7th長崎QDG クロージングパネル(トークセッション) 「技術で楽しさや未来を創造! ~これからのエンジニアが未来を創るために必要なこと~」 参考資料

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September 15, 23

スライド概要

クロージングパネル(トークセッション)
「技術で楽しさや未来を創造! ~これからのエンジニアが未来を創るために必要なこと~」
モデレータ:池田 暁 氏(クオリティアーツ 代表、株式会社マネーフォワード CQO)
パネリスト:
福永 泰 氏(ITECメンタークラブメンター、株式会社Gamaエキスパート チーフアドバイザー)
増崎 和彦 氏(KDDI株式会社 事業創造本部 XR推進部)
本多 慶匡 氏(ソフトウェア技術者協会)

2023年9月15日(金)に出島メッセ長崎にて「7th長崎QDG」を開催しました。
ご講演者より許可を頂いた資料につきましてNaITEにて公開いたします。(公開版資料は当日版資料と内容が異なっていることがあります)

★7th長崎QDG
 https://nagasaki-it-engineers.connpass.com/event/263690/

★NaITE(長崎IT技術者会)
 https://naite.swquality.jp/

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各ページのテキスト
1.

未来を創るフレームワークーー長崎 10 年後を題材に 福永泰 1.はじめに 3 種の神器(3%の輪、技術と出口のマトリックス運営、パズルより LEGO 型)を活用する と未来図を創れてエコシステムで開発を進められます。 例1) 紙のような計算機を目指して : 平面ディスプレイがもたらす 21 世紀の新しい 計算機文化 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tvtr/15/37/15_KJ00001967825/_pdf/char/ja 例2) 第 8 回星新一賞応募作品 150 年ぶりに巡ってきた電流戦争 ――21 世紀の ジャンヌダルクーー 分散電源の世界 https://www.facebook.com/100001983891659/posts/3561450873931007/ 例3) 第10回星新一賞応募作品 第 6 次産業の勃興 https://www.facebook.com/groups/338891154552226/permalink/7022718815 「例題4」として長崎でのフォーラムの最後のパネルは研究ノートアーカイブス(現 状 66 冊)から、長崎アイテムをリストアップすることで、現状の長崎中心にした各 種動きを俯瞰し未来図を共有したいと思います。 (未来を想起するフレームワーク題 材) 2.研究ノートから長崎話題を抽出。俯瞰するためマインドマップでアブストラクト(ア イデアプロセッサで俯瞰してもいい)未来のストーリーとしてまとめる 66冊の研究ノート群

2.

その中の公開情報のエクセル表 python で「長崎」案件を抽出

3.

マインドマップで整理 3.長崎活性化のストーリーとしてまとめる 【マインドマップに時間軸を加え、ストーリーにした】 2023年9月15日のシンポジウムから10年がたった。10年まえ、長崎市 は、三菱重工造船部門の縮小、人口減、中国との往来がコロナで不調、など、経済的 に苦しい状況にあり、長崎県や長崎市は背水の陣で、経済の大変革を進めなければな らない状況にあった。 そういう時期に長崎で開催されたソフトウェア品質管理などを議論する会議は、従 来の重厚長大ビジネスではなく、知識産業の勃興を図ろうとする主催者のネットワー クの広さもあり、産官(中央と地方自治体)学民の関係者が集まり、少人数の参加と いうメリットも活かして密度の高い議論が取り交わされた。あれから10年、単なる 議論だけで終わる会議ではなく、それを地場産業の勃興、グローバルカンパニーや中 央技術政策との連携につなげようとする関係者の志と日々の努力もあり、九州、長崎 県、長崎市のビジネス環境は、既存ビジネス分野の新展開や、既存のノウハウを利活用 した新規ビジネスの勃興など、全く違った形へと発展した。 3.1.既存ビジネスの変貌 まず、既存ビジネス分野の変貌を示してみたい。三菱重工の造船部門は、同じ長崎 県西海市を基盤とする中堅造船会社、大島造船所主体とした M&A の動きにより、グ ローバルに展開する「バラ積み船」専用建造会社へのシフトが進んだ。三菱重工の造 船分野以外のテクノロジー、水素発電やプロセス管理、失敗学の異分野適用などと、 大島造船所が地場で築いてきたバラ積み船の設計、製造、検査システムと融合するこ とで、再エネ利用の「バラ積み船」という化石燃料に頼らない運航船という世界に類 をみない船舶が作れることでグローバル市場でマーケットを広げた。当初、長崎市の 三菱ドックからダイヤモンドマークが消える、と市民から嘆きの声も起こったが、そ

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の後の大島造船所のロゴとして成長を見ると、長崎市にも活気が戻っている。 一方、別の動きとして九州は熊本県の TSMC 進出で半導体事業の活性化が、TSMC だけでなく、ソニーの画像処理 LSI などとの相互シナジーも生まれて活性化してき た。有明海を挟んで反対側に位置する長崎県諫早地区にも京セラ620億を投資した 新工場の運用も開始され、その波及効果も計り知れないものになってきた。京セラは 同じ九州鹿児島出身の稲盛氏の組織文化―アメーバ組織文化に支えられており、自主 独立性が強く、特に、半導体は水資源が重要で、これが豊富にある阿蘇、雲仙水系の 地政学的なメリットも加味されて半導体工場の進出にとって重要な位置づけになる。 さらに長崎県は、その地政学上のメリットで、洋上風力や、航空機産業のビジネス部 隊も多く、そこでは、微細化半導体だけでなく、パワー半導体の需要も旺盛で、SiC などで、インターアクション社などのベンチャー企業の起業にもつながっている。九 州大学、熊本大学、長崎大学のトライアングル、福岡県、熊本県、長崎県の官のネッ トワークも強化され、半導体の製造、設計、利活用、生産技術、品証技術などのビジ ネス部隊が雨後の筍のように産まれてきた。 説明が前後したが、こうした活動のベースにある長崎県の地政学的メリットも強調 しておきたい。長崎は日本の最西端に位置し、大小1000弱の島で構成されてい る。対馬から韓国は50km圏内、長崎市から上海まで800km、福岡とは地上で 100km、沖縄、台湾とも近い位置関係にある。東京に出るよりも中国、韓国に行 くほうが近いという地政学的メリットを有している。20世紀までは、「島」特有の物流 インフラの障害も大きかったが、21世紀になり、モータ活用した「空飛ぶ車」や「ドローン」 の広がり、低価格化のおかげで、むしろ島の移動を活かしたビジネス展開のラッセル役を 果たせるようになってきた。2023年には、100km離れる五島と長崎市でドローンによ る物品搬送実験も見事成功し、緊急を要する薬品や医療品が手数をかけることなく搬送 できる世界がすでに実現した。 懸案だった長崎新幹線も現在、武雄と九州新幹線をつなぐ建設が進んでいるが、こ こでも、空飛ぶ車を基幹にした近距離物流、人流の大変革が役立った。NHK朝ドラ 「舞い上がれ」が示した近未来図は2027年、五島と長崎の病院を結んだ空飛ぶ車 の実現だが、これも、2025年の大阪万博でのトライヤルの成功で現実のものとな った。特に、空飛ぶ車は、空に障害物もないため自動運転も導入しやすく、ぶつから ない車だから、頑丈に作る必要もない。落下の時の安全対策さえすればよく、海上運 航はすぐに実用化できて、安全機能もパラシュートの技術やエアバック技術の横展開 で対応でき、三菱重工には国産旅客機やヘリコプター、宇宙ロケットなどこの世界に 近い熟知したエンジニア集団を抱えているメリットを有している。 空飛ぶ車は乗用車より高額なる理由はないので、それを IT 技術でシェアリングで きれば、運転手もいらなくなるのでタクシーより低価格なモビリティが実現できるよ うになった。特に、橋や道路インフラの開発費、メンテナンス費が不要になるので、

5.

今まで離島だから、とか駅から離れているから、などのデメリットがない社会インフ ラを整備できる時代を迎えた。 標準軌の新幹線敷設に反対していた佐賀県もこの構想を聞くことで、長崎新幹線の 建設計画に了解を得られたのが202X年で、それから長崎新幹線建設が本格化し、 2030年開業の年をむかえた。 こうした既存ビジネスの活性化、交通インフラの未来像が明確になったことで、昔 から社会文化として生き続けている「出島」グローバリズムに火が付き、あらゆる社 会システムで、最新 IT を取り入れた新社会システムー世の中は Society5.0と呼ぶ らしいが、その芽生えがはじまり、10年の間に定着していった。さらに長崎地区、 九州地区の変革の力強さの原動力が日本を、世界を変える動きにつながっていって、 さしずめ、明治維新前の出島もうでで沸いていた世界の再来を起こしつつある。まさに 歴史は繰り返す現象である。その何個かを以下で紹介しておきたい。 3.2.新ビジネスの勃興 3.2.1.漁業養殖システムの広がり、第6次産業の勃興 五島列島を中心に長崎は養殖産業のベースがある。近年の地球温暖化で海上の水 温、水質が安定しない問題が発生しており、いっそのこと陸上養殖で魚を育てる動き が起こってきた。高級魚のほうがメリットが大きいので、最初はクエからスタート し、魚種を増やしていった。同様な動きは国内の各漁場で発生し、鹿児島のウナギ、 大分の関さば、関あじ、呼子のいかなど九州各地の養殖業、そのほか、アワビ、カ キ、チョウザメ、ボラ、フグ、エビなど大きな広がりを見せている。水温は再生エネ ルギーで余った時間の電力を利用、需要予測を大規模シミュレータで実施し、それに 合わせて、魚類の成長を制御し、完成品を冷凍して直接顧客に届けるビジネスまで到 達しはじめている。工業分野で進んだ、かんばん方式、JIT の漁業分野での展開にな る。ばらつきの多い海洋漁業に頼ることなくタンパク質食料が自給できて、再生エネ ルギーの保存、廃棄食料の削減、健康管理など循環型社会が一層ひろがり、波及効果 は大きい。従来の海上漁業分野で働く人たちの労働力の吸収の場にもなっている。 3.2.2.エンターテイメント事業との連携 長崎には上海からのクルーズ船の定期就航や、グローバルクルーズ船の寄港、ハウス テンボスの運用、中国資本の投資、さらには、ジャパネットの「スタジアムシティ構 想」など、大規模エンターテイメント事業の広がりが定着してきた。古くから唐人、 朝鮮半島とのつながりも強く、佐賀、長崎には有田焼、波佐見焼など陶芸文化も広が っている。毛氈、くんち、唐人貿易の歴史的な文化もあり、これと現代が融合するこ とでユニークなエンターテイメント事業が広がってきている。それに触発されて海外 だけでなく、国内観光客の流入も増え、長崎を支えるビジネス規模に育ってきた。 3.2.3.介護事業の IT 化 長崎大学の医工連携を起点に、介護ビジネスの IT 化を図った新ビジネスが20XX

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年に産声を上げ、ユーザニーズをとらえた合理化システムの立ち上げがスタートし た。日本は、老齢化社会を世界に先駆けて実現しており、この介護職の確保が202 0年ごろは喫緊の課題になっていた。解決策は、介護職員の生産性の向上による給料 アップと、勃興してきたロボット技術の導入で、これが長崎から進んだ。ベンチャ企 業として現役理学療法士が立ち上げた【iTherapy】という会社も産声を上げた。 同様な社会構造は、一人っ子政策をとった中国でも大きな社会問題を起こし始めて いるので、ここで培ったノウハウが横展開されて中国に輸出されるようになってき た。人口比で10倍の老人問題が顕著になってきた中国で、中庸の精神が加味された システムは人にやさしく受け入れられていった。 3.2.4.横ぐし機能の必要性 以上俯瞰してみてきたように、既存ビジネスも見方を変えれば新しい成長の芽は各 所にあり、また、既存ビジネスで培った技術の横展開や、その地域に存在する歴史的な 文化を利活用して新しい社会を作ることは、他所にない特徴を出せる新展開を図ること ができる。 そのベースになるのが、提供されるビジネスの品質で、いくら書いたものが立派な ものでも、利用者にとって使い勝手の悪いものは広がらない。やすかろう、悪かろ う、と一度烙印を押されると社会は受け入れてくれない。これは、広い意味の品質管 理で、すべては人間含めたクオリティ オブ ライフを、どう確保するかにかかって くる。「システムの品質はソフトが決める」そんな時代を迎えた今、狭い意味のソフ ト品質管理でなく、システム品質にまで立ち入った設計技術を身に着けることが必須 になってきている。 いくら立派なソフトを作って、完璧にテストしてもそれを使うユーザの使い方が悪 いケースには、そのシステムは社会に受け入れられない。そんな事象を我々はいっぱ い見てきた。代表例は、マイナンバーカードのように思うが、下記のようなシステム 事故が発生していて、「失敗学」でも取り上げられている。 〇福島原子力問題 〇鉄道事故 〇コロナ、大型クルーズ船プリンセス号集団感染 〇銀行 ATM 問題、大規模システム障害 〇六本木ビル回転ドアの死亡事故 〇衛星ロケット、人工衛星失敗、客船建造品質問題 等々。これらをハードの問題で自分とは関係ない、と考えずに、自分のプロジェクト でも起こりうる問題として設計段階で対応策をいれておく、そういうエンジニアリン グ生活をぜひ送りたい。