度モデルとは 3. LIFULLでのUX成熟度モデル活用 4. UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット 11 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

12.

UX成熟度モデルとは: LIFULLで採用している UX成熟度モデルの紹介 Nielsen Norman GroupのUX成熟度モデル(2021) ● 組織のUXに関する長所と短所 を評価するためのフレームワーク ● 組織のUX成熟度に寄与する 4つの要因と、UX成熟度の6段階から構成 ○ 組織に、どの程度UXが浸透しているのか判断することができる ↓ この記事をチェック👀 ↓ この記事をチェック👀 https://www.nngroup.com/articles/factors-ux-maturity/ https://www.nngroup.com/articles/ux-maturity-model/ 12 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

13.

UX成熟度モデルとは: LIFULLで採用している UX成熟度モデルの紹介 Nielsen Norman GroupのUX成熟度モデル(2021) UX成熟度のステージ(6段階) .UX成熟度の 高い組織. .UX成熟度の低い組織 . UX成熟度に 寄与する4要因 1 :不在 2 :限定的 3 :新興 4 :構造化 5 :統合的 6 :ユーザー主導 Absent Limited Emergent Structured Integrated User-driven 戦略 Strategy 文化 Culture プロセス Process 結果 Outcomes ● UX成熟度の各6ステージごとに 、4要因とそのサブファクタの解説も豊富 😍 ○ ● 次のステージに レベルアップする方法 も記載があり⚡⚡⚡ 各4要因ごとに、UX成熟度の低い組織・高い組織の特徴についても、解説が豊富 😍 13 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

14.

UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ 1. 背景 2. UX成熟度モデルとは 3. LIFULLでのUX成熟度モデル活用 4. UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット 14 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

15.

LIFULLでのUX成熟度モデル活用例 UX成熟度:活用の目的 ● ユーザーファースト推進チーム が開発チームにサポートする時 どんな内容を支援すべきか、どこに注力するべきか の目安をつける やっていること やっていないこと ● 具体的な支援業務の参考にする ● UX成熟度で開発チームを格付け ● 開発チームごとにUX成熟度を判断 ● 開発チームのUX成熟度を均一化 ● UX成熟度を緻密に計測 15 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

16.

LIFULLでのUX成熟度モデル活用例 UX成熟度:活用の流れ ● スタートは開発チームを支援 し、開発チームを知るところから ● UX成熟度の判断や支援内容の検討は、 だいたい3ヶ月おきに見直し 開発チームを支援 UXリサーチの実施やその後のフォロー、UX設計のレクチャーなどなど UX成熟度を 判断 支援方針の 検討 開発チームの状況を知った上で、UXリサーチャーが判断 1. ステージの目安をつける 2. 当てはまる内容にチェック 3. 要素ごとの強み・弱みの把握 16 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

17.

LIFULLでのUX成熟度モデル活用例 ※UX成熟度モデルからほんの一部を抜粋、DeepLやGoogle 翻訳を駆使しています UX成熟度に 寄与する4要因 戦略 Strategy 文化 Culture プロセス Process ステージ2 :限定的 - Limited - ステージ3 :新興 - Emergent - 一貫性がなく、不規則に、一部の人々はUX の取り組みを進めようとしています が、多くの場合、良い結果を達成できません。 UXの取り組みは機能的で有望だが、一貫性がなく、非効率的に行われている。 ✔ステークホルダーやクライアントの要望より、UXは優先順位が低い。 ✔UXの取り組みは他の優先事項から余ったリソースを使うだけ。 ・リサーチはリクエストに応じて行われ戦略的でない。 ・UXの取り組みについて、長期的な投資よりも、短期的な成果を優先。 ✔UXの価値に対して理解不足。 ✔UXに投資するための証拠を求めている。 ✔UXは "必須ではないがあったほうがいい"と思われている。 例:限定的で"見栄えを良くする "ことだと思われている ・UXのメソッドを正しく使用できていない 例:ユーザー調査の代わりにヒューリスティック評価をしたり ・一部ではUXを導入したいが、多くはそれを無視する。 ✔UXの取り組みはするが、特定の時期だけでタイミングが遅く効果が得られて いない。 ✔UXプロセスが、プロジェクトのスケジュールやチームの創造性に悪影響を与 えると見なされている。 結果 Outcomes How to Level Up ✔経験やリソースの不足により、UXのとりくみが低品質になる ✔UX関連の指標は悪用されたりする (バニティメトリクス・虚栄の指標) ・文化とプロセスという2つの重要な成熟要素に焦点を当てる。 ・UXについて関心を持ってもらうために、関係者の興味関心を知る。 ・正しく行う方法を学ぶことに時間を投資する。 ・デザイン品質が低いことへの認識があるが、局地的な対応でなんとかしようと している。 ・UXの指標はさまざまで、戦略的な整合性がない。悪用される。 ・UX成熟度のプロセス要素に焦点を当て、一貫した意図的なアプローチを適用 し、コラボレーションの方法と手段を体系化 ・さらに、文化を優先し続けます。 17 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

18.

UX成熟度モデルでユーザーファーストな組織へ 1. 背景 2. UX成熟度モデルとは 3. LIFULLでのUX成熟度モデル活用 4. UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット 18 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

19.

まとめ:UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット UX成熟度を取り入れたことで、メリットしかない! レベル感の伝えやすさ・伝わりやすさ ● UX成熟度モデルという『同じものさし』で会話ができることのスムーズさ 開発チームへの支援しやすさ ● ● 開発チームの強み弱みが見え、注力するポイントが明確に アドバイスをする視点が定まり、狙いを持って支援できるように 支援スキル向上 ● 属人化しがちな、支援の内容や種類の一部が標準化 19 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.

20.

まとめ:UX成熟度を取り入れたことのメリット・デメリット UX成熟度を取り入れたことで、メリットしかない! レベル感の伝えやすさ・伝わりやすさ ● UX成熟度モデルという『同じものさし』で会話ができることのスムーズさ 開発チームへの支援しやすさ ● ● 開発チームの強み弱みが見え、注力するポイントが明確に アドバイスをする視点が定まり、狙いを持って支援できるように 支援スキル向上 ● 属人化しがちな、支援の内容や種類の一部が標準化 UX成熟度モデルの活用、本当におすすめ! そしてお互いの取り組みを共有しませんか〜 🙌 20 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.