Solve (2025年9月〜2026年1月) ウイングアーク1st株式会社課題 Predict 2 Protect 選手に寄り添ったコンディション管理支援システム ◯ クリエータ:厚地 俊哉, 一瀬 遥希(九州大学) ◯ PM:井上 創造,大島 聡史 ◯ Solveメンター:池田 勇人,岩崎 静,山田 吏玖(ウイングアーク1st株式会社)
背景 スポーツにおいて、怪我は避けられない問題である。 プロサッカー選手の怪我は、選手本人のキャリアに影響を及ぼすだけでなく、 チームにとっても戦力の損失や医療費の負担など大きな損害をもたらす。 しかし、 その怪我の中には、練習中に特定の部位に負荷がかかり続けることで生じる 比較的予防可能な怪我も存在する。
解決策 プロサッカークラブ「ギラヴァンツ北九州」のGPSデータを活用し、選手の 日々の負荷を解析して自動的に異常を検知する、コンディション管理支援シス テムを提案する。スタッフはチーム全体の負荷状況を把握でき、選手自身も自 分の状態変化を確認できることで、怪我の兆候を早期に察知し、過度な負荷を 未然に防ぐことを目指す。 ※GPSデータ:GPSデバイスから取得することができる 走行距離、移動速度、心拍数等のデータ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO16784320U7A520C1000000/
異常検知に用いる指標の例 ACWR(急性・慢性負荷比率) ● 直近1週間の負荷(急性負荷)の平均値を過去4週間の負荷(慢性負 荷)の平均値で割ることで算出される値 ● 一般的にACWRが0.8〜1.3の範囲にある場合、怪我のリスクが低く、 1.5を超えると怪我のリスクが高まるとされている この他にも 負荷・加速度・ 心拍数など複数の指標を組み合わ せて検知を行う
システム構成
アプリイメージ 管理者・スタッフ 選手
チャレンジポイント 異常検知によるコンディション変化の把握 課題 コンディションの変化を定量的に把握することは難しく、その結果、気付 かないうちに体へ過度な負荷をかけ続けてしまうことがある 提案 GPSデータをもとに、過去の自分と比べて異常な負荷変化を自動検出する 仕組みを構築する。「異常状態の検知」により早期に怪我の兆候を把握で きるようにする。
チャレンジポイント 選手やスタッフが理解しやすい可視化と説明 課題 「なぜ異常なのか」が理解しづらいと、具体的な対策や意思決定につなが りにくい 提案 SHAPなどを用いて、どの指標(走行距離・加速度など)が異常に影響し たかを明示的に可視化する。これにより、数値だけでなく「なぜ異常なの か」を直感的に理解し、選手やスタッフが納得感をもって行動できるよう にする。