レトロな魅力を感じる製品利用におけるユーザエクスペリエンス分析

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September 14, 23

スライド概要

日本人間工学会第64回大会(ポスター)
講演番号:P2E1-08
原稿(pdf):https://researchmap.jp/d_the_rhythm/presentations/43339819/attachment_file.pdf

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大阪公立大学生活科学部居住環境学科デザイン人間工学研究室(土井俊央研究室)

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各ページのテキスト
1.

P2E1-08 日本人間工学会第64回大会 レトロな魅力を感じる製品利用におけるユーザエクスペリエンス分析 〇村田 土井 背景と目的 • 三実(大阪市立大学生活科学部) 俊央(大阪公立大学生活科学研究科) レトロな製品の定義 近年、“レトロブーム”が話題 本実験で使用するレトロな製品の条件 ノスタルジアを感じる色合いやイラストを用いた新商品、古着、写ルン ですをはじめとした昔懐かしい商品など • 従来のレトロ製品の多くは過去に使用経験のある中高年層の再購買を 狙ったものが殆ど。しかし近年では使用経験のない若者に対して人気 1)。 • 若者世代のレトロブームの原因は? • レトロな魅力の要因に関する研究は未だに少ない。 • 過去に一般的に普及していたが、技術的に進化 した同機能(目的)の製品の登場により純粋な 機能性の観点からは広く使用されなくなったも の。 • その製品の未経験者(もしくは経験が極めて少 ないもの)であっても、その利用における一連 のインタラクションにおいてノスタルジアなど 機能性以外の魅力を感じることができるもの。 若者世代の “レトロブーム”に着目し、レトロな製品の魅力要因を探る。 レトロ製品の魅力とは何かを明らかにすることで、魅力を喚起する新商品の開発に活用することを最終目標とする。 実験と分析方法 レトロ製品の魅力要因に関するキーワードを抽出するために、UXカー ブ2)を用いる。 研究対象者 • 各対象物(使い捨てカメラ、コーヒーミル、ガラスペン)2名ずつ • 大学生20~22歳の合計6名 • 事前アンケートを実施し、レトロな製品に興味がある者のみを対象 とする。 感 情 の 起 伏 時間軸 分析方法 • 1~2時間程度で対象物を体験し、UXカーブを描いてもらう • UXカーブの起伏や自由記述欄、インタビューから総合的に判断 • 製品の魅力度に対してプラスに働いている要因をキーワード(+)、 マイナスに働いている要因をキーワード(-)として分類 結果と考察 UXカーブ・自由記述欄の例 キーワード(+) キーワード(ー) 使い捨てカメラ 期待感、手間、特別感、非日常感、独特さ、 なつかしさ、ワクワク感、形状、新奇性 不便、時間とお金がかかる ガラスペン ワクワク感、期待感、手間、特別感、非日常感、見た目 不安、難しい、行程が多い、使いにくい コーヒーミル ワクワク感、期待感、負荷、習得の楽しさ、新奇性、 普段にはない手間、仕上がりの不安定さ、見た目 難しい、不安 • 若者の間でレトロな製品が人気なのは、最新の商品では省かれてきた「手間」「負荷」「仕上がりの不安定さ」等の不便さに 繋がる要素が関連していると考えられる。 • 写ルンですの魅力を定量的に分析した先行研究では、「負荷」は製品の魅力に関してネガティブな影響を与える結果となって いた1)。本研究で定性的な実験を行ったことでポジティブな影響が確認された。 1)古谷奈菜, 田村高志, 他. 若者のレトロ商品における利用動機に関する研究―使い捨てフィルムカメラを対象をしたノスタルジアと新奇性からの検討―. プロモーショナル・マーケティング研究. 2019, 12, p. 7-21. 2) Kujala, S.; Roto, V. et al. UX Curve: A method for evaluating long-term user experience. Interacting with Computers, 2011, 23(5), p. 473-483.