能動的な行動を引き出すことによって推し語りの効果を最大化する手法の検討

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March 01, 21

スライド概要

自身の熱中・没頭するものの中で情熱を捧げて応援する対象を「推し」と表現する文化が広がりつつある.また自分のみで楽しむだけでなく,同じ気持ちを共有したい・良さを知って欲しいなどの理由から他者に自分の好きな推し作品や人などを推薦する推し語りも増えている.しかし,多くの人が自身の好きな推しを詳しく知らない他者に推薦しても,なかなか興味をもってもらえない.このような推薦が上手くいかない問題が生じる原因の一つとして,聞き手が話し手の推しコンテンツに十分な興味をもっていないからであると考えられる.ここで,人は自身の興味をもつものには能動的に行動を起こすことから,人によるコンテンツ推薦時に聞き手に能動的な行動をさせることで興味をもつ確率が上がるのではないかと考えた.そこで本研究では,能動的行動のうち検索行為に着目し,人によるコンテンツ推薦時に聞き手に頭の中で検索行為をしてもらうことで,聞き手がコンテンツに対して興味をもつ可能性を上昇させることを目指す.

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
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F31-2 能動的な行動を引き出すことによって 推し語りの効果を最大化する手法の検討 明治大学 総合数理学部 船﨑友稀奈 中村聡史

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この発表についてネットで検索を行うなら どのようなキーワードで検索するか? を考えながら聴いて頂けると幸いです

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背景・問題 目的・主張 こんな経験はありませんか? 本実験 課題・展望 是非見て欲しい!! 提案手法 あの映画本当に面白かった!

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背景・問題 目的・主張 こんな経験はありませんか? プレ実験 本実験 課題・展望 是非見て欲しい!! 提案手法 あの映画本当に面白かった!

5.

背景・問題 目的・主張 提案手法 ❏ 同じ感情や体験を共有したい プレ実験 本実験 ❏ 自分の“推し”コンテンツを他の人にも知って欲しい 課題・展望 本実験 背景

6.

男性500名,女性500名の回答を募集 有効データ:男性396件,女性422件(計818件) 背景・問題 目的・主張 提案手法 ❏ 他者に推し語り(布教)をしたことがある人を対象にアンケート調査 プレ実験 本実験 ❏ 話した相手に興味をもってもらえない 課題・展望 本実験 問題

7.

自分が薦めたものがマイナーすぎて理解されなかった 熱く語っても,反応が薄かった 薦めたものが相手に合わず,口論になり関係が悪化 背景・問題 目的・主張 提案手法 自分が思う魅力を語ったが,相手が興味を示さなかった プレ実験 本実験 ❏ 6〜7割の人がうまくいかなかった経験がある 課題・展望 本実験 問題

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自分が薦めたものがマイナーすぎて理解されなかった 熱く語っても,反応が薄かった 薦めたものが相手に合わず,口論になり関係が悪化 関連する事柄を相手に話すのことをやめてしまう例が多く見られた 背景・問題 目的・主張 提案手法 自分が思う魅力を語ったが,相手が興味を示さなかった プレ実験 本実験 ❏ 6〜7割の人がうまくいかなかった経験がある 課題・展望 本実験 問題

9.

相手の興味を引き立てることができなかった 推しの良さを伝えきれなかった ➥「自分の話術や技量がなかったから」という意見が多かった 背景・問題 目的・主張 提案手法 話が下手で興味を持ってもらえなかった プレ実験 本実験 ❏ 自分の推し語り(布教)で興味をもってもらえなかった理由 課題・展望 本実験 問題

10.

推しの良さを伝えきれなかった ➥「自分の話術や技量がなかったから」という意見が多かった 本来は コンテンツそのものの良し悪し を見て欲しいのに, 話し手の話術で興味が変化 してしまうのは問題 目的・主張 背景・問題 相手の興味を引き立てることができなかった 提案手法 話が下手で興味を持ってもらえなかった プレ実験 本実験 ❏ 自分の推し語り(布教)で興味をもってもらえなかった理由 課題・展望 本実験 問題

11.

目的 話者の話術 や技量 に関係なく 推し語りで布教を成功 させる

12.

背景・問題 目的・主張 提案手法 気になる プレ実験 本実験 ❏ 人は興味をもったものには能動的な行動を起こす 課題・展望 本実験 アイデア

13.

背景・問題 目的・主張 提案手法 ❏ 能動的な行動を起こすことで興味を誘発できる [瀬戸崎 2002] プレ実験 本実験 ❏ 人は興味をもったものには能動的な行動を起こす 課題・展望 本実験 アイデア

14.

❏ 人は興味をもったものには能動的な行動を起こす 聞き手に興味をもたせる ことができるのではないか? 背景・問題 課題・展望 本実験 推し語り時に 能動的な行動をさせる ことで, プレ実験 本実験 提案手法 ❏ 能動的な行動を起こすことで興味を誘発できる [瀬戸崎 2002] 目的・主張 アイデア

15.

背景・問題 消費者行動モデルが主流 [Pelawi 2019] 検索行動は人間の脳が,頭の中でより多くの知識をもっていると 錯覚を起こす [Fisher 2015] プレ実験 本実験 スマートフォンやPCでの,Search(検索)が含まれる 課題・展望 本実験 ❏ 能動的な行動のうち「検索」に着目 提案手法 目的・主張 検索

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背景・問題 検索は,人に興味をもたせる手段として 消費者行動モデルが主流 [Pelawiら 2019] 効果的なのではないか? 検索行動は人間の脳が,頭の中でより多くの知識をもっていると 錯覚を起こす [Fisherら 2015] プレ実験 スマートフォンやPCでの,Search(検索)が含まれる 課題・展望 本実験 ❏ 能動的な行動のうち「検索」に着目 提案手法 目的・主張 検索

17.

検索結果から,検索意図に合うものを選択する クリックして表示されたページから知見を得る 満足する結果が得られなかった場合,①に戻る 背景・問題 目的・主張 提案手法 スマホやPCで検索窓に,検索クエリを入力する プレ実験 本実験 対象を検索するために,脳内でクエリを考える 課題・展望 本実験 検索行為の細分化

18.

❏ 「推し語り時に 能動的な行動を起こす ことが,聞き手の興味を 背景・問題 目的・主張 仮説 提案手法 増加させる」と仮定する 課題・展望 本実験 興味を増加させられるのではないか? プレ実験 本実験 ❏ 一番聞き手への負荷が小さい「脳内で検索クエリを考える」だけで,

19.

提案手法 推し語り時に,聞き手に 脳内で検索クエリを考えさせることで 推薦コンテンツへの興味をもたせる

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映画 KUBO/二本の弦の秘密(女性の話し手) ❏ 10分以内の動画で,FaceRigを用いて撮影 背景・問題 目的・主張 提案手法 ゲーム mother2(男性の話し手) 本実験 ❏ 2つの推し語り動画を視聴 課題・展望 本実験-概要

21.

背景・問題 推し語り動画視聴① ⇩ 事後アンケート① 目的・主張 ⇩ 提案手法 事前アンケート調査 推し語り動画視聴② 本実験 ⇩ ⇩ 事後アンケート② 課題・展望 本実験-概要

22.

⇩ 事後アンケート ⇩ 背景・問題 ❏ 事前興味 提案手法 推し語り動画視聴 (どのくらい知っているか) (どのくらい興味があるか) ➥6段階のリッカート尺度で回答 本実験 ⇩ ❏ 事前知識 (1全く興味がない〜6とても興味がある) … 課題・展望 事前アンケート調査 目的・主張 本実験-概要

23.

背景・問題 目的・主張 本実験-概要 事前アンケート調査 提案手法 ⇩ 推し語り動画視聴 事後アンケート ⇩ ※音声が流れます … 課題・展望 本実験 ⇩

24.

推し語り動画視聴 ⇩ 事後アンケート ⇩ ❏ 事後能動性 ❏ 事後能動性 目的・主張 背景・問題 (どのくらい興味をもったか) (どのくらい興味をもったか) (実際に調べてみたいか) (実際に調べてみたいか) ➥ 6段階のリッカート尺度で回答 ❏ 6段階のリッカート尺度で回答 本実験 ⇩ ❏ 事後興味 ❏ 事後興味 (1全く興味がない〜6とても興味がある) … 課題・展望 事前アンケート調査 提案手法 本実験-概要

25.

背景・問題 事前アンケート調査 事前興味と事後興味が 推し語り動画視聴 事後アンケート ⇩ 本実験 ⇩ どのように変化するかを調査 … 課題・展望 ⇩ 提案手法 目的・主張 本実験-概要

26.

❏ ゲーム → 映画 ❏ 映画 → ゲーム ❏ 映画 → ゲーム 4パターンのうち,どれか1つを行う実験協力者間比較 目的・主張 背景・問題 ❏ ゲーム → 映画 提案手法 クエリ思考あり群(提案手法) 本実験 クエリ思考なし群 課題・展望 本実験-概要

27.

考えるクエリに正解はない 必ず1つ以上考えれば,数の上限は問わない 背景・問題 目的・主張 提案手法 検索クエリとは何か プレ実験 本実験 ❏ 実験協力者には,あらかじめクエリの説明を行う 課題・展望 本実験 本実験-概要

28.

❏ 映画に比べて,ゲームの事前興味の平均が高い 背景・問題 目的・主張 提案手法 ❏ 4パターンどの条件でも,事前興味より事後興味が 上がった 本実験 ❏ 20代の12名(男性7名,女性5名) 課題・展望 本実験-結果・考察

29.

クエリ思考あり群:6件 背景・問題 目的・主張 提案手法 クエリ思考なし群:7件 本実験 ❏ 事前興味が1〜3の実験協力者をピックアップ 課題・展望 本実験-結果・考察

30.

クエリ思考あり群:5件/6件 背景・問題 目的・主張 提案手法 クエリ思考なし群:2件/7件 本実験 ❏ 事後興味が5〜6に上昇した実験協力者の数を比較 課題・展望 本実験-結果・考察

31.

背景・問題 目的・主張 提案手法 聞き手に興味をもたせる方法として 有効 である 本実験 脳内で検索クエリを考えることは, 課題・展望 本実験-結果・考察

32.

❏ 推薦が上手く行った実験協力者は,クエリを 3つ以上 考えていた 自分にとって魅力的な話題が話の中で出た場合においては,クエリの 数や検索の有無問わず興味度合いが高くなった 背景・問題 目的・主張 提案手法 それぞれが気になったものや聴き慣れないものを挙げていた 本実験 ❏ 実験協力者が考えたクエリと興味の変化に関係性は見られなかった 課題・展望 本実験-結果・考察

33.

可能性が示唆された 背景・問題 目的・主張 提案手法 クエリ思考あり群の方が,実験後の行動にも影響を及ぼす 本実験 ❏ 実際に見て・遊んでみたい,さらに詳しく調べてみたいと感じたか 課題・展望 本実験-結果・考察

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(またはその経験があるか)」 ❏ 男性:推し語りはほとんどしない・話はやや苦手 ❏ 女性:推し語りは頻繁にする・話はやや苦手 背景・問題 目的・主張 提案手法 ❏ 「自分が話す布教や推し語りで相手に興味をもたせるのは得意か 本実験 ❏ 「普段から推し語り・布教をよくするか」 課題・展望 本実験-結果・考察

35.

クエリ思考あり群:5件/6件 背景・問題 目的・主張 提案手法 クエリ思考なし群:2件/7件 本実験 ❏ 事前興味が5〜6に上昇した実験協力者の数を比較 課題・展望 本実験-結果・考察

36.

クエリ思考あり群:5件/6件 相手に興味をもたせる方法として 有効である 背景・問題 目的・主張 提案手法 話し手の話術や技量に関わらず クエリ思考なし群:2件/7件 本実験 ❏ 事前興味が5〜6に上昇した実験協力者の数を比較 課題・展望 本実験-結果・考察

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興味増加に一番効果的かを調査 ❏ 推薦の中に検索行為を自然に組み込み,興味を誘発できるような システムを作成することを目標とする 背景・問題 目的・主張 提案手法 ❏ 検索ステップを1つずつ上げて実験を行い,どのステップでの検索が プレ実験 ❏ 実験人数を増やして,同様の結果が出るかの調査 課題・展望 課題・展望

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背景 まとめ 問題 主張 能動的な行動を 推しを布教したい 相手が自分の話に 起こすことで聞き手に 興味をもってくれない 興味をもたせる 提案手法 実験 推し語り時に 結果・考察 展望 提案手法は 推薦に検索を自然に 聞き手に興味を 組み込むシステムを もたせるのに有効 作成 推薦動画を見て 相手に脳内でクエリを 脳内でクエリを考える 考えさせる