7th長崎QDG 事例・技術セッション 「組織へのアジャイル開発導入の取組事例」

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September 15, 23

スライド概要

事例・技術セッション「組織へのアジャイル開発導入の取組事例」
古川 裕史 氏(三菱電機株式会社)

2023年9月15日(金)に出島メッセ長崎にて「7th長崎QDG」を開催しました。
ご講演者より許可を頂いた資料につきましてNaITEにて公開いたします。(公開版資料は当日版資料と内容が異なっていることがあります)

★7th長崎QDG
 https://nagasaki-it-engineers.connpass.com/event/263690/

★NaITE(長崎IT技術者会)
 https://naite.swquality.jp/

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各ページのテキスト
1.

7th長崎QDG (7th 長崎 Software Quality and Development Gathering) 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15 三菱電機(株) 設計システム技術センター 古川 裕史

2.

自己紹介 古川 裕史 三菱電機(株)設計システム技術センター所属 • 2017年に入社(転職)、社会人経験は20年。 • 社内でのアジャイル開発布教活動を推進中。 • 導入教育、現場でのコーチ、社内標準化活動、etcetc •他 • 最近は仕事と家事の兼業状態。ご飯作りってアジャイルみたい。 • ラジオを聞くのが好き(ご飯作りながら聞いている) • マラソン(フル4回完走/5回)ゴルフ(ベスト81)だったが今は見る影も・・・ 2023/9/15

3.

アジェンダ • はじめに~アジャイル開発とは • 当社の紹介 • 設計システム技術センターの事例 • 組織へのアジャイル開発導入の考え方 • まとめと今後の展望 2023/9/15

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アジェンダ • はじめに~アジャイル開発とは • 当社の紹介 • 設計システム技術センターの事例 • 組織へのアジャイル開発導入の考え方 • まとめと今後の展望 2023/9/15

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アジャイル開発とは インクリメンタルでイテレーティブな活動。 価値向上! (あいまいな) (うれしい) 成果物 要求 フィードバックと変化への適応 インプット アウトプット わかりやすいアジャイル開発の教科書 | 前川 直也, 西河 誠, 細谷 泰夫の図を改変 短いスパンを何度も繰り返し、ニーズの変化に適切に対応する 顧客が本当に求める機能(=価値)を提供する。 2023/9/15

6.

アジャイル開発の本質 アジャイル開発は「フィードバック獲得により、正しい方向を見 定める」ことに意義がある。 学習サイクルモデル 対話により、価値を見つける その手段がリリース 経験学習サイクル(オリジナルはKolb(1984)) フィードバック対象は顧客のみではない。 チームメンバー、他システム開発チームなど多岐にわたる。 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15

7.

アジャイル開発の本質 何を学習するかがわからないと効果は(当然)薄い。 何つくればいいか 【参考】 これつくる! (きめうち) これがほしい! わからない Goal Goal 真の Goal Start Start 迷走してしまう恐れ ゴールに向け 少しずつ進める ゴールイメージの設定が重要 (そのゴールを全員で共有する事がミソ) 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15 Start 最短で到達 (そのゴールは正しい?)

8.

(本日の)アジャイル開発の定義 実はこの一文がものすごく重要 立場 「常に今日の活動がベスト」を意識する。 そのため、実際に試して学習するを頻繁にくり返す。 • アジャイル開発はソフトウェア開発者のものではない。 • アジャイル開発プロセスまわしてればそれでいいわけがない。 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15

9.

アジェンダ • はじめに~アジャイル開発とは • 当社の紹介 • 設計システム技術センターの事例 • 組織へのアジャイル開発導入の考え方 • まとめと今後の展望 2023/9/15

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三菱電機の紹介 ~ 当社のイメージ 今後、事業間の連携度 合いを強めていく。 案件ごとも個別支援 (アジャイルも一部に留まる) 2023/9/15

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三菱電機の紹介 ~ 当社のイメージ • アジャイル開発導入教育 • 現場支援 • アジャイルチームの立ち上げ • アジャイル開発の環境構築 • スクラムイベントのコーチ • 上流設計のファシリーテーション • ガイドライン作成の支援 • 他 • 社内教育(ゼミ) • 社内標準化活動(技術委員会) • 社内コミュニティ活動 2023/9/15

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当社の経営戦略 企業変革が必須。変革は不確実性が高い。 アジャイル開発型で高速に乗り越えていく必要あり。

13.

現場支援から見えてきた三菱電機のアジャイル開発の現状 アジャイル導入の機運は高まるも会社全体で見ると少数派 DXの後押しもあり「導入しないと」という焦りはでてきているが・・・ 聞いてくれない アジャイル開発を誤解 (現場と管理職とで認識にズレ) 無理やり適用しても効果ない 今のやり方(ウォーターフォール) 変える気ないよ アジャイル開発とWF開発 どちらが効率的なの? 開発ルールがガチガチ アジャイルできない・・・ カタカナは入ってこない! アジャイル開発は 品質が悪いよね? 導入したいが 何から始めたら良いの?? アジャイルってソフトウェア開 発の話でしょ? チームは良い!なのだが。 上司にどう説明したらいいか・・ アジャイルを銀の弾丸と誤解 2023/9/15

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三菱電機のアジャイル開発の現場で発生している問題 アジャイル開発にTryできたとしても、長続きしない。 一生懸命 ガイド作成 良いドキュメント が出来上がる! しかし現場では・・・ アジャイル有識者が ファシリテーション チームが活性化! 有識者が抜けると・・・ WF的管理に戻る ふりかえらない 発言しなくなる ガイドの存在を知らない ガイドを正しく理解していない チームの熱意がなくなる イベントをこなすだけ

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アジェンダ • はじめに~アジャイル開発とは • 当社の紹介 • 設計システム技術センターの事例 • 組織へのアジャイル開発導入の考え方 • まとめと今後の展望 2023/9/15

16.

設計システム技術センターの事例 もともと属人性が高い個人商店なチームだった。 導入前(Step0の時代) 案件が担当者に はり付いていた(属人化) スクラムを導入 設定した目指したい姿 複数案件をマルチでこなすために、 属人化を排除し、お互いに協力ができる体制 担当者(固定) 課長 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 2023/9/15 課長 プロダクト オーナー 可変なチーム 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件 案件

17.

設計システム技術センターの事例 いきなりすべてを変える、ではなく、まず何をするかを見定めた。 スクラムを導入 まず可視化 バックログで優先順位設定 案件・タスクを共有・ふりかえりで継続的にカイゼン デイリースクラムのみを実施 チーム全員のタスクを共有 スプリントプランニング 2018年(私が合流) 2017年 スプリントレビュー・ふりかえり 2019年(人員増で2チーム体制) Step2 Step1 2023/9/15

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設計システム技術センターの事例 従来の業務に適用してわかったこと(自分調べ・・・) よかった! つらい・・ • タスクへの心理的負担が軽くなった • 責任の所在があやふや • 価値や優先順位を意識する仕事の仕 方に変わっていった • チーム間の調整がしにくい • 業務に納得感が出てくる • 依頼元との調整を後回しにする うまく活用すればチームが活性化 → ふりかえりによる学習が重要! 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15

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アジェンダ • はじめに~アジャイル開発とは • 当社の紹介 • 設計システム技術センターの事例 • 組織へのアジャイル開発導入の考え方 • まとめと今後の展望 2023/9/15

20.

アジャイル開発導入に向け、克服すべき当社の課題(20年度) 1. アジャイル開発を実践する技術・知見が不足。 • 特にマインドセット。従来型からアジャイル型へのシフトが必須。 2. アジャイル開発に適したプロジェクト選定基準がない。 • 既存事業や新規事業、難易度・不確実さ、規模等を考慮した納得感のある選 定基準をつくる。 3. ウォーターフォール型に準拠した当社品質保証規定への対応コスト。 • アジリティを損なわず、品質が確保できる基準の設定が必要。 2023/9/15

21.

アジャイル開発で目指したい姿(20年度) ■ビジョン(なりたい姿) 変化し続ける世の中において 開発体制・プロセスが継続的に改善され、 組織・チームが自ら活性化し、 価値ある製品・サービスを作り出す能力を獲得する。 ■理想像達成のコンセプト(三本柱) 新たな価値の創出と 顧客価値最大化 2023/9/15 互いに信頼・尊敬す る文化・風土の醸成 チーム・組織を 変え続ける アジャイルマインド

22.

組織へのアジャイル浸透度モデル(21年度) アジャイル組織(継続的に 改善する組織)へ 組織トップからの ビジョン提示 組織での導入開始 アジャイルチームのスケール パイロットチーム立ち上げ チェンジリーダー擁立 目覚め アジャイルと 向き合う Step0 アジャイル導入の 目的理解・共有 知識の獲得 Step1 2023/9/15 ミニマムスタートと 成功例の発信 アジャイル開発の 意義周知 Step2 実践を通じた 知見の底上げ 有識者支援によ る経験知獲得 従来型からの変革 (制度化・ルール化) Step4 Step3 アジャイルの組織浸透状態 状態を満たす前提条件

23.

アジャイル開発のスケール(22年度) • 品質/品質保証の始点でアジャイル開発を見つめ直す。 スクラムのロールにQAロールを設定 (POやSMを品質始点で協働する人) マイルストンやスクラムプロセスでの 品質活動を明示的に追加 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15

24.

取組:文化・風土の醸成 • チームが継続的に変わり続けるためのアプローチ 文化 常に「目的意識」をもつ(Whyの理解) チャレンジ精神 変化への適応 良いと思ったことはチームで ペア・モブワークの浸透 敬意と尊敬 自律的なメンバーの育成 否定しない、言うべきことは言う 習慣 環境 計画 オンライングラフィカルツール オンラインカンバン 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15 個人の課題 → チームで解決すべき案件 共同作業 オンライン ダッシュボード コード の共有 アジャイルのマインド セットを土台に持つ ふりかえり 一定のリズムでくり返す ことができるチーム オフライン ワークショップ 必要なことが確実にでき る環境でチームを支える

25.

取組:環境の整備 三菱電機技報2023年02月号 「DXをささえるプロセスと開発環境」より • 自分たちが活用していたアジャイル開発の環境をパッケージ化 • 導入を希望するプロジェクトの立ち上げを素早くする いきなり全てを使いこなす、ではない。 目指すアジャイルの姿に対して 必要な機能から使う。 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15

26.

アジャイルの組織への展開 • 「楽しい」「いきいきとした」を組織へ展開したい! ノウハウを周知 アジャイルのスケール 実践した結果を 知見に昇華しガイド化 事業所へ展開 開発以外の領域(企画・品証)に拡充 コミュニティ活動(イベント・サイト運営) ガイド化 匠Method 仮説検証 (小規模・大規模) 開発環境を パッケージ化 アジャイルQA定義 2020年(標準化WG発足) 組織変革へTry! チーム同士が相互に助 け合う組織へ コミュニティ 運営 今はこの辺(まだ道半ば) Step2 Step 3 2023/9/15 Step 4

27.

アジェンダ • はじめに~アジャイル開発とは • 当社の紹介 • 設計システム技術センターの事例 • 組織へのアジャイル開発導入の考え方 • まとめと今後の展望 2023/9/15

28.

まとめ • 当社のアジャイル開発導入はまだまだ遅れている。 • 自分の位置を確認し、どのような組織を目指したいかを問いか けるアジャイル浸透度モデルを定義。 • 取り組み事例を紹介。 2023/9/15

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しごとの考え方・捉え方 特に重要なことは、互いの領域を尊重するという考え方。 従来の進め方 これからは 指示型 与えられた役務で専門性を発揮 タテのつながり 仕事の 仕事の 範囲 範囲 自身のタスクが終わればいい 余計な仕事が増える! 互いに仕事を押し付け合い 対立構造 仕事が楽しくない・・ 組織へのアジャイル開発導入の取組事例 2023/9/15 共創型 ゴールに向け枠を超えた連携 ヨコにひろがり、つながる 仕事の 範囲 Agileの 領域 仕事の 範囲 本質的な解決策を模索 互いにコミュニケーション Agileに進める ワンチーム 仕事を楽しむ♪

30.

今後の展望 • 個別になっている現場のアジャイル開発どうしをつなげる。 • 現場で事象発生→結果から知恵を獲得しアセット化→現場に公開 という循環を生み出す。 • 当社プロダクト開発全体の変革を目指す。 • アジャイルのマインドセットを醸成・組織に浸透。 2023/9/15