UXカーブによるレトロな製品の魅力要因に関する分析

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December 11, 23

スライド概要

2023年度日本人間工学会関西支部大会
講演番号:GS2-3
原稿(pdf):https://researchmap.jp/d_the_rhythm/presentations/44229901/attachment_file.pdf

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大阪公立大学生活科学部居住環境学科デザイン人間工学研究室(土井俊央研究室)

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各ページのテキスト
1.

2023.12.09 日本人間工学会関西支部大会 UXカーブによる レトロな製品の魅力要因に関する分析 Analysis of the attractiveness factors of retro products by using UX curve ○村田三実*,土井 俊央** *大阪市立大学生活科学部 **大阪公立大学生活科学研究科 1

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1.背景と目的 • 近年、“レトロブーム”が話題[1] ノスタルジアを感じる色合いやイラストを用いた新商品、古着、使い捨てカメラをはじめ とした昔懐かしい商品など • 従来のレトロ製品の多くは過去に使用経験のある中高年層の再購買を 狙ったものが殆ど。しかし近年では使用経験のない若者に対して人気[2]。 若者世代のレトロブームの原因は? 1) 水師裕. 若者のレトロ消費とブランド・マネジメント ~「記憶システムとしてのブランド」の視点から~. 明治安田総合研究所viewpdf.php (myri.co.jp) 2023/10/09 2

3.

• 使い捨てカメラの魅力を定量的に分析した先行研究 「負荷」が製品の魅力に関してネガティブな影響を与える結果となっていた[2]。 →手間や不便さなどの負荷がポジティブな影響を与える可能性もあるのでは? 今回の研究では定性的に分析していく。 2) 古谷奈菜, 田村高志, 他. 若者のレトロ商品における利用動機に関する研究―使い捨てフィルムカメラを対象をしたノスタルジアと新奇性からの 検討―. プロモーショナル・マーケティング研究. 2019, 12, p. 7-21. 3

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2.目的 若者世代の “レトロブーム”に着目し、 レトロな製品の魅力要因を探る。 ー最終目標ー レトロ製品の魅力とは何かを明らかにすることで、魅力を喚起する新商 品の開発に活用する。 4

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3.調査の方法 定性的に探索 概要 レトロな魅力を感じられる製品から、製品の魅力要因に関するキーワー ドを抽出する。実際に製品を使用してもらい、UXカーブを用いてレトロ製 品の利用に関するユーザエクスペリエンス分析を行い、魅力の要因を調査 する。 研究対象者 ・大学生(18~22歳,21.1±1.0歳)の合計24名。各対象物(使い捨てカメ ラ、コーヒーミル、ガラスペン)8名ずつ。 ・事前アンケートを実施し、レトロな製品に興味がある者のみを対象 ※大阪公立大学生活科学部研究科の倫理審査の承認を受けて実施 5

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本研究で採用する“レトロな製品”の条件 ①過去に一般的に普及していたが,技術的に進化した同機能(目的)の製品 の登場により純粋な機能性の観点からは広く使用されなくなったもの ②製品の未経験者(もしくは経験が極めて少ないもの)であっても,その利 用における一連のインタラクションにおいて,ノスタルジアなど機能性以外 の魅力を感じることができるもの → 使い捨てカメラ、コーヒーミル、ガラスペンを採用 6

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UXカーブについて 感 情 の 起 伏 時間軸 UXの様々な側面を経時的に調査する 際に用いる。[3] 図1:UXカーブ・自由記述欄の例 3) Kujala, S.; Roto, V. et al. UX Curve: A method for evaluating long-term user experience. Interacting with Computers, 2011, 23(5), p. 473-483. 7

8.

調査の流れ ・これまでの利用経験の有無(利用経験がある場合には利用回数・使用頻度、 利用 開始前 利用中 利用 完了後 利用経験がない場合にはその理由)・利用前の期待度(10段階評価) ・製品の体験 ・UXカーブ、自由記述欄の記入 ・レトロな魅力を感じたか・魅力を感じた点・総合満足度(10段階評価) 体験を 通して ・今後もこの製品を利用したいと思うか(10段階評価) 8

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使い捨てカメラ 期間:2週間 ・これまでの利用経験の有無 利用 開始前 利用中 利用 完了後 体験を 通して ・利用前の期待度 ・製品の体験 3つの質問を起点に半構造化インタビューを行う。 A1. 使い捨てカメラについてどういう印象があるか。 A2. 使い捨てカメラを使うにあたって楽しみなことはあ るか。 A3. 使い捨てカメラを使うにあたって心配事はあるか。 ・UXカーブ、自由記述欄の記入 日記法を実施し、現像が完了する日まで毎晩以下の質問 に回答する形で日記を書いてもらう。 ・レトロな魅力を感じたか・魅力 B1. 使い捨てカメラに関することで、今日はどんなこと をしたか。また,どんなことを思ったか。 B2. 使い捨てカメラに対する今日の満足度(10段階評価) を感じた点・総合満足度・今後も この製品を利用したいと思うか 9

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コーヒーミル 時間:1~2時間程度 ・これまでの利用経験の有無 利用 開始前 利用中 利用 完了後 ・利用前の期待度 ・製品の体験 コーヒー豆を選んで豆を挽き、コーヒーを淹れて飲んで もらう。 ・UXカーブ、自由記述欄の記入 ・レトロな魅力を感じたか・魅力 体験を 通して を感じた点・総合満足度・今後も この製品を利用したいと思うか 10

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ガラスペン 時間:1~2時間程度 ・これまでの利用経験の有無 利用 開始前 利用中 利用 完了後 ・利用前の期待度 好みの便箋を選んで自由に手紙を書き、後片付けまで完 了してもらう。 ・製品の体験 ・UXカーブ、自由記述欄の記入 ・レトロな魅力を感じたか・魅力 体験を 通して を感じた点・総合満足度・今後も この製品を利用したいと思うか 11

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分析方法 各製品の魅力要因の + 抽出結果 - 文章から キーワードを抽出。 UXカーブの起伏や自由記述欄、 インタビューから総合的に判断。 製品の魅力度に対してプラスに 働いている要因をキーワード(+)、 マイナスに働いている要因を キーワード(-)として分類 12

13.

5.調査の結果 キーワード抽出例① 使い捨てカメラ 機能の制限による魅力(+) :限られた枚数でやりくりす ることが魅力 機能の制限による不満(-) :取れる枚数が限られており、 被写体の取捨選択が必要 13

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キーワード抽出例② ガラスペン 利用へのワクワク感(+) :何が入っているのかワクワ ク 手軽に使えない・手間や時間 による不満(-) :片付けが面倒 14

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+ - 使い捨てカメラ 利用前 利用中 利用後 機能の制 限による 魅力 仕上がり への 期待感 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 利用への ワクワク 感 手間によ る楽しさ 新鮮さ 特別感 向上心 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 機能の制 限による 不満 製品の 見た目 行動の 原動力 写真の質 感・色味 の良さ 15

16.

+ - 使い捨てカメラ 利用前 製品の 見た目 いつもより散歩が 利用への 楽しくなる。 ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 行動の 原動力 利用中 利用後 仕上がり への 期待感 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 新鮮さ 特別感 向上心 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 機能の制 限による 不満 機能の制 限による 魅力 手間によ 普段は撮らないも る楽しさ のを撮ろうとなる。 写真の質 感・色味 の良さ 16

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+ - 使い捨てカメラ 利用前 製品の 見た目 行動の 原動力 利用中 機能の制 限による 魅力 利用後 時間が 仕上がり残った数枚で何を撮ろうか考え、 かかるこ 愛着 への 普段撮らない家族と一緒に写真を とによる 期待感 撮って日常の景色を残せた。 良さ 利用への 撮るという機能だけ ワクワク 備わっているから、 大事に写真を撮ろう 感 手間によ 新鮮さ る楽しさ限られた枚数でや特別感 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 機能の制 限による 不満 という気になる。 写真の質 感・色味 の良さ 向上心 りくりすることが 魅力。 17

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+ - 使い捨てカメラ 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 行動の 原動力 利用中 利用後 機能の制 限による 魅力 仕上がり への 期待感 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 手間によ る楽しさ 新鮮さ 特別感 向上心 手間・時 身体感覚 間による 取れる枚数が限られてお の楽しさ 不満 り、被写体の取捨選択が 写真の質 感・色味 の良さ 場所を選ばないと 操作の いけない。 難しさ 必要。 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 機能の制 限による 不満 ズーム機能が ないのが不便。 18

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+ - 使い捨てカメラ 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 行動の 原動力 利用中 機能の制 限による 魅力 仕上がり への 期待感 現像する頃には撮った 手間によ 新鮮さ 写真を忘れていて、 る楽しさ 思い出すのが良い。 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 特別感 向上心 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 機能の制 限による 不満 写真の質 感・色味 の良さ 19

20.

+ - 使い捨てカメラ 利用前 利用中 利用後 機能の制 限による 魅力 仕上がり への 期待感 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 利用への ワクワク 感 手間によ る楽しさ 新鮮さ 特別感 向上心 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 製品の 見た目 行動の 原動力 写真の質 感・色味 の良さ 操作の 現像しに行く 難しさ のが面倒。 機能の制 限による 不満 20

21.

+ - コーヒーミル 利用前 利用中 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 向上心 製品の 見た目 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 習得する 楽しさ 安心感 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 脆弱感の ある 見た目 達成感 21

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+ - コーヒーミル 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 利用中 選べる 楽しさ 豆を選ぶのが 楽しい。 仕上がり への 期待感 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 目盛りの微調整によって 手間によ 粗びきか細びきか決まる 習得する 新鮮さ る良さ のが良い。楽しさ 安心感 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 愛着 達成感 向上心 22

23.

+ - コーヒーミル 利用前 利用中 製品の 見た目 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 脆弱感の ある 見た目 安心感 操作の 難しさ 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 習得する 楽しさ 向上心 達成感 手間・時 豆を挽くのは力のいる作 身体感覚 間による 業だったが、自分で淹れ の楽しさ 不満 たコーヒーは美味しい。 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 23

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+ - コーヒーミル 利用前 利用中 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 向上心 製品の 見た目 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 習得する 楽しさ 安心感 身体感覚 の楽しさ 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 脆弱感の ある 見た目 達成感 豆を挽く作業 は疲れる。 24

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+ - コーヒーミル 利用前 利用中 製品の 見た目 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 脆弱感の ある 見た目 普段豆からコーヒーを 淹れることがないので、 身体感覚 安心感 新鮮で楽しい。 の楽しさ 操作の 難しさ 手軽に使 えない 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 習得する 楽しさ 向上心 達成感 手間・時 間による 不満 使い方の 分からな さ 25

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+ - コーヒーミル 利用前 利用中 製品の 見た目 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 脆弱感の ある 見た目 一度やり直したら、 身体感覚 の楽しさ 思い通りの細挽きに なって嬉しい。 安心感 操作の 難しさ 手軽に使 えない 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 習得する 楽しさ 向上心 手間・時 間による 不満 達成感 途中からコツを つかんできた。 使い方の 分からな さ 26

27.

+ - コーヒーミル 利用前 利用中 製品の 見た目 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 脆弱感の ある 見た目 安心感 身体感覚 の楽しさ 操作の 難しさ 手軽に使 えない 利用後 時間が かかるこ とによる 良さ 愛着 習得する 楽しさ 向上心 達成感 次は上手く淹れたい。 手間・時 間による 不満 使い方の 分からな さ 27

28.

+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 利用後 仕上がり への 期待感 意外性に よる驚き 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 習得する 楽しさ 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 愛着 達成感 向上心 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 28

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+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 ガラスペン自体が 手間によ 新鮮さ レトロの象徴。 る良さ 利用後 意外性に よる驚き 愛着 達成感 習得する 楽しさ 向上心 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 29

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+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用後 意外性に よる驚き 利用への ワクワク 感 手間によ 新鮮さ 意外とインクのもち る良さ 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ が良くて驚いた。 習得する 楽しさ 愛着 達成感 思ったよりもサラサラ 仕上がり の見た目 向上心 書けて感動した。 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 30

31.

+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用後 意外性に よる驚き 紙ににじんでしまって 上手く書けない。 習得する 利用への ワクワク 感 手間によ る良さ 新鮮さ 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 楽しさ 愛着 達成感 向上心 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 31

32.

+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 手間によ る良さ 利用後 仕上がり への 期待感 意外性に よる驚き 新鮮さ 習得する 楽しさ いちいちインクにペンを 機能の制 手間・時 身体感覚 浸すという手間が良い。 限による 間による の楽しさ 操作の 難しさ 不満 不満 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 愛着 達成感 向上心 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 32

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+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 色を変えるときに毎度ペン 手間によ 新鮮さ を洗わないといけない。 る良さ 利用後 意外性に よる驚き 愛着 習得する 向上心 片付けが面倒。 楽しさ 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 達成感 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 33

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+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用への ワクワク 感 脆弱感の ある 見た目 利用中 象徴的 価値 書く時の感覚が 良い。 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用後 意外性に よる驚き ペンを洗ったときに インクが水に溶けて いくのが綺麗。 手間によ 習得する る良さ 新鮮さ 楽しさ 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 愛着 達成感 向上心 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 34

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+ - ガラスペン 利用前 製品の 見た目 利用中 象徴的 価値 選べる 楽しさ 仕上がり への 期待感 利用後 意外性に よる驚き 利用への ワクワク 感 インクが紙ににじんでしまったが、 手間によ 習得する 新鮮さ その不均一さが逆に良い。 る良さ 楽しさ 脆弱感の ある 見た目 身体感覚 の楽しさ 機能の制 限による 不満 手間・時 間による 不満 操作の 難しさ 手軽に使 えない 使い方の 分からな さ 愛着 達成感 向上心 仕上がり の見た目 の良さ 仕上がりの 不安定さ・ 不均一さに よる魅力 35

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6.考察 ネガティブに捉えられることが多い要素が+に。 • 若者の間でレトロな製品が人気なのは、「手間・制限・時間を要する・不安定さ・不均一 さ」等、最新の製品で「利便性を追求するために省かれてきた要素」が関連していると考 察される。※キーワード(-)にも同様のワードがいくつか挙げられた。協力者の性格や、状 況の違いによって-要因にもなり得る。 • 使い捨てカメラの魅力を定量的に分析した先行研究で「負荷」は製品の魅力に関してネガ ティブな影響を与える結果となっていた[2]。本研究で定性的な実験を行ったことでポジ ティブな影響が確認された。 • 昔の製品だが、現代では「新鮮さ・意外性による驚き」を感じられる。 • 手間がかかり工程が多いからこそ感じられる「 習得する楽しさ・愛着・達成感・向上心」 2)古谷奈菜, 田村高志, 他. 若者のレトロ商品における利用動機に関する研究 ―使い捨てフィルムカメラを対象をしたノスタルジアと新奇性からの検討―. プロモーショナル・マーケティング研究. 2019, 12, p. 7-21. 36

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7.まとめ • 若者世代の “レトロブーム”に着目し、レトロな製品の魅力要因を探ることを目的とした。 • UXカーブを用いた定性的な調査により、レトロ製品の魅力要因を抽出 8.今後の展望 • 期待度や魅力度などの数値も含め、定量的に分析していく。 • どのキーワードが魅力要因として大きく働いているかや、キーワードの関連性を定量 的に測るため、今回抽出した魅力要因を用いてアンケートを実施。 ※現在、魅力要因をさらにグループ化し、アンケート項目を作成中 37

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ご清聴ありがとうございました。 キーワード(+) キーワード(ー) 脆弱間のある見た目・手軽に使え 利用へのワクワク感・製品の見た目・行動の原動力・身体感覚の楽しさ・手間 ない・手間や時間による不満・使 使い捨て による楽しさ・機能の制限による魅力・時間がかかることによる良さ・新鮮 い方の分からなさ・操作の難し カメラ さ・仕上がりへの期待感・愛着・特別感・向上心・写真の質感や色味の良さ さ・機能の制限による不満 利用へのワクワク感・製品の見た目・安心感・選べる楽しさ・身体感覚の楽し 脆弱間による不安・手軽に使えな コーヒー さ・手間による良さ・時間がかかることによる良さ・新鮮さ・仕上がりへの期 い・手間や時間による不満・使い ミル 待感・習得する楽しさ・愛着・達成感・向上心 方の分からなさ・操作の難しさ ガラス ペン 利用前のワクワク感・製品の見た目・象徴的価値・選べる楽しさ・身体感覚の 脆弱間のある見た目・手軽に使え 楽しさ・手間による良さ・新鮮さ・意外性による驚き・仕上がりへの期待感・ ない・手間や時間による不満・使 習得する楽しさ・愛着・達成感・向上心・仕上がりの見た目の良さ・仕上がり い方の分からなさ・操作の難し の不安定さや不均一さによる魅力 さ・機能の制限による不満 大阪市立大学生活科学部村田三実 a20hb041@st.osaka-cu.ac.jp 38