統合失調症と生命と心臓の話

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March 01, 22

スライド概要

統合失調症の生命予後と心臓についてYouTubeや講演で話すのに使用した資料です。レクチャーでの使用OKです。

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精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。

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関連スライド

各ページのテキスト
2.

統合失調症は あくまで精神障害 寿命には影響 ないんじゃ? 演者作成

3.

統合失調症は健常者に比べて 平均 寿命が 20%短い 20-25年短い 約 Hennekens et al., Am Heart J. 2005 PMID: 16338246 Jeste et al., Schizophrenia Bulletin, 2011 PMID: 21505111

4.

一般人口の 寿命は延びている 統合失調症でも?

5.

2000年から2014年までのプライマリーケアの電子健康記録を用いたコホー ト研究、双極性障害または統合失調症と一般集団を比較 統合失調症の死亡のHR 2004→2010は0.11/年 2010→2014は0.34/年 のペースで増加 統合失調症と一般人との死亡率の差は拡大 Hayes et al., Br J Psychiatry. 2017 PMCID: PMC5579328

6.

スウェーデンで1976~1995年の統合失調症での初回入院したデータと国 の死因登録簿とリンクして調査 統合失調症の 全死因の標準化死亡比は 調査期間中で 男性で1.7倍に、女性で1.3倍に 増加 Osby et al., BMJ. 2000 PMCID: PMC27463

7.

25カ国から集められた37件の論文をメタ解析 統合失調症の全死亡の 一般に対する SMR=標準化死亡比の中央値は2.58 統合失調症患者では主要な死因のほとんどが上昇 SMRは数十年で上昇 全死因の Saha et al, Arch Gen Psychiatry. 2007 PMID: 17909124

8.

多くの国で死亡率は 一般人口では低下し 統合失調症では変わらず 一般人口と統合失調症の 格差が広がったと考えられる 参考: 医学書院, 日本統合失調症学会 『統合失調症』 p.681

9.

死亡率 低下 統合失調症の 死亡率には変化がない 多くの国で年齢調整 は 一方で 一般人口と統合失調症患者の 格差が広がっていると考えられる 医学書院, 日本統合失調症学会 『統合失調症』 p.681

10.

統合失調症のみかた 治療のすすめかた 第2版準備中

11.

統合失調症の 死因は 自殺だけ? 演者作成

12.

メディケイドプログラムに登録された統合失調症患者の2001-2007年のコホート研究からのデータ Naturaldeaths Cardiovascular disease COPD Diabetesmellitus Influenzaand pneumonia Liverdisease Sepsis Renalfailure Othernatural deaths Unnaturaldeaths Observed Death SMR 55741 19381 4304 2969 1602 1391 1254 327 14875 9812 3.3(3.3-3.3) 3.6(3.5-3.6) 9.9(9.6-10.2) 4.2(4.0-4.3) 7.0(6.7-7.4) 2.0(1.9-2.1) 4.6(4.3-4.8) 3.6(3.2-4.0) 4.2(4.1-4.3) 3.1(3.0-3.2) Olfson et al., JAMA Psychiatry. 2015 PMID: 26509694

13.

統合失調症では 心血管疾患での 死亡率が最も高く 様々な死因での 死亡率が高い Olfson et al., JAMA Psychiatry. 2015 PMID: 26509694

14.

統合失調症の突然死 51例の剖検 心筋梗塞 52.9% 肺炎 11.8% 気道閉塞 7.8% 心筋炎 5.9% 出血性脳卒中 脳腫瘍 心膜血腫 肺塞栓 2.0% 2.0% 2.0% 2.0% Ifteni et al., Schizophr Res. 2014 PMID: 24704220

15.

抗精神病薬は 心臓死に 影響する? 演者作成

16.

治療を受けた統合失調症では、 心停止や心室性不整脈の発 生率が対照群よりも高かった Hennessy et al., BMJ. 2002 PMC131181 抗精神病薬には 心毒性がありうる 私見

17.

抗精神病薬と QT延長 薬のKチャンネル阻害で 心室の再分極時間が延長 心電図でQT延長 心筋細胞内の電位はマイナスに保たれており、NaイオンとCaイオンが流入す る脱分極により心筋の収縮が生じ、心筋細胞内をマイナス電位に戻すために 細胞内にため込んでいたカリウムイオンを細胞外に放出させている。再分極時 間≒次の収縮に向けた心筋の準備時間

18.

低カリウム血症で QT延長 細胞外のKが、Kチャンネルからの K流出を助けている 演者作成

19.

抗精神病薬の用量の多さが QT延長の強力な予測因子 Reilly et al., Lancet. 2000 PMID: 10744090 抗精神病薬の用量の増加で 心臓突然死のリスクが増加 Ray et al., N Engl J Med. 2009 PMC2713724

20.

抗精神病薬の 多量は特に 心臓突然死リスク に注意

21.

QTに対する抗精神病薬の作用 大きな作用: 静注薬すべて 推奨量の最大を超えた場 合はすべて モーズレイ処方ガイドライン第13版日本語版 p.100

22.

QTに対する抗精神病薬の作用 中等度の作用: クロルプロマジン ハロペリドール レボメプロマジン クエチアピン モーズレイ処方ガイドライン第13版日本語版 p.100

23.

QTに対する抗精神病薬の作用 わずかな作用: アリピプラゾール、アセナ ピン、クロザピン、オランザ ピン、パリペリドン、リスペ リドン、スルピリド モーズレイ処方ガイドライン第13版日本語版 p.100

24.

QTに対する抗精神病薬の作用 作用なし: ブレクスピプラゾール ルラシドン モーズレイ処方ガイドライン第13版日本語版 p.100

25.

QT延長のリスク 非定型抗精神病薬は いずれも 有意な差がなかった Chung & Chua, J Psychopharmacol. 2011 PMID: 20826552

26.

統合失調症の治療中は 定期的な心電図が 望ましい 私見