スマホ時代のWeb制作アプローチ

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August 07, 12

スライド概要

2012 PCカンファレンス @京都大 の分科会での角南の発表スライド。

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教育系ウェブデザイナー

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関連スライド

各ページのテキスト
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スマホ時代の Web教材 制作アプローチ すなみ ほくと 角南 北斗 @shokuto

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発表者について すなみ ほくと 角南 北斗 Mail Blog Twitter hello@shokuto.com withcomputer.jp @shokuto 専門は日本語教育+Webデザイン。 サイト構築や教材開発を行なうフリーランス。 プレゼンや飲食店開業支援の講師も担当。

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これまでの主な発表題目 ひとつ下のプレゼン Client 2.0 のためのディレクションを考える 今日からはじめる「じぶんブランディング」 伝わるプレゼンの組み立て方を考える お料理のコツと情報教育 日記じゃないのよブログは 勝たないプレゼンテーションの学びかた 名刺デザインで学ぶプレゼンテーション

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スマホ時代 Web教材

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スマホ時代 Web教材

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スマホ、持ってる人!

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スマホってどういうイメージ? ほとんどの場面でPCの代替になる 小さなPCともいうべき何でもOK感 + ケータイのような気軽さと いつでもどこでもつながる感

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スマホの急速な普及 携帯電話の新機種は軒並みスマホに 学生のスマホ率は上昇の一途 学生は年度ごとに入れ替わっていくので 教師と違い世の状況が反映されやすい

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スマホ時代 Web教材

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教材制作に携わってる人!

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教材の違い:利用想定 授業・学内専用で使わせる教材と 広く一般公開し自由に使ってもらう教材 発表者が後者を手がけることが多いので 今回は後者の要素にフォーカスします Webサイト型の教材だけでなく アプリなどにも通じる、考え方の話です

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スマホの普及が教材に与える影響

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教材の利用場面・利用機会が増え 学びにおける選択肢が増える。 自主的な学びの可能性が広がる。

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教材利用の制約からの開放 PCは学校のPCルームにしかないし Web教材は授業でしか使わない 学習者がそれぞれの所持端末で 環境や場面に縛られず自由に使うように

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教材利用機会の拡大 学びにおける選択肢の拡大 PC ルーム 授業 日常生活

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教材制作者にとって この変化はハッピーだと思う。 でしょ?

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でもさ、スマホでそのまま PCのサイトが見られるって わけじゃないんだぜ?

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PCサイトをスマホで見ると... 表示がもたついてイライラ PC並の処理や回線速度をつい期待しがち 操作しづらくてイライラ 表示のたびに拡大作業が発生し面倒 ボタンが小さいと押しそこなってパニック 表示崩れや動かない機能もあったり

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事例:日本語でケアナビ

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PC用そのままだと 表示直後は全体が出る。 小さすぎて見えないので 指で拡大操作が必要。

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これをスマホ用に作ると・・

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スマートフォン向けに ゼロから画面を再設計。 やりたいことをすぐに、 快適にできるように。

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スマホに合わせたバージョンは できるかぎり用意した方がいい

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特に教材は!

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なんで?

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教材利用機会の拡大 学びにおける選択肢の拡大 PC ルーム 授業 日常生活 利用の強制力は弱まっていく

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学習者が気に入らないと その教材は使ってもらえない。 逆に言えば、気に入られると どんどん使ってもらえる。 つまり自主的に学んでもらえる。

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では、どんな教材が 学習者の支持を得られるのか?

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学習者に評価されるポイント 1. 利用文脈に沿っている 2. 目的に対しシンプルである 3. 個人のニーズに合っている

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学習者に評価されるポイント 1. 利用文脈に沿っている 2. 目的に対しシンプルである 3. 個人のニーズに合っている

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1. 利用文脈に沿っている 具体的な利用場面をデザインする いつ・どこで・どんな目的で・どう使うもの? これまでは「PCルーム+授業」が前提に近かった 今はむしろそれ以外のシーンを主とすべき ながら利用を前提にする 教科書を読みながら、ノートを取りながら、 授業を聞きながら、電車を待ちながら・・・

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1. 利用文脈に沿っている 学習者視点に立った文脈設定を 授業以外の学習者の日常の学びや本音は 教師も意外に知らなかったりするもの わからなければ学習者に聞く・調べる・想像する 教材提供者側の都合や思いを押し付けない

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学習者に評価されるポイント 1. 利用文脈に沿っている 2. 目的に対しシンプルである 3. 個人のニーズに合っている

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2. 目的に対しシンプルである いま必要だからスマホを取り出し、 アプリやサイトのアイコンをタッチ。 ここで今すぐできないと意味がない。 利用目的にダイレクトに応える教材を PCと違ってのんびりやらない 迷わず操作でき、結果もすぐ得られるように

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2. 目的に対しシンプルである 多機能化はデメリットが多い 機能が増えると複雑化するため わかりにくさ・使いにくさを生みやすい 機能のカバーはシンプルな個の連携で スマホが様々な道具を入れる箱になるべきで、 単体のサイトが道具箱になろうとしてはダメ

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学習者に評価されるポイント 1. 利用文脈に沿っている 2. 目的に対しシンプルである 3. 個人のニーズに合っている

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3. 個人のニーズに合っている 方向性や利用スタイルを絞る 様々な学習ニーズやスタイルに対応すると どう使っていいか謎のサイトになってしまう こう使ってほしい、という色を打ち出すこと 学習者は自分に合うものを使いたい。 教材に自分を合わせるようなことはしない。 結果、選択肢がないと使われない。

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3. 個人のニーズに合っている ニッチでパーソナルな切り口がいい 一般的・汎用的なものはすでに出揃っている? ニッチな切り口や特徴があるものだからこそ 自分にピッタリはまれば強い愛着も生まれる ホーム画面にアイコンを置いてもらえるように

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ここまでは教材のカタチの話。 加えて、教材制作プロジェクトは どのように進めていくべきか?

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教材制作の基本的姿勢 具体的な制作部分はプロの力を借りる インターフェースなど、スマホ対応の勘所は 制作側が押さえてくれる(はず...) 教材の位置付けや学習者の利用文脈は 教師側が示さないと反映されにくい Web制作のプロは教育のプロではないので...

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学習者とともに作っていく コンセプト段階から学習者に聞いてみる 学習者の日常やスマホの使い方などは 必ずしも教師が十分に推測できるとは限らない 開発途中のレビューも学習者と行なう PCよりもカジュアルに試してもらいやすく 使いにくさがフィジカルなレベルで見える

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重厚長大よりスモールスタート 学習者の持つ多様なニーズには 複数の教材で個別に応えていく方がいい 数を重ねれば開発側の経験値も広がり深まる 小さな教材はスピーディーに作れるし ダメだったときの対応もしやすい もう引き返せない!という展開が最も危険

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すべて自前でやろうと思わない スマホには競合アプリが次々出てくる AppleやFacebookが機能をリリースしたり... 汎用性の高い非教材アプリも多い PCが苦手な層も使いこなしているような印象 開発と並行して、スマホの学習環境を 学生と共にチェックしていくことが大切

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簡単にできる! 音声で入力する 写真を撮る 音声で読み上げる 写真でスライドショー 動画に字幕を付ける フラッシュカードを作る 動画を撮る 4択問題を作る 手書きで文字入力する

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まとめ

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スマホ時代の教材設計とは? スマホは学習の選択肢を広げるが 教材の内容と形の質も問われる時代 スマホはパーソナルな道具だからこそ 学習者個人のスタイルに合わせた教材を 重厚長大な1つのプロジェクトより 小さく数多い柔軟な開発を継続しよう

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学習者も学習環境も変わる ならば教師も変わっていこう きっと学びはもっと魅力的になる

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もっと学びを! ご意見お待ちしてます hello@shokuto.com withcomputer.jp @shokuto