Logics of Blue
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奥村 泰之
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日本行動分析学会第44回年次大会 自主シンポジウム7 福祉施設における豊富な日常活動を行動分析から読み解く 自閉スペクトラム症の方への、 入所・通所施設における支援から 2026年8月28日 社会福祉法人嬉泉 沼倉 実 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
社会福祉法人 嬉泉の紹介 ■ 昭和41年の設立以来、発達障害児・者、特に自閉症の人た ちへの支援の取り組みを展開。創設の中心となる前常務理事の 石井哲夫(故人)の「受容的交流の考え」に基づく援助活動で、 利用者のケアに心理的な理解を基本として位置づけた実践を積 み重ねている。 ■現在、世田谷・板橋・清瀬・大田・千葉県袖ケ浦に、入・通 所(成人、児童)、相談支援、療育、保育など26事業を行っ ている。 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
受容的交流の支援とは 利用者の表面に現れる問題となる態度や行動を見て、一方 的に排除したり否定したりせずに、その奥にあるその人の心 の動き、(行動や態度の元になっていること「どうしてその 人はそうせざるを得なかったのか」ということ)を考え、ま ずは受け入れ共感し、理解することから始める。 相手への好意を持ち続け「人間的な触れ合い、交流」を積極 的に展開していくことで、その大切さを根気よく理解しても らうことや、周囲の状況や人との関わり、自我の働きを育ん でいくことを目指している。 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
相手の立場に立った心理的な理解を重視し、人間関係の 関わりを通して、本人の主体性の発揮を促し、安定した 生活や行動の獲得と社会参加を目指す。 同時に、支援者の成長、技術の獲得を目指す。 ⇒利用者の自己実現に向けた援助 ⇒支援者の成長 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
◇療育支援のねらい ①人への安心感をもつ ②人に対応する力を育む ③自発性、主体性を発揮する ④自己統制力を育む COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
袖ケ浦の事業所 児童発達支援センター 嬉泉福祉交流 センター袖ケ浦 作業棟 袖ケ浦ひかりの学園 (成人入所) *敷地外に 袖ケ浦市の生活介護と就労B事業所 グループホーム 袖ケ浦のびろ学園 (児童入所) COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
袖ケ浦ひかりの学園について *1984年に自閉症支援施設として千葉県袖ケ浦市に開設。 現在の定員 入所 53名 生活介護 60名 短期入所 10名 日中一時支援 *入所利用者の状況 <支援区分> 区分 6(最重度) 5(重度) 4(中度) 3(軽度) 合計 男子 27 16 5 0 48 女子 6 7 0 0 13 合計 33 23 5 0 61 % 54 38 8 0 100% COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
*入所利用者の状況 <強度行動障害> 行動関連項目(全12項目) コミュニケーション(日常生活の意思疎通) 説明の理解(言葉や指示の理解度) 大声・奇声を出す 移動遊走・多動・行動停止 不安定な行動 自らを傷つける行為(自傷) 他人を傷つける行為(他害) ものの破損(物を壊す) 不潔な行為(排泄物の不適切な扱いなど) 異食(食べられないものを口に入れる) こだわり(同一保持・激しい固執) 睡眠の乱れ(夜間不眠など) 点数 18点以上 10点以上 10点以下 人数 13 27 13 割合 24.50% 50.10% 24.50% 合計 53 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
日課表 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
今回インタビューで協力 してくれた、Yさんの部屋 袖ケ浦ひかりの学園の居室棟
Yさんの 40年来の お気に入り グッズ
プラスチック部品からシール をはがして分別する作業
電線を剥いて、 銅線と分別
作業ブース
コイルから銅線を 引っ張り出す
機械部品の分解・分別
電動でコイルを引っ張 り出す自助具 居住棟に設定された、 静かな作業場
利用者にみられる特徴 ①コミュニケーションに関わる困難性 ②対人状況及び集団状況への不適応など ③言葉の発達の遅れ ④アンバランスな感覚、感覚の過敏、鈍感 ⑤知覚など物の感じ方や見方に特徴がある。 ⑥活動や興味の範囲が狭い(常同行動) ⑦変化に対する不安や抵抗(こだわり) 自分の中の見通しや感覚と違うことに大きな違和感を感じる ⑧過去の体験をもとに動きやすい (フラッシュバックもあり) 等 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
障害特性からくる生活上の困難さ ・困った時に人に助けを求められない。 ・人の話が聞けない、分からない、自分でうまく話せない。 ・他人からの叱責を受けやすい『できなさ』を指摘され続けてきた。 『出来ていること』が評価されにくい。 →極端に低い自己評価、歪んだ自己認知 ・気になること、不安になることが多い。 ・本人の困惑や苦労を分かってもらえない。 →過剰なストレスを重ねやすい。 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
ベースとなる支援の考え方(個別的な理解と対応) ■安心して過ごせる生活の保障 *刺激への過敏さ、状況への混乱、こだわり等のことから起因する不安定さに対し ↓ 環境的に工夫して、刺激に混乱することが少 なく、分かりやすい状況を作ることで、関わりを持ちやすく するための刺激の制限 ■安心できる人間関係の形成 *人への認識を変える。 →信頼、依存、人との安らぎ *気持ちの整理を手伝い、支えるような関係 →本人の刺激との間の調整役 ■自発的に行える活動の保障 *行動障害に結びつきやすい状態の解消 ・生活に見通しが持てない。 ・能力に見合った活動ができないことで能動性が阻害される。 ・現実感のない自己の感覚的な過ごし方。 ・過去の失敗体験から等から人への働き掛けや状況への自己防衛が強く、対応に不安を強く感じたり、 緊張・興奮。 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
■安心して過ごせる生活の保障の例 ・日常的な居場所の保障・・・個室、ソファ、椅子、パーティション内 等 ・活動場所の保障・・・作業の環境の設定(作業棟、個室、別室 等) ・スケジュールの明示、個別に必要な情報・・・掲示、集会、個別の説明や対応、一定 した日課 等 ・関わる人の限定(必要に応じて) COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
■安心できる人間関係の形成の例 ・関わる人の限定(必要に応じて) ・日常的な会話の工夫 ・相手の立場に立った共感、代弁、説明の工夫(特に行動障害の状態のとき) ・遊びや楽しみを通したかかわり COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
■自発的に行える活動の保障の例 ・作業活動の工夫 ・相手の立場に立った共感、代弁、説明の工夫(活動の選択、余暇など 意思決定) ・遊びや楽しみ、外出、外食、行事 COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.
支 援 者 に よ る 現 実 と の 橋 渡 し 彼 ・見通しが持てる状況 ら ・安心して穏やかに過ごせる環境 の ・楽しい生活 感 じ ・頼れる人物の存在(不安・不満・心配の解消) る ・気持ちが向けられる活動や遊び ・手応えのある仕事 相互作用で生活の安定 ストレス、トラウマ、コミュニケーション不全、 こだわり、行動障害 等々特性による生きにくさの軽減がみられる COPYRIGHT © KISEN. All rights reserved.