平均文字は美しい

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July 17, 19

スライド概要

平均文字がきれいになることを明らかにした研究

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

平均文字は美しい 中村聡史(明治大学・JST CREST) 鈴木正明,小松孝徳(明治大学) インタラクション+数学+認知科学

2.

Demo

3.

背景(美文字) • 日本人は美しい文字を書く事にこだわりがある • 様々な書籍,テレビ番組,ゲームなどなど

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大きな仮説 (本研究はこの第1歩目) • ひとは頭のなかに理想とする文字があるが,手が思い 通りに動かず毎回ぶれているのではないか? • 多くのひとが考える理想的な文字があるが,ひとはそ れぞれそこからぶれているのではないか?

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大きな仮説 (本研究はこの第1歩目) • ひとは頭のなかに理想とする文字があるが,手が思い 通りに動かず毎回ぶれているのではないか? • 多くのひとが考える理想的な文字があるが,ひとはそ れぞれそこからぶれているのではないか? ぶれを平均化すると 美しくなる?

6.

仮説 • ユーザ平均文字はその人の理想的な文字であ り,実際に書いた文字より綺麗だと評価される • 多くの人の全体平均文字は,そのそれぞれの 平均文字よりも綺麗だと評価される • どの文字を綺麗と判断するかは人により異なる

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平均文字生成手法 1. 筆跡を点列データとして取得 2. 点と点との間をスプライン補間によって補完 3. 全ての点を通るような数式を導出 – フーリエ級数展開でsinとcosの式に – x = f(t), y = g(t) の式として表現 4. 求められた数式を平均化 5. t の変化によって平均文字を描画

8.

実験手続き • データセット構築 – 10人の協力者に5日間,ひらがなを書いてもらう • 各文字に関する実験の実施 – 1~5日目の文字と平均文字を比較 • 10人の協力者が自身の文字に対し1~3位で順位付与 – 10人の平均文字と全体平均文字を比較 • 26人の実験協力者が文字に対し1~3位まで順位付与

9.

比較システム

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実験結果(1~5日目,平均文字)

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実験結果(1~5日目,平均文字) 平均文字は実際に書いた 文字より圧倒的に美しい!

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実験結果(10人と全体の平均文字)

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実験結果(10人と全体の平均文字) 全体平均文字は 各々の平均文字より美しい!

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誰がどの文字を高く評価している? • AはAを,BはBを,・・・,JはJを高く評価している – 他者評価の倍以上 – Iは自身の文字を2番目に高く評価している

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誰がどの文字を高く評価している? • AはAを,BはBを,・・・,JはJを高く評価している – 他者評価の倍以上 – Iは自身の文字を2番目に高く評価している 人は自分の文字が大好き

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まとめ • 平均文字は美しい – 自身が書いた実際の文字より,書いていない平均 的な文字を高く評価する – 全員の平均的な文字は,各人の平均文字より高く 評価される – ある人の文字を最も高く評価するのは自分自身 • 応用の一部 – 自身の最高の文字を作り上げる – 特徴があるオリジナリティの高い文字 – きれいな図形を描くためのシステムに応用

17.

明らかにした仮説 • ユーザ平均文字はその人の理想的な文字であ り,実際に書いた文字より綺麗だと評価される  平均文字は日々の字より高く評価された • 多くの人の全体平均文字は,そのそれぞれの 平均文字よりも綺麗だと評価される  全体平均文字は他より圧倒的に高く評価された • どの文字を綺麗と判断するかは人により異なる  ひとは自分の文字が大好き

18.

明らかにした仮説 • ユーザ平均文字はその人の理想的な文字であ り,実際に書いた文字より綺麗だと評価される  平均文字は日々の字より高く評価された • 多くの人の全体平均文字は,そのそれぞれの 平均文字よりも綺麗だと評価される  全体平均文字は他より圧倒的に高く評価された • どの文字を綺麗と判断するかは人により異なる  ひとは自分の文字が大好き 13:00-16:00のデモを体験して下さい