オフィス空間におけるヒーターの分析と提案

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October 04, 23

スライド概要

メディアデザインセミナー1Bでヒーターについて分析した結果レポート

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和歌山大学システム工学部システム工学科メディアデザインメジャー3回生(25卒)です。 ゲームやWebアプリの開発、各種デザインを行っております。

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提出日 年月日 2023 5 9 多変量解析による ヒーターの分析と提案 メディアデザインセミナー1A システム工学部メディアデザインメジャー 6 0 2 6 6 0 4 7 大倉千波

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1.本分析の背景と目的 ケーススタディ ー 仕事部屋に置くヒーター ー テレワーク・デスクワークは新型コロナウイルスの 流行に伴って2020年ごろに一気に普及し、テレワーク 専用の個室を自宅内に用意する人も多数現れた。アフ ターコロナの時代を迎えた昨今では少しずつ減少して きてはいる(図1)が、今もなおテレワークを実施して いる企業は存在する。 また、テレワーク以外でも、残業や学校の課題のた めに仕事部屋・勉強部屋を設け、デスクワークをする 人は多い。このような部屋になじむようなヒーター (暖房器具)のについて私達のグループでは調査及び分 析をし、新たなヒーターのデザインについて提案をし たいと考えた。 40 30 20 10 20 20 20 /05 20 / 20 07 20 20 /10 21 20 /01 21 20 /04 21 / 20 07 21 20 /10 22 20 /01 22 20 /04 22 / 20 07 22 /1 0 0 図 1 テレワーク実施率の推移 崇 惧 <出典>西村 「テレワーク実施率が低下傾向、危 される自主退職者の急増 | 日経クロステック xTECH 」、日系XTech、更新日2023年 1月20日、参照日2023年5月8日、https://xte ch.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00989 /122300106/ ( ) メディアデザインセミナー1A 01

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2.使用するデータについて ー サンプルデータについて サンプルデータとしては、ニトリ(https://www.nitori-net.jp/ec/)、Amazon(https://www.ama zon.co.jp/)、楽天(https://www.rakuten.co.jp/)の3サイトから以下の合計30個のサンプルを収集し て分析に利用した。ほとんどの製品に具体的な製品名が付けられていなかったため、便宜上以下のよ うに番号を設定し、製品を区別することとした。 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 No.11 No.12 No.13 No.14 No.15 No.16 No.17 No.18 No.19 No.20 No.21 No.22 No.23 No.24 No.25 No.26 No.27 No.28 No.29 No.30 メディアデザインセミナー1A 02

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ー カテゴリデータについて カテゴリデータについては、デザイン・サイズ感に関連する項目を中心に以下のように設定した。 色 形状 温め範囲 ヒーター 箱型 ホワイト 手元・足元 パネル タワー型 ブラック 部屋全体 カーボン パネル型 グレー その他 ファン その他 その他 ストーブ式 価格 ~ 5000~10000円 10000円~ 0 5000円 その他 高さ ~ 30~60cm 60cm~ 0 30cm 底面積 ~ 500~1000cm² 1000~1500cm² 1500cm²~ 0 500cm² 持ち手 温度ボタン くぼみ 立体ボタン なし ダイヤル式 取っ手 平面ボタン ー 星取表 これらのデータを基にした星取表は以下のようになった(表1)。 表1 サンプルデータとカテゴリデータの星取表 メディアデザインセミナー1A 03

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3.数量化第3類による分析 ー 分析結果 数量化第3類を用いてカテゴリスコアとサンプルスコアを算出し散布図を作成したところ、以下の図 のようになった(図2、図3)。 サイズ大きめ・持ち運びにくい 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る サイズ小さめ・持ち運びやすい 図2 カテゴリーマップ サイズ大きめ・持ち運びにくい 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る サイズ小さめ・持ち運びやすい 図3 サンプルマップ メディアデザインセミナー1A 04

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ー 軸の解釈 ①第1軸「温められる範囲の規模と値段」 ~ 左側に「パネル型」「パネルヒーター」「足元・手元」「0 5000円」があり、右側に「部屋全 ~ 体」「タワー型」「1万円 」があることから、第1軸は温められる範囲の規模と値段を示している と考えられる。 ①第2軸「サイズ感と持ち運びやすさ」 ~ ~ ~ ~ り、下側に「0~500cm²」「30~60cm」「取っ手」「くぼみ」があることから、第2軸はヒーター 上側に「1500cm² 」「500 1000cm²」「1000 1500cm²」「60cm 」「持ち手なし」があ 自体のサイズ感と持ち運びやすさを示していると考えられる。 4.クラスター分析 さらに、クラスター分析を行ったところ、以下のような結果となった(図4)。クラスター分 析には郡平均法を使用し、4つのクラスターに分類した。 クラスターA クラスターB クラスターC クラスターD 図4 クラスター分析 メディアデザインセミナー1A 05

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5.数量化第3類×クラスター分析 ー プロダクトマップ 数量化第3類を用いて作成したカテゴリーマップにクラスター分析の結果を重ねると、以下のように なった(図5)。 サイズ大きめ・持ち運びにくい 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る サイズ小さめ・持ち運びやすい 図5 サンプルマップ ー クラスターA「足元・手元専用サイズ大きめヒーター」 クラスターAに含まれるヒーターは1つのみ サイズ大きめ・持ち運びにくい で、足元・手元のみを温められる、部位全体を 包み込めるヒーターである。このような袋のよ 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る うな形状のヒーターが他になかったため、この ヒーターのみ特殊なクラスターとして分類され たと考えられる。 ー このクラスターに含まれるヒーター サイズ小さめ・持ち運びやすい 図6 クラスターA メディアデザインセミナー1A 06

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ー クラスターB「足元専用コスパの良いヒーター」 サイズ大きめ・持ち運びにくい クラスターBに含まれるヒーターは全てパネル 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る ヒーターであり、足元を温めるのに適した形状を している。幅を取るものは多いが軽いため、持ち 運びについてもこのクラスターのものについては 問題はないと考えられる。金額も低く購入しやす いものが多い。 ー このクラスターに含まれるヒーター サイズ小さめ・持ち運びやすい 図7 クラスターB ー クラスターC「大きめサイズの全体を温められるヒーター」 クラスターCに含まれるヒーターは全体的にサ サイズ大きめ・持ち運びにくい イズが大きく、部屋全体を温めるのに適したもの 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る が多い。機能性も充実している分金額が高くなっ ているようである。一部足元専用のヒーターも含 まれていた。 ー このクラスターに含まれるヒーター サイズ小さめ・持ち運びやすい 図8 クラスターC ー クラスターD「小さめサイズの移動させやすいヒーター」 クラスターDに含まれるヒーターは比較的小ぶ りなものが多く、持ち手もついているため持ち運 サイズ大きめ・持ち運びにくい びがしやすいものが多い。主にファンヒーターが 低 額 ・ 局 所 的 に あ た た め る 高 額 ・ 全 体 を あ た た め る 多く、次いでカーボンやセラミック等のヒーター が含まれている。 ー このクラスターに含まれるヒーター サイズ小さめ・持ち運びやすい 図9 クラスターD メディアデザインセミナー1A 07

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6.ユーザーターゲット・ペルソナの設定と企画提案 ー ユーザーターゲット ー 自宅でテレワークを行う40代の社会人 ー 製品に対するレビューより、ヒーターに対するユーザー評価は主に「機能性」「適切な温度かどう か(十分温まるか)」「コストパフォーマンス」によって決定され、この点において製品ごとの差はあ まりないことが分かった。また、年齢層については40代が多く、次いで50代以上が多かった。今回の ( ) 分析では、「仕事部屋 テレワークなどを行うための狭めの個室 になじむヒーターのデザイン」を テーマとし、ユーザーターゲットについては「テレワークを自宅の個室で行う社会人」に設定した。 なお、具体的には、レビュー者に多かった40代程度の、プログラマーなどのデスクワークを基本とす る職業に就いているような人物を想定することとした。クラスターとしてはBを目安としつつ、区rス ターBの持つ問題点を改善することを目指す。 ー 企画提案 ー 空間に合わせて自由に置けるマグネット連結式ヒーター ー 通常の1人部屋で作業を行う場合はある程度のヒーター設置場所を確保できるが、テレワーク専用の 部屋の場合は一般に狭く、あまり多くの空間を確保できないことが多いと考えられる。また、既存の ヒーターの温められる範囲は足元のみ、手元のみ、部屋全体の3通りに大まかに分けることができ、机 上のスペースや足元の空間サイズ、部屋のサイズに合わせて範囲を柔軟に変えられるヒーターは見当 たらなかった。 このことから、私はマグネットで連結することでサイズ感や温められる範囲を自由に変えることの できるヒーターを提案したい。ユーザーが必要なサイズ分だけ購入することでコストを適切に抑える ことができ、また分割が出来るため狭い空間でも収納や設置に困りにくい。一部を足元用に、一部を 手元用にするといったこともできるため、ユーザー個人の環境に合わせた活用が出来るのではないか と考えた。 5cm 横や縦に連結してサイズ変更・収納 20cm 20cm 脚は着脱可能 メディアデザインセミナー1A 08

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7.考察 今回の分析で扱ったヒーターについては、全ての製品についてレビュー投稿者の年代が確認できた わけではないものの、製品による年代の違いはあまり見られなかった。このことから、ヒーターにつ いては年齢によって選ぶ製品が変わるというよりは、居住環境や使用目的によって選ぶものが変わる と考えられる。また、レビューより、デザイン性が全く考慮されないわけではないものの、購入時や 使用時に特に重視されているのは「機能性」「十分温かいかどうか」であり、実用性のあるヒーター が好まれることが分かった。今回の分析では、複数機能を持つヒーターが存在する都合上、分析に機 能性を含めて考えられていないため、機能性を考慮した分析を行ってみる必要がある。 クラスター分析については、「全体を温められる」クラスターに足元専用ヒーターが含まれてしま っており、カテゴリの設定や軸の解釈に修正の余地が見られるが、サイズ感や価格は購入時や部屋に 設置するときにユーザーが考慮する点ではあり、製品としては考慮すべき要素であると考えられる。 メディアデザインセミナー1A 09