市谷さんの本に学ぶアジャイル組織新設の具体例について_レッドカンファレンス

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October 04, 23

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2023.10のレッドカンファレンスの資料になります。

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1.

レッドカンファレンス 市谷さんの本に学ぶアジャイル組織新設の 具体例について ニッセイ情報テクノロジー株式会社 小泉 岳人

2.

目次 1.はじめに 2.自己紹介 3.アジャイル開発の3つの難しさ 4.マインドセット 5.チーム協働 6.練度について 7.まとめ 1

3.

はじめに はじめに 2

4.

はじめに 「自社のカンファレンスで支援している事例について 登壇して話してもらえませんか?」 「是非お願いします!! (が、何を話したら良いかな?・・・?)」 3

5.

はじめに そんな時は 仮説キャンバス Insurtechラボ 聞いてくれる人 4

6.

はじめに 巨人の肩に乗る 「巨人の肩に乗れ」という言葉があ ります。先達が既に築き上げてきた 知恵があるならば、その上に乗って 仕事をすればいい。肩を借りて、前 に進む。目の前に広がる新たな風景 を目のあたりにして、また自分なり に講じていけばいいのです。 これまでの仕事 これからの仕事 P4より 5

7.

はじめに という事で、これらの本を実際に適用してみた事例をご説明します。 6

8.

自己紹介 自己紹介 7

9.

自己紹介 小泉 岳人 X(Twitter):@koitake_ ニッセイ情報テクノロジー株式会社 保険インフラ事業部 Insurtech推進室 室長 趣味:コントラバス ・生命保険会社のシステム開発のPM (プロジェクトマネージャ)を10数年 8

10.

自己紹介 会社紹介 「保険・共済」「年金」「ヘルスケア」といっ た社会保障領域のマーケットに対して、ITサー ビスやコンサルティングなどを提供していま す。社会や生活の基盤となるプラットフォー マーを目指し、新たな価値の創造に取り組んで います。 会社名 設立 事業内容 従業員数 売上高 ニッセイ情報テクノロジー株式会社 1999年7月 保険・金融に関するシステム事業等 2,480名 (2023年4月1日 現在) 784.41億円 (2023年3月期 9

11.

自己紹介 10

12.

自己紹介 11

13.

自己紹介 『理解しやすい保険体験が「優しい世界」を創る』 ミッション ・現在、保険に入っている人/保険に入ろうと思っている人が保険に向き合おうとしたとき、 複雑難解な保険というものが理解・信頼できず、後悔しないよう びくびくしなければなりません。 これは耐え難い事です。 ・本来、扶け合いの「優しい世の中」を創るための保険が、マイナスに思われていることが 我慢できません。 ・私たちは、人々が納得して保険に出会え、前向きな気持ちで保険と向き合える世界。 また、保険業界の人が新たなチャレンジをし、よりユーザーを喜ばせようとする世界を 夢見ています。 ・私たちは、「Insur×Tech Scrum(後述)」という活動を通じて、変革を目指し 日々活動することで、その世界を実現します 12

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自己紹介 ビジョン 13

15.

自己紹介 バリュー 14

16.

自己紹介 戦略 15

17.

自己紹介 取組事例 16

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アジャイル開発の3つの難しさ アジャイル開発の3つの難しさ 17

19.

アジャイル開発の3つの難しさ アジャイル開発の3つの難しさ 「できるだけ失敗しないようにやる」というマインド 1.これまでとは異なるマインドセットが セットではなく、「失敗から学びを得て適応する」と 求められる いうマインドセットに立つ 2.チームの協働が前提 アジャイルな振る舞いを誰か一人でではなく、チーム として体得し、チーム内外で滑らかな協働が必要 3.振る舞いには相応の練度が必要 状況に適応するために、反復的(イテレーティブ)、 漸次的(インクリメンタル)というスタイルを身に着 けることが求められる(プロセスとエンジニアリング 両面において) 18

20.

アジャイル開発の3つの難しさ アジャイル開発の3つの難しさ チーム協働 マインドセット 練度不足 デザイン思考、仮説検証、アジャイル開発、プロダクト作成、 組織変革・・・ 1年間は悩みと試行錯誤の日々 19

21.

アジャイル開発の3つの難しさ 1.マインドセット QCD以外の目標が ないプロジェクト 価値の 探索 2.チーム協働 リソース 効率中心 チームでの 協働 3.練度不足 計画、実績重視の 進め方 リーン、スクラム、 XP、デザイン思考 20

22.

アジャイル開発の3つの難しさ アジャイル開発の3つの難しさに立ち向かったキーワード マインドセット 1.ゴールデンサークル 2.失敗を抱擁しよう チーム協働 3.組織バックログ運営 4.合宿 練度不足 5.メンター 6.アジャイルCoE 21

23.

マインドセット マインドセット 22

24.

マインドセット チームのゴールデンサークルを描く チームでジャーニーを始める際やファーストの切り替えの必要性 を感じたときに、チームのゴールデンサークルを描いておこう Why How What チームジャーニーP71より ファーストに基づく ミッション定義 Whyを実現する作戦 作戦に基づく 具体的なタスク 23

25.

マインドセット チームのゴール設定って簡単に いうけど、 どうやればよいんだろう? 24

26.

マインドセット ゴール設定は練習が必要!!色々な価値を見つける練習がいる。 チームの価値 プロダクトの価値 仮説キャンバス 我々はなぜここ にいるのか? 自分の価値 ゴールデン サークル 25

27.

マインドセット GCLT(ゴールデンサークルライトニングトーク) 四半期に1回、メンバーでゴールデンサークルと目的とふりかえりを作成し、メン バーで表明しあう。 26

28.

マインドセット 仮説キャンバス 書いてみる 整合させる 想いを乗せる 砥いでいく 練習する 毎週1個ペー スで作成して 練習中 27

29.

マインドセット 実験しよう 実験は意図した改善に結びつくかもしれないし、結びつかないかもしれない。 しかし実験をすれば、次の実験に役に立つ洞察が必ずもたらされるはずだ 失敗を抱擁しよう 本当の失敗はひとつしかない。それは、失敗から何も学ばないという失敗だ。 リーン開発の現場P109 28

30.

マインドセット 正解のメンタリティ 活動に対して何となく「正解」を求めるようになってしまう。 そのことで、意見が活発に出なかったり、 具体的なアクションが定まりづらくなっていく 29

31.

マインドセット 私たちは、「共創相手と一緒に愛おしい失敗をしてエンドユーザへの価値を探 索すること」を夢見ている (2023.2Q目標から抜粋) ←愛おしい失敗例 を多く作り出す 30

32.

チーム協働 チーム協働 31

33.

チーム協働 バックログは、チームの「脳内」を表したものだ。 いま取り組むべきものについての共通理解を得るための「可視化」さらに粒度を ある程度あわせるための「構造化」何から取り組むのかという「順序付け」が役 に立つ。こうしたバックログによる運営を行わなければ、チームの頭脳は混乱 し、行動を揃えようがない。 組織を芯からアジャイルにする P95より 32

34.

チーム協働 まずは自組織の運営メンバーで組織バックログを作って回してみた 33

35.

チーム協働 明らかな停滞 34

36.

チーム協働 停滞の原因 35

37.

チーム協働 組織バックログを進めるTips ① 組織のビジョンを設定 ② ビジョンに対して、バックログを構造化 ・バックログを6つのビジョンの要素に紐づけて管理 ③ 協働のメンタリティ(モブワーク) ・モブワークを基本とする 36

38.

チーム協働 <合宿のすすめ> 合宿のメリット 1.集中(時間・場所・目的) 2.リードタイム短縮(調整とアクションプラン) 3.高揚感 KAIZEN JOURNEY 合宿のアンチパターン 1.いつもと同じ場所 2.目的・ゴールがあいまい 3.詰め込みアジェンダ 4.アクションプランを設定しない 5.必要な人がいない 6.まずい食事 37

39.

チーム協働 泊りがけって・・・・ ハードル高そう。。。 わざわざ泊ってまでやる意味って なんだっけ?? 38

40.

チーム協働 合宿の有効性は実施してみないとわからない 合宿前 合宿後 39

41.

チーム協働 合宿の流れ 1日目 16:00 1日目 17:00-19:00 1日目 19:00-深夜 2日目 ~9:00 2日目 9:00~12:00 2日目 12:00~13:00 2日目 13:00~15:00 2日目 15:00~16:00 ① 計画&準備 チェックイン&準備 INPUT情報の共有 飲み会&関係性向上のワークショップ 朝の散歩 & 朝ごはん ワークショップ① 昼食 ワークショップ② 片付け&感想の共有 ② 合宿当日 ③ 合宿後 40

42.

チーム協働 1日目の飲み会が合宿の山場です!!! 「ネガティブな要素をシェアしあいお互いを知る 活動は合宿でないと難いと思ったし、こういった ところまで踏み込むことで人となりを知って活動 をすることはプラスになると感じた」 「夜にお互い無防備な状態で腹を割って話せるこ とに意義があった」 合宿後のアンケートより 41

43.

はじめに 関係性の向上に向けて 「ドラッカー風エクササイズ」やったものの、 そんなに、関係性って変わらないよね。 といった経験している方、 そんな時にお勧めなのが、、、 2

44.

チーム協働 ドラッカー風エクササイズ ・以下4つの質問に対して付箋に貼りだして、ディスカッションする 1.自分は何が得意なのか? 2.自分はどうやってチームの 成果に貢献するつもりか? ・しっかり自己開示する ・時間を気にせず相手のことを 聞くことが大事 3.自分が大切に思う価値は何か? 4.チームメンバーは自分に どんな成果を期待してると思うか? 43

45.

チーム協働 ドラッカー風エクササイズB面 ・以下4つの質問に対して付箋に貼りだして、ディスカッションする 1.自分は何が不得意なのか? 2.どういう風に仕事してしまうか? 3.自分の地雷は何か? 自分の弱みを前向きに出せるよ う、場が温まってることが大 事!! 4.むかしチームメンバーの期待に応え られなかった事件とは? 44

46.

練度について 練度について 45

47.

練度について メンターが果たす役割とは、「適切なフィードバックを返すこと」です。 新たに獲得する能力というのは「試してみる」こと自体は容易であったりしま す。教科書通りにスクラムを運営してみる、スプリントを走らせてみるなど、知 識を得られれば試すことはできます。こまるのは、試してみた後です。やってみ た結果が、過程も含めて、どのように評価できるのか。その良し悪しを初学者で は判断が出来ないのです。 デジタルトランスフォーメーションジャーニーP108より 46

48.

練度について 実施自体はできるが、結果を正しく評価することも難しいし、結果から行動を見 直すことも難しい。ましてや気付いていない前提をアンラーンすることは至難 (シングルループ、ダブルループを回す示唆を与えてくれるコーチが必要) シングルループ学習 ダブルループ学習 前提 行動を支配する 価値観 行動 結果 失敗/上手く行った 47

49.

練度について アジャイルCoEの8つのバックログ 1.組織アジャイルの 実践ガイド作り 2.教育コンテンツ作 り 3.社内コミュニティ 作り 4.社外への発信 5.組織理念との整合 を取る 6.実践の伴走支援 7.体制の拡充 8.学びの集積 作るのは標準や規定ではなく、あくまでガイドである。重たい標準や規定を作るこ とは、最適化の始まりになりかねない。 ガイドとは別に、わかるように語りかけ、適宜質問を受け、ワークを交えるインタ ラクティブな研修がいる。 社内コミュニティで研修とは異なるより気軽な勉強会の開催や知見の集積を行お う。 自組織の取り組みを公開して、あえて外に向けて発信する。組織のアジャイルの取 り組みをオープンにして、組織の内側にも知ってもらうためだからだ。 組織の る な とアジャイルとを つけア プ として して お たい。 のお を ているとな 、 には ジ ク で ない。 組織アジャイルを実践するにあたっての を 組み化する。 のような で取り かり、 こに る があるか、 をつけておくようにしたい。 で を し つ やし、 の という を作ることで ール ていく。 りかえりを行い を集積 る 組みを作り、 た を 知として え、 化 ていく。 内 に に して を ける 掲げ 根本的 WHY 結び ウト ット 表現 き 経営 墨付き 得 れば 簡単 リ ェ ト き 伴走支援 仕 ど 部署 掛 ど 活き 可能性 算段 伴走支援 経験者 少 ず 増 伴走支援者 支援 構造 ス ケ させ ふ 学び させ 仕 得 学び 形式 捉 連結 させ (再利用可能 容 工夫 対 名前 付 ) 48

50.

練度について 1.組織アジャイルの実践ガイド作り 49

51.

練度について 2.教育コンテンツ作り 教育用のコンテンツ作成 毎週勉強会を実施 50

52.

練度について 3.社内コミュニティ作り 4.社外への発信 コミュニティイベント 地方スクラムフェス XP祭り 51

53.

練度について 5.組織理念との整合を取る 6.実践の伴走支援 私たちニッセイ情報テクノロジー は「貢献」「創造」「尊重」を基 本理念としています。 アジャイルコーチ 仮説検証支援 デザイン思考 ⇒アジャイルの価値観と近い 52

54.

練度について 7.体制の拡充 8.学びの集積 To Be Continued 53

55.

まとめ まとめ 54

56.

まとめ 結局1年半でどんなことが出来るようになったのか? ① 数 10億 の WF大 規 模 開 発 の 全体PMOをお客様とチーム を組んでアジャイルで推進 ② Webプロダクトを作り、 保険会社に対して営業部門 と協業して営業実施 ビジネスゴールに合わせてプロジェ クトゴールを設定!! 55

57.

まとめ 経験とは行動を起こした人にのみ与えられる報酬 自分を勇気づけられるのは、自分自身の新たな一歩にほかならない。その一歩 は、たぶん組織にとっても初の試みだろう。きみは、組織初の経験を得た人物と いうことになる。 56

58.

まとめ 経験と勇気がレバレッジとなり、次の段階を引き寄せる 失敗しても1段階戻れる安心が、勇気を持続させる。 57

59.

行動を変え、新たな一歩を踏み出すのに 「遅すぎる」ということはない。 行動を始めるべきだと気づいたそのときが、 その人にとっての最速のタイミングだ。 KAIZEN JOURNEY Fin