廃止措置研究・人材育成等強化プログラムにおける東京大学の取り組み(RSJ2018OF)

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March 14, 22

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田村雄介, "廃止措置研究・人材育成等強化プログラムにおける東京大学の取り組み", 第36回日本ロボット学会学術講演会 OF 廃炉に向けた日本原子力学会との連携と課題4, 2018.

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東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻 田村研究室

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各ページのテキスト
1.

廃止措置研究・人材育成等強化 プログラムにおける東京大学の 取り組み 田村 雄介 東京大学 [email protected] 廃炉に向けた日本原子力学会との連携と課題4, Sept. 6, 2018.

2.

廃止措置研究・人材育成等強化プログラム 文部科学省では、国内外の英知を結集し、東京電力 (株)福島第一原子力発電所の廃炉に向けた研究開発と 人材育成を加速させるため、「東京電力(株)福島第一 原子力発電所の廃止措置等研究開発の加速プラン」を推 進しています。 本事業では、「加速プラン」等を踏まえ、中核機関が 拠点となって、他の参画機関とともに、多様な分野の英 知を結集しつつ、廃止措置等の現場のニーズを踏まえた 基盤研究を実施するとともに、廃止措置等の取組で活躍 できる人材を育成します。 原子力安全研究協会HPより https://www.kenkyu.jp/nuclear/training/index.html 2

3.

廃止措置研究・人材育成等強化プログラム 平成26年度採択(〜平成30年度) 東京大学:遠隔操作技術及び核種分析技術を基盤とする俯瞰的廃止措置人材育成 東京工業大学:廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の深化 東北大学:廃止措置のための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・処分に 関する基盤研究および中核人材育成プログラム 平成27年度採択(〜平成31年度) 福井大学:福島第一原子力発電所の燃料デブリ分析・廃炉技術に係る研究・人材 育成 福島高専:廃炉に関する基盤研究を通じた創造的人材育成プログラム -高専間 ネットワークを活用した福島からの学際的なチャレンジ 福島大学:マルチフェーズ型研究教育による分析技術者人材育成と廃炉措置を 支援加速する難分析核種の即応的計測法の実用化に関する研究開発 地盤工学会:福島第一原子力発電所構内環境評価・デブリ取り出しから廃炉まで を想定した地盤工学的新技術開発と人材育成プログラム 3

4.

遠隔操作技術及び核種分析技術を 基盤とする俯瞰的廃止措置人材育成 研究代表者 再委託先 東京大学 福島大学 神戸大学 連携機関 東北大学、京都大学、九州大学、会津大学、 福島高専、富山高専、(株)アトックス、 日本原子力研究開発機構 岡本 孝司 高橋 隆行 横小路 泰義 http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/decomi/ 4

5.

本事業のゴール 福島第一原子力発電所廃止措置人材の育成 • 遠隔技術と核種分析技術の研究開発を通じた、 • • 廃止措置における専門家の養成 上記研究開発の目標として、現場で利用できる オンサイト・オフサイト分析システムを構築 総合工学としての廃止措置に対する俯瞰的知識 及びリスクを理解できる人材の育成 5

6.

福島第一原発廃止措置におけるリスク管理 • 通常の原子炉と同様の廃止措置管理では危険 例えば、リスクのわずかな増大も許さない工事を行うと、 結果的にリスクの大きな増大を招く。また、時間的な先送 りがリスクの増大につながる。 • 現場を中心とし、時間・空間・対象(放射性物質)を 考慮した、俯瞰的なリスク管理を実施する必要 数多くの廃止措置作業が相互に関連している • 長期にわたる廃止措置を見越し、俯瞰的な管理のでき る人材を戦略的に養成し、廃止措置に投入していくこ とが必要 6

7.

廃止措置に向けた課題 • プラントの安定状態維持・継続 • 発電所全体の放射線量低減・汚染拡大防止 ⇨ 遠隔操作技術 • 使用済み燃料プールからの燃料取り出し • 燃料デブリ取り出し ⇨ 核種分析技術、遠隔操作技術 • 原子炉施設の解体、放射性廃棄物処理・処分 • 人材育成 7

8.

実施体制 淺間一, 太田順, 山本晃生, 山下淳, 福井類, 田村雄介 昆陽雅司, 大野和則 松野文俊 高橋隆行 成瀬継太郎 鈴木茂和 横小路泰義 8

9.

研究を基盤とする人材育成 オンサイト・オフサイト分析システム 高線量でかつ狭隘・複雑な極限環境で調査・作業を行う場所にアクセ スし、必要な調査・作業を遠隔操作によって実施するための技術を開 発する。 オンサイト分析 ガンマ線CT等を基盤として、遠隔操作との総合的システム化 オフサイト分析 遠隔操作により微量サンプリングされた極微量試料を高精度で分析 要素技術およびシステム統合の研究を行う 9

10.

遠隔操作要素技術 飛行ロボット × 2 × 2 × 索状ロボット ヘビ型ロボット 3 × 軌道構造体 自動施工システム ! 2 !!!!!!!!! 小型ロボットによる 大型物体操作のための機構 俯瞰映像提示システム 触覚情報提示インタフェース 10

11.

遠隔操作要素技術の位置付け 建屋内の調査 飛行ロボット、ヘビ型ロボット 建屋内物品搬送 軌道構造体自動施工システム 大型装置の撤去等 小型ロボットによる大型物体操作 PCV内部調査 索状ロボット、軌道構造体自動施工システム、 3次元復元 サンプリング フレキシブルアーム、2爪/3爪ハンド、 軌道構造体自動施工システム 耐放射線性 遠隔機器の移動 ⇨ ⇨ 耐放射線性複合材料開発 俯瞰映像提示システム、触覚情報提示インタフェース 遠隔機器での作業 ⇨ 遠隔マニピュレーション操作性向上、操作性指標 11

12.

移動ロボットを用いたガンマ線CT 燃料デブリ取り出しや除染を行うためには放射線源の分布 を知る必要がある アプローチ ガンマ線検出器を搭載した移動ロボットによるガンマ線CT 計測 移動 計測 ガンマ線検出器 放射線 移動 移動ロボット 計測 移動 計測 12

13.

ガンマ線CTの概要 ロボットの自己位置推定 オドメトリ + LRF を利用 コンプトンカメラによる計測 Gamma-ray ✓ Scatterer 位置姿勢 Absorber コンプトンコーン MLEM (Maximum Likelihood-Expectation Maximization) 法 繰り返し計算によって、最も尤もらしい断層像を投影像から推定 3次元放射線源分布 13

14.

結果 シミュレーション Radiation source 6 1 2 3 5 4 実機実験 Cs-137 with 137Cs (2.7MBq) intensity 2.7 Mbq Iteration 20 Small room Small room Observation Observationpoint points D. Kim, H. Woo, Y. Ji, Y. Tamura, N. Nakada, K. Shimazoe, H. Takahashi, A. Yamashita, H. Asama, 3D Radioactivity Distribution Mapping using Mobile Robot Equipped with Compton Camera, Intelligent Service Robotics, (submitted). 14

15.

微量サンプリング→分析 フレキシブルアームの検討 LA-ICPMS 236 236 238 236 235 238 236 236 236 236 238 235 236 5+ 235 5+ 236 AMS 236 238 ∼ 3 × 10−10 ! 巻取可能なアーム 低融点合金を用いたチェーン 微量サンプリング用ハンド E I EI M レーザ分光分析 236 −1 15 µ

16.

俯瞰的廃止措置人材育成 • 大学院講義「廃止措置特論E」 • セミナーの実施 • 原子力発電所等視察 • サマースクール(国際・国内) • 重要研究課題抽出のための議論 • 次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス 16

17.

講義:廃止措置特論E 東京大学大学院工学系研究科(原子力国際/精密工学)の講義 英語講義(関係機関には日本語版DVDを配布) 受講者数:約30名/年 講義内容 担当者 福島第一原子力発電所事故概要 岡本孝司 (東大原子力) 通常発電所の廃止措置 岡本孝司 (東大原子力) 福島第一原発の廃止措置概要1 鈴木俊一 (東大原子力) 福島第一原発の廃止措置概要2 鈴木俊一 (東大原子力) 核種分析技術 長谷川秀一(東大原子力) 放射線計測技術 高橋浩之 (東大総合研究機構) 環境影響評価 松崎浩之 (東大総合博物館) 遠隔操作技術1 淺間 一 (東大精密) 遠隔操作技術2 田村雄介 (東大精密) 燃料デブリ管理技術 鈴木俊一 (東大原子力) 廃棄物管理 斉藤拓巳 (東大原子力) リスク評価とリスク管理 岡本孝司 (東大原子力) リスクコミュニケーションと社会的リスクの影響 寿楽浩太 (東京電機大) 17

18.

セミナーの実施 4年間で計12回のセミナー・ワークショップを開催 東京、福島、富山、神戸、いわき、福岡、京都、会津 のべ875名の参加 - プロジェクトの成果の発表(教員・学生) パネルディスカッション 講演 EPRI、福島県、JAEA、産総研、関西電力、九州電力、 北陸電力、原子力環境整備促進・資金管理センター、 日本原子力発電、東芝、日立GE、三菱重工、IRID、 名古屋大、金沢工大、富山大、福井大、福島大、 福島高専、九州大、京都大、岡山大、会津大 18

19.

原子力発電所等視察 沸騰水型原子炉 - 福島第一(H27) - 福島第二(H27) - 浜岡(H27) - 女川(H28) - 島根(H28) - 敦賀(H29) - 東通(H30予定) その他 - ふげん(H29) - もんじゅ(H29) - 美浜原子力緊急事態支援センター(H29) - 大間(H30予定) - 六ケ所村再処理工場(H30予定) 19

20.

国際サマースクール 平成27年度 - SKB (Swedish Nuclear Fuel and Waste Management Co.) - Äspö(地層処分の研究施設)、中間貯蔵施設、貯蔵容器の研究所 - Studsvik - Hot cell Laboratory, Melting facility, … - KTH - シビアアクシデントに関するセミナー、見学 - Uppsala University - 分析に関するセミナー 平成28年度 - PNNL (Pacific Northwest National Laboratory) - RPL, 模擬燃料デブリ, Phoenix - Hanford site (コロンビア川から視察) - KURION - Geomelt, トリチウム処理設備, ロボット - NASA - 遠隔操作ロボット, ディスカッション 20

21.

国際サマースクール 平成29年度 -CEA - Saclay: レーザ切断実験施設, エアロゾル評価実験施設 - Cadarache: 非破壊評価実験施設, 燃料デブリ・コリウム実験施設 - Marcoule: 遠隔操作技術, 廃棄物処分技術, CEA廃炉スクール -ITER - 遠隔操作技術 -LAAS - ロボット 21

22.

国際サマースクール 平成30年度 - NNL Workington Laboratory - 遠隔操作技術, レーザ切断技術 - Createc - 放射線イメージング技術 + ロボット技術 - Sellafield site - PFSP (Pile Fuel Storage Pond), THORP(再処理施設) - Berkeley site - 遠隔廃棄物処理作業 - UKAEA RACE - 核融合炉の保守のための遠隔操作ロボットシステム - Oxford Technologies (Veolia) - DEXTER(マスタースレーブ型遠隔操作ロボット), AIT (Assembly, Integration & Test) Facilities 22

23.

国際サマースクール学生感想より • 廃炉と宇宙開発の共通点と相違点(H28 @NASA JSC) • 共通点 • 多重防護、フェイルセーフという枠組みを重要視 • 国家的大規模プロジェクトであり、一旦決まった手法に対して異なるコンセ プトを途中で採用することは困難だが、計画推進のためにはプロジェクトの 区切りごとに計画を見直すことが極めて重要 • 国際的かつ長期間を要するプロジェクト • 相違点 • 想定すべき放射線量のレベルが異なる • 廃炉ではロボットは危険作業の代行、宇宙開発ではロボットと人の協調 • 廃炉はネガティブなイメージ、宇宙開発はポジティブなイメージ • 英国サマースクールの感想(H30) • コスト意識 • リスクの考え方 • 既存技術の組み合わせ 23

24.

国内サマースクール 開催場所 JAEA東海 (H27), JAEA楢葉遠隔技術開発センター (H28-30) 内容(例: H30年度) 1日目 講演:IRID高守開発計画部長、東大山下准教授、JAEA奥村研究員 施設見学 2日目 グループディスカッション(燃料デブリサンプリングについて) ※ VRシステム・ロボットシミュレータを利用 3日目 グループディスカッション プレゼンテーション・講評 ディスカッションテーマ H28:1階高所除染 H29:止水 24

25.

重要研究課題抽出のための議論 学内外の専門家 + 学生 が参加 議論している分野: - 燃料デブリ取り出し 廃棄物管理 遠隔技術 まずは、作業や計測のためのプラットフォームを作ってか ら実施することが重要 25

26.

次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス (NDEC) 人材育成プログラム7機関の共催 NDEC3 (2018年3月19日 @富岡町文化交流センター 学びの森) 口頭発表 25件、ポスター発表 37件、企業等ポスター 14件 参加者 242名 プログラム概要 基調講演:「新たな段階に進む1F廃炉」 山名元(本プログラムPD) オーラルセッション、ポスターセッション 特別講演1:「JAEAにおける福島第一原子力発電所廃炉に向けた取組」 野田耕一(JAEA) 特別講演2:「福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水対策の現状と今後の課題」 松本純一(東京電力) 26

27.

卒業生の進路(H26-H29) 大学教員等 メーカー 研究機関 その他 電力・廃炉関係等 進学 高専本科 高専専攻科 学部 修士 博士 0 25 50 75 100 人数 27

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次世代廃炉人材育成セミナー 2018年5月17日(木) @東京大学 東京大学、東京工業大学、東北大学の共催 パネルディスカッション モデレータ:鈴木俊一(東大) パネリスト:吉川弘之(元東大総長)、山名元(本プログラムPD)、野田耕一(JAEA)、 角山茂章(福島県環境創造センター)、小野明(東京電力)、岡本孝司(東大)、小原徹 (東工大)、渡邉豊(東北大) 必要な人材 - 時間軸を考慮した人材育成の必要性 - プロジェクト管理のできる人材 人材確保のための仕組み - 学問の体系化→廃炉に関する大学・研究室 - 使命感頼りでは駄目。研究としての魅力 - 異分野の研究者が興味を持つチャネル 28

29.

まとめ 廃止措置研究・人材育成等強化プログラム 遠隔操作技術及び核種分析技術を基盤とする俯瞰的廃止措置人 材育成 - 研究を基盤とする人材育成 - 俯瞰的廃止措置人材育成 29