DebaTube Live:即興型競技ディベートにおける反論構造の可視化に基づく試合振り返り支援手法の検証

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March 09, 26

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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1.

DebaTube Live: 即興型競技ディベートに おける反論構造の可視化に基づく 試合振り返り支援手法の検証 明治大学 福井雅弘 中村聡史

2.

競技ディベートとは? - 肯定側と否定側のチームがターン制で討論 - (例) 消費税は廃止すべき?タバコは禁止すべき?etc... - ブリティッシュ・パーラメンタリー形式が最も普及 2

3.

ブリティッシュ・パーラメンタリー - 肯定側2チーム,否定側2チームの4チーム制 - 肯定側同士・否定側同士でも競い,1位〜4位が決定する 3

4.

ブリティッシュ・パーラメンタリー - 後半2チームでは,前半の主張との違いが重要 - → 多数の主張が複雑に絡みあい,議論の流れの把握は困難 4

5.

背景 - 振り返りでは反論関係の俯瞰的な理解が特に重要 - (例) 反論の個々の内容は良いが、全体的に見て話が - (例) 偏ってる...議論の流れが一貫していない... - フィードバックが局所的なものに偏りがち → 反論構造の視覚的な特徴を活用できる? 5

6.

関連研究 俯瞰的な理解には反論構造の可視化が役立つ 政治討論での反論関係を可視化 各候補者の政策理解を支援 [South+ 2020] 競技ディベートで争点ごとに分類し 反論関係を可視化 [Chen+ 2026] L. South, M. Schwab, N. Beauchamp, L. Wang, J. Wihbey and M. A. Borkin, "DebateVis: Visualizing Political Debates for Non-Expert Users," 2020 IEEE Visualization Conference (VIS), 2020, pp. 241-245. Q. Chen et al., "Conch: Competitive Debate Analysis via Visualizing Clash Points and Hierarchical Strategies" in IEEE Transactions on Visualization & Computer Graphics, 2026, vol. 32, no. 01, pp. 944-954. 6

7.

問い 反論構造の可視化は、反論のバランスや順序などの 特徴に着目した俯瞰的な振り返りを促すか 7

8.

反論構造の可視化 肯定側1番手 否定側1番手 肯定側2番手 否定側2番手 肯定側3番手 否定側3番手 肯定側4番手 否定側4番手 ADU(議論の最小単位)をノード,反論関係をエッジとするグ ラフとしてデザイン 8

9.

目的 - 試合後に即座に反論構造を可視化するシステムの実現 - 処理時間が実用的な範囲に収まることも必要 - 練習試合で実際にシステムを利用する実験を行い - 可視化がどう活用されるか、どう影響するかを調査 9

10.

可視化の生成 - LLMで反論構造のグラフを推定 - 前回の研究では話者分離に特に時間がかかっていた 10

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可視化の生成 - LLMで反論構造のグラフを推定 - 前回の研究では話者分離に特に時間がかかっていた - → ターンごとに録音することで処理時間を大幅に削減! 11

12.

DebaTube Live 試合の録音と可視化を行う振り返り支援システム 「DebaTube Live」を実装 録音画面 可視化・音声再生画面 12

13.

DebaTube Live 試合の録音と可視化を行う振り返り支援システム 「DebaTube Live」を実装 - タイマー機能と連動 - → ターンごとに録音することを - → 手間と感じないデザイン - 録音が完了したあと「グラフを生成」 - ボタンを押すと可視化が生成される 録音画面 13

14.

DebaTube Live 試合の録音と可視化を行う振り返り支援システム 「DebaTube Live」を実装 - 音声プレイヤと連動した可視化 - - ノードをクリックすると該当箇所に - - ジャンプして参照できる 可視化・音声再生画面 14

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実験 目的: 可視化がどう活用されるか、どう影響するかの調査 手順: - 提案システム群とベースライン群に分かれ、試合後に10分間 - チーム内でのみ話し合い、振り返りを行う - 実験後に振り返りのしやすさについてアンケートを実施 15

16.

実験対象 試合: 大学サークルのBP形式の練習試合6試合 参加者:各試合の後半の2チーム*2名 → のべ24名(提案群6チーム,ベースライン群6チーム) 16

17.

振り返りへの効果 - 可視化により反論構造への言及が明確に増加した - 内容の詳細への言及が減少したが、実験時間の制約による - ものだと考えられる 17

18.

振り返りの事例(1) 初心者と中級者が ことなる学びを得た 18

19.

振り返りの事例(1) (中級者) 「反論を3点に絞り効果的に 対処できた!」 (初心者) 「もっと前半にも反論する べきだった...」 19

20.

振り返りの事例(1) (中級者) 「反論を3点に絞り効果的に 対処できた!」 (初心者) 「もっと前半にも反論する べきだった...」 反論のバランスが 読み取れる 20

21.

振り返りの事例(2) 中級者(否定側4番手)が 戦略的な学びを得た 21

22.

振り返りの事例(2) 「前半の話は十分反論されてたと 思ってたが、正しかった!」 前 半 後 半 22

23.

振り返りの事例(2) 「前半の話は十分反論されてたと 思ってたが、正しかった!」 「あえて反論を後半に集中させたが 思い通りにできていた!」 前 半 後 半 23

24.

振り返りの事例(2) 「前半の話は十分反論されてたと 思ってたが、正しかった!」 「あえて反論を後半に集中させたが 思い通りにできていた!」 前 半 後 半 自分の立てた戦略を 確認できる 24

25.

振り返りの事例(2) 「前半の話は十分反論されてたと 思ってたが、正しかった!」 「あえて反論を後半に集中させたが 思い通りにできていた!」 自分の立てた戦略を 確認できる 後輩への教育にも 活用できる 前 半 後 半 25

26.

振り返りへの効果 - 議論の流れの想起や整理、反論先の想起が容易になった - システムにより反論構造への言及が明確に増加した 26

27.

振り返りへの効果 - 議論の流れの想起や整理、反論先の想起が容易になった - システムにより反論構造への言及が明確に増加した → 振り返りの視野を広げ、負担も軽減できる可能性が示唆 27

28.

今後の展望 - ジャッジが勝敗を決めたり、基準を考えるための支援への拡張 - 試合中の反論のリアルタイムな可視化により - ディベート学習を支援 対話構造の可視化をもとに 議論の視野を広げる手法の普及と発展をめざす 28

29.

展望の実現に向けて スマートフォンアプリ化で さらに手軽に利用可能に 29

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まとめ 背景:俯瞰的な振り返りは重要だが難しい 目的:試合後の可視化が俯瞰的な振り返りを促すか調査 結果:振り返りにおいて議論構造への言及が増加 議論の流れの想起など,振り返りの負担が減少 考察:可視化は反論のバランスや戦術が実行できたかの 確認に有効 30

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32.

文字起こし 話者分離 ADU分割 反論判定

33.

文字起こし ターンごとに録音 ADU分割 反論判定

34.

ADUへの分割 各ターンをLLMがADUに分割 - 論点ごとに区切る - 同じ論点でも新たな深掘りや着眼点の切替えで区切る 分割 宿題は生徒に負担なので廃止すべきだ。第一に、 メンタルの負担が大きく... 第二に睡眠時間がへ り肉体的負担が... これが原因で勉強が嫌いにな り、将来に悪影響が... 宿題は生徒に負担なので廃止すべきだ。第 一に、メンタルの負担が大きく... 第二に睡眠時間がへり肉体的負担が... これが原因で勉強が嫌いになり、将来に悪 影響が... 34

35.

反論関係の判定 - どのADUからどのADUに反論されているかLLMが判定 - - 反論 = 相手の主張に言及した反対意見 肯定 否定 宿題は生徒に負担なので廃止すべきだ。第 一に、メンタルの負担が大きく... 第二に睡眠時間がへり肉体的負担が... これが原因で勉強が嫌いになり、将来に悪 影響が... 肯定側の1点目に反論する。まず精神的負 担については... また、睡眠時間をへらす必要はなく... 宿題がなくなれば,参考書などを買えない 貧しい生徒との格差が... 35

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これまでの研究 反論構造のグラフから他者の試合の特徴を読み取れるか検証 → 可視化を活用して参考になる試合を効果的に探索! Masahiro Fukui and Satoshi Nakamura. 2025. Structural Analysis of Rebuttals to Evaluate Argumentative Interaction in Parliamentary Debates. In Collaboration Technologies and Social Computing: 31st International Conference (CollabTech 2025), November 4–7, 2025, Proceedings, 268–275. 36

37.

振り返りのアンケート結果 - システムにより反論構造への言及が明確に増加した - 議論の流れの想起や整理、反論先の想起が容易になった 37

38.

これまでの研究 俯瞰的な振り返りにも 反論構造の可視化が活用できる? 反論構造のグラフから他者の試合の特徴を読み取れるか検証 → 可視化を活用して参考になる試合を効果的に探索! Masahiro Fukui and Satoshi Nakamura. 2025. Structural Analysis of Rebuttals to Evaluate Argumentative Interaction in Parliamentary Debates. In Collaboration Technologies and Social Computing: 31st International Conference (CollabTech 2025), November 4–7, 2025, Proceedings, 268–275. 38

39.

振り返り実験の結果 - 可視化により反論構造への言及が明確に増加した - 内容の詳細への言及が減少したが、実験時間の制約による - ものだと考えられる 39

40.

競技ディベートとは? - 肯定側と否定側のチームがターン制で討論 - (例) 消費税は廃止すべき?タバコは禁止すべき?etc... - 振り返りでは、議論全体の俯瞰的視点が重要 40

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振り返り実験の結果 言及内容 ベースライン 提案システム 誰が誰に反論したか 0 3 反論の集中度合い 2 8 再反論 0 1 反論の順序 0 1 反論の多さ 0 6 内容の改善点 32 10 内容以外の改善点 6 10 良かった点 8 3 気づきや学び 12 4 - 可視化により反論構造への言及が明確に増加した 0 14 合計ユニット数 60 60 - 内容の詳細への言及が減少したが、実験時間の制約による - ものだと考えられる 機能について 41