【行動分析学会・自主シンポジウム7】③社会福祉法人コロロ学舎 森下

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August 27, 26

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2026年8月28日 日本行動分析学会 第44回年次大会 自主シンポジウム7 福祉施設における豊富な日常活動を行動分析から読み解く 話題提供 強度行動障害を伴う自閉スペクトラム症者の 社会活動参加を目指した日常活動の構築 社会福祉法人コロロ学舎 芝崎 悦子 森下 直 1

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コロロメソッドとは  コロロ学舎初代理事長 石井聖が、自らの療育実践の中で 開発・体系化した自閉スペクトラム症児者を対象とする療 育プログラム。1983年にコロロ発達療育センターを設立。  主として自閉スペクトラム症児者を対象に「療育を通して、 社会で生きる力を育てること」を目的として、社会生活への 適応、言語理解力、コミュニケーションの発達を目標とした 支援を行っている。  集団活動を基本的な支援場面としながら、一人ひとりの発 達特性や適応上の課題に応じて、集団の中で個別の支援 を行う集団療育を特徴とする。 2

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コロロの理念  誰一人として排除しない 「対応困難の度合いの大きい人から優先的に受け入れる その場にいるみんなで生きていくことがノーマライゼーションにつながる ・みんなは一人のために、1人はみんなのために 「人は集団の中でいきていくもの」一人のために皆が協力してよい集団を作る、 集団がよく機能するよう一人ひとり が譲り合う ・療育とは科学であり技術であり生活文化である 「科学的に裏付けられた理論とと技術無くしてはよい療育はありえない」 療育を生活に溶かし込んでいくことで生活の質が高められる。 ・療育の主体者は親である。 「コロロメソッドは、在宅支援プログラムでもある」 親が、主体的に療育に携わることが地域で暮らすことに繋がる。 3

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コロログループ事業概要 ㈱コロロ発達療育センター(1983年設立) 社会福祉法人コロロ学舎(1999年設立) 瑞学園 (東京都西多摩郡瑞穂町) ・生活介護・共同生活援助 ・施設入所支援 ・短期入所【併設型】 五乃神学園 ■通所訓練事業部 東京(杉並・国分寺) 横浜 神戸 松山 熊本 沖縄 (東京都羽村市) ・生活介護・共同生活援助 ・施設入所支援 ・短期入所【併設型】 ・放課後等デイサービス ころろ子ども探検隊 (東京都国分寺市) ・遠足幼稚園 社会福祉法人コロロ学舎 加古川(2018年設立) 加古川遊館 (兵庫県加古川市志方町) ・生活介護 ・共同生活援助 ・施設入所支援 ・短期入所【併設型】 ・放課後等デイサービス 出版事業(療育関係書籍・学習教材) 療育講演会 実践研究 スーパーバイザー派遣

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社会福祉法人コロロ学舎 みずき がくえん 瑞学園 1999年~ ごのかみ がくえん 五乃神学園 2013年~ 入所40名 生活介護26名 短期入所5枠 入所60名 生活介護70名 短期入所8枠 共同生活援助 ころろ子ども探検隊 放課後等 デイサービス

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コロロ学舎 入所・生活介護利用者の現状① (支援区分)  瑞学園(130名)  五乃神学園(66名) 区分3 0% 区分3 3% 区分4 12% 区分6 49% 区分5 36% 区分4 17% 区分6 43% 区分5 40% 6

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コロロ学舎 入所・生活介護利用者の現状② (年齢)  瑞学園(130名) 60歳~ 4% 50~59歳 15% 40~49歳 40% ~19歳 2% 20~29歳 14%  五乃神学園(66名) ~19歳 3% 50~59歳 2% 40~49歳 18% 20~29歳 18% 30~39歳 25% 平均年齢 49歳 30~39歳 59% 平均年齢 33歳 7

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コロロ学舎 入所・生活介護利用者の現状③ (重度障害者支援加算)  瑞学園(80名) ※生活介護50名分 は準備中  五乃神学園(66名) なし 29% なし 30% あり 70% あり 71% 8

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コロロ学舎 入所・生活介護利用者の現状④ (行動障害の例) ・自傷(皮膚を搔き壊し流血、床や壁に頭突きし流血、手腕を噛む、抜毛) ・他害(噛みつき流血、掴みかかり、爪立て大アザ、突き飛ばし、大声暴言) ・物損(椅子を投げる、壁に穴をあける、モニターを割る、服や寝具を破く) ・パニック(叫び続ける、他害・物損・自傷を伴う) ・多動(座れない、走り回る、動き回る、脱走) ・行動停止(立てない、移動できない、食行動や排泄中に動きが止まる) ・こだわり(多飲水、非常ベルを押す、見たい看板があり九州へ一人で行く) ・不潔行為(トイレ以外での排泄、弄便、便器に足を入れる、床を舐める) ・食行動(食事を払う、盗飲盗食、反芻嘔吐、拒食、タバコや虫の異食) ・突発的行動(飛び出して1km走る、冷蔵庫に走る) 9

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発達観に基づく生涯療育  日常生活、日中活動は適応行動獲得の学習環境。  生活や活動が、適応行動の良い連鎖となるよう行動をプロ グラムすることで行動障害の頻度を減らしていく。  行動障害低減の結果として、個々の利用者の好みに応じ た施設外活動(外食・旅行・登山)や社会活動(地域交流・ボ ランティア)への参加が可能となり、活動の場を広げること ができる。 10

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行動障害の要因 ASD者の特性によるもの ・感覚過敏(音や接触を不快に感じやすい) 例:職員が手に触れる 爪立て、噛みつき 例:車が横を通る走行音 耳ふさぎ、しゃがみ込み、走り出し ・行動と環境のマッチング、こだわり化 (同じ環境が再現されることで繰り返されやすい) 例:車から降りるときに服を破く 例:時計を凝視して12:00になった瞬間に放尿 支援方法の問題 ・支援者の接触、言動が多い ・ASD者にとって目標行動(何をすべきか)がわかりにくい 11

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コロロメソッドによる集団療育 特徴 ・集団の作用「つられ動き」の活用 ・集団の中で利用者個々の療育的ニーズを満たす ダイナミックリズム (DR) 支援現場での実践例 集団歩行 着席・ 集会 着席・集会 12

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主な支援プログラム ダイナミックリズム(DR)・・・集団運動療法 映像 13

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主な支援プログラム 着席・集会 映像 14

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主な支援プログラム 集団歩行 映像 15

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集団支援のポイント ① 視覚的にわかりやすい支援環境の設定 ② 行動観察、原因分析による問題行動の予防的対応 ③ 柔軟なプログラム変更 ④ 活動の合間(つなぎ時間)に、課題設定 16

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コロロメソッドを初めて受けた方の適応事例 Aさん 五乃神学園の短期入所を初めて利用 当時25歳 男性 障害者区分6 自閉スペクトラム症 知的障害 強度行動障害判定表の点数 満24点中18点  二語文での要求ややり取り(「〇〇ほしい」「〇〇しません」)が可能。  思い通りにならないことがあると、興奮状態となり、大声や壁叩き、周囲の 人への他害といった行動障害が起こることがあった。  特別支援学校の高等部を卒業後、日中生活介護に通所していたが、コロナ禍 により、家族と家で過ごす時間が増えたことで関係が悪化し、家族を骨折さ せてしまったり、壁に穴を開けてしまったりするなど、行動障害が激化した。  相談支援員の勧めで精神病院へ入院したが、相部屋のため両手拘束の対応 がされていた(8ヶ月間)。  退院後、家庭に戻ると問題が再燃する恐れから、当法人の短期入所に受け入 れの相談があり、短期入所を約12ヶ月間に渡って利用した。 17

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期間 Aさんにとっての刺激 Aさんの行動・状態の変化 声かけによる促しが基本の環境。 ①短期入所 家庭環境(家族、家具、会話……) 受け入れ前 コロナ禍で家庭で過ごす時間が増える。 の本人状態 その後、精神病院に8ヶ月間、両手拘束で服薬調 (家庭) 整の入院。退院後1週間ほどで行動が再び激化。 1日に頻回の緊張状態(常に険しい目つき、要求語を 繰り返す状態「○○行く」「○○する」) ↳要求が通らないと大声を出す、危害が出るほど家族 や壁を叩く。 視覚的な提示が基本の環境。 本入所の利用者と20名程度の集団で生活する。 ②短期入所 日中活動や食事、入浴などを提示するときには、 職員は他の利用者に促しをして、集団をモデルと 初日 ~1ヶ月目 した動きを作って、その流れにAさんも入る。 週に5回程度の緊張状態(要求語を繰り返す状態) 他害行為に至る前、興奮状態になりそうなタイミング で、集団運動療法『ダイナミックリズム』を始めると、 会話から活動に意識が移り、活動に集中できる。 映像 職員同士が近くで会話をする(職員の不適切な行 大声を出し、近くにいた他の利用者を叩く。 動)。 週に0~1回程度の緊張状態(険しい目つき) ③短期入所 本入所の利用者と20名程度の集団で生活する。 穏やかな表情、笑顔が毎日見られる。 2ヶ月目 引き続き集団モデルを活用して、次の行動を提示 周囲に人がいることが当たり前になり、他者の存在に ~6ヶ月目 する。 対して過敏で無くなる。 大声や他害行為は無い。 ④短期入所 集団の中で過ごしつつ、適宜、職員からAさんに 6ヶ月目 直接的な声掛けがある。 ~12ヶ月目 職員からの言葉掛けに対して、柔和に応じられた。 最初期にあったような他者・言葉への過剰反応は見ら 18 れない。

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日課例(毎日の療育活動) 起床、着替え、洗面 朝食 歯磨き、服薬、健康チェック、身支度(身だしなみのチェック) ★午前活動開始 ダイナミックリズム(1時間) 集会(20分) 集団歩行(1〜1.5時間) その他、洗濯作業(たたみ・仕分け) 園内清掃 等 12:00 昼食・昼休憩 余暇活動 13:30 ★午後活動開始 ダイナミックリズム(1時間) 集会(20分) 集団歩行(1〜1.5時間) 学習 作業 屋外清掃 園芸活動 クラブ活動(マラソン・クッキング・アート・茶道)等 16:00 ティータイム 17:00 入浴 または、余暇活動 18:00 夕食 19:00 歯磨き・服薬・健康チェック 入浴 または、余暇活動 21:00 就寝 ★起床から就寝の間を、20名弱の集団で過ごす 7:00 8:00 8:30 9:00 19

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集団療育による結果 【集団支援による行動改善例】 ① 生活リズムが整い、睡眠が安定。 ② 多動、突発的行動が減少。 ③ 着席が持続。作業や机上学習に取り組めるようになった。 ④ 自傷、他害、物損等の行動障害が減少。 ⑤ 常に集団で行動することで、誤行動の獲得機会が減少。 Aさんに限らず、今までに、ほぼすべての利用者がこの経過を 辿った。 20

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日常活動から得られるスキル① 集団歩行で得られるスキルの例 ・コンパクトな列になって歩く 駅のホームなど人が多い場所でも移動できる ・列の動きに合わせて動く 信号待ちや車の往来の間、止まれる ・花瓶、水道、非常ベル、ボタン、食べ物、飲み物、コンビニ など、様々な刺激となる物や場所の近くを日常的に集団で通 過する 走り出しや物損などの衝動性の軽減 21

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日常活動から得られるスキル② ダイナミックリズムで得られるスキルの例 ・一斉に周りと行動をする 避難訓練などイレギュラーな状況への対応 ・体の動きの模倣力の向上 清掃やスポーツなどの動作の学習・獲得 ・誰とでも手を繋げられる 感覚過敏の軽減 22

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日常活動から得られるスキル③ 集会で得られるスキルの例 ・並んで座る ・着席姿勢の持続 プリントやカードを用いた机上学習が持続できる 新幹線や飛行機を利用できる 飲食店を利用することができ、他の方が食べ終えるまで待 てる ・一点を続けて見る、注視力の向上 プリントやカードに集中できる テレビを落ち着いて見られる 支援者の促しに注目できる 23

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日常の集団療育によるスキルの獲得 集団療育 獲得されるスキル 社会参加 集団歩行 駅ホームで並ぶ 並ぶ・歩調を合わせて歩く・移動・止 飛行機への搭乗 まる 観光・登山 ダイナミックリ ズム 買い物 運動会 清掃 集団の動きに合わせる・模倣・手を 町内活動(盆踊り・お祭り) つなぐ 避難訓練 集会 着席・注視する・待つ・模倣 空港で待機・外食・作業 ホテルでの

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日常の集団療育の積み重ねが社会参加を支えている 集団療育 集団歩行・ダイナミックリズム・集会 獲得されるスキル 並ぶ 見る 止まる 並んで歩く 並んで座る 動作模倣 手をつなぐ スタンバイ 獲得されたスキルによって社会参加が実現 旅行会 外食会 運動会 地域交流 清掃ボランティア